
穏やかな国民性から「微笑みの国」とも呼ばれるタイ王国(通称:タイ)に対して、多くの外国人観光客に人気の高い観光立国のイメージを持つ方が多いのではないでしょうか?
しかし近年急速な経済成長を遂げたタイは東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の中でも強い発言力を持つ東南アジア屈指の経済大国に成長しつつあります。
近代化が推し進められる首都バンコクを中心にインターネット環境も整備され、タイ証券取引委員会の認可を受けた仮想通貨取引所も5社存在し、東南アジア経済の中心地になりつつあると言えるでしょう。
では、のんびりとした南国リゾートと東南アジア経済を牽引する2つの顔を持つタイの仮想通貨取引所BX Thailand(Bx.in.th)を見ていきましょう。
タイ取引所BXTHAilandのwiki的基本情報
仮想通貨取引所名 | BXTHAiland(bx.in.th) |
独自トークン有無 | - |
設立日 | 2013年6月 |
運営会社 | Bitcoin Company Limited |
取引所がある国 | タイ |
取引所ホームページ | bx.in.th |
日本語対応 | - |
日本人対応 | 〇 |
アプリ対応 | 〇 |
信用取引 | - |
取扱銘柄数 | 27種類 |
公式ニュース(ブログ) | articles |
公式Twitter | @BitcoinThai |
@bitcointhai | |
Reddit(提示版) | - |
YouTube | Bitcoin Co. Thailand |
TelegramID | - |
タイ取引所BXTHAilandとは/概要
※上記の動画はBX.in.thが2016年に実施したビットコインコンテストの動画です。歌手はなんと日本人です。)
BX Thailandはタイ国内初の仮想通貨取引所として2013年6月Bitcoin Co., Ltd.として設立したものの、仮想通貨関連の法整備が整うまで取引を行わないようタイ中央銀行(Bank of Thailand:通称BoT)から通達を受け取引を停止します。
しかし同年8月にはビットコインのマイニング事業を開始し法関連ガイダンスの整備を待った結果、12月にBoTからの承認を受け2014年1月に「Bitcoin.in.th」のブランド名で本格的なプラットフォーム開発とベータ版のリリースを行います。
2014年6月にはブランド名「BX.in.th」を追加採用し、
- ビットコイン
- イーサリアム
- ライトコイン
- リップル
を取扱う仮想通貨取引所として正式稼働を開始します。
2015年7月にはマーチャントサービス「CoinPay」との取扱いを開始し多くのICOトークン取引を提供しまが、「BX.in.th」の取引量急増によって2017年9月に「Bitcoin.co.th」「CoinPay」のサービス提供を中止し現在はブランド名である「BX.in.th」として運営されています。
タイは日本同様仮想通貨取扱い事業所を許認可制としていますが、2018年8月にタイ証券取引委員会が公表したタイ国内で運営する7社の仮想通貨取扱い事業所の中にBX.in.th(BX Thailand)も含まれています。
タイ取引所BXTHAilandの基軸通貨一覧
BTC | THB(タイバーツ) |
タイ取引所BXTHAilandの上場通貨一覧
Augur | Bitcoin | Bitcoin Cash | Bitcoin SV |
Cryptonite | Dash | Dogecoin | EOS |
Ethereum | Everex | Feathercoin | Gnosis |
HyperStake | Litecoin | Namecoin | OmiseGO |
Pandacoin | PayCoin | Peercoin | Power Ledger |
Primecoin | XRP | Zcash | Zcoin |
ZMINE |
タイ取引所BXTHAilandの特徴
のんびりとした南国リゾートのイメージが強いタイですが、急速な経済成長と主に支払方法が現金決済からクレジットカードをはじめとする電子決済に大きく転換しつつあり、仮想通貨取引も積極的に行われています。
BX Thailandの取引高
タイ国内の老舗取引所であるBX Thailandは仮想通貨時価総額・仮想通貨取引所の取引高ランキング公開サイト「CoinMarketCap」で第100位前後にランクインし、タイ国内最大規模の仮想通貨取引所として運営されています。
2019年2月1日現在のBX Thailandの取引高は以下のとおりです。
- 過去30日間:4,998,996,768円
- 過去7日間:903,907,551円
- 24時間以内:175,533,185円
BX Thailandの取扱う通貨銘柄数や基軸通貨
タイの国内法によってタイ国内で行う法定通貨と仮想通貨との取引はタイの通貨であるThai Baht(タイバーツ・THB)によって行われます。
BX Thailandで行える法定通貨THBとの現物取引は15銘柄で行え、BTCとの現物取引は12銘柄で合計27の通貨ペアを取扱っています。
BX Thailand内で取引に使用できる法定通貨はTHB、仮想通貨はBTCで出金はTHBのみで行えるので基軸通貨はTHBとなります。
BX Thailandのセキュリティや対応言語
セキュリティ面ではGoogle Authenticatorを利用した2段階承認が採用され、安全性は高いと言えるでしょう。
公式サイトの対応言語はタイ語と英語のみとなっていますが、仮想通貨取引に用いる英語はブラウザの自動翻訳機能で十分対応できるレベルですので、日本語対応を行っていないことは問題にならないと言えるでしょう。
BX Thailandの指定口座や出金可能な銀行
次に挙げるタイ国内の銀行がBX Thailandの指定口座となっています。
- Kasikorn Bank(カシコン銀行)
- Krung Thai Bank(クルンタイ銀行)
またBX Thailandからの出金が可能な銀行もタイ国内の次の銀行となっています。
- Kasikorn Bank(カシコン銀行)
- Krung Thai Bank(クルンタイ銀行)
- Bangkok Bank(バンコク銀行)
- Siam Commercial Bank(サイアム商業銀行)
- TMB Bank(TMB銀行)
- Bank of Ayudhya(アユタヤ銀行)
- Thanachart Bank(タナチャート銀行)
- United Overseas Bank(ユナイテッドオーバーシーズ銀行)
- Government Savings Bank(ガバメントゼービング銀行)
タイ取引所BXTHAilandの手数料一覧
タイ国内では仮想通貨の現金化はTHBのみの交換が国内法で許可されており、THB以外の法定通貨への交換や現金化は禁止されています。
このような背景からBX Thailandでの法定通貨出入金はTHBでしか行えませんが、日本国内の取引所同様に仮想通貨の送受金は行うことができます。
法定通貨出入金や仮想通貨送受金の際に発生する手数料は次に挙げるとおりです。
タイ取引所BXTHAilandの入出金手数料
通貨 | 入金手数料 | 出金手数料 |
THB | 無料 | 20THB+10,000THBあたり10THB |
タイ取引所BXTHAilandの送受金手数料
BX Thailandを利用した受金は基本的には無料ですが、通貨銘柄ZECに関しては0.05 ZECの最低入金額が設定されており、入金額が最低入金額を下回る場合は0.0005ZECの入金手数料が発生します。
また送金手数料は次に挙げるように通貨銘柄ごとに異なります。
送金手数料 | |
BTC | 0.0005BTC |
ETH | 0.005ETH |
BCH | 0.0001BCH |
BSV | 0.0001BSV |
DAS | 0.005DAS |
DOG | 5.0DOG |
EOS | 0.0001 EOS |
EVX | 0.01EVX |
FTC | 0.01FTC |
GNO | 0.01GNO |
GUSD | 0.1GUSD |
HYP | 0.01HYP |
LTC | 0.005LTC |
NMC | 0.01NMC |
OMG | 0.2OMG |
PND | 2.0PND |
POW | 0.01POW |
PPC | 0.01POW |
REP | 0.01REP |
XCN | 0.01XCN |
XPM | 0.02XPM |
XPY | 0.005XPY |
XRP | 0.01XRP |
XZC | 0.005XZC |
ZEC | 0.005XZC |
ZMN | 0.01ZMN |
タイ取引所BXTHAilandの取引手数料
尚取引手数料に関しては取引の際には1取引あたり0.25%(取引ペアの主通貨)が発生し、多くの取引ではBTCで請求されます
通貨 | 入金手数料 | 出金手数料 |
THB | 無料 | 20THB+10,000THBあたり10THB |
タイ取引所BXTHAilandを利用するメリット
国内の仮想通貨取引所と比較すると、BX Thailandは取扱い通貨銘柄が豊富であると言えるでしょう。
また年々増加する海外移住の候補地として人気の高いタイで最大の取引所として運営されていることから、タイへの移住を計画している方にとってBX Thailandは魅力的な存在だと言えるでしょう。
ロングステイヤーに人気のリタイアメントビザでは働くことができませんので、BX Thailandでの仮想通貨取引で資産運用を行い滞在費用を捻出することが理想的ではないかと考えられます。
BX Thailandの利用にはタイ国内の銀行で口座解説を行う必要がありますが、リタイアメントビザ取得条件としてビザ申請時にタイ国内の銀行口座に800,000THB以上の預金が必要となるため、ビザ申請用口座とBX Thailandへの登録口座を1つで賄えば資産管理が簡単に行えます。
タイ取引所BXTHAilandを利用するデメリット
BX Thailandをはじめとするタイ国内の仮想通貨取引所では、取引所内の仮想通貨をTHBに交換することしか許可されていません。
経済成長著しいタイですが未だ先進国と呼べる訳ではなく、資産を主要通貨ではないTHBに交換することに抵抗を感じる方もいるかも知れません。
またタイ国内に銀行口座を開設する際に、ビジネスビザ等の提出を求められるケースもあり口座開設のハードルが低くない点もBX Thailandの利用を検討する際の障壁になるのではないかと考えられます。
タイ取引所BXTHAilandを他の取引所と比較
では、タイ国内最大の仮想通貨取引所であるBXTHAilandを、国内取引所と比較してみましょう。
まず、ビットフライヤーはBTC取引に特化した取引所として、過去にBTC取引量日本最大を記録した事績を持つ仮想通貨取引所です。
BTC取引所として設立されたBX Thailandと非常に良く似たバックボーンを持っており、BTC以外にもETH・MONA・LTC・BCH・ETC・LSKなどのアルトコインを取扱っている点も共通点だと言えます。
しかし現在bitFlyerの取扱い通貨銘柄は上記の7銘柄得であることから、27銘柄の取扱いを行うBX Thailandほどの魅力があるとは言い難いでしょう。
また、全16種類の通貨銘柄を取扱い日本三大取引所の1つとして非常に多くの取引高を誇っていたZaifは約67億円が流失した2018年9月のハッキング事件の影響で現在サービスを停止しています。
FISCOに買収され再建に向け取り組んでいますので、再建のあかつきには再び多くの通貨銘柄を取引できることが期待できます。
しかし、やはりBX Thailandと比較すると10銘柄以上も取扱い銘柄が少ない点は物足りなさを感じざるを得ないと言えるでしょう。
Zaifを買収したFISCOは有名銘柄BTC・BCH・MONA以外にオリジナルトークンFSCCをはじめCICC・NCXCの取引が行える取引所として国内取引所の中では独特な立ち位置にあると言えます。
Zaifを買収したしたことで今後新たな通貨銘柄の取扱いが行われることも期待できますが、現状では取扱い銘柄のバラエティの豊富さでBX Thailandに軍配が上がると言えるでしょう。
タイ取引所BXTHAilandの登録方法
BX Thailandへの登録は、BX Thailand公式サイトトップページの右上言語選択ボックスの下にある「Register」をクリックし以下の流れで行えます。
- 公式サイトトップページの「Register(自動翻訳を使用すると登録)」をクリックします。
- アルファベットで氏名・メールアドレス・ログインID(ユーザーネーム)を入力し下部の2ヶ所にチェックを入れ「Register(登録)」をクリックします。
- 登録アドレスにBX Thailandからパスワードと入力したログインIDが届くので確認します。
- 公式サイトトップページの「Sign In(自動翻訳を使用するとサインイン)」をクリックしログインIDとパスワードを入力し2Factor(2/段階認証)は未入力でサインインします。
- 氏名・住所・郵便番号・電話番号・生年月日・パスポートナンバー・国籍の12項目を入力し、パスポートの個人情報欄の写真1枚と大きく「BX.in.th」と書いた紙とパスポートを写し込んだ顔写真(セルフィー可)1枚の合計2枚の写真を添付して送信します。
- 登録アドレスに登録完了メールが届けばBX Thailandへの登録が完了します。サインインして「My Account」の中で仮パスワードを新たなパスワードに変更すればBX Thailandで取引を行えます。
タイ取引所BXTHAilandで購入できるおすすめコイン3選
海外の仮想通貨取引所を利用するメリットとして、国内の取引所では取扱いがない通貨銘柄の取引が行えることが挙げられます。
BX Thailand取扱い銘柄27銘柄の中で日本国内での取扱いはないものの取引高の多い銘柄3つを紹介します。
Power Ledger(POW)
2019年2月1日現在、BX Thailand内で5番目に取引高が多い銘柄がPower Ledgerです。
Power Ledgerは電力企業の仲介なしでソーラーパネルで発電した電力を利用者と直接取引できるエネルギー路トレードプラットフォームとして公開されています。
Everex (EVX)
BX Thailand内で6番目に取引高が多い銘柄がEverexです。
Ethereumのプラットフォームを利用しあらゆる通貨の譲渡や借入などの取引が行えるシステムで、ICOやベンチャーキャピタルから多額の資金調達を行った注目度の高い銘柄と言われています。
OmiseGO(OMG)
BX Thailand内で7番目に取引高が多い銘柄がOmiseGOです。
タイを拠点に東南アジアの決済システムのオンライン化を目的に開発されたシステムです。
開発は日本人が行いタイ金融庁やマクドナルド、タイ国内通信キャリア2社で採用されたことから高い評価を得ている通貨銘柄だと言えるでしょう。
タイ取引所BXTHAilandのまとめ
タイ証券取引委員会の承認を受けた仮想通貨取引所が5社しか存在しないタイは、日本と比べると仮想通貨取引の普及が進んでいない状況だと言えるでしょう。
しかしタイ在住外国人の間では仮想通貨取引が積極的に行われ、タイ人の間にも仮想通貨の存在が知られてきています。
タイで最も歴史のある仮想通貨取引所BX Thailandは信用の高い国内取引所としてタイ人の間で高く評価されていることから、今後取引高が成長していくことが予想され取扱い通貨銘柄も増加するのではないかと考えられます。
タイ国内に銀行口座開設が必要と言うハードルがあるものの、タイで南国リゾートを楽しみながら仮想通貨取引を行うのも魅力的ではないでしょうか。