仮想通貨は世界中に数多くあります。
その中でも特に有名なのがビットコインというのは誰しもが知るところではないでしょうか。
そんなビットコインも高い価値を持ってはいるもののシステム的には最初期の仮想通貨ということで多くの問題を抱えています。
そんな問題を解決するためにビットコインの後継となる仮想通貨がいくつか存在しているのです。
その中の一つに今回紹介するビットコインSVがあります。このビットコインSVについてその特徴や懸念点、評判や将来性について解説します。
これを読めばきっとビットコインSVについて知ることができるのではないでしょうか。
ビットコインSV(BTCSV/BSV)のwiki的基本情報
仮想通貨名 | Bitcoin SV(ビットコインSV) |
トークン名 | BTCSV又はBSV |
公開月 | 2018年11月15日 |
開発者 | クレイグライト氏 |
発行上限 | 21,000,000 BSV |
発行枚数 | 17,854,986 BSV |
公式HP | https://bitcoinsv.io/ |
ホワイトペーパー | - |
@BitcoinSVNode | |
- | |
- | |
TelegramID | - |
YouTube | - |
ビットコインSV(BTCSV/BSV)とは
ビットコインSVは、2018年11月にビットコインの後継的な仮想通貨の一つとして誕生しました。
これは、厳密にいうと、ビットコインキャッシュ(BCH)がハードフォーク(仕様変更)で分岐した内の1つということになります。
ビットコインSVの示すSVは「Satoshi Vision」ということからも分かるとおり、ビットコインの開発者であるとされるSatoshi Nakamotoの目標である「分散型の世界共通通貨の実現」を追求するというというコンセプトで運営が行われている仮想通貨です。
この目的の元、ビットコインや後継のビットコインキャッシュが抱える問題をシステム的な面で補完しようとしています。
ビットコインSVは、一言で言うと、ビットコインが持っている「スケーラビリティ問題」を解決することを目標とした仮想通貨なのです。
スケーラビリティ問題とは、ビットコインのブロックチェーンの容量(分散して管理されるデータベース)が仕組み的に限界があり、近い将来マイニングやそれに伴う送金処理に時間とコストがかかるようになり、仮想通貨のメリットである速い送金処理と低コストが行えなくなるという問題です。
古いシステムの上に世界最大の仮想通貨の流通という強烈な負荷がかかっているという状態ともいえます。
この状態を解決する方法として、新しい後継の仮想通貨を開発し処理速度を向上させることが必要です。
そして、ビットコインキャッシュという後継のコインが世に出され、更にそこから後継のコインがいくつか誕生し、そのうちの1つがビットコインSVなのです。
この後継者争いはハッシュ戦争と表現されるほど苛烈さを増しており、現在ビットコインABCとこのビットコインSVは激しい敵対的なブロック生成競争を開始しているのです。
分裂などによって仮想通貨自体の流通量が増えることで、仮想通貨市場全体の価値が下がっており、ビットコインやビットキャッシュといったビットコインの正当なコインはもちろんのこと、さまざまな仮想通貨の価値が下落している原因となっています。
ビットコインSV(BTCSV/BSV)の特徴
ビットコインSVの特徴は5つあります。
それは、ビットコインキャッシュの後継の一つ、クエーサーによるブロックサイズの拡大、ゼロ承認トランザクション、リプレイプロテクション、そしてクレイグ・ライト氏の存在です。
ビットコインキャッシュの後継の一つ
ビットコインキャッシュの後継の一つというのが大きな特徴です。
2代目ビットコインとも言えるビットコインキャッシュがハードフォーク(アップグレード)された際にビットコインABCを支援しているBitcoin.comが最初の新しいブロックをマイニングし、3代目のビットコインに名乗りを上げました。
これによりビットコインキャッシュのチェーンが2つに分かれたのです。
その後、ビットコインSVは新しい別のブロックをマイニングし、完全に3代目のビットコインの後継が分岐した形になっているのです。
ビットコインSVは、ビットコインの後継に名乗りを上げているという点で通常のアルトコインにはない特徴を持っていると言えます。
クエーサーによるブロックサイズの拡大
クエーサーによるブロックサイズの拡大ですが、簡単に言うとブロックサイズを大きくして処理速度を向上させた点です。
ビットコインキャッシュではブロックサイズが32MBになっていますが、ビットコインSVはブロックサイズを128MBに引き上げてよりたくさんのデータを記録できるようにしました。
ブロックサイズを大きくしたことで、一回に処理できる量を増やせば処理スピードは向上しました。
ちなみにクエーサーというのはビットコインSVのハードフォークの名前のことです。
ビットコインSVはブロックサイズの拡大によって、徐々に機能を向上させています。
ゼロ承認トランザクション
ゼロ承認トランザクションは取引情報の処理を行う前にまず送金を完了させ、その後に取引情報(トランザクション)の承認を行うという仕組みです。
乱暴な言い方をすると、送金記録を後回しにして先にお金だけ送る技術となります。
これにより非常に迅速な送金を行うことが可能になるのです。
リプレイプロテクション
リプレイプロテクションはセキュリティ技術です。
リプレイアタックという不正送金を防ぐもので、これによってビットコインキャッシュのセキュリティを更に高めます。
尚、このリプレイアタックというのは、ハードフォークの発生時を狙った不正送金のことです。
ハードフォークの発生した際にブロックチェーンAの取引してきた情報を別のブロックチェーンBに書き込むことで、送金者が意図していない送金を行わせることです。
これを行えば送金者が犯罪者へ意図しない送金を行わせることが可能となってしまいます。
このような不正を防ぐため取引情報をはっきり区別する技術のことがリプレイプロテクションなのです。
クレイグ・ライト氏の存在
最後がクレイグ・ライト氏の存在で、これもビットコインSVの大きな特徴といえます。
ライト氏は、ビットコインSVの開発者であり、2代目ビットコインとも言えるビットコインキャッシュの開発にかかわった人物の一人です。
このライト氏は話題に事欠かない人物で、ビットコインの開発者といわれているサトシ・ナカモトを自称したり、ビットコインのホワイトペーパー(ビットコインに関する重要な書類、ビットコインの計画書)の著作権を取得するなどさまざまな行動を行っています。
特に、サトシ・ナカモトを自称したことについては大変な問題となり、大手仮想通貨取引所のBinanceから警告を受けたり、ビットコインSV上場廃止処分を受けるといったダメージを負いました。
クレイグ・ライト氏という特徴的な開発者が前面に出ているというのもビットコインSVの特徴といえるのではないでしょうか。
ビットコインSV(BTCSV/BSV)の懸念点
ビットコインSVの懸念点は3つあります。
ハッシュ戦争の敗退、上場している取引所が少ない、中央集権的な性格があるといった点です。
ハッシュ戦争の敗退
ハッシュ戦争の敗退ですが、ビットコインキャッシュの後継をめぐってビットコインABCと「より長いブロックチェーン」を生成するという目的の元、激しい抗争が行われた結果、多くの支持者がいるビットコインABCの勝利となり、後継から外れました。
このビットコインの後継という大義名分を失ったという点が大きな懸念点といえます。
上場している取引所が少ない
上場している取引所が少ないのも懸念点です。
ライト氏の問題発言や問題行動が取引所から敬遠されており、上場廃止処分を受けて更にその流れが加速しています。
流通量こそ現在世界トップ10をなんとか維持していますが、今後は不透明です。
中央集権的な性格がある
中央集権的な性質も懸念点といえます。
そもそも仮想通貨の原点は非中央集権による管理なのですが、現在のビットコインSVはライト氏が前面に出た中央集権的な性質を持っています。
この体制を是正しない限り支持は集まりにくいと言えます。
このように、ビットコインSVにはまだまだ問題も多くあるのです。
ビットコインSV(BTCSV/BSV)の評判
ビットコインSVの評判はどうなのでしょうか。
その評判についてtwitter上のコメントを3つ紹介していきます。
ビットコインsvが急騰してる
93.34%上昇ってどんだけー#ビットコインsv pic.twitter.com/oCiWaL0lxf— ベジボーン (@christian71i) 2019年5月21日
価値が急騰しています。
「仮想通貨ビットコインSV上場廃止運動」広まる#ビットコインSVhttps://t.co/JaiUhzjQPA
— Tare's Agent Capital (@TACapital) 2019年4月13日
廃止しようという動きもあります。
それでも1日で倍近くなっている凄さ。
1週間だと3倍以上ですね。#ビットコインsv— かにたま@仮想通貨 (@kanitama7777777) 2019年5月30日
デマで急騰という価値の不安定さを持っています。
正当なビットコインの後継コインとは言い切れない点があり、その価値は上がったり下がったりを繰り返しています。
そしてその価値の急騰にあわせて為替差益を狙っている人が多くいるという印象が評判といえます。
ビットコインSV(BTCSV/BSV)の将来性
ビットコインSVの将来性は厳しいものがあります。
肝心の仮想通貨取引所からは上場を敬遠され、中央集権的な性質は支持を得られていません。
更にビットコインABCとの後継争いにも負けているため、存在意義が薄れてきているのです。
ただ、現在も価値が比較的保たれており、十分な流通量があることから、有力なアルトコインとして存在感を示すことができれば将来は開けるかもしれません。
ビットコインSV(BTCSV/BSV)のまとめ
ビットコインSVは、ビットコインキャッシュのハードフォークから生まれた新たな仮想通貨です。
しかし、ビットコインの後継争いに負け、上場廃止処分を受けるなど多難な仮想通貨でもあります。
それでも、流通量は現在もトップ10を維持しており、地力は十分にあるためアルトコインとして今後も存在していく可能性は否定できません。