仮想通貨と言えばビットコインやイーサリアムを思い浮かべる方が多いでしょう。
実際この二つの仮想通貨は、時価総額一位二位で、これまで仮想通貨業界をけん引してきた存在です。
しかし、この二種類の仮想通貨にも問題点があります。
その一つにスケーラビリティの問題があります。
実際に、仮想通貨ブームが起こった2017年末には、ビットコインを中心に送金遅延が多発しました。
このような問題が明るみに出たことで、このスケーラビリティの改善に取り組む流れが強まりました。
このような流れから生まれた仮想通貨の一つにHarmonyという通貨があります。
この通貨はスケーラビリティと分散化に優れたコンセンサスプラットフォームを実現させることを目的としており、これによって多くの人がこのHarmonyを利用できるようにという願いを込めて開発が進められています。
そこでここではこのHarmonyの特徴や懸念材料、評判や将来性などについて紹介していきます。
Harmony(ハーモニー/ONE)のwiki的基本情報
仮想通貨名 | Harmony(ハーモニー) |
トークン名 | ONE |
公開月 | 2019年6月1日 |
発行上限 | 12,600,000,000 ONE |
発行枚数 | 2,598,573,955 ONE |
公式HP | https://harmony.one/ |
ホワイトペーパー | https://harmony.one/pdf/whitepaper.pdf |
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TelegramID | Harmony Community |
YouTube | - |
Harmony(ハーモニー/ONE)とは
Harmonyは2019年6月1日に発行された、比較的新しい仮想通貨です。
発行総量は12,600,000,000 ONEとなっています。
このHarmonyはBinance Chainというバイナンスが管理するブロックチェーン上で作り出されたBEP-2トークンです。
発行される前段階の2019年5月27日にバイナンスからIEOが行われ、1ONE=0.003175 USDで売り出されました。
このHarmonyはスケーラビリティと分散化の両立を目標としたプラットフォームの開発を行っています。
まず、ビットコインやイーサリアムで問題となったスケーラビリティ問題を解決することでより実用性のある仮想通貨を目指しています。
また、スケーラビリティの問題を解決する際に他の仮想通貨ではブロックチェーンの特徴である分散化を軽視するような開発も多く見られますが、Harmonyではあくまでもスケーラビリティと分散化の両立を目標としています。
さらにHarmonyでは「100億人のためのオープンコンセンサス」を目指しています。
多くの方がブロックチェーンを気軽に利用することができるように、利用料金の面でも安さを求めて開発が進められている仮想通貨です。
Harmony(ハーモニー/ONE)の特徴
開発者チームが優秀
まず、Harmonyでは開発に携わっている人物が非常に優秀な人材ばかりであるという点を長所として挙げることができます。
アップルのSIRIの自然言語、Google Playの検索インフラ、アマゾンWebサービス開発者、アマゾンの機械学習専門家、コンピューターオリンピックの元王者、成功したVRスタートアップの創業者、ブルームバークジャーナリストなどがこのHarmonyの開発に携わっています。
優秀な研究者が関係しているということは当然魅力的なサービスが構築される可能性がより高いことを意味します。
それゆえに今後もよりプロジェクトの発展に期待ができると言えます。
パートナーも優良企業
Harmonyの特徴として、社内の開発者だけでなく、パートナー企業も優良であることが挙げられます。
パートナー企業としては以下のような企業が挙げられます。
Ankr Network(アンカーネットワーク)
Ankr Networkは、世界中で眠っているアイドル状態のパソコンの処理能力を世界中の企業や個人に活用してもらうようなサービスを提供しています。
HarmonyはAnkr Networkと組むことによって、分散型経済を発展させるための技術開発を共同で行っていく方針です。
NOIZ Chain(ノイズチェーン)
NOIZ Chainは、ブロックチェーンを活用したAI互換の分散型広告交換プラットフォームを提供しています。
HarmonyとNOIZ Chainが組むことによって、「スマートコントラクト(自動契約)」を利用して出版社との広告コントラクトの管理が簡単に行えるようになることが期待されます。
Chainlink(チェーンリンク)
Chainlinkは、クロスチェーンといって異なるブロックチェーンをつなげるためのサービスを開発しています。
Harmonyと連携することでオフチェーンでスマートコントラクトを活用することが可能になります。
Contentos(コンテントス)
Contentosは、分散型デジタルコンテンツエコシステムの開発を目的としたブロックチェーンです。
Harmonyと連携することによって、Harmony上に構築されたDAppsゲームを使用しているゲーマーがContentosでゲームプレイを配信することで、広告や有料購読、視聴者からのチップにより収益を得ることができるようになります。
アプリケーションの登場予定
Harmonyのブロックチェーン上では、今後便利なアプリケーションが続々と登場していく予定です。
これらのアプリケーションの特徴は、従来のものよりも接続が安定して、処理速度も速くなります。
2019年度内にはメインネットが立ち上がる予定です。
コンセンサスアルゴリズムにPBFTを採用
Harmonyのコンセンサスアルゴリズムには「PBFT(Practical Byzantine Fault Tolelance)」が採用されています。
これによって不正に対して強いブロックチェーンが出来上がります。
バイナンスに上場している
HarmonyはバイナンスからIEOが行われ、バイナンスに上場した仮想通貨です。
このようにバイナンスに選ばれてIEOができて、上場までしていること自体に大きな価値があるのです。
バイナンスほどの大きな仮想通貨取引所になってくると、下手な仮想通貨をIEOしたり上場させたりすると、その後その仮想通貨がうまく伸びなかった時に批判を浴びる恐れがあります。
ゆえにバイナンスは厳しいチェックの後、IEOや上場の可否について判断しているのです。
このような厳しいチェックをパスすることができたということは、それだけその仮想通貨が信頼できるものだと太鼓判を押してもらったようなものなのです。
ですから、バイナンスでIEOが行われ、上場している時点で素晴らしい通貨と言え、今後の成長に期待が持てるのです。
ちなみにHarmonyは韓国の大手仮想通貨取引所であるHuobiにも上場しています。
仮想通貨取引が盛んな韓国の大手取引所でも上場しているのでかなり有望な仮想通貨であることがうかがい知れます。
ネットワークに参加する「ノードの数」についても考えている
Harmonyは「100億人のためのオープンコンセンサス」を目指しています。
このためネットワークに参加する「ノードの数」にもこだわっています。
ユーザーを増やすためにありとあらゆる努力を行っています。
当然ユーザーが増えるということは、Harmonyの需要も高まるので、通貨の価値を高めることにつながります。
Harmony(ハーモニー/ONE)の懸念点
開発チームの持ち分が徐々に市場に流通していく
Harmonyは開発チームにそのトークンが割り当てられています。
具体的には、総発行枚数に対してチームに12.5%、プロトコル開発部門に26.4%、エコシステム開発部門に21.8%の仮想通貨が保有されている状態にあると言えます。
この持ち分は、いずれの部門においても徐々に市場へと流通させていくこととなっています。
これは確実に市場では売り圧力となり、通貨価値が上昇しにくい状況に陥ってしまいます。
投資的な観点からすると、これは大きなマイナス材料となってしまいます。
上場以来の下落トレンド
やはりバイナンスに上場した直後にはその仮想通貨の価値は急騰するものですが、その後は買われた分が売り圧力となって、当分下落トレンドが続くことが多いです。
現状はそれが継続している状況にあります。
このようにテクニカル的に下落を示唆する状況になると、テクニカルを見る投資家からの売り圧力が生じるため、なかなか上昇トレンドに転換させることが難しくなります。
この下落トレンドがいつまで続くのかという懸念材料もHarmonyにはあります。
競合となるプロジェクトが多い
Harmonyには競合となるプロジェクトが多いです。
主なものとしては以下のものが挙げられます。
- Zilliqa(ジリカ)
- QuarkChain(クォークチェーン)
- EOS(イオス)
- Ethereum(イーサリアム)
EOSやEthereumのように時価総額がトップ10に入るような仮想通貨も競合相手に存在しています。
特にZilliqa(ジリカ)とQuarkChain(クォークチェーン)は、Harmonyが目指す形に近い「高スループット」を売り文句にしている仮想通貨なので、意識される競合相手となります。
競合相手に勝たなければ大きなお金の流入というのは起こらないので、どれだけ優れた技術を持っていようとも通貨価値は上がってきません。
通貨価値を上げるという観点から考えると、競合相手の仮想通貨に負けてしまうということも懸念材料として挙げられます。
Harmony(ハーモニー/ONE)の評判(口コミ)
ここではTwitterでつぶやかれているHarmonyの評判について紹介していきます。
【動画アップ】
仮想通貨Harmony(ハーモニー)がBinanceに上場してICO価格の9倍まで爆上げしました。10億人が利用できる超高速パフォーマンスプラットフォームへの期待が高まります。#暗号資産 #Harmony #ONE #ハーモニーhttps://t.co/VxS8SjUnHk
— アンゴロウ@暗号資産研究 (@hajihajilemon) 2019年6月3日
まず、バイナンス上場時には急騰して大きな話題となりました。
バイナンスIEO銘柄というだけで最近は急騰を起こす傾向にあるようです。
ただ、このような理由で市場に参入してくる人がいる以上は仕手化しているので、値動きが落ち着くまでは様子をみた方がいいでしょう。
Coinbaseが $Dash を含む8つの暗号資産の上場を検討中であることを発表。検討しているのはAlgorand, Cosmos, Dash, Decred, Matic, Harmony, Ontology, Waves(アルファベット順)#暗号通貨 #仮想通貨https://t.co/lmjmiUCSix
— とみ三(Samurai33) (@samurai3311) 2019年8月5日
また、コインベースにもHarmonyが上場された時には反応がいくつかありました。
ただ、これだけでは上場以来の下落トレンドを上昇トレンドに転換させるだけのエネルギーはなかったようです。
#Harmony $ONE
ってかHarmony運営よ。想定通りに進まなくてスケジュールが遅れるのは理解出来る。仮想通貨じゃ良くあることだしな。だが、それならそれで新たな工程表を出せと。
それが最低限の誠意だろうと。
それをパートナーとの調整が~を繰り返すばかり。— シン (@ShinALEMONed) 2019年9月25日
そしてHarmonyに対してネガティブな口コミもありました。
Harmonyの計画が後ろにずれこんで、工程表を修正しない運営側への批判のようです。
Harmony(ハーモニー/ONE)の将来性
Harmonyにとって今後重要となってくるのは、Harmonyのブロックチェーン上で公開されるアプリケーションのリリースでしょう。
様々な分野の便利なアプリケーションがHarmonyのブロックチェーン上に存在することで、Harmonyを利用する人は多くなり、これに伴って自然と通貨の価値は上がっていくでしょう。
しかし、これが滞ってしまうと失望から売り圧力が継続してしまう恐れがあります。
Harmony(ハーモニー/ONE)のまとめ
Harmonyはスケーラビリティと分散化の両立を目指す仮想通貨で、その開発には有能な人材が関わっています。
また、Harmonyは将来的に多くの人に使われるようになることを目指していて、多くの人が利用したいと思えるようなアプリケーションをリリースしていく予定となっています。
それが計画通りに進み、多くの人に利用されるプラットフォームとなれば、Harmonyの未来は明るいと言えます。