
Dapps(ダップス)は分散型アプリケーションであり、仮想通貨に興味のある人なら一度は聞いたことがあるでしょう。
結論から言いますと、Dappsはゲームを始め様々なサービスに搭載され始めている注目のサービスです。
本記事では、Dappsについて、次の5つを徹底的に紹介します。
- Dappsとは
- Dappsの定義
- Dappsのメリット
- Dappsのマネタイズ方法
- Dappsとイーサリアム(ETH)との関係性
最後まで読むと、Dappsのことが理解でき、今後期待できる仮想通貨も分かりますから、ぜひ最後まで読んで下さいね。
Dapps(ダップス)とは
Dapps(ダップス)は、【Decentralized Applications】の略で、日本語では【非中央集権型の分散型のアプリケーション】と訳されます。
一般的Dappsは、ブロックチェーン技術を用いたサービス、アプリケーション、ゲームなどをソフトウェアの仕組みを総称してDappsと呼びます。
仮想通貨に馴染みのある人は気が付くかと思いますが、「非中央集権型」と「分散型」は、仮想通貨の基盤技術であるブロックチェーンの主な特徴になります。
ブロックチェーンは応用範囲が広い技術であるため、仮想通貨以外の様々な分野でも応用され始めており、これらのアプリケーションの総称が、Dappsということになります。
Dappsの事例
Dappsの一番の事例は、ブロックチェーンの始まりである仮想通貨ビットコインです。
ビットコインは元々サトシ・ナカモト氏が、国家紙幣と銀行を代表とする中央管理者からなる現在の金融システムの課題を改善するために立ち上げられた新たな通貨の仕組みであり、金融機関による中間搾取や国家紙幣に対する中央管理者の関与などからの解放を求める思想のもと開発されました。
そこで、通貨の管理を分散型のシステムを上手く利用して行うことで、金融システムで最も重要となるデータ改ざんを事実上許さない仕組みを作り上げる為でも、ビットコインが開発されています。
Dappsの事例としては、ビットコインの他に、最近ではオンラインゲームにも応用されています。
オンラインゲームでは、ゲームを進める中で武器やアイテムを購入する課金システムが話題になっていますよね。
デジタル上の物品の購入となりますが、やはりゲーム提供者とゲーム購入者との間に金銭取引が存在します。
そこで、ゲーム内の課金システムに対してDappsの仕組みを応用し、
- ゲーム内の金銭取引を不整合がないようにブロックチェーン上で管理
- 中央管理者を要しない仕組み
とすることで、取引手数料を低コストにする狙いがあります。
Dappsの定義
Dappsの定義は、Dappsに投資するDavid JohnstonのVCファンドによる定義に基づいて、判断されています。
David JohnstonのVCファンドによるDapps(分散型アプリケーション)定義は、次の4つがあります。
- アプリケーションは完全に オープンソースでなければならず、自律的に動作しなければならず、そのトークンの大部分を制御するエンティティは存在しません。アプリケーションは、提案された改善および市場フィードバックに応じて、そのプロトコルを適合させることができるが、すべての変更は、そのユーザの合意によって決定されなければならない。
- アプリケーションのデータと操作記録は、中央の障害箇所を避けるために、公開された分散型ブロックチェーンに暗号的に格納する必要があります。
- アプリケーションは、アプリケーションへのアクセスに必要な暗号トークン(ビットコインまたはそのシステムに固有のトークン)を使用しなければならず、アプリケーションのトークンに報酬を与えられるべきである。
- アプリケーションは、ノードがアプリケーションに貢献していることの証明として動作する標準の暗号アルゴリズムに従ってトークンを生成する必要があります(Bitcoinは証明アルゴリズムを使用します)。
つまり、上記の4つ全てを満たしていない限り、Dappsとはみなされないということです。
Dapps(分散型アプリケーション)のメリット
Dappsを使用することでのメリットは次の3つがあります。
- 手数料がかからない
- 仮想通貨やゲーム内のアイテムを安心して預けることが出来る
- 自分の資産に影響が出ない
上記の3つは、Dappsを使用した構造でなければ、実現できないことでもあります。
では、Dappsのメリットについて1つずつ紹介しますね。
手数料がかからない
Dappsは中央管理者が存在しない構造になっている為、サービス提供者と利用者が手数料を支払う必要がありません。(あるいは非常に安い手数料)
例えば、Amazonのような電子商取引では、商品の販売元と利用者の間に、Amazon社という中央管理者が存在します。
電子商取引に伴う様々なシステムを一括管理・運用する構造となっているため、販売元も利用者も中央管理者に手数料を支払うことになります。
これに対しDappsは非中央集権型のシステムのため、中央管理者が介入しない構造となります。
ですから、Dappsのメリットの1つは、サービスの提供者と利用者が手数料を支払うことなく(あるいは非常に安い手数料で)低コストでシステムを利用可能なところです。
仮想通貨やゲーム内のアイテムを安心して預けることが出来る
Dappsのメリット2つ目は、仮想通貨やゲーム内のアイテムを安心して預けることが出来ます。
なぜなら、Dappsは分散型であり、Dapps上では価値のあるデータをブロックチェーン上に記録して管理することになるからです。
例えば、仮想通貨では通貨自体や通貨の取引データをブロックチェーン上に記録することになります。
仮想通貨オンラインゲームであれば、課金して購入するアイテムの情報やゲーム利用者同士でアイテム等の交換、売買するときの取引情報などはブロックチェーン上に全て記録されます。
ブロックチェーンは、記録データを分散された多台数のサーバで多重に管理することで、データの不正取得や改ざんを出来ない仕組みをとっています。
つまり、Dappsをゲーム等に組み込むことで、ユーザが自分の大切な仮想通貨やゲーム上のアイテムを安心してシステムに預けることが可能なところできます。
自分の資産に影響が出ない
Dappsのメリット3つ目は、自分の資産が中央集権的な機関(Amazonなど)の動向に影響を受けないことです。
例えば、中央集権型のシステムでは、仮に銀行やゲーム課金の管理会社など仲介企業が経営不振で倒産した場合、大切な資産を一瞬に失ってしまう可能性があります。
これに対してDappsでは、中間介入する企業や機関が存在しないため、Dappsシステムが動作し続ける限り、自分が一度手にした資産は永遠に記録として残して保持することが出来ます。
つまり、Dappsシステム上では、自分の資産に影響がでないのもメリットです。
Dapps(分散型アプリケーション)のマネタイズ方法は?
Dappsのサービスや仕組みを利用することで手に入れた仮想通貨は、現金に換えることができます。
先述したDappsゲームを例にして紹介しますね。
つまり、今までオンラインゲームではオンライン上でしか使用出来ない通貨で課金や価値の取引を行うのみで、現実世界に変換することは出来なかった仕組みが、Dapps搭載ゲームでは、取引を行った後でも、仮想通貨に換えて現金を得ることが出来ます。
ですから、ゲーム利用者としてはうまくペットを育てて高値で販売できれば、現実世界で資産を儲けることも可能ということです。
Dappsとイーサリアム(ETH)との関係性
Dappsの開発の多くがイーサリアム(ETH)のプラットフォーム上で開発されています。
理由は、イーサリアムがブロックチェーンの仕組みを利用したアプリケーションを開発する基盤(プラットフォーム)として作られた為です。
イーサリアムはスマートコントラクトが特徴的な仮想通貨ですから、売買契約の自動化を実現できる仕組みをもっています。
ですから、先述したDappsゲームにおける課金システムなどと、非常に相性が良いです。
スマートコントラクトとは、契約をスムーズに進めるためのプログラムで第三者を介さずにし信用を担保できるという特性があります。
スマートコントラクトを活用した代表的な仮想通貨はイーサリアム(ETH)が有名ですね。
【追記】仮想通貨市場と逆行してDapps市場が好調

出典:State of the Dapps
2018年は仮想通貨市場にとって過去最大の下落を見せた厳しい1年でした。
そんな大幅な下降トレンドとは逆行するようにDapps業界が勢いづいていることがDapp.comの調査で明らかになりました。
価格だけで見ると、2009年にiPhoneアプリ市場の「App Store」が記録した、年間売上高4600億円を37%上回る勢いだとか。
「App Store」といえば2018年第3四半期だけで120億ドル(約1.3兆円)の収益を上げる市場にまで成長した過去があります。
「State of the Dapps」の調査によると、分散型アプリケーションには2,400を超えるdAppsが存在。
デイリーアクティブユーザーは約56,000人に登り、24時間の取引高は1570万ドル(約17億円)にもなるといいます。
今後、Dapps市場がどこまで収益を伸ばすのか注目が集まっています。
Dapps市場のゲームが全体人気を大きく牽引

出典:State of the Dapps
Dappsの中でも人気を集めているジャンルが「ゲーム」。
ゲーム内アイテムが売買できるという点が支持されているようで、ブロックチェーンゲームが全体の35%を占め、続いてソーシャル分野(20%)やギャンブル分野(20%)となっています。
日本でもDappsは開発されており、国産DAppsとしてブロックチェーンゲームの「マイクリプトヒーローズ」が勢いを見せています。
マイクロプトヒーローズは発表2ヶ月目にして、世界的に人気なEOSやSteem上のNo.1ゲームアクティブユーザー数を超えることも度々見られるほど。
イーサリアムのプラットフォーム上でのアプリが先行者利益もあり、多くを占めていますが処理能力の低下(スケーラビリティ問題)があり、やや勢いを落としています。
その中で勢いを伸ばしてきている「Steem」のプラットフォーム。
アカウント全体の約44%がDAppsユーザーで、イーサリアムアカウント数比の2%、EOSアカウント数比の27%を大きく上回っています。
Steemはスピードの速さと手数料不要な仕様や、Steem上でブログ、ソーシャルネットワークを展開するソーシャルニュースサービスが人気です。
また、広告に依存しない収益モデルを作り出すことで、有益な記事を書いた人に還元される仕組みが指示を集め、「State of the Dapps」では「Steem Monsters」が3位にランクインしており、コレクター要素の強いデジタルカードゲームとして、人気を集めています。

出典:State of the Dapps
EOSやSteemのDappsが勢いに乗る中で、仮想通貨の価格の繁栄はあるのか、アプリケーションの売り上げがどこまで伸びるのか、今後の注目が集まります。
Dappsの今後の将来性
日本国内の大手メルカリでは、すでにブロックチェーンを活用したアプリ開発をしています。
メルカリが新アプリ『Mercari X』を披露|ブロックチェーン技術に注力https://t.co/82XqIIxZUr
大手フリマアプリのメルカリは4日、「Mercari Tech Conf 2018」を開催し、今まで謎に包まれていた同社の金融事業子会社『メルペイ』とテスト中の新アプリ『Mercari X』を披露した。
— CoinPost -仮想通貨情報サイト- (@coin_post) 2018年10月5日
つまり、Dappsの仕組みは大手会社も注目していることですので、今後Dappsを利用するサービスは増えてくるでしょう。
そして、Dappsの利用が増えれば、イーサリアムを利用する機会が増え、結果的にイーサリアムなどの価値があがる可能性が高いと考えられるでしょう。