
仮想通貨投資と株式投資はどちらもメジャーな投資ですが、それぞれどのようなメリットやデメリットが存在しているか詳しくご存知でしょうか?
現在は株式投資をしている方の中にも、もしかしたら仮想通貨投資の方が向いている方がいるかもしれません。
今回は仮想通貨投資と株式投資の違いを詳しく解説していきますので、まだ違いについて知らない人はぜひ参考にして下さいね。
仮想通貨投資と株式投資の違い
仮想通貨投資と株式投資は「資産に変動幅で利益を上げる」という根本的な仕組みは同じですが、その他は全く異なる投資方法です。
どのような違いがあるのか、詳しく見ていきましょう。
特典の有無
- 株式投資→配当・株主優待あり
- 仮想通貨投資→なし
株式投資は特典があり、配当や株主優待券などがあります。
配当や株主優待券は株数によって優待内容が変わってきます。
株数が多ければそれだけ良い内容の「優待食事券」や「企業製品」などまちまちですが貰うことができます。
仮想通貨投資の場合は、株式投資のような特典はありません。
しかしKuCoinなど一部の仮想通貨には、保有率に応じて配当金が分配されるものがあります。
発行媒体
- 株式投資→企業ごと
- 仮想通貨投資→なし
発行媒体にも違いがあります。
仮想通貨投資は発行媒体がなく管理している組織も存在していません。
管理はユーザー全員で行っており、みんながマイニングをする事で新しいコインをシステムが自動的に生み出しています。
株式投資の場合は、企業ごとに株を発行しています。
そのため、企業の経営状態によって株価は変動しますし、もし企業が倒産してしまった場合は株の価値は無くなってしまうというリスクもあります。
リスク
- 株式投資→ローリスク・ローリターン
- 仮想通貨投資→ハイリスク・ハイリターン
銀行の場合は、倒産してしまった場合でも1000万円以下までの保証がついているため、仮想通貨投資と比べるとリスクは少なくはなります。
仮想通貨投資の場合は、保有する仮想通貨の価値が下がり、その仮想通貨を購入する人の数が減少すると、価格もどんどん下がっていきます。
そして、この価格が下がった仮想通貨を誰かが大量に買い占める事で再び価値が上がる、という乱高下を繰り返しているため、そういった部分の見極めを勉強するとリスクを減らすことができる可能性が高まります。
現物の存在
- 株式投資→現物あり
- 仮想通貨投資→現物なし
株式投資は「株券」や株主優待券などの現物が存在しています。
仮想通貨投資の場合は、インターネット上の通貨なので硬貨や紙幣などの現物は存在しません。
株式投資の場合は、株券や株主優待券をなくしてしまったら使用することはできません。
仮想通貨にはそのリスクはありませんが、その分、ウォレットのパスワードなどを忘れてしまうと仮想通貨を交換することができなくなるというリスクがあるため注意が必要です。
取引時間
- 株式投資→平日9:00〜15:00のみ
- 仮想通貨投資→24時間可能
取引時間は株式投資の場合、平日の日中のみの取引となります。(午前9時30分~11時30分、午後12時30分~15時)
仮想通貨投資の場合は、取引所にもよりますが、基本的には24時間取引ができます。
そして平日だけでなく土日祝日も取引可能という点も大きな違いです。
最低投資額
- 株式投資→1000円〜/レバレッジ:持ち株の3倍まで
- 仮想通貨投資→最小単価約77円〜/レバレッジ:1倍〜MAX25倍
最低投資額にも違いがあります。
仮想通貨投資の場合は、最小取引単価が細かく約77円から購入が可能です。
株式投資の場合は、一番安くても1000円、東証一部の上場している株の場合は安くても10000円からの投資となります。
レバレッジにおいても、仮想通貨投資の場合が1倍〜MAX25倍まで取引ができるのに対して、株式投資の場合は持ち株の3倍までの取引が可能となっています。
仮想通貨投資は「ハイリスク・ハイリターン」であり、株式投資は「ローリスク・ローリターン」であると言えるでしょう。
取引所の市場介入
- 株式投資→市場介入あり
- 仮想通貨投資→市場介入なし
仮想通貨投資の場合、取引所は取引の場を提供するためだけに存在しており、取引所の市場介入は一切ありません。
一方で、株には取引所の市場介入があります。
値幅制限の有無
- 株式投資→値幅制限あり
- 仮想通貨投資→値幅制限なし
株式取引市場には、「適正な株価の形成」と「投資家の保護」というルールがあり、1日で何円~何円までのストップ安やストップ高と呼ばれる値幅制限が掛けられて価格帯を制限しています。
そのため、決められた値幅制限以上またはそれ以下まで株価が変動すると、ストップ高・ストップ安になり、売買が停止するという仕組みになっています。
仮想通貨の場合は、値幅制限がないため価格変動が大きいという違いがあります。
投資対象の数
- 株式投資→約3800社
- 仮想通貨投資→約1600種類
投資対象となる数にも違いがあります。
仮想通貨が約1600種類(※)に対して、株は3800社となっており、株式投資には仮想通貨の倍以上の投資対象が存在しているということになります。
※仮想通貨は取引所に上場して実際に取引ができる数です。
仮想通貨投資を理解しよう!
仮想通貨投資をするメリット
短時間で大きな利益を得ることが可能
仮想通貨は、時間の経過とともに価格が大きく変動するため、短時間で大きな利益を得ること可能となっています。
ハイリスク・ハイリターン
仮想通貨投資は、ハイリスク・ハイリターンの要素が強いため、一攫千金を狙うのであれば仮想通貨投資がおすすめです。
24時間365日いつでも取引が可能
普段、仕事や学校があり時間が拘束されている方が副業を行う場合、好きなタイミングで副業をするという面では仮想通貨の方が取引がしやすいと言えます。
株式投資は、月曜から金曜の 9:00から15:00までしか取引できない
株式投資の場合は平日の一定時間しか取引ができないのに対し、仮想通貨の場合は土日祝日も関係なく取引することが可能です。
仮想通貨は少額から購入することができ、株式投資よりも始めやすい
株式投資をするためには一定額以上のまとまった資金が必要ですが、仮想通貨投資は少額から始めることができるため、資金が少なくても始めやすい投資です。
送金が簡単で国際送金でもスピーディーに少額の手数料で取引可能
仮想通貨は送金が簡単でスピーディーなだけでなく、国際送金の際にかかる手数料も少ないという特徴があります。
本来、現金を送金する際は銀行または郵便局を通して行いますが、営業時間が決まっているため銀行や郵便局の定休日(休日、祝日)に重なってしまうと送金まで時間がかかってしまいます。
そして、送金の手数料も数千円単位の大きな手数料となります。
しかし、仮想通貨は銀行や郵便局の金融機関を介さずに送金ができるため、自分の好きなタイミングで自由に送金することが可能です。
市場としての将来性がある
従来のクレジットカードよりも手数料が低いことから仮想通貨による決済システムの導入が徐々に増え始めています。
2018年に仮想通貨は暴落しましたが、2019年に入り再び盛り上がりを取り戻しているため、大暴落によって仮想通貨が終わってしまったと判断するのではなく、今後の展開についても慎重に見つめていく必要があると言えるでしょう。
仮想通貨投資をするデメリット
ハイリスク・ハイリターン
仮想通貨は株式投資のようなストップ高・ストップ安がないため、一瞬にして大きな価格変動が発生する可能性があります。
上昇トレンドの時は莫大な利益を得ることができますが、下降トレンドの時は全財産を失う可能性もあり、ハイリスク・ハイリターンな投資であると言えます。
短期的でギャンブル性が高い
レバレッジをかけた取引では、期待できる利益額が大きくなる一方でリスクも大きくなり、かなりの損害を出す可能性があります。
短期的でギャンブル性が高いという点は、把握しておく必要があります。
投資商品としてはリスクが高く、決済手段としては不便
株などに比べて価格変動が激しいため投資商品として考えるとハイリスクであり、まだまだ信用度も低いため、決算手段としての使い勝手も悪いのが現状です。
中央管理者がいないため被害時の保証がない
仮想通貨投資は中央管理者がいないため、ハッキングによる乗っ取りなどで被害にあった場合の保証が一切ありません。
仮想通貨の扱い方や保管方法は自己責任で慎重に行う必要があります。
仮想通貨を送信する時に送信するためのアドレスを一文字でも間違えてしまうと、その仮想通貨は紛失してしまうので注意が必要です。
税負担額が大きい
仮想通貨で得た利益は、雑所得に分類されます。
そのため、利益が上がれば上がるほど税率は高くなり、最大で55%の税率が課せられます。
雑所得は所得税に分類され、所得税は利益が確定した翌年に課税されるので、税金によって引かれる額に驚く方も少なくありません。
株式投資を理解しよう!
株式投資をするメリット
配当金や株主優待がある
株式投資は保有株数に応じて、配当金や株主優待をもらうことができます。
配当とは、企業が株主に利益を分配することで、企業の利益が大きければ配当も増えて、逆に企業が赤字の場合は配当が出ないこともあります。
保有株数に応じて配当金額も変動します。
保有株数が多くなるほど配当金額も大きくなるため、多くの株を購入しておけば大きな利益を得る事ができます。
株主優待は、企業が株主に対して感謝の気持ちを込めて送るものです。
企業によって「自社製品」や「優待食事券」など種類は様々ですが、貰えると嬉しいものばかりとなっています。
もちろん持ってる株の数によって株主優待の内容も変わってきます。
ただし、保有株数によって株主優待の内容が比例するわけではないので自分なりに一番ベストな株を購入しておくことが得策と言えます。
会社経営にも参加することができる
毎年開催される株主総会に出席できるほか、手持ちの株数に応じた議決権を行使することが可能です。
ローリスクでミドルリターンを期待できる
定期預金や個人向け日本国債などローリスクでミドルリターンも期待できます。
定期預金はリスクゼロ
定期預金に関しては1000万以下であれば銀行が倒産しても保証されるため、お金が減る心配は100%なく、リスクゼロの商品となります。
定期預金の場合は、銀行が倒産したとしても、1000万以上でも保証されます。
株式投資をするデメリット
ローリスク・ローリターン
定期預金リスクゼロの商品ではありますが、年間利回りは高くて0.2%と低いです。
100万円預けて2000円の利益が出るということになります。
「短期間でたくさんお金を稼ぎたい」という人には向いていないでしょう。
定期預金になると0.05%とさらに低くなるので、投資というニュアンスよりは「現金を保管する場所」といったイメージです。
流動性リスクがある
あまり知名度のない企業の株式を購入した場合、買い手がいないため売れないといった事や、その逆の売り手がいないため買えないといった現象が起きます。
銘柄の選別に時間がかかる
銘柄を選ぶのに時間がかかることもデメリットの一つです。
株式投資で失敗しないようにとこだわればこだわる程「銘柄を選ぶこと」に時間を取られてしまいます。
1日の時間は決まっていますので、本業などが忙しくて副業で株式投資をしている人にとっては大きな負担になってしまうでしょう。
四六時中、株価が気になる
また、1日中株価が気になって必要以上に何度も株価チェックをするようになるというのも良く耳にするデメリットです。
常に相場の流れに振り回され、一喜一憂してしまうため、気づかないうちにストレスとなることもあります。
精神的に疲れてしまい本業や趣味などにも影響がでるという事を避けるためにも、株価チェックの時間帯を決めたり、自分なりに利確や損切のタイミングをルールとして決めておくなどの対策を考えておくといいでしょう。
仮想通貨投資と株式投資はどちらが良いの?
仮想通貨投資と株式投資には、それぞれにメリットデメリットがあります。
自分の投資スタイルや資産状況に合ったものを選ぶことが、効率的かつ長期的に続けられる秘訣と言えます。
- 時間に余裕がある場合→短期集中型の仮想通貨投資
- あまり時間がない場合→放置でも利益が生まれる株式投資
など、自分の生活リズムに合った投資方法で始めてみるのもいいかもしれません。
無理をして体を壊してしまっては元も子もありませんので、まずはストレスなく始められる投資方法を選択して取り組んでみましょう。
仮想通貨投資と株式投資の違いのまとめ
ここまで見てきたように仮想通貨投資と株式投資には、それぞれ異なる特徴があります。
仮想通貨の場合は少額から投資可能であるのに対し、株式投資の場合は初期投資額がやや高くなります。
取引時間帯も株式投資が平日で定時であるのに対し、仮想通貨投資は24時間取引が可能です。
それぞれの特徴を比べて、自身の投資スタイルや資産状況に合わせて選択するようにしましょう。
どちらの投資を選択する場合でも、それぞれのリスクを理解した上で、余剰資金や預金とは別の資金を使うなどの資金管理やリスク回避の方法も考えておくことが大切です。
仮想通貨投資と株式投資それぞれの違いを知っておくことは、これから投資を行う人にとっても資産を増やそうと奮起している人にとっても大きな強みとなることは間違いありません。