
仮想通貨はここ数年で知名度が大きく上昇し、どんどんと身近なものになってきました。
そのため興味を持つ人も多く、取引を始めたという人もたくさんいます。
ですがテレビなどを見ていても、仮想通貨とは何かは耳にすることがあっても、その取引方法などは扱っていません。
そこで今回は、仮想通貨の取引の中でも、少ない元手で始めることができるスキャルピングという取引について掘り下げていきます。
スキャルピング手法とは
スキャルピングは、元々はFX取引で使われる手法の1つでしたが、現在は、仮想通貨FXでも使われている技術です。
このスキャルピングは、短期売買で行うデイトレードや短~中期で売買を行うスイングトレードよりもさらに短く、数秒から数分で取引を終わらせる長短期的な取引手法です。
数秒から数分という非常に短い時間なため、仮想通貨の価格の動きは小さいため、1回の取引で得ることができる利益は小さいものとなります。
ですがその分損失も小さいものとなります。
この取引を1日の内に何度も繰り返したり、レバレッジを利用することで利益を大きくしていくことになります。
元金が少なくても取引が行えるので、始めやすい手法でもありますが、利益を出そうとすると細かい取引を何度も行う必要があるため、1日の取引回数や必要となる時間が長くなります。
そのため、あまり時間が取れないという方にはあまりおすすめできない方法でもあります。
仮想通貨でスキャルピング取引をするメリット
ここからは、このスキャルピング取引を行うことによるメリットを紹介していきます。
ポジションを持ち越すことが無い
スキャルピングでは、数秒から数分で取引を終えることになるので、ポジションの状態になる時間が短いです。
毎回、仮想通貨を売った状態で取引を終えることになります。
そのため、翌日にポジションを持ち越すということがありません。
すると、夜寝ていた間に暴落してしまい、損失を負ってしまったということが起こりません。
仮想通貨FXで起きてしまう寝ポジションや放置ポジションといったことも起こらないので、知らないうちに大きな損失を負ってしまうという危険がありません。
資金を効率的に運用できる
スキャルピングでは1日の中で何度も取引を行うことになります。
そのため、手持ちの資金の回転効率が良くなります。
スキャルピングの腕がある人だと、手持ちの資金を数倍、数十倍にすることができるとも言われています。
利益を得られている状態では、細かく取引を行った方が資金を効率的に運用することができます。
1回当たりの利益は小さいですが、その小さい利益分増えた資産でどんどん取引を行うことができます。
そのため、利益が出続けている間は、取引に使う資産が少しずつですが増えていくのです。
当然多くの資金を使える方が利益も大きくなっていくので、効率的に運用することができます。
仮想通貨でスキャルピング取引をするデメリット
続いて、スキャルピング取引のデメリットを紹介します。
当然ですが、スキャルピング取引にはメリットだけでなくデメリットもあります。
メリットも当然ですが、デメリットも踏まえた上で取引を行わないと、想定外の結果となってしまうかもしれません。
トレード回数が必要
スキャルピングは、1回当たりの利益は小さなものです。
そのため、大きな利益を出そうと思うと、何度もトレードを繰り返す必要があります。
そのため、一日に数時間画面を確認すればよいデイトレードなどと違い、取引に使う時間が長くなります。
また、何度も取引を繰り返す中で利益を得るどころか、投資資金を失ってしまう人も多いと言われています。
手数料が高くなる
スキャルピングでは取引回数が非常に多くなります。
取引所にもよりますが、場合によっては取引のたびに手数料が取られてしまうこともあります。
すると、1回1回の手数料自体は少ないかもしれませんが、それを繰り返すことで手数料が高くなっていきます。
場合によっては、長期投資と比較して手数料が高くついてしまうという可能性もあります。
1回の利益が小さい
何度も紹介しているように、スキャルピングは1回の利益が小さい取引方法です。
特に値動きが無い日にはそれはより顕著なものになります。
そのため、人によってはスキャルピングの取引が辛いと感じてしまうのも事実です。
仮想通貨のスキャルピング取引は稼げるの?
仮想通貨のスキャルピング取引は、利益を重視する人たちにはあまり使われていないと言われる手法です。
ローリスク・ローリターン
ローリスクなので大きく負けて負債を負うことは少ないものの、その分ローリターンなので1回の利益も小さいのが特徴です。
そのため、何度も取引を繰り返して利益を積み重ねていくか、ポジションを大きくとる必要があります。
スキャルピングは、少ない利益の積み重ねなので、1回の大きな損失で利益は簡単に無くなってしまいます。
損切りが重要
そのため、スキャルピングでは損切りがより重要なものになってきます。
一瞬のためらいのせいで、利益が吹き飛んでしまうということもあります。
スキャルピングで利益を上げて稼ごうと思った場合には、とにかくこの損切りを徹底することができるかにかかってきます。
大きく利益を上げたい人には不向き
- できるだけ勝率を高く保つ
- 小さな利益を積み重ねていく
- 損失が出てしまう時には最小限に抑える
これがスキャルピングで稼ぐために最も大切な部分です。
これが徹底できないとスキャルピングで稼ぐことはできません。
超短期的な値動きを予測するのはプロでも難しいことです。
そのため、大きな利益を上げたいという場合にはスキャルピングは向いていないと言えます。
スキャルピング取引をする際の注意点
超短期的で複数回の取引を行うスキャルピング取引では、普段の取引以上に注意しなければいけない点がいくつかあります。
これらを意識せずに取引してしまうと、利益が少なくなってしまうので気を付けてください。
損切りを徹底しよう
損切りというものは、正直非常に勇気のいるものです。
自分から損失を決定しなければいけないので、ためらってしまうという人も多いです。
ですが、スキャルピングではこの損切りがより重要なものとなっています。
それは、1回当たりの利益が少ないためです。
スキャルピングでは少しずつ利益を増やしていくことになります。
ですが、価格が下がったために売ることを躊躇してしまうと、その一瞬の躊躇のせいで、それまでの利益を全て吐き出してしまうことになる、ということも非常に多いからです。
そのため、自分の予想とは逆に相場が動いてしまった場合には、粘らずに潔く損切りするように意識をしておく必要があります。
チャートを見ながらではどうしても損切りができない、ためらってしまうという人は、逆指値注文を利用するという方法もあります。
この方法では、自分が事前に設定した損切り幅になった時点で自動的に損切りしてくれます。
手数料が低い取引所を選ぼう
スキャルピングは、1回当たりの取引が非常に短い時間で終わります。
1回での利益は小さいため、きちんと利益を出そうとすると、取引の回数が増えていきます。
すると、その分取引手数料も増えていくことになります。
毎回少しずつ利益を出したとしても、手数料を取られる回数も多いので、終わってみたら思いのほか手数料が高くなってしまったということもあります。
手数料は取引所によって異なるので、手数料を払う回数が増えるスキャルピングを行う場合には特に注意する必要があります。
また取引所によっては、発注やポジションの状態によって手数料がかかるということもあります。
そのため、スキャルピングを行う際には、どのような場合に手数料が必要となって、どれくらいの費用を手数料として支払う必要があるのかを事前に計算しておくと良いでしょう。
取引手数料が少ない国内取引所の比較表を以下に記載していますので、ご覧ください。
スプレッドが小さい取引所を選ぼう
取引手数料が無料という取引所を利用していても、スプレッドというものが必要になります。
このスプレッドとは、売値と買値の差のことを表しています。
このスプレッドが小さいほど、利益が大きくなります。
例えば、買値が120円、売値が100円だとすると、その状態のまま売ってしまうと120円で購入したものが100円でしか売れないことになります。
すると20円の損失が発生してしまいます。
そのため、利益を出そうとすると、少なくとも20円値上がりするのを待たなければいけません。
この差が広がるほど、利益を出すための値上がりが大きくなり、同じ時に売っても利益が少なくなってしまいます。
特にスキャルピングでは超短期で取引を行うので、スプレッドが大きさが利益に非常に大きく関わってきます。
数秒から数分なので値動きの幅も小さくなります。
そのため、スプレッドが大きい場合、利益を出せるほど値動きしないという可能性もあるのです。
スキャルピングを行う際には普段よりもスプレッドを意識し、スプレットの小さい取引所を選ぶようにしましょう。
スキャルピング取引に適した国内取引所3選
ここからは、スキャルピング取引を行う時におすすめの国内取引所を紹介していきます。
それぞれ取り扱いのある仮想通貨や手数料などに違いがあるので、自分の条件に合ったものを利用してください。
GMOコイン
国内でも有名なGMOコインは、スキャルピング取引を行う際にもおすすめの取引所です。
GMOコインでは取引手数料が無料となっているので、取引回数が多くなってしまうスキャルピングでも負担が少なくなります。
また、2019年5月20日現在では最大レバレッジが10倍となっています。
取り扱っている銘柄は、
- ビットコイン
- イーサリアム
- ビットコインキャッシュ
- ライトコイン
- リップル
の5種類があります。
GMOコインはFX専用アプリとして「ビットレ君」というものを提供しています。
このアプリを使うことで、本格的な取引でもスマホだけで完結させることが可能となります。
そのため、長時間の取引が必要となるスキャルピングでも環境を整えやすく、おすすめです。
ビットポイント

出典:Bitpoint
続いて紹介するのは、ビットポイントです。
取引手数料が無料となっていて、取引所形式なのでスプレッドも小さめになっています。
最大レバレッジはかつては国内最大の25倍を誇っていましたが、現在のレバレッジは4倍となっています。
しかし国内の取引所のほとんどが4倍にまで下がることになるとされているので、特にデメリットともならないでしょう。
DMMビットコイン

出典:DMM Bitcoin
最後に紹介するのはDMMビットコインです。
DMMビットコインも手数料が無料となっています。
取り扱っている通貨は以下の7種類です。
- ビットコイン
- イーサリアム
- ネム
- リップル
- ライトコイン
- イーサクラシック
- ビットコインキャッシュ
スマホのアプリも用意されているので、パソコンの前でなくても取引がしやすい環境が整えられているので、スキャルピングにはおすすめです。
スキャルピング取引に適した仮想通貨3選
ここからは、スキャルピング取引を行うのにおすすめの仮想通貨を紹介していきます。
おすすめの仮想通貨とおすすめの取引所を参考に、どの取引所を利用してどの通貨で取引を行うのかを決める参考にしてみてください!
ビットコイン
ビットコインは多くの取引所で取引が行われています。
そのため、取引所を選ぶ際に通貨を扱っているかどうかが問題となることがありません。
また、値動きもあるので、値動きが少なくて利益が出せないということも少ないです。
ですが、タイミングによっては値動きが激しいということもあるので、損切りをしっかりと行わないと、利益が吹き飛ぶ恐れもあります。
イーサリアム
イーサリアムは多くの仮想通貨取引所でスキャルピングに利用することができるアルトコインです。
スキャルピングを行う場合、仮想通貨FXとしてどの仮想通貨が使用されているかが問題となります。
1日の内で値動きもありながら激しすぎるわけでもないので、現状ではスキャルピングにおすすめと言えるでしょう。
リップル
リップルもスキャルピングにはおすすめの仮想通貨です。
スキャルピングに使用される仮想通貨は、値動きがあって流れにのっている銘柄が人気です。
リップルは、東京オリンピックでの公式通貨への署名集めなど、話題に上がることも多いです。
これから先、この頻度も上がる可能性があるので、流れも良いと思われます。
扱っている取引所も多いのでおすすめです。
仮想通貨のスキャルピング取引のまとめ
スキャルピング取引は、値動きが比較的激しい仮想通貨においては有効であると考えられます。
ですが、大きな利益が得にくく、ちょっとしたきっかけで利益が吹き飛んでしまうことから、手を出さないというプロもいる手法であることも確かです。
もしスキャルピング取引を行おうと考えている場合は、損切りなどのポイントだけは必ず押さえておき、勝率を高く保つことと、1回の損失を少なくすることを意識してください。