
仮想通貨は大きく分けると発行量の上限があるものとないものにわけられます。
上限が設けられている仮想通貨があるのは、発行枚数を制限することで仮想通貨の価値が維持しやすくなるためです。
発行枚数の制限がなければより気軽に流通する仮想通貨として利用が可能ですが、それだけ価値の維持が難しくなります。
代表的な仮想通貨であるビットコインは発行量に上限があることが特徴で、それが投資的な価値を上げる要因にもなっているのです。
仮想通貨における発行量とは
仮想通貨は、発行量が多く市場に流通している枚数が多いほど、入手が簡単ということになります。
仮想通貨はそれぞれに設計思想があり、どのような目的で使うのか、どのように流通させるかで上限に違いがあります。
そもそも上限がない仮想通貨も存在するのです。
上限ありの仮想通貨
- ビットコイン
- リップル
- ライトコイン
多くの仮想通貨は発行量に上限があり、ビットコインやリップル、ライトコインなど人気の仮想通貨も例外ではありません。
主要な仮想通貨の殆どは上限があるモデルになっているのが特徴です。
上限なしの仮想通貨
- イーサリアム
- ステラ
上限のない仮想通貨の種類は決して多くないものの、アルトコインの代表としても知られるイーサリアムなど、時価総額上位の仮想通貨も含まれます。
リップルを元に開発されたステラも上限がない仮想通貨として開発されています。
ビットコインの発行量について徹底解説
ビットコインには発行上限があり、将来的にはビットコインは採掘されつくし、新規の発行ができなくなる恐れがあります。
ただし、発行されたビットコインは残り続けるため、市場での価値も残り続けると見られています。
ビットコインの発行枚数はどの位で発行上限に達するのはいつ?
ビットコインの発行枚数は2100万枚になります。
上限に達すると新規の発行ができない状態になり、市場に流通するビットコインを売買するしか入手する方法がなくなるのです。
ビットコインの発行枚数が上限に達するのは2140年頃とされています。
これは現在のビットコインの発行ペースから考えられる理論値で、発行が盛んになるなど状況が変われば大きく変化する可能性があります。
上限に達するのは100年以上先のことと考えられているため、それほど大きなリスクと考えていない人も多く投資対象として人気がある理由にもなっているのです。
ビットコインの発行枚数が上限に達した場合どうなる?
ビットコインが発行枚数の上限に達した場合は、新規の発行ができなくなります。
新しいビットコインは発行されなくなりますが、すでに発行されたビットコインを利用することは可能なため、利用したい人がいれば流通し続けることになります。
また、ビットコインの新規発行にはマイニングが必要ですが、ビットコインをマイニングする人は新規発行のマイニング報酬高だけでなく、ビットコインのネットワークを支える手数料収入を得ることができます。
そのため、新規発行ができない状態になってもビットコインのマイニングが続けられる可能性が高いのです。
そもそもビットコインの発行はマイニングで行われている
ビットコインはマイニングによって発行されています。
マイニングは「採掘」などを意味する言葉で、金などの貴金属や石油を採取するために地面などを掘って探す行為を示しています。
ビットコインの新規発行のためにはシステム上決められた数字を計算で求める必要があります。
しかし、そのために必要な計算の量は膨大で、簡単に答えが出せないようになっています。
答えが簡単にわかってしまうとビットコインが簡単に発行できるようになってしまい、特定の誰かが独占する恐れがあるためです。
安全性や価値はマイナーにより保証されている
膨大な計算をして新規のビットコインを発行する人をマイナー(採掘者)と呼びます。
地道な計算をひたすら繰り返し、新しいビットコインを発行する作業が金の採掘などと似ているためです。
そして、マイナーが行った計算は、ビットコインのセキュリティ性を維持する暗号として使われます。
常に世界中のマイナーが複雑な暗号を作り続けることでビットコインの安全性や価値が保証されているのです。
マイニングにはビットコインのシステムを支えるネットワークを維持する意味合いもあり、マイニングによってビットコインの機能が維持されているのです。
ビットコインの発行枚数には半減期がある?半減期とはそもそも何?
ビットコインの発行枚数には半減期があります。
半減期が来るとマイニングを行った際に貰える報酬が半分になります。
半減期が来ることによってどんどんビットコインの発行は難しくなっていくのです。
半減期が来るタイミングはあらかじめ決められており、ビットコインの発行枚数(正確にはブロック数)が一定値に達すると以後の新規発行で受け取れる報酬が半分になっていくのです。
半減期が設定されているのは機器の進歩を考えて設定をしておかなければビットコインの発行がすぐに上限に達し、価値が暴落してしまう可能性があるためです。
ビットコインの価値を保つための仕組みの一つなのです。
ビットコインの半減期が行われるとどうなる?
ビットコインの半減期は4年に1度程度のスピードで発生しています。
発行に積極的なマイナーが増えれば前倒しされる可能性が在り、逆にマイナーが減れば後ろにずれる可能性もあります。
半減期が起きるとマイナーに支払われる新規発行の報酬が半分になります。
当然、それまでと比べて毎日発行されるビットコインの量が減り、市場の流通量にも影響を及ぼすようになります。
ビットコインの新規発行量が減れば既存のビットコインの価値が高くなることが考えられます。
新しく入手することが難しくなるので、価値自体が高騰する可能性があるからです。
バランス崩壊によりマイナー減少の可能性も
また、ビットコインの発行量と価格のバランスが崩れれば新規発行を目指すマイナーが減る可能性もあります。
プレミアム性が高くなり、求める人が多い状態であれば価格が上昇する可能性が高くなりますが、逆のことが起きる可能性もあります。
マイナーがビットコインの新規発行は割に合わないと判断し次々と廃業し、需要自体もなくなってしまえば価値が低くなる恐れもあるのです。
過去の半減期では激しい値動きが発生
過去に起こった半減期ではビットコインの価値が大きく上昇した場面が見られる一方で、その後急落と急上昇を繰り返すなど、激しい値動きが発生しました。
購入のタイミングによっては大きな収益を上げられる可能性がありますが、逆に損をする可能性もあるのです。
半減期が起きるタイミングはあらかじめ予測が可能なだけでなく、タイミングが近づくほどさまざまな人から注目される可能性があります。
価格が乱高下する可能性があるため注意が必要です。
ビットコインの発行量に関する注意点
2033年頃には上限量の99%が採掘されるとみられている
ビットコインは半減期がある関係上、半減期のたびに新規発行量が減っていくと考えられています。
これは同じビットコイン発行のために倍の労力が必要になるためで、維持自体が難しくなるためです。
また、マイニングのペースから市場に流通するビットコインは2033年には上限の99%が発行されると見られています。
半減期の関係上、上限枚数に達するまでにはそれから100年以上の期間が必要になると見られているためです。
もちろん、希少性は増していくため価値があがる可能性もありますが、あがり続ける保証はない点に注意が必要です。
上限枚数に関わるフォークが起きる可能性もある
ビットコインはフォークが起きる可能性があります。
フォークとは分岐を意味する言葉で、開発コミュニティの多くの同意を得たソフトフォークと、強制的に新しい仮想通貨を生み出すハードフォークに分けることができます。
フォークが起きるのは改良の段階で過去の仮想通貨と互換性がなくなる場合や、改良の方針によってコミュニティで対立が起きる場合があるためです。
過去にもハードフォークによってビットコインキャッシュなどが誕生していることから、今後も新しい仮想通貨が派生する可能性があるのです。
また、大幅なアップデートにより、発行上限に変更が加わる恐れもあります。
市場の流通などの事情にあわせてアップデートを行わなければ、ビットコインの実用性自体が薄れる可能性もあるためです。
フォークによってビットコインの価値が上がる場合もあれば、価値が下がる場合も考えられます。
どのような変更が行われていくかは最新の情報をチェックする必要があるのです。
他の仮想通貨が影響を与える可能性もある
ビットコインの発行枚数をチェックすることは重要ですが、他の仮想通貨の影響も考える必要があります。
ビットコインは仮想通貨の代名詞といえる存在であり、投資対象としても人気です。
一方で、実用化が進む仮想通貨も存在し、いつまでも時価総額1位をキープできるとは限らないためです。
人気の仮想通貨が変わればマイナーがビットコイン以外の仮想通貨マイニングに力を入れ、発行ペースが鈍るなど影響を受ける可能性もあるのです。
ビットコインの発行量に関するまとめ
ビットコインの発行量には上限があり、徐々に価値が上がるような仕組みが作られています。
一方で、実際に価値が上がるかは市場の需要と供給のバランスによって変わるため、どのよう変化するか正確に把握することは困難です。
ただし、半減期などのイベントは事前に予測が可能で、激しい値動きが起きる可能性も高くなります。
タイミングによって大きな利益を上げられる可能性もあるため、事前に知った上で対処することが大切なのです。
また、中長期で価値が上がることを前提に早めに購入しておくなど、投資のスタイルによっても向き合い方が変わるでしょう。