
世界には数多くの有力な仮想通貨が存在します。
日本の仮想通貨取引所に上場していない仮想通貨であっても、世界的に見れば実用価値が認められ、価格高騰の期待が持たれている通貨があります。
仮想通貨のステラは、時価総額11位(2019年9月現在)を誇る信頼性の高い通貨です。
日本国内の取引所には上場していないため、アルトコインの中ではイーサリアムやリップルのような知名度に比べて低くなっています。
しかし、将来性の高い仮想通貨として世界的には確固たる地位を築いています。
ステラの機能性はリップルに似ていますが、異なる面もあり、独自性を兼ね備えています。
この記事では、世界的な有力企業とも提携し、これからの展開が期待される仮想通貨ステラについて、詳しく解説していきます。
ステラ(Stellar/XLM)のwiki的基本情報
仮想通貨名 | Stellar(ステラ) |
トークン名 | XLM(ルーメン) |
公開月 | 2014年7月31日 |
開発組織 | Stellar Development Foundation(非営利団体) |
開発者 | Bartek Nowotarski |
発行上限 | 105,303,236,854 XLM(毎年1%ずつ発行する) |
発行枚数 | 19,644,691,719 XLM |
公式HP | https://www.stellar.org/ |
ホワイトペーパー | Stellarのホワイトペーパー(英語) |
@StellarOrg | |
@StellarFoundation | |
stellar | |
TelegramID | - |
YouTube | Stellar.org Foundation |
ステラ(Stellar/XLM)とは
仕組みはリップルと同じ
ステラの創設に携わった中心人物の一人であるジェド・マケーレブ氏は、仮想通貨リップルの創業者でもあります。
そのため、ステラはリップルのシステムをベースに開発されており、この2つの仮想通貨の仕組みは基本的に同じです。
リップルが送金決済として利用価値の高い仮想通貨であるように、ステラにおいても同様の機能が備わっています。
個人向けの利用を念頭に開発された
但し、リップルとは大きく異なる点があります。
それは、リップルが企業間などの送金決済として利用されるのに対し、ステラは個人向けの利用を念頭に開発されたという点です。
銀行を介さず、個人間での送金をスピーディーに実施することができます。
格安の手数料で利用できる
また、ステラには格安の手数料で利用できるという特徴もあります。
ステラは、個人ユーザーが金融サービスを利用しやすくなる目的を持った仮想通貨です。
そして、ステラは各国の法定通貨やビットコインなどの基軸の仮想通貨に交換可能なため、SWIFTに代表される銀行経由での国際送金に比べて、圧倒的な低コストと送金スピードによって国境を越えた形での送金や決済が可能なのです。
中国を規制対象としている
仮想通貨は国ごとに規制を設けるようなことはありませんが、ステラでは流通量を安定させることを意識して中国を規制の対象としています。
過去にビットコインが中国によって価格変動があったことを踏まえ、ステラにFacebook上での認証システムを導入することで、Facebookが利用できない中国による介入ができないようにしています。
ステラ(Stellar/XLM)の特徴

出典:Stellar
ステラは機能性の高い送金決済が可能であり、基本的仕様はリップルと同じです。
しかし、リップルと異なる面もあり、独自の特徴があります。
ステラの6つの特徴を見ていきましょう。
個人の送金決済手段として利用できる
リップルは企業が国際送金を行う際に便利な通貨です。
一方、ステラは個人同士が送金を簡単に行える手段として利用できる通貨です。
例えば、海外で働く労働者の中には、労働で得たお金を自国に送金する場合があります。
その際にステラを利用することで、スムーズな送金が実現できます。
銀行口座を持たなくても送金が可能になるため、多くのユーザーにとって利用しやすいメリットがあります。
安い手数料でユーザーの負担を軽減
通常の海外送金では複数の銀行を経由するため、手数料が割高です。
しかしステラを利用することで手数料が格安になります。
ステラでの取引手数料は0.00001XLMという極めて低い金額です。
個人間での利用を目的としているため、安い手数料で使いやすくしている点が特徴です。
個人ユーザーは通常の送金のように手数料がかさむことを気にする必要がなく、頻繁に送金ができるため利便性が高くなります。
送金スピードの速さ
通常の海外送金であれば、仲介銀行の経由があるため、反映されるのに時間が必要です。
しかし、仮想通貨を利用すれば仲介銀行を挟まないため、送金スピードの短縮につながります。
ステラの送金スピードは、2~5秒という驚異的な早さです。
速さに定評のあるリップルが約4秒の送金スピードです。
もちろんリップルもスピーディーな送金が可能ですが、そのリップルよりもさらに時間短縮ができる機能性の高さです。
独自のプログラムを装備
ステラは、独自の「SCP(ステラコンセンサスプロトコル)」というプログラムを実装しています。
SCPの特徴は、80%以下の承認でもブロックチェーンに書き込まれる点です。
リップルでは80%以上の承認が必要であり、この点でリップルよりも柔軟性があるのがステラです。
柔軟な対応をすることで、遅延の発生を防ぐなどの利便性を高めています。
世界的な有力企業と提携
ステラは世界的な有力企業と提携を結んでいます。
IBMはその代表的なものです。
それ以外にも、 大手金融コンサルティング企業との提携、フランスやナイジェリアの送金業者との提携など、着実に将来のステラ普及に向けた準備を行っています。
有力企業が提携を結ぶということは、それだけステラの持つ可能性が評価されていることを示すものです。
ステラ社が保有する通貨量の割合が低い
ステラは、通貨の総発行枚数の5%をステラ社が保有しています。
これに対して、リップルは60%以上をリップル社が保有している状況です。
ステラ社が保有する通貨枚数の割合が少ないということは、それだけ市場に多くのステラが流通していることになります。
一方、リップルはリップル社が保有している割合が大きいため、リップル社の通貨売却によって価格が大きく下落するリスクがあります。
そのようなリスクを低くし、通貨の安定性を高めているのかステラの特徴です。
リップルに比べて価格操作が起こりにくい仮想通貨と言えるでしょう。
ステラ(XLM)とリップル(XRP)の違い
ステラの開発者が元々リップルの開発に携わっていたことから、ステラとリップルは非常に似ていると言われています。
しかし、結論から言えば、ステラとリップルは全く別物と考えて良いでしょう。
ステラとリップルの違いは主に以下の3つがあります。
- 決済システムの違い
- 発行上限の違い
- アルゴリズムの違い
では、1つずつステラとリップルの違いと詳しく見ていきましょう。
決済システムの違い
リップルは各国の銀行間のネットワークに接続し、シンプルで迅速な送金処理など、法人の金融機関を対象にしていることに対して、ステラは個人を対象にしています。
ステラは個人を対象にすることで、個人単位での額面が小さい決済や送金に携わり、海外サイトのオンライン決済や海外の個人、金融機関に対する送金などをシンプルかつスピーディーに実現することが出来ます。
発行上限の違い
リップルは上限が1,000億枚と決まっているのに対し、ステラは1,000億枚で発行された後に毎年発行量が1%ずつ増える仕組みを持っています。
リップルは発行枚数の63%にあたる630億枚をリップル社が保有していたため、リップル社が保有するXRPが市場に売り出された場合、価格が暴落するといった懸念がありました。
そのためリップル社は保有する約90%のXRP550億枚分をロックアップ(※)することで、市場での大量放出の懸念が無くなっています。
ロックアップとは「鍵を掛ける」という意味で、その銘柄の大株主等が、「公開後の一定期間、市場で持株を売却しない」旨、公開前に契約を交わす制度です。
公開直後に大株主等が集中的に大量の株式を売却することによる相場のかく乱を防ぐという趣旨があり、会社役員、大株主、ベンチャーキャピタル等、未公開時の投資家が対象とされています。
引用:カブドットコム証券
逆にステラでは、発行量が継続して増えることにより、増加分が市場に流通することで、不正操作される危険性を抑え、価格の変動リスクを回避できる仕組みを持っています。
アルゴリズムの違い
リップルのアルゴリズムはPoC(Proof of Consensus)を採用しているのに対して、ステラのアルゴリズムはSCP(Stellar Consensus Protocol)です。
ステラ独自のアルゴリズムであるSCPは、リップルのアルゴリズムの問題点を改善したアルゴリズムです。
リップルのアルゴリズムの問題点とは、ブロックの管理や記録をする特定の承認者の80%以上の合意が得られない場合、ブロックチェーンが分岐してしまう致命的な問題のことです。
しかし、ステラのアルゴリズムはリップルの技術を元に開発されたものであり、80%以上の合意が得られなくてもブロックチェーンがが分岐されることなく、承認されるように改良されたアルゴリズムになっています。
上記の3つの違いがあり、特に対象者が違うことから全く別の仮想通貨と考えて良いでしょう。
ステラ(Stellar/XLM)に対する懸念点
通貨の機能性に高い評価があるステラにも、懸念すべき点はあります。
中国の人々の参入がしにくい
仮想通貨の価格は、巨大人口の中国人動向に大きく影響されると言われています。
中国の人々が仮想通貨の購入に走れば、それだけ価格の上昇が見込まれます。
この点に関して、ステラは中国からの参入者を規制している現状があります。
中国ではFacebookの利用ができないため、ステラはFacebook認証を行うことで中国からの参入を規制しています。
この理由は、中国からの大量の通貨購入や売却を防ぐことで、ステラの価格安定を図るためです。
しかし、こういった規制は積極的なユーザーである中国人の通貨購入を妨げる要因になり、仮想通貨市場全体にとっても好ましくない状況が生まれる可能性があります。
国内の仮想通貨取引所では扱っていない
ステラは有望な仮想通貨であるものの、現在のところ国内の仮想通貨取引所では扱いがありません。
日本人がステラを購入したい場合は、海外の仮想通貨取引所を利用する必要があります。
日本国内の法制度が適用されない海外での仮想通貨売買については、個人がリスク面も考慮した上で行うことが必要です。
総発行枚数に上限がない
ステラの初期発行枚数は1000億枚です。
ここから毎年1%の割合で通貨枚数が増えていくシステムになっています。
ステラの枚数を毎年一定程度増やすことで、通貨価格の安定を図っています。
通貨価格が安定するのはメリットですが、一方で高騰を抑える仕組みになっている点にも注意が必要です。
もちろん仮想通貨市場への資金流入によって、ステラの価格が大きく高騰すること可能性はあります。
但し、仕組みとしては安定性を図っているため、大きな値動きに振り回されるリスクを軽減しています。
安定した価格での仮想通貨取引を目的にする人にとってはメリットです。
一方で、仮想通貨取引に冒険を求める人にとっては、安定性の高さが逆に物足りなさを感じる面もあるでしょう。
ステラ(Stellar/XLM)に対する評判(口コミ)
ステラに対する評判を、Twitter上の声から拾ってみました。
ステラと企業の提携、機能性の高さに対する評価、興味深い通貨である点などの口コミがあります。
また、ステラとIBMの連携に注目が集まっています。
「IBMが、ステラのブロックチェーンを利用したネットワークで、ステーブルコインの発行に合意」
【New】IBMは顧客の銀行を暗号通貨の世界に招き入れつつある。 現地時間2019年3月18日の発表によると、IBMは国際的な銀行6行とIBMのステラ(Stellar)ブ ... #coindeskjapan #IBM #ステラ・ルーメン #ブロックチェーン https://t.co/4tTuGMluYo
— CoinDesk Japan (@CoinDeskjapan) 2019年3月26日
リップルやステラの将来性についての期待は高いものがあります。
「ビットコインに代わって、リップルとステラが台頭してきた」
デジタル決済ネットワークとしての役割を果たせていないBTCに代わって、仮想通貨XRPとステラが台頭してきたと解説。XRPに関しては、SWIFTを脅かしつつあると指摘し、「SWIFTの市場シェアを奪って一部のエリアでSWIFTの代わりに使われることになれば、XRPが世界一の仮想通貨になる可能性」と予想した。 https://t.co/0g0KJjPX8M
— ☆Nori111★ (@6189_ryu) 2019年1月7日
戦略面でもステラは期待大。
「ステラは大化けする通貨かもしれない」
$XLM ステラはホントに大化けする通貨かもしれないですねー。
先日の大盤振る舞いのエアドロップも、戦略的にもすごい効果的なんですよね!
次少し下がったら買っとこうかな(#^^#)https://t.co/Mja5oV5t7H— きゅう (@kyu1326) 2018年11月12日
ステラ(Stellar/XLM)が購入できる取引所
ステラを取り扱う仮想通貨取引所は日本国内にはない為、海外取引所で購入する必要があります。
ステラを購入できる代表的な海外取引所
ステラを購入できる代表的な海外取引所は以下の3つです。
ステラの購入方法
海外取引所では国内取引所を介して、以下のようにステラを購入することができます。
- 国内の取引所に登録
- 国内の取引所でビットコインを購入
- ステラを取り扱う海外取引所に登録
- 国内取引所から、登録した海外取引所へビットコインを送金
- 海外取引所にて送金したビットコインでステラを購入
以上の流れで仮想通貨ステラを購入することが出来ます。
日本国内で取り扱っていない他の仮想通貨も、同様の購入方法で手に入れることが出来ますから覚えておきましょう。
ステラ(Stellar/XLM)の将来性
ステラは、国境の垣根を越えた個人取引の利用が目的として設計されているため、今後の将来性に期待ができる仮想通貨と言えるでしょう。
海外との決済に非常に将来性がある
理由は、IBMがステラと提携を結んだことや、フィリピンにおいてステラが金融機関と提携を結び、個人間の金融決済を可能にする準備が着実に進んでいるからです。
つまり、ステラが個人間だけでなく海外との決済に非常に将来性がある通貨といえるでしょう。
SNSでの情報共有が活発
また、ステラはTwitterなどのSNSによる情報が他の通貨と比べて豊富で、それだけ多くの人に期待されている仮想通貨と言えます。
実際、ステラでの決済を検討する場合に、特に個人間での送金に関する情報は気になるところであり、それがSNSで共有されていることは、所有者に安心をもたらすことになるでしょう。
フィリピンを始めとする海外は、個人で金融機関に口座を持ち合わせていない人口が多いと言われています。
ですから、今後はステラの所有人口が国家単位で増加する可能性も秘めていると言えます。
国内取引所への上場が将来性のカギを握る
最近ではBASEなどのサービスの登場により、個人でオンラインショップを開設することが容易になっています。
しかし、デジタルコンテンツは、決済方法において様々な制約を受けているのが現状です。
ですから、ステラによって大幅なコストダウンやリップルを上回る驚異的な送金スピードが実現できることが認められれば、ステラによる取引が増加する起爆剤となりえるでしょう。
ステラの将来性を確固たるものにするのは日本国内の取引所での上場が必須となります。
国内取引所に上場すれば直接日本円で購入できるため、海外送金に革命が起きる結果となり、群を抜いて普及する可能性も否めませんね。
ステラ(Stellar/XLM)のまとめ
ステラとリップルは同じ仕組みを持つ仮想通貨であり、うまく競合を図ることでどちらの仮想通貨にもプラスに働く期待ができます。
リップルの価格上昇はステラの価格上昇にもつながる可能性があり、実際にそこには関連性があると言われています。
ステラは国内の仮想通貨取引所が扱っていないため、日本人が購入するのにはハードルがあります。
このことから、現状ではリップルの購入が選択肢になっています。
今後、ステラが国内の仮想通貨取引所で取り扱いが始まれば、日本人の需要も高まり、仮想通貨としての存在価値がさらに高くなっていく期待ができます。