
多くの仮想通貨がその目的として、決済あるいはインフラの新しい形の提案を挙げています。
しかし、あまりに多いため埋もれてしまう案件も多く、上場に至らないものも少なくありません。
そういった仮想通貨のうち、有望と思える案件について上場を手助けしてくれる仮想通貨取引所がバイナンスです。
そのバイナンスから2019年2月にICOが行われたのが、今回紹介するFetch.Ai(フェッチAi/FET)になります。
このFetch.Aiについてその特徴や懸念点、評判や将来性に触れつつ解説を行いました。
これを読めばきっと、あらゆる手段を可能とするプロジェクトとそのトークンであるFetch.Aiについて知ることができるのではないでしょうか。
Fetch.Ai(フェッチAi/FET)のwiki的基本情報
仮想通貨名 | Fetch.Ai |
トークン名 | FET |
公開月 | 2019年 |
発行上限 | 1,152,997,575 FET |
発行枚数 | 605,527,638 FET |
公式HP | https://fetch.ai/ |
@Fetch_ai | |
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TelegramID | Fetch.ai |
YouTube | Fetch.AI |
Fetch.Ai(フェッチAi/FET)とは
Fetch.Aiとは、あらゆる手作業が必要となる場面を自動化していくプロジェクトから生まれた仮想通貨です。
DeepMindの投資家として鉄鋼部門の取引で革新を起こしたHumayun Sheikh(フマユーン・シェイク)氏が立ち上げたプロジェクトで、イギリスのウォーリック大学も協力している欧州発の仮想通貨として誕生しました。
AI(人工知能)とML(機械学習)を組み合わせることで複雑なシステムの自律した動作を目指しており、サイロ化(企業や組織のある部門が、他の部門と情報共有や連携などをせずに独自に業務を遂行し、孤立した状態)しないAIモデルを作成することでAIによる的確な意思決定プロセスを実現しようとしています。
これらによって摩擦のないスムーズな経済取引を可能とすることで、今まで以上にスピーディにあらゆる取引を達成する手段としてFetch.Aiを利用していくプロジェクトなのです。
特に旅行業やエネルギー業界、サプライチェーンなどの流通業界での実用化を目指しており、それぞれ旅行プランの整理やスムーズな旅程と言った旅行計画の自動作成、各家庭へのエネルギー供給を効率よく行う自動での切り替え、原材料から最終製品までのサプライチェーンを最適化した大幅なコスト削減と効率の向上と言ったものを解決することを想定しています。
こういったプロジェクトは類似のものが多いですが、Fetch.Aiは独自の仕組みによってそれらと差別化を行っているのです。
Fetch.Ai(フェッチAi/FET)の特徴

出典:Fetch.ai
Fetch.Aiの特徴は、自律型エージェント、オープン経済フレームワーク、スマート元帳、Useful Proof of Work、バイナンスのIEO銘柄という特徴があります。
自律型エージェント「AEA」
自律型エージェントはAEAと呼ばれるもので、データやサービスの収集・提供などにおいて人間を介さずに行うことのできる人工知能のネットワークを開発するというプロジェクトです。
これを実現することで、これまで手作業でAIに学習をさせていた場面を自動化させ、さらに自身や関係者(人間)の損益を考慮して自律したデータの吸収を行うことで生物のように自然な学習を行うことを目指しています。
この開発に関わるサードパーティーに対して、仮想通貨のFetch.Aiを配布したり受け取ったりします。
オープン経済フレームワーク(OEF)
オープン経済フレームワーク(OEF)は、AEAの学習効率を上げるためのプロトコル(プログラムなどの仕組み)です。
具体的な役割として、「地理的な位置」と「経済的な位置」とそれ以外に分類するというものがあります。
地理的な位置と言うのは、その場所にいる際に最適なデータを優先して提供、販売するものでその地理的な関連性を見出す機能です。
経済的な位置とは、関連性の高いデータを提供するもので、関連性の高いデータ市場(同じ業界など)を優先的に提供、販売するもので、このデータの発信や受信は様々なものに搭載されたAEA同士のつながりによって行われます。
そして、「地理的な位置」と「経済的な位置」に当てはまらないAEAのデータはネットワークスペースで分類が行われるという仕組みです。
スマート元帳
スマート元帳は、AEAの個々の情報をサポートする学習元帳になります。
1秒あたり何百万ものトランザクションをサポートするように拡張し、スケーラビリティ問題を回避するような構造です。
これは従来のブロックチェーンに加えて有向非巡回グラフ(DAG)を組み合わせた独自の分散型台帳(DLT)であり、通常のブロックチェーンは1つなのに対し複数のブロックチェーンを存在させることができるという技術です。
リソースレーンというグループに分けて一つのブロックで複数のグループを処理したり、チェーンをフォーク(枝分かれ)させることも可能です。
つまり、この特徴はトランザクションを並行処理できる技術になります。
Useful Proof of Work(UPoW)
Useful Proof of Work(UPoW)と言う独自の処理方法も特徴です。
UPoWは、マイニングの処理競争で負けてもゼロにならず、他の規模の小さな計算・承認処理を行えるようにするものになります。
つまり、ビットコインのように大規模なマイニングの施設を持たなくともスマートフォン程度の処理能力でもマイニングの報酬が期待できるという特徴です。
バイナンスのIEO銘柄
最後がバイナンスのIEO(仮想通貨取引所内で行うICO)銘柄という点です。
これまでは技術の特徴をお話ししましたが、Fetch.Aiには、世界最大手の仮想通貨取引所の一つ、バイナンス(Binance)のIEOを行うプラットフォーム「Binance Launchpad(バイナンスローンチパッド)」の第2弾と言う特徴もあります。
そしてバイナンスで上場が行われており、バイナンスからも評価された仮想通貨という特徴があります。
Fetch.Ai(フェッチAi/FET)の懸念点
Fetch.Aiの懸念点は、プロジェクトの遅れ、資金繰り、急激に下落するリスクが挙げられます。
プロジェクトの遅れ
プロジェクトの遅れですが、これまでお話ししてきたFetch.Aiの特徴は技術的にかなり高いものとなっているため、2019年のうちには実用化が難しいという見方が広がっています。
この技術の開発や普及はかなりの時間と資金を必要とするため、仮想通貨の上場が先行してしまっているだけに仮想通貨を買うことができても実際に使うことができないという状態が続いています。
また、提携する企業もないため、そもそも実現せずに終わるのではという見方も広がっているのが懸念です。
資金繰り
資金繰りについては、すでに数億円以上を投資しているものの未だにプロジェクトが実現せず、すでに調達したお金が底をついているのではないかという懸念があります。
多くの詐欺コインのようなものではなく、しっかりしたプロジェクトでバイナンスがICOを支援していることからも組織自体が飛ぶということはかなり確率として低いですが、進捗が遅れている点を考えるとそういった懸念は嘘とは言い切れません。
急激に下落するリスク
Fetch.Aiの価格は上昇していますが、これは大きな期待の表れでもあります。
しかし、裏を返せば、この期待が外れた時には大きな暴落が控えているということになります。
その期待がなくなるタイミングがあるのかどうか、また来るとしたらいつなのかという懸念があり、購入にはかなりのリスクを伴います。
Fetch.Ai(フェッチAi/FET)の評判(口コミ)
Fetch.Aiの評判について、Twitter上で話題となっているツイートを中心に3つ紹介していきます。
$Fet is awsome project.
Full of #AI.— Keemti Lal (@crypto_sign) 2019年10月16日
プロジェクトを評価しています。
こちらも大暴れw pic.twitter.com/Ah5twpy00R
— Kaz⚜️《緣》《🌛》 (@soul_Lisker) 2019年10月11日
価値が急騰しています。
$FET IEO族の一味がイチ抜け。MATIC、CELR、ONEも後に続けるか‥⁉ pic.twitter.com/ardriAbigH
— ibis (@papikosun) 2019年10月8日
バイナンス関連の通貨としてかなり価値が上がった最初のコインです。
Fetch.Aiは価格が急激に変化しており、バイナンスで上場された仮想通貨の中でも注目を浴びている通貨と言えます。
さらにプロジェクト自体も評判が良く、それが価格に反映している可能性が大きいです。
Fetch.Ai(フェッチAi/FET)の将来性
Fetch.Aiの将来性はプロジェクトの実現にかかっています。
いまだかつてない革新的なアイデアの多くが実現されれば、確実に様々な業界で変化が起きるからです。
そうなった場合、Fetch.Aiはそのイニシアティブを握ることになりますから、非常に価値のある仮想通貨へ変化します。
しかし、逆にプロジェクトがとん挫した場合は、大きな詐欺案件というレッテルが貼られてしまい、価値を失うでしょう。
あからさまな詐欺コインではありませんが、プロジェクトの壁が高すぎるがゆえにこういったジレンマに陥っているのは確かです。
いずれにしても、今後のプロジェクトの進展によってFetch.Aiの将来性は大きく変わるのではないでしょうか。
Fetch.Ai(フェッチAi/FET)のまとめ
Fetch.Aiは、これまでのブロックチェーンの仕組みやAIの仕組みに革命をもたらすプロジェクトから生まれたトークンです。
もしこのプロジェクトが実現すれば、世界は新たな道を進むことになりますが、実現は現状難しい状況となっているため、それが懸念点でもあります。
ただ、バイナンスが支援しているなど完全な詐欺とは言い切れないため、期待は全くできないといも言い切れない仮想通貨です。