
ビットコインは2008年に「SATOSI NAKAMOTO」という人がビットコインの論文を発表しました。
ビットコインは主に高速送金を目的として開発されたわけですが、先進的すぎるビットコインの技術は中々社会に浸透することが出来ず、生まれてから10年経過した現在でも本格的には運用されていません。
未だにビットコインの技術は先進的ということです。
中々実用化されないこの10年の間に、ビットコイン以外のコインつまり「アルトコイン」が続々と誕生しました。
2019年1月時点では約4000種類ともいわれています。
その中でも、時価総額トップ10にランクインするコインは、用途は違えどもビットコインの性能を遥かに凌駕しているのです。
今回は、仮想通貨の王様であるビットコインとアルトコインの送金時間にどれくらいの差があるのかを考えていきたいと思います。
ビットコインの送金時間はアルトコインに比べて遅い?
結論からいえば、ビットコインよりも送金時間が早いアルトコインは多数存在します。
例えば、リップル(XRP)やライトコイン(LTC)などですね。
では本題。
まず、ビットコインは、世界中の仮想通貨取引所で「基軸通貨」として扱われています。
ですので、私達日本人が日本国内から海外の取引所を利用するには、国内の取引所(SBS以外)から海外取引所の自分の口座へビットコインを送金する所から始まります。
この様に、仮想通貨取引を行う上でビットコインの購入・取扱そして「送金」は必須だと言えます。
ここで気になるのが、ビットコインの送金時間です。
ビットコインの送金時間は、ビットコイン自体のブロックサイズの関係上、1つのブロックに対して記録できるトランザクション(取引情報)の量が限られてきます。その量「1MB」。
他の仮想通貨(アルトコイン)と比べても比較的ビットコインの送金時間は遅いと言われており、具体的な目安となる送金時間としては早くても20分から翌日まではかかるものとさています。
特にビットコインでの送金が混雑している時ほど送金の遅延が発生する傾向にあります。
ただここで関連するのが「送金手数料」です。
取引所の中には、基本の送金手数料が定められていない代わりに、マイナー(BTC発掘者)に支払う手数料は、自己負担という形をとっている取引所があります。
ですから、より多く仮想通貨の送金手数料を支払えば、それだけ優先的に送金の処理をマイナーが行ってくれるので、送金先に速く届きます。
こういった方法での送金方法もあるのです。
事実、私の経験として、2018年に発生したコインチェックNEM流出事件の時、コインチェックからビットバンクの口座にビットコインを送金した際、送金が完了するまでなんと3日かかりました。
これでは従来の国際送金の送金速度と何ら変わりはありません。
この時の送金は、あくまでも国内のコインチェック口座からビットバンク口座への送金なので、国内間での送金にこれだけの時間を要したということになりますね。
つまり、ハッキングのニュースが発表された時、日本中でコインチェック口座から他の口座に資金移動させようとした人が殺到したと考えれます。
送金が殺到したから送金が遅れてしまうのでは本末転倒。
なんのための仮想通貨なのか?と思ってしまいます。
この時、ビットコイン以外に、送金に特化されている仮想通貨XRPも送金しましたが、XRPについてはいつもと変わらない送金時間(数秒)で着金していました。
このような私一個人の経験を含めビットコインは現在、主軸通貨であるが故に活発に行われる取引に性能が追い付かず送金に遅延が発生しています。
ビットコインの送金時間は取引所毎に比較してみた
基本的に取引所の違いによる、送金時間の違いは無いと考えて良いでしょう。
しかし、上記の項目でも触れましたが「マイナー(BTC発掘者)に支払う手数料は自己負担という形をとっている取引所」があります。
ここで他の誰よりも高い手数料をマイナーに支払えば、手数料が定められている取引所より早く優先的に送金処理を行ってくれるでしょう。
しかし、国内の取引所はほとんどの業者が手数料を一律で定めています。
ここで上記の理屈を考えると、送金手数料が高い取引所では早く着金するのではないか?と言うことです。
実際私が持っている各取引所に、ビットコインを同じ日同じ時間帯に送金検証してみました。
送金検証を行った取引所は以下の4つです。
- コインチェック
- ビットバンク
- バイナンス
- ビットポイント
送金検証の結果としては「大差はない」という結果に終わりました。
もちろん、いずれかの取引所になにか不具合などが発生し、送金が殺到したらその取引所のみ遅延するということもあります。
ですから、「時によって違いが発生する」と言うことになるのではないでしょうか。
ビットコインの送金時間は約10分が目安
ビットコインの送金時間は、一般的に送金に約10分かかると言われています。
ビットコイン(BTC)のブロックは約10分ごとに生成され、1ブロックに対するマイニングも約10分かかるように難易度が調整されています。
そのためビットコイン(BTC)を送金して相手に届くまでの時間も、理論上は約10分になります。ただし取引量が多くなったり、マイナーが少なくなったりすると、10分以上かかることがあります。
引用:コインチェック
この10分という時間にも、きちんとした理由があります。
ビットコインを送金する時にはマイニングという1回につき約10分の取引の承認作業が行われます。
これはつまり、マイナーによって認証作業が行われなければ送金できないのです。
加えて、1回に付き10分かかる認証作業を、順番にこなしていくためビットコインの送金時間は10分かかるのです。
先程、私の送金検証でも述べたように、送金が混み合っている時は、数時間から数日かかってしまう場合があります。
その他の送金遅延の理由として送金の金額、時間帯、取引所や手数料など、原因は様々あります。
ですから、今現在のビットコインの送金時間は、「何分かかる!」と断言することは言いにくい状態にあります。
それに、ビットコインの送金速度を遥かに上回るアルトコインも多数あります。
アルトコインの存在によって、ビットコインは本来の目的で購入されるよりも、「GOLD」のように資産として扱われてしまっているのが現状です。
ビットコインの送金時間は今後早くなることはあるのか
先述したようにビットコインの送金時間は、最速でも認証に10分程度時間がかかります。
この認証時間を早める事ができれば、送金処理速度を早めることができます。
現在、この処理能力問題を解決する為に「Segwit」という取引サイズを圧縮し、取引速度を早めるシステムの導入を行なっています。
将来的にはもっと使い勝手の良い送金方法になるかもしれません。
しかし、ビットコインのスケーラビリティの問題を解決するためにビットコインから分裂して生まれた、「ビットコインキャッシュ」というアルトコインがすでに存在するため、無理にビットコインでの送金や決済を行う必要があるかどうかという考え方もあります。
ビットコインの送金時間から見る今後の将来性について
ビットコイン市場はまだまだ成長段階と言って良いでしょう。
しかし、ビットコインでの送金は、アルトコインの誕生により需要が薄くなってきている印象にあります。
送金時間の検証実験からも言えることですが、今のビットコインでの送金は正直オススメしません。
もし送金時間を早めたい人は、ビットコインを一度「XRP」等高速送金が可能な通貨に変換し、送金するのが良いでしょう。
もちろんビットコインの将来性はあると思いますが、送金手段としてではなく、資産として取り扱われる可能性が高いと見ています。
今後のビットコインの動向に注目です。