
アメリカドル(USD)と連動している通貨として注目されている仮想通貨PAX(Paxos Standard Token)をご存知でしょうか。
あまり聞きなれないステーブルコインというタイプの仮想通貨で、一般的にイメージされるような値動きが激しい仮想通貨とは異なり、非常に静かな動きを示す通貨です。
利用シーンによって合う人・合わない人がいますので、ぜひこの記事を読んでPAXとの相性が合うかどうかを確認してみてください。
PaxosStandardToken(PAX)のwiki的基本情報
仮想通貨名 | Paxos Standard Token(パクソススタンダードトークン) |
トークン名 | PAX |
公開月 | 2013年12月22日 |
開発国 | アメリカ |
開発会社 | Paxos Trust Company, LLC |
発行上限 | 257,705,122 PAX |
発行枚数 | 257,705,041 PAX |
公式HP | https://www.paxos.com/pax/ |
ホワイトペーパー | PAXOSのホワイトペーパー |
@PaxosGlobal | |
paxosglobal | |
- | |
TelegramID | - |
YouTube | - |
PaxosStandardToken(PAX)とは
PAX(Paxos Standard Token)は、米ドルと連動した仮想通貨です。
米ドルと連動した通貨といってもイメージがつきにくいでしょうが、レートが1PAX=1USDとして固定されているため連動しているといえます。
アメリカのブロックチェーン会社「パクソス」が発行している通貨で、2018年9月に発行開始されました。
PAXのような通貨の価格が安定しているコインのことをステーブルコイン(コイン)いいますが、ステーブルコインが生まれた背景は仮想通貨に特有のボラリティの高さに起因します。
皆さんの頭の中にも「仮想通貨=急激な値動きがある」というイメージがあるかと思いますが、仮想通貨は一般的な投資対象に比べると非常に値動きが大きいことで知られています。
この値動きの変動幅のことを「ボラリティ」といい、値動きが大きい場合はボラリティが高い、値動きが小さい場合はボラリティが低いという言い方をするわけです。
なぜステーブルコインが発行されるのか?
仮想通貨取引をしていると一日で通貨の価格が数倍に膨れ上がるということも頻繁に起こります。
ここであなたが仮想通貨に投資をしているとするともしかしたら明日には数倍にも膨れ上がるかもしれない通貨をそうそう簡単には利用しようとは思わないはずです。
つまり、ボラリティが高いが故に通貨としての本来の役割であるモノ・サービスを購入する際に使用するという行為に使われなくなる可能性が高くなるわけです。
そういった状況を打破して、通貨としての本来の役割を担わせるために発行されるのがステーブルコインということになります。
担保にしているものが違う
価格が安定しているということは、何かその通貨の価値と引き換えになる対象があることになります。
今回紹介するPAXは米ドルが担保となっているため、いわゆる法定通貨を担保としている仮想通貨といえるわけです。
その他には、MakerとDAIのように仮想通貨を担保にしている通貨やLibraのように無担保だがステーブルコインとして成り立っている通貨もあります。
PaxosStandardToken(PAX)の特徴
次にPAXの特徴について解説していきます。
ここでは5つの特徴をピックアップしました。
USDと固定レートで取引される
冒頭にも述べましたが、PAXは通貨の価格が安定しているステーブルコインと呼ばれる種類の仮想通貨です。
PAXの他にも、BiPAX・Nubit・USDTなどがステーブルコインとして知られています。
1PAX=1USDというレートが固定されているため、PAXを換金して米ドルを引き出せば同じ量だけPAXが減るという仕組みになっています。
そのため、既存の米ドルがデジタル資産に切り替わったイメージを持つと理解しやすいでしょう。
ニューヨーク州の規制当局に認可を受けている
PAXは、ニューヨーク州の規制当局から認可を受けている仮想通貨です。
つまり、仮想通貨とはいえども信頼性はかなり高い通貨であるということになります。
PAXと同じように米ドルを担保としている代表的な仮想通貨としてTether(USTD)があります。
Tetherは取引量だけでいけばPAXを凌いでいますが、信頼性の面で劣ると評価されているため、信頼性の面ではPAXに軍配が上がる状況です。
いつでもどこでもやり取りできる法定通貨
「法定通貨と一緒ならわざわざ仮想通貨として持つ必要がないのでは?」と疑問に思う方もいるでしょう。
たしかに、PAXは値動きも少なく、一般的に仮想通貨取引でトレーダーが期待するような高いボラリティは見込めないため、投資対象としては向かない部分があります。
しかし、仮想通貨である以上、銀行やATMの利用時間に制限されずお金をやり取りすることができますし、当然ながら仲介手数料や送金手数料もかからないため、決済や送金をするのに非常に優れています。
通貨としての機能が安定している
PAXは、複数の銀行から価値を認められている仮想通貨です。
そのため、仮に1つや2つ価値を保証してくれていた金融機関が倒産しようと大きな影響はありません。
一般的に仮想通貨で心配するような急激な値動きは良くも悪くもないため、安心して保有することが可能です。
今後より安定感が増していくことが予想される
PAXは既にニューヨーク州の規制当局からの認可も受けているうえに、利用するうえでの利便性から今後ますます利用シーンが増えていくことが予想されています。
PaxosStandardToken(PAX)に対する懸念点
ここでは、PAXの懸念点について解説していきます。
急激な価値上昇は期待できない
PAXの特徴としても説明してきたように、PAXはあくまでも法定通貨である米ドルに沿った値動きを見せるため、ボラリティは非常に低いです。
そのため、基本的に投資対象としての仮想通貨としては向いていません。
決済や送金のために持つのであれば話は別ですが、投資対象として考えているのであればあえて保有することに意味はありません。
過去に倒産をしたステーブルコインもある
PAXと同じように米ドルを担保にしている仮想通貨にNubitという通貨がありますが、実はNubitは過去に倒産を経験しています。
いくら値動きが少ないとされているステーブルコインであっても、倒産のリスクが0ではないということはだけは頭に入れておく必要があります。
日本では直接購入できない
PAXは日本で直接購入することはできません。
PAXを購入するためには、Binance、OKEx、ZB.COMなどの海外取引所を利用する必要があります。
PAX購入ステップ
- 海外取引所に登録
上記にピックアップしたような海外取引所に登録をします。 - 国内取引所でPAXに交換可能なコインを購入
国内取引所でPAXと取り替えられる仮想通貨を購入します。 - 国内から海外へ送金
国内取引所から登録した海外取引所に対して送金をすることでPAXを手にすることができます。
PaxosStandardToken(PAX)に対する評判・口コミ
一般ユーザーはPAXについてどんなイメージを抱いているのか、Twitterから3つ声を取り上げてみました。
バイナンス上場アナウンス。
$PAX 本日バイナンス上場アナウンス。1PAX=1USDというペッグ通貨。何個ペッグ通貨を増やすんや…$DTA upbit$bittrex上場。ビットレ上場はしばらく伸びる傾向。 pic.twitter.com/aaNvuxWBxW
— Nana Cash (@nana_mindtrader) 2018年9月21日
PAXが海外大手取引所のbinanceに上場したことを伝える内容の投稿です。
注目度の高さがうかがえます。
Huobiが4種類のステーブルコインを取引できるサービスを開始
速報:元中国三大取引所のHuobiはUSDにペッグするステーブルコインCircleのUSDC、GeminiのGUSD、TrustTokeのTUSD、PaxosのPAXの4種の入出金に対応し、4種のどれで入金してもHUSDとして反映され、出金時に好きなステーブルコインを選べ、ハブとして働くサービスをローンチ #テザー #USDT #仮想通貨
— あき@暗号通貨 (@sehufford11gma1) 2019年9月24日
元中国三大取引所であるHuobiが米ドルを担保にする仮想通貨、USDC・GUSD・TUSD・PAXのいずれに対しても入出金の際にHUSDとして反映されるサービスを始めるという投稿です。
中国ではPAXの利用が盛んといわれています。
Binanceで取引ペアが追加
Binance [会社情報 https://t.co/UN0Vb98RAE ] より、取引コインペア追加のお知らせ🆙
追加: #LTC / #TUSD , LTC/ #PAX , LTC/ #USDC , #TRX /PAX and TRX/USDC
日本時間で、2019年1月24日 木曜日 午後7時から取引可能に#Binance #バイナンス #仮想通貨 #暗号通貨 #cryptoarmyio
— cryptoarmy.io Japan (@cryptoarmy_jp) 2019年1月23日
binanceでの取引ペアが増加したということでPAXが取り上げられています。
PaxosStandardToken(PAX)の将来性
これからPAXを保有しようか迷っている人にとってみれば、PAX自体の将来性は非常に気になるところでしょう。
ここでは、PAXの将来について解説していきます。
長期的により安定した通貨になっていくことが期待できる
PAXは、決済や送金時に手数料がかからないなど普段の生活の中で利用していく分には非常に利便性の高い通貨です。
今後、仮想通貨自体の利用が世界中でさらに拡大していけば、PAXの需要は間違いなく伸びていくことが期待できます。
暴落は考えにくい
PAXを持つうえで最も嬉しいのは、暴落の心配がないことでしょう。
その分、高いボラリティは期待できないため、一般的に仮想通貨取引でイメージされるような一発逆転の運用はできませんが、そもそもそのような考えで運用をすることを望むのであればはなからPAXは投資対象としては適していません。
既にBinanceへ上場していることからも認知は高まっていくと予想できる
PAXは既にBinanceへ上場も果たしており、認知も徐々に高まっています。
今後も利用が続いていけば、さらに認知度は高まっていくことは間違いないでしょう。
特に、中国市場における利用は大いに期待できます。
PaxosStandardToken(PAX)のまとめ
ステーブルコインであるPAXは、一般的な仮想通貨のような派手なボラリティの高い運用には向いていませんが、決済や送金などの通貨を利用するというシーンにおいては非常に大きな役割を果たす仮想通貨です。
ニューヨーク州の規制当局からのお墨付きも貰っており、今後はさらなる利用拡大も期待できる通貨ですから、需要が伸びていくことは間違いないでしょう。
ただし、仮想通貨取引の醍醐味である高いボラリティを狙って運用をしていきたいユーザーにとっては適さない通貨なので、利用シーンを分けて別の通貨と上手く組み合わせながら利用することをおすすめします。