3テザー砲

仮想通貨は、法定通貨の為替相場のように常に価格が変動しています。

価格変動は、大小さまざまな個人または組織からあらゆる介入を受け変動しているという側面があります。

そういった価格変動の要因の一つが、今回紹介する「テザー砲」です。

法定通貨の為替相場でも「日銀砲」という俗語があるように、仮想通貨にも○○砲と名のつく介入があるのです。

しかし、実際にはその介入がどのようなものなのかわからない人も少なくないでしょう。

そこでこの記事では、テザー砲について詳しく解説していきます。

  • デザー砲の介入が起こるタイミング
  • デザー砲の影響
  • そもそもテザーとは何なのか
  • デザー砲の将来性

これを読めばテザーやテザー砲について知識を深めることができるでしょう。

テザー砲とは

テザー砲とは

まず、「テザー砲」のテザーとは、仮想通貨の一つであるテザー(Tether/USTD)のことを指しています。

テザーという仮想通貨のスキャンダル

テザー砲とは「テザーを大量発行しビットコインの価格を支えていると言われる介入のこと」と「テザー発行の根拠であり担保であるアメリカドルが実際に存在しないまま大量発行されている」という一連の疑惑のことを言います。

つまり、テザーという仮想通貨のスキャンダルです。

2017年9月のテザーによるビットコインの大量購入が発端

最初に介入のことに触れていくと、2017年の9月頃からテザーでビットコインを大量に購入していくという動きが出てきたことが発端となります。

しかも、テザーでビットコインを買う方法にも特徴があり、指定した金額でビットコインを買うという指値注文ではなく、すぐにビットコインを買いたいという注文(成行注文)が仮想通貨取引所で頻繁に行われるようになったのです。

この急激なテザーの仮想通貨市場への流入により、2017年11月にはわずか3週間程度で時価総額が2億米ドル以上(当時の日本円換算で220億円以上)も上昇するという異常な状態になりました。

この異常な状態の理由として仮想通貨テザーの大量発行に伴う何かしらの介入があったのではないかと考えられるようになりました。

そして、海外掲示板でテザーが数分間に3000万ドル分発行されたという情報が流れ、一気に発行元のテザー社によるテザーの大量発行を行ったという見方が強まったのです。

一企業が2億米ドル以上の資金を集めるのは現実的ではない

そして、もう一つの「担保なしに発行を行っている」という疑惑は、テザー社がアメリカドルの担保がないままテザーを発行しているというものです。

仮想通貨テザーは、ドルを担保にした分だけ仮想通貨を発行するという仕組みで運営されているのが特徴の仮想通貨です。

そのため、2億米ドル以上の時価総額が高まったということは、多少の為替の変動はあっても最低でも2億米ドル近い資金を用意する必要があるということになります。

いくらアメリカであっても2億米ドルをいきなり用意するのは非常に困難ですし、しかもテザー社という新興の、しかも詐欺行為の多い仮想通貨の業界の企業が2億米ドルを集めるのは現実的ではないと考えられたことが、疑惑となったのです。

テザーの規約と役員構成が相場を操作するのに最適な組み合わせ

そして、その疑惑はどんどん深まりました。

その理由は、テザーの規約とテザー社の役員構成です。

テザーは無担保でも発行できてしまう

テザーは、ドルを担保に仮想通貨テザーを発行していますが、返金は法的に保証されないという規約があります。

それは、価格が下がったからテザーを米ドルに換えてくれと言っても応じないこともあるということです。

つまり、無担保であってもテザーが発行できてしまうのです。

BitfinexのCFOがテザー社の取締役を兼務している

更にテザー社の役員構成が追い打ちをかけます。

なんと世界規模の大手仮想通貨取引所であるBitfinexのCFO(最高財務責任者、最高幹部の一人で企業の金庫番とも言える役職)がテザー社の取締役を兼務しているのです。

これが、相場を操作するのに最適なポジションの組み合わせと見なされたのです。

ビットコインの価格へも疑惑を波及

このようなテザーの大量発行疑惑と無担保でのテザー発行疑惑がビットコインをテザーで大量購入した行為と結びつき、無担保の仮想通貨でビットコインの価値が上乗せされているという、ビットコインの価値そのものへの疑惑へも波及していきました。

このテザーを使ったビットコインの相場の操作が疑われる一連の行為や疑惑が「テザー砲」と呼ばれているのです。

そしてそれが転じて、現在では「テザーが新規発行されると連動してビットコインが上がる傾向がある」という状況を指す言葉として使われるようになりました

テザー砲が起きるのはどんな時?

テザー砲が起きる時はどんな時?

テザー砲はいつも狙ったようなタイミングで発動されます。

それは、前項でもお伝えしましたが、ビットコインの価格が上がる直前です。

テザーの大量発行後、ビットコインが買われ価格が上昇する

テザーの大量発行が行われた後は、必ずビットコインがテザーによって買い付けられビットコインの価格が上昇するというものです。

この傾向が分かるにつれて、多くの仮想通貨所有者(ホルダー)がこの事象を元にビットコインを購入するという動きが出るようになりました。

しかし、最近では不発に終わることも増えておりテザーを大量に発行してもビットコインの価格が上昇しない傾向にあります。

ビットコインの価格が急落した際に動きがある

また、テザーの大量発行の誘因もビットコインの価格と大いに関係しています。

ビットコインの価格が急激に下落した時など、価値を保つためにテザーの大量発行が行われ、それによってビットコインを購入し価値を高めようという動きが出ます。

まさに「日銀砲」を彷彿とさせるような状態でテザー砲が発動すると言った印象です。

日銀砲
日本円の価値を維持しようとする(または目的の金額までコントロールするという)日本銀行(日銀)による直接または間接的な為替市場介入のこと。

テザー砲が起きると仮想通貨市場は高騰?暴落?

テザー砲が起きると仮想通貨市場はどうなる?

テザー砲が起こると、仮想通貨市場に影響を与えることがしばしばあります。

それは、ビットコインとアルトコイン(ビットコイン以外の全ての仮想通貨)それぞれに影響を与え仮想通貨価格が上昇するというものです。

今言われているテザー砲は、テザーの大量発行によるビットコインの大量購入です。

この行為が行われることで仮想通貨市場のうち、まずビットコインの価格が上昇します。

最近では法定通貨と同様に仮想通貨もFXでレバレッジ取引ができるようなったため、急速なビットコインの成行買いを行うことでも価格が上昇します。

ビットコインの価格が上昇すると仮想通貨の価格の上昇がトレンドとなり、連動してイーサリアムやライトコインなどのアルトコインの価値も上がっていくことがあります。

ただし、前項でもお伝えした通り不発に終わることもあるため、以前のような影響力はなくなってきているという見方もあります

そもそもテザーとは

そもそもテザーとはどんな仮想通貨?

今までテザー砲についてお伝えしてきましたが、そもそもテザーとは何でしょうか。

米ドルの相場に連動した仮想通貨

一言で言うと、テザーは米ドルの相場に連動した仮想通貨です。

ステーブルコインとも呼ばれるジャンルの仮想通貨で、ビットコインをはじめとした様々な仮想通貨と異なり、法定通貨と連動し同じ価値をもつ仮想通貨のことを言います。

テザーの場合は、米ドルと同じ価値で動く仮想通貨です。

米ドルを担保にした分だけ発行できる

その根拠として、米ドルを担保にした分だけ発行できると言うルールがあります(担保にできないとテザーの価値がなくなってしまう)。

特徴としては、法定通貨のように非常に安定した価格の動きをしていることが挙げられます。

安定した価格という特徴を持ちつつ、仮想通貨のメリットである送金手数料の安さや送金の早さという特徴もあるため、

例えば、アメリカで稼いだ米ドルをアメリカから日本に移動させる場合、従来であれば高い手数料と長い時間がかかったものが、米ドルをテザーに替えて、日本の取引所でテザーを日本円に替えて入金手続きを行えば、非常に安く、そして早く送金することが可能となります。

米ドルが用意できないリスクや差益が期待できない弱みがある

このようなメリットを持つテザーですが、担保となる米ドルが用意できないというリスクや仮想通貨の魅力である大きな価格変動による差益が期待できないという弱みもあります

テザーの将来性

テザーの将来性

テザーの将来性は厳しいものがあります。

疑惑の多さが足かせとなっている

確かに送金などが非常に便利で、米ドルと同じ価格変動をしているという安定さなど魅力も多いのですが、疑惑が多すぎるという点が将来性を厳しいものにしています。

テザー砲の疑惑や米ドルが準備できていないという無担保疑惑だけでなく、役員の変動が激しい点やアメリカ当局から注視されているという点、さらには得意先になる予定だった大手銀行も取引やつながりを断ったという点が足かせとなっています。

同じ機能を持つ米ドルと連動した仮想通貨が増えている

このように孤立無援の状態の上、更に同じ機能を持つ米ドルと連動した仮想通貨(※)が数多く誕生しており、疑惑の多いテザーを買うよりはそれらを買った方が良いという動きも出てきています。

※同じ機能を持つ米ドルと連動した仮想通貨

ステーブルコインと呼ばれるもの。
トゥルーUSD、パクソス、ジェミニドル、USDコインなど。

2019年6月時点で時価総額は世界第9位

ただし、時価総額だけ見れば2019年6月現在世界第9位となっており、世界有数の仮想通貨の一角を担っています

そのため、いきなり消えてしまうということはあまり考えられませんし、その巨大な地力を生かして何かしらのアクションを起こせば将来性が変わるという可能性を十分に秘めています。

それでも、米ドル無しの無担保でテザーを発行しているという疑惑を解消しなければ、将来の見通しは厳しいままでしょう。

テザー砲のまとめ

「テザー砲」とは、米ドルと連動した価値を持つステイプルコインの一つである仮想通貨テザー(Tether/USTD)の大量発行によるビットコインの価格への介入のことを指します。

このテザー砲が成功すれば、ビットコインの価格は上昇し、それに応じてアルトコインの価値が上がる可能性があります。

しかし、テザーには無担保で大量発行を行っているという疑惑や、仮想通貨取引所の幹部が発行元のテザー社の経営に関わっているという疑惑があり、将来性を厳しいものにしています。

これらの疑惑を解消し、更に同様の機能を持つ後続のステーブルコインと十分に渡り合える存在となれば、将来性を見出すことができるでしょう。

ただし、状況によってはアメリカ当局などによって、強烈な処分が下されるという大きなリスクを抱えているというのも実情です。

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