Maker(MKR)を語るには、ステーブルコインDaiの存在を知っておく必要があります。
Makerはドルの価値を固定したDaiの発行や供給に絶対的に必要な役割を果たします。
いわば、なくてはならない存在ということですね。
ステーブルコインは法定通貨にペッグ(固定)した、価値の裏付けを持つ仮想通貨で知られています。
安定した価値を持つ仮想通貨がブロックチェーン技術を最大限に発揮するため不可欠な理由は需要の高さからもよく理解できます。
代表的なコインで言えばTether(USDT)が有名ですが、仮想通貨界隈でも担保となるドルが十分に確保されているのかという疑惑が一気に駆け巡りました。
そういったニュースが流れてもなお、ステーブルコインの需要は減らず次々と新しいプロジェクトが進出してきています。
価格変動のないコインは決済に向いていますが、投資の視点ではつまらないものに映ってしまいます。
では何故、安定した価格のステーブルコインに注目が集まっているのでしょう?
ステーブルコインの代表格となりうるDaiの機能を支えるMakerにその理由があるようです。
Maker(メイカー/MKR)のwiki的基本情報
仮想通貨名 | Maker(メイカー) |
トークン名 | MKR |
公開月 | 2017年 |
開発国 | 米国 |
発行上限 | - |
発行枚数 | 1,000,000 MKR |
公式HP | https://makerdao.com/ja/ |
ホワイトペーパー | https://makerdao.com/whitepaper/Dai-Whitepaper-Dec17-ja.pdf |
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YouTube | MakerDAO |
Maker(メイカー/MKR)とは
仮想通貨「Maker」はMakerDAOが発行する二種類の仮想通貨のうちのひとつです。
Daiの価格調整のために発行された
MakerはMakerDAOが発行するもう一つの仮想通貨である「Dai」の価格を調整するために発行された非常に特殊な性質を持つ仮想通貨です。
Daiは法定通貨と等価交換が可能なペッグ通貨であり、その価値はドルと連動しています。
1Daiにつき1ドルと法定通貨と完全に価値が連動しているDaiはいわば仮想米ドルと言ってもいい性質を有しています。
Daiのように安定した価値を有する仮想通貨のことをステーブルコインと呼びますが、ステーブルコインとして確かな価値を保証するためにはその価値を守るための取り組みが必要不可欠です。
Daiの信頼性と価値の保証
Makerの目的はDaiの信頼性と価値の保証にあります。
何らかの理由でDaiの価値が米ドルから乖離した場合、即座にMakerにより適正な水準へと修正・変更が実施されます。
価値が変動しないDaiの機能的補助を行う仮想通貨がMakerであり、一般的な商取引に使用されるために開発される仮想通貨とは目的も使用方法も大きく異なるのが特徴です。
Maker(メイカー/MKR)の特徴
CDPスマートコントラクト
Makerの大きな特徴が、CDP(Collateralized Debt Position)スマートコントラクトと呼ばれるシステムです。
これはCDPスマートコントラクトに仮想通貨イーサリアムを送るとDaiが発行されるというシステムで、Makerに担保資産を預けることでDaiを発行することができます。
そのかわり預けた資産にはアクセスができなくなります。
このシステムのメリットは仮想通貨を担保に仮想通貨を発行できる点にあります。
通常仮想通貨を手に入れるには、マイニングを行う・取引所で購入する・借り入れするという3つの選択肢があります。
CDPスマートコントラクトは借り入れを一歩進めたシステムです。
仮想通貨を担保にDaiを発行し、担保の回収にはMakerを使用します。
仮想通貨を用いて仮想通貨を手に入れられるので、取引所での価値変動に振り回されることなく安定した数量の確保が可能になります。
Makerはその際に使用される仮想通貨として特殊な価値を有しています。
分散型プラットフォームによる担保の確保
Makerは、CDPスマートコントラクトによりMakerは分散型プラットフォームによる複数担保の確保に成功しています。
担保が複数かつ分散しているということは、特定の意思に運営が左右されないということです。
発行主体が集中しにくいことから自然と権力が分散され、リスクも分散されます。
特定の運営者や保有者だけが強い力を持つ可能性が低いため運営に安定性が生まれるのです。
ガバナンストークン
Makerは、ガバナンストークンとしてMaker保有者に意思決定参加券を認めているという特徴もあります。
ガバナンストークンとは、対象のトークン保有者によって運営されるトークンのことで、しばしば国民全員が参政権を有する民主主義に例えられます。
主な決議内容は、システムのリスク管理とビジネスロジックで、暗号資産における最重要課題である2つの擬態に対しMaker参加者には投票権が与えられます。
任意の提案に対してどのように投票するかは完全に自由意志に任せられます。
投票の結果最も多くの得票を集めた提案が認められ、提案内容に従ってシステムが実装されたり運営方針が変更されたりします。
ガバナンストークンでは悪意ある参加者によって恣意的な決議が実行されてしまうリスクがありますが、Makerではそのような被害を防ぐために様々な取り組みを行っています。
そのため必ずしもシステムの変更がスムーズに進むわけではなく、実装までにセキュリティ上の遅延が発生する可能性があります。
現在のところ、投票権はMakerを保有する本人による直接投票のみですが、将来的には代理投票や委任投票、より強固なセキュリティを実装した安全な投票システムの実装など高度な機能を採用することが計画されています。
TRFMによる自動レート設定
Makerは、市場の急変に対する備えとしてTRFM(Target Rate Feedback Mechanism)を採用しています。
このシステムは市場が不安定な状態になったときに作動するもので、市場がどのような状況にあってもDaiの価値が米ドルと同じ価値を保つように自動的にMakerのレートを調整します。
Daiは法定通貨と同等の価値を持つペッグ通貨ですが、仮想通貨市場の混乱により一時的に価値が乖離してしまう可能性は避けられません。
もし法定通貨とかけ離れたレートでペッグ通貨が取引されるようなことがあれば市場が落ち着きを取り戻したとしてもステーブルコインとしての信頼は大きく損なわれてしまいます。
TRFMはペッグ通貨としてのDaiの価値を守る安定装置のような役割を果たすシステムです。
MakerはDaiの価値を支える役割を担い、TRFMにおける調整役として機能します。
Daiとの密接な関係性
MakerはDaiのためにある仮想通貨です。
Daiの価値を保証するためのMakerですが、そのことが同時にMakerの価値をも保証しています。
MakerがDaiのための仮想通貨である以上、Makerの価値は自動的にDaiと密接に連動します。
Makerの価値は取引動向やTRFMの機能によって変動しますが、基本的な値動きはdaiと密接に連動、すなわち米ドルの価値と連動しています。
Maker(メイカー/MKR)に対する懸念点
ガバナンストークンであるがゆえの不確実性
Makerは保有者が意思決定参加権を有するガバナンストークンです。
ガバナンストークンは運営が透明になり不正が起こりにくいというメリットがあります。
その代わり、参加者の思惑により必ずしも再前ではない意思決定が通ってしまうというリスクもつきまといます。
Maker保有者の中に愉快犯のようにいい加減な気持ちで相応しくない提案に投票する人物がいた場合、Makerにとって再善ではない運営方針やセキュリティ提案が通ってしまう可能性があります。
仮に悪意ある参加者が大挙してMakerに参入した場合、Makerの運営が悪意ある人物に専有され事実上乗っ取られてしまう恐れがあります。
そのような状態になれば、Makerの安定的な運営が不可能になるだけでなくDaiの信用までガタ落ちしてしまいます。
MakerやDaiを舞台に悪質な取引や不正が実行されれば価値が失われるだけでなく存続までもば危ぶまれることになります。
TRFMによる価格変動
MakerにはDaiの価値を安定させるためにRFMによる価格変動が起こります。
これは市場の需給や取引動向とは無関係に行われるもので、場合によって市場とは大きく乖離した水準レートが動く可能性があります。
TRFMによる調整は一時的なものですが、一時的とはいえレートが大きく動くのは仮想通貨の安定的な取引には好ましくないことです。
Daiの価値は安定しますが、その反動でMakerの価値が不安定になるリスクについては注意が必要です。
他の仮想通貨の値動きにより価値が大きく変わる
イーサリアムを担保にDaiを発行するCDPスマートコントラクトというシステムは、実質的に他の仮想通貨によりMakerの価値を変動させる要因になります。
もし担保として預け入れられたイーサリアムが何らかの理由によって価値を失ってしまった場合、発行したDaiだけでなくMakerの価値までもが暴落してしまう恐れがあります。
CDPスマートコントラクトでは、今後イーサリアム以外の仮想通貨も対象にすることが検討されていますが、価値の不安定な仮想通貨を担保として認めてしまうとMakerの価値はこれまで以上に安定感を欠くことになってしまいます。。
Maker(メイカー/MKR)に対する評判(口コミ)
ここからは、MakerのTwitterでの評判や口コミを見ていきましょう。
仮想通貨(暗号資産)2月のまとめ|2桁成長に注目か暗号通貨Maker (MKR) 【CoinFan コインファン】
86%超の仮想通貨(暗号資産)Maker(MKR)をご紹介!https://t.co/5OuwS6CEZe#仮想通貨 #Maker #MKR
— CoinFan(コインファン) (@CoinFan_club) 2019年9月6日
Makerに関する情報共有のツイートです。
最後の新規銘柄上場が5月11日の #Maker#MKR って。
それまでは一月に複数銘柄上場もあって
月一ペースで上場しとったのにな。いろいろ控えすぎて大変やろーな。
一個ずつプロジェクト進めて、大きい存在になったら
トークン保有者の俺は喜びます^ - ^
わざわざ #XCR 上場も控えとる時に転けんだろ。— S.io🇦🇿 (@hlmv0DKthKE) 2019年9月15日
こちらは、Makerに期待する気持ちが伝わってくるツイートですね。
MKR
時価総額100位内で
12月、1月、2月、3月と
ピックアップしたリストに載せてたけど
これ強過ぎだろ📈😆$MKR #MKR #Maker #メイカー #DAI $DAI #仮想通貨 #暗号資産 pic.twitter.com/GZIh8PneFp— ニイタク@BTCFX (@niizeki_BTC) 2019年3月22日
Makerの時価総額の情報をツイートしていますが、今後への期待も伺えます。
Maker(メイカー/MKR)の将来性
2014年に設立されたMakerは、仮想通貨としては比較的長い歴史を有するプロジェクトです。
これだけの期間大きなトラブルもなく運営してきた事実が信頼を証明しています。
投資対象としての評価も高く、格付けでも一定の評価を得ていることも運営の確かさを裏付けています。
米ドルとのペッグ通貨であるDaiの動向にもよりますが、Daiの信頼性がこれまで以上に認められればMakerの価値も上昇が見込めます。
仮想通貨にリスクはつきものなので楽観視はできませんが、資金調達についても順調に行われているとの報道もあり将来性は明るいと見ていいでしょう。
Maker(メイカー/MKR)のまとめ
Makerは、特殊な性質を持つ仮想通貨であり、他の仮想通貨と同じように考えるのは誤りです。
Daiとの関係性や仮想通貨としての有用性に注目することがMakerの本質を見極めることに繋がります。
初心者には安易にオススメできない上級者向けの仮想通貨ではありますが、将来性が有望であることを考えれば投資を検討するに値する仮想通貨であることは間違いありません。