
仮想通貨の確定申告には税金計算が発生します。
しかし取引履歴を取引所からダウンロードを行い、国税庁公認のオンラインツールを利用することで税金計算をシンプルに済ませることができます。
ここでは主に取引所からの取引履歴のダウンロード対象を紹介しながら、申告に必要な書類や、取引履歴の印刷、さらには申告の税理士についても触れていきます。
仮想通貨の確定申告に一番必要なものって?
仮想通貨確定申告に必要とされるものは特にありません。
仮想通貨の損益に関しては、確定申告用紙の第二表に収支を記入するだけです。
しかし現実的にはこれだけで終わるのは危険です。
税務署から求められていないとはいえ、自分でまとめた収支の明細書やその根拠となる取引所からの履歴明細を添付しておくことは自分の身を守ることにつながります。
第二表に記入された内容が例え事実だとしても、収支の明細書などの裏付けとなる資料が一切見当たらない場合、当然確認作業が発生します。
それは税務署からの問い合わせにつながり結局、資料に基づく即答が必要になってきます。
時間が経過した場合の資料を急いで確認しながらの回答よりは、事前に収支の経緯が書面で追跡ができる収支の明細書や取引所からの履歴データを印刷した形で添付した方が確実です。
取引履歴をダウンロードする方法【国内取引所編】

出典:Gtax
仮想通貨の確定申告では、国税庁公認のGtaxを利用してシンプルに計算するのがお勧めです。
GTaxでは日本国内のほとんどの仮想通貨取引所に対応しているため、各取引所において必要なことはダウンロード対象となるデータを取得するのみです。
ここでは国内の代表的な取引所毎に必要なデータに触れてみます。
取引所 | Gtaxで損益計算する場合に必要なダウンロード対象 |
bitFlyer |
※メニューにはLightning_TradeHistoryをダウンロードできるようになっていますが、Gtaxを利用する場合にはダウンロード対象ではありません。 |
Zaif |
※ZAIF積立やクレジットカードの購入履歴、MONA保証、残高調整履歴はコピペ対応です。 |
Coincheck |
※コインの受取、送金履歴は、決済アカウントと貸仮想通貨アカウントで異なるため、それぞれ取得する必要があります。 |
Bitbank |
※現在上記の履歴はCSVデータでは取得できないため、コピー&ペースト対応です。 |
Liquid by Quoine |
※ダウンロードではなく、取引レポートをメールで送信する形式です。 |
BTCBOX |
※取引履歴は1日1回のみダウンロード可能となります。また通貨毎にダウンロードします。 |
GMOコイン |
※CSV等でダウンロードはできないため、コピー&ペースト対応です。 |
BITPoint |
※現物取引の履歴に仮想通貨の預入・送付履歴も含まれています。 |
DMMビットコイン |
※「取引開始」後の「取引照会」メニューの中に存在します。またCSV等でダウンロードする形式ではないため、コピー&ペースト対応です。 |
参考文献:株式会社Aerial Partners
取引履歴をダウンロードする方法【海外取引所編】

出典:Gtax
海外取引所においても国内と同様に、Gtaxを利用して仮想通貨の確定申告を行った方が無難です。
ここでは海外の代表的な取引所毎に必要なデータに触れてみます。
取引所 | Gtaxで損益計算する場合に必要なダウンロード対象 |
Bittrex |
※売買履歴は売りと買いが1つのデータで完結するため、それぞれダウンロードする必要がありません。 ※入出金履歴ではcsvダウンロードに対応していないため、コピー&ペースト対応する必要があります。 |
Poloniex |
※いずれもcsvダウンロード形式です。 |
Kraken |
※ひとつの「履歴」タブにまとめられているためダウンロードが比較的容易にできます。 |
HitBTC |
※ダウンロードはcsv、xlsxいずれの形式でも可能です。 |
Bitfinex |
※売買履歴に信用取引の履歴が混在しているため、注意が必要です。 ※履歴の取得方法は、登録メールアドレスにZipファイルとして添付される方式です。 |
YoBit |
※CSVファイルでのダウンロードができないため、コピー&ペースト形式での対応です。 |
BINANCE |
※ボーナス履歴はダウンロードではなくコピー&ペース対応です。 ※ファイル名をデフォルトの「transactions-history.csv」のままでダウンロードする必要があります。 |
参考文献:株式会社Aerial Partners
取引履歴ファイルを印刷するにはコンビニがお勧め?
取引履歴ファイルを印刷するのに自宅とコンビニのどちらがよいのかは一概にはっきりいえません。
それは状況や立場によって変わるからです。
例えば、家族に対して確定申告の内容を伏せておきたい場合には自宅でなく、外のコンビニで印刷する方がよいでしょう。
反対にコンビニの客層に非常に問題がある場合、金銭関係の書類の印刷に不安を感じることがあるかもしれません。
確定申告は家族全体で行っている場合は自宅のプリンタで出力した方が安心であり、出力結果を家族全体で確認できます。
しかし、以上のような極端な状況ではない場合、取引履歴ファイルを印刷するにはコンビニの方がお勧めです。
コンビニを利用した場合、レーザープリンタによる出力となりますので、出力に時間がかからず、仕上がりに失敗がありません。
それに対して自宅で出力する場合、そのほとんどがインクジェットプリンタで出力することになりますが、インク切れや紙詰まり、ノズルの調子が悪いことによる印刷結果に滲みがあるなど、印刷のやり直しが生じる場合が出てきます。
出力の手間や仕上がりだけでなく、費用面においてもコンビニの方が優れています。
確定申告の場合、書類の出力に要した費用も計上できますが、コンビニ利用の場合にはレシートが出てくるため費用がはっきりします。
以上のようにコンビニでの出力がお勧めですがセキュリティ面に気をつける必要があります。
まずプリント出力する際に周囲に誰もいないことを確認することが大切です。
続いて印刷後のメディアや印刷物の取り忘れを絶対にしないように細心の注意も払うことが大切です。
- コンビニを利用した方が良い人:時短で早く終わらせたい、あるいは家族にバレたくない人
- 自宅での印刷が良い人:コンビニのセキュリティに不安を感じる人
税金計算は税理士に任せた方がいいのか?
確定申告には税金計算が発生します。
現在ではGtaxなどの仮想通貨の確定申告計算オンラインツールを利用してシンプルに計算できますので、個人でも自力で確定申告を行うことが可能です。
そのような中、やはり税金計算は税理士に任せた方がいいのでしょうか。
これに関しては確定申告をする人の状況によって変わってきます。
個人で仮想通貨取引を行い、取引の内容も現物取引に限定されるなどの場合には自力でオンラインツールを使用して行ってもよいでしょう。
仮に信用取引や先物取引を行ったとしても、時間に余裕がある場合には自力でも可能です。
しかし仮想通貨取引を法人で行っている場合、もしくは個人以外の人の利害関係が関与している場合には、税理士に任せた方が安全です。
個人の範囲内で全てが収束する場合には計算違いによる問題が発生しても、個人の失敗で終わります。
しかし、共同経営者などにより、仮想通貨投資に対する利害関係の範囲が個人に収まらない状況下では何か問題が発生した場合、後々禍根を残すことにもなりかねません。
税理士に任せることで、事業の透明性をアピールすることにもつながります。
但し税理士を選ぶに際しては、仮想通貨に明るい税理士を選択すべきです。
仮想通貨における確定申告が初めての年には、仮想通貨関係の確定申告の依頼を避ける税理士も数多かったですが、2度目となる今日では、1度目に仮想通貨の確定申告に携わることで精通した税理士が増えてきています。
まとめ
仮想通貨の確定申告が今年初めてだという人も多いでしょう。
しかし、2018年に仮想通貨が盛り上がったおかげで、今日では多くの確定申告におけるサービスが用意されています。
税理士に相談するのも良いですが、確定申告の為のサービスGurdian(ガーディアン)を使用するのもありかもしれません。
とはいえ、国税庁公認のGtaxを利用すれば、格安で取引履歴を印刷することも可能です。