
世界的な仮想通貨ブームの中で、数多くの種類の仮想通貨が産み出されましたが、現在発行されている仮想通貨の種類は既に2000種類を超えています。
また、毎日のように新規のプロジェクトやコインの発行等も行われています。
各仮想通貨には、それぞれ独自の開発目的や利用用途があり、異なる特徴やメリットがあります。
この記事では、そんな仮想通貨の一つである「ゼンコイン」の特徴や将来性、ゼンコインが購入できる仮想通貨取引所などについて解説していきます。
ZEN(JPYZ/ゼンコイン)のwiki的基本情報

出典:BCCC プレスリリース
仮想通貨名 | ZEN(ゼンコイン) |
トークン名 | JPYZ |
公開月 | 2017年7月 |
開発国 | 日本 |
開発チーム | 一般社団法人ブロックチェーン推進協会 |
公式HP | - |
ホワイトペーパー | https://www.horizen.global/assets/files/Zen-White-Paper.pdf |
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ZEN(JPYZ/ゼンコイン)とは
開発元はブロックチェーン推進協会
ゼンコインは、日本国内にある一般社団法人のブロックチェーン推進協会によって発行されており、日本円の為替を安定させることや日本国内の経済活動にブロックチェーンの技術を普及させる事を目的として開発された仮想通貨です。
ブロックチェーン推進協会とは、日本国内でブロックチェーン技術の幅広い普及の推進を行っている団体であり、ブロックチェーン技術者の育成やブロックチェーン技術の実証実験、広報活動等に取り組んでいます。
ブロックチェーン業界において、日本がガラパゴス化してしまう事を防ぐため、海外のブロックチェーン団体との提携やコミュニケーションも積極的に図っています。
ブロックチェーン技術の未来を確信した有志が集結
ブロックチェーン推進協会の会員は、ブロックチェーン技術の未来を確信した有志が集まっており、国内の大手企業も企業会員として参加しています。
ブロックチェーン推進協会の理事長を務めている平野洋一郎氏は、アステリア株式会社の代表取締役も務めており、アステリア株式会社は、ブロックチェーン推進協会の設立に深く関わっています。
アステリア株式会社は企業向けソフトウェアを開発している東証一部上場企業であり、仮想通貨に関する事業も積極的に展開しています。
日本円にペッグする仮想通貨の需要が高まっている
ビットコインやイーサリアムのような仮想通貨は、通常米ドルによって評価されるケースが多くなります。
そのため、日本から仮想通貨に投資する際には、仮想通貨の値動きに加えて米ドルとの関係にも気を使う必要が出てきます。
国内の企業間の取引や決済の際にブロックチェーンの技術を利用する場合、為替レートや仮想通貨相場の影響を大きく受けてしまう事になってしまいます。
国内の経済活動で積極的に使用されるためには日本円に対するレートが安定している方が望ましいというケースが多くなります。
そのようなケースに対応するため、日本円にペッグする仮想通貨の必要性が高まってきているのです。
中央集権的な仮想通貨
ゼンコインは日本円とのペッグ通貨となる事を目的として開発されており、ペッグが崩れそうになった時には 発行元による大量買や大量売りをすることによって価格の維持を行います。
そのため、ゼンコインは中央集権的な仮想通貨であるという事もできるでしょう。
ゼンコインの名称であるZenは、日本円のYenの一歩先を行く通貨となるという願いが込められています。
ゼンコインを利用する事で、日本円と同等の価値がある仮想通貨をブロックチェーン上で稼働させる事ができるようになるのです。
そのため、ブロックチェーン上で送金をする事が可能となり、法定通貨を送金する場合よりも手数料が安くなるというメリットがあります。
ZEN(JPYZ/ゼンコイン)の特徴
ゼンコインには、どのような特徴やメリットがあるのでしょうか。
以下に、ゼンコインの特徴やメリットについて紹介していきます。
日本円とペックしており価格が安定している
ゼンコインは日本円とペッグする事を目的として開発された仮想通貨です。
そのため、ゼンコインの価格は他の仮想通貨と比較してかなり安定的に推移しており、価格の安定性という強みによって、今後普及していく可能性が高いと言えます。
また、基本的に「1円=1JPYZ」という大変分かりやすい価格となっています。
ゼンコインの価値はブロックチェーン推進協会によって保証されています。
ブロックチェーン推進協会は、常に市場に流通しているゼンコインの量に応じた日本円を保有しており、いつでも日本円に交換するという事を確約しています。
ゼンコインは、価格の安定性という側面から、リスクを抑えて仮想通貨を保有しておきたいという人におすすめのコインと言えます。
利益確定後の交換先に最適
ゼンコインは法定通貨である日本円にペッグしていますので、仮想通貨トレードの仲介役として機能するという特徴があります。
ゼンコインを利用する事で、仮想通貨トレードの際に法定通貨に交換する必要が無くなります。
法定通貨と同等の価値や安定性が担保されていますので、利益を確定した後の交換先にも最適です。
今後、日本国内で仮想通貨の取引が活発になってくると、ますます普及していく可能性があるでしょう。
イーサリアムをベースに開発されておりスマートコントラクトの機能が利用できる
ゼンコインはイーサリアムをベースに開発された仮想通貨で、スマートコントラクトの機能を利用する事ができます。
スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上に記載された自動的な契約の事を指し 、契約とその履行条件をあらかじめ定めておく事で、ブロックチェーン上で契約条件が満たされた時に自動で取引が行われる仕組みとなります。
スマートコントラクトとは、自動実行される契約を作ることができるプロトコルを指します。
ブロックチェーン上で作成されるスマートコントラクトは、契約内容がプログラミングに沿って実行され、契約後の変更や不正が行われることがない仕組みとして注目を集めています。
契約は自動で執行されるため仲介者を必要とせず、契約の際のコストが大幅に減少することが期待されています。
契約前であれば、スマートコントラクトは自由にプログラムすることができ、契約内容はオンライン上で確認することもできるため、非常に透明性が高いシステムと言えます。
このスマートコントラクトの機能により、ゼンコインの運営に関する信頼性の確保を行っています。
日本国内で利用シーンが広がる可能性も
ゼンコインは、日本国内でブロックチェーン技術の幅広い普及の推進を行っている団体であるブロックチェーン推進協会によって開発されました。
ゼンコインは日本円と同等の価値を持ち、ブロックチェーン上で稼働させることができます。
ブロックチェーン推進協会では、たくさんの国内大手企業等が会員として参加しているため、日本国内であらゆるモノやサービスの決済の手段として広がりを見せる可能性があります。
ゼンコインとテザーの違い
法定通貨にペッグする仮想通貨としてテザーが挙げられますが、ゼンコインとテザーではどのような違いがあるのでしょうか。
ゼンコインは運営元によって強制的に価格を安定させる仕組みがありますが、テザーにはそのような仕組みはありません。
そのため、テザーはしばしば投機の対象になる事もあります。
また、テザーは様々な海外仮想通貨取引所で取り扱われていますが、ゼンコインは国内仮想通貨取引所のZaifでしか取り扱われていません。
現時点では、テザーの方がメジャーであるという事ができるでしょう。
ZEN(JPYZ/ゼンコイン)の懸念点
ゼンコインの欠点や問題点としてどのようなものが考えられるでしょうか。
ゼンコインの欠点や問題点について挙げていきます。
投資対象としての魅力は小さい
ゼンコインは法定通貨である日本円とペッグする事を目的に開発された仮想通貨となりますので、価値は一定に保たれる事になっています。
そのため、投資対象として考えた時には、魅力を感じる事は少なくなってしまうでしょう。
強いて言えば、他の仮想通貨が暴落する前に買っておいて、その仮想通貨の価格が底打ちした後に買い戻すといったトレードをする際に利用価値があるといえます。
ゼンコインは投資対象というよりも、実用的な仮想通貨としての位置付けになってきます。
購入できる仮想通貨取引所が限られている
ゼンコインは現在、国内の仮想通貨取引所であるZaifでのみ取り扱われています。
残念ながら、現時点ではゼンコインを購入できる仮想通貨取引所は限られてしまっています。
ただし、今後さらに実用性が高まる事で、日本国内の仮想通貨取引所を中心に取り扱いを始める取引所が出てくるかもしれません。
カウンターパーティーリスクがある
ゼンコインは、ブロックチェーン推進協会によって運営されている中央集権型の仮想通貨となりますので、カウンターパーティーリスクがあります。
カウンターパーティリスク(英語: Counterparty Risk)とは、経済・金融分野の用語で、「取引先(英語から、カウンターパーティとも)が破綻するなどして契約が履行されずに損失を被るリスク、または当該損害金額」を指す。
カウンターパーティ信用リスク(英語: Counterparty Credit Risk)とも。信用リスクの一種、もしくは信用リスクに包含される概念。
ブロックチェーン推進協会による運営に問題が生じたり不具合が起こった場合、想定外の損失を被る可能性があります。
ただしブロックチェーン推進協会では、市場に流通しているゼンコインの数量に応じた日本円を準備していますので、健全に運営されている期間において価値が担保される事になります。
ZEN(JPYZ/ゼンコイン)の評判
ツイッターで見つけたゼンコインの評判について紹介していきます。
仮想通貨の暴落時の避難先としては、USTDかZENコイン。
利確した利益は法定通貨に連動したものにめぼしいコインがでるまで待機。— Armitage2999 (@Armitage2999) 2018年1月6日
Zenコインは人々の生活をどう変えるのかな〜
— 東証たられば姫46 (@pichipichi98) 2017年5月29日
仮想通貨暴落時の避難先として利用しているという声や今後の日本社会に与える影響が楽しみであるといった声がありました。
やはり、ゼンコインは実用面で大きく期待が寄せられています。
ZEN(JPYZ/ゼンコイン)が購入できる取引所はZaifのみ

出典:Zaif
ゼンコインは現在、国内の仮想通貨取引所であるZaifでのみ取り扱っています。
Zaifは、2015年3月に国内の仮想通貨交換業者であるテックビューロ株式会社によって設立された仮想通貨取引所です。
誰でもシンプルに仮想通貨の取引を行う事ができる簡単売買の機能や最大レバレッジ25倍のビットコインAirFX等、仮想通貨投資が初心者の人から中上級者の人まであらゆるユーザーのニーズに応えたサービスを提供しています。
セキュリティに強いハードウェアウォレットの販売やブロックチェーン上で独自のコインを発行する支援サービスを行う等、仮想通貨取引所の運営だけではなく周辺事業にも取り組んでいます。
またZaifでは、独自のトークンであるザイフトークンを発行している事でも知られています。
ゼンコインは、日本円とペッグする事を目的として、ブロックチェーン推進協会によって開発された仮想通貨です。
基本的に日本円と同等の価格で推移していますので、価格が安定しているというメリットがありますが、投資対象としての魅力が小さいという点も挙げられます。
ゼンコインを運営しているブロックチェーン推進協会には、国内の大手企業が企業会員として参加しており、ゼンコインの利用シーンが広がっていく事が期待されています。
ZEN(JPYZ/ゼンコイン)のまとめ
この記事では、仮想通貨のゼンコインについて解説してきました。
ゼンコインは、ブロックチェーン推進協会によって開発された日本円のペッグ通貨として注目度の高い仮想通貨ですが、現時点では国内ではZaifでしか取引できないという懸念点もあります。
それでも、開発元であるブロックチェーン推進協会には、様々な分野の有志が集結しているため、今後ゼンコインの活用の場が広がっていく可能性は、大いにあるといえるでしょう。
投資対象としてではなく実用的な通貨として期待が寄せられているゼンコインの今後の動向を見守っていきましょう。