仮想通貨事業から撤退する企業が続出!?日本の取引所と大手企業まとめ

2017年に仮想通貨法ができたことで、日本でも仮想通貨がより身近なものになりました。

しかし、最近では仮想通貨界から撤退する業者が増えていることを知っていますか。

仮想通貨業界から実際に撤退することになった業者の理由や、それらを踏まえた上での今後の仮想通貨業界への参入について詳しく紹介していきます。

仮想通貨の撤退が続出!?

最近になって仮想通貨界では、業界においてさまざまな問題が起きたことや、仮想通貨の価格の下落によって冬の時代が到来していると言えます。

それと共に、仮想通貨事業から撤退したり、一部撤退するという業者が増えています。

では、これらの業者はなぜ仮想通貨業界から撤退することになったのでしょうか。

その理由について紹介していきます。

マネーフォワードが仮想通貨事業から撤退

マネーフォワードが仮想通貨事業への参入を延期することを発表したのは、2019年4月15日でした。

その理由は、仮想通貨取引所としてのライセンス交付が難しくなった点と、会社の事情になります。

マネーフォワードは、仮想通貨交換業への登録をするために、マネーフォワードフィナンシャルを子会社として設立して、準備をしていました。

元々は2018年中に仮想通貨取引所を開設することを目標としていましたが、ライセンスが付与されませんでした。

この時期には、2018年1月にコインチェックの仮想通貨流出事件、同9月のZaifの仮想通貨流出事件により、金融庁が発行する仮想通貨取引所としてのライセンスが付与されるための審査が厳しくなりました。

その結果、金融庁との協議の経験や資金力が必要となり、大手の金融グループの参加などでなければ新規参入が難しい状態になってしまいました。

また、マネーフォワード側でも、2017年9月に東京証券取引所マザーズ市場に上場していて、2021年11月期の黒字化を目指していることから、仮想通貨界への進出が、経営上の基準を満たしている必要がありました。

これらの理由から、マネーフォワードは仮想通貨事業への参入を延期しました。

延期としていますが、事実上の撤退であるとも言われています。

「撤退ライン」割れの蓋然(がいぜん)性が高くなり、取締役会で決議した――。

15日夜、都内で会見したマネーフォワードの辻庸介社長は、仮想通貨関連事業への参入延期をこう説明した。

撤退ラインは、同社が参入方針を決めた際に設定したクリアすべき経営上の基準で、これを満たさない場合は、事業の継続性に疑問符が付きかねない。

引用:DIAMOND ONLINE

GMOコインがマイニング事業から撤退

GMOコインを運営しているGMOインターネットが仮想通貨マイニング装置の開発・製造・販売から撤退することを決めました。

この理由としては、仮想通貨価格の下落が挙げられます。

仮想通貨の価格が下落したことにより、マイニング装置の需要が低下してしまいました。

また、同時にマイニング装置の販売価格も下落してしまい、販売競争が激しくなり、競争環境がより厳しいものになってしまいました。

その結果、マイニング関連で必要となる資産を回収することが難しくなってしまい、GMOコインはマイニング事業から撤退することになりました。

「マイニングマシン市場は、足元の仮想通貨価格の下落を受けた需要の減少、販売価格の下落により競争環境の厳しさが増しております。

こうした事業環境の変化を踏まえ、当該事業に関連する資産を外部販売により回収することは困難と判断し、開発・製造・販売を中止することにより、特別損失を計上することとなりました」

引用:COINTELEGRAPH

ですが今後も自社マイニングや仮想通貨交換業、決済に関しては継続していきます。

DMMビットコインがマイニング事業から撤退

DMMビットコインもGMOコインと同様にマイニング事業から撤退することになりました。

その理由は、収益性が悪化したためです。

355億円の内訳は自社マイニング事業の減損損失が115億円、マイニングマシンに関する債権譲渡損が240億円となっています。

GMOインターネットは、自社マイニング事業は収益構造を再構築し継続、マイニングマシン事業に関しては継続しないことを決めています。

引用:Crypto Times

かつては価格の急上昇を見せていたビットコインでしたが、最近では価格が下落した状態が続いています。

また、グローバルハッシュレートが上昇していることも原因の1つです。

また、マイニング事業の世界的な傾向として、より低コストな電力で、高速のインターネットがあり、低温で作業の効率も上げやすい環境を求めています。

その結果、マイニングファームの拠点が多かった中国から、別の場所へと移っている状態にあります。

これらのマイニング事業を取り巻く環境の変化から、収益面も踏まえた結果、DMMビットコインはマイニング事業から撤退することになりました。

サイバーエージェントが参入を断念

サイバーエージェントは、仮想通貨交換業に参入することを目的として、2017年にサイバーエージェントビットコインという子会社を設立しました。

その後、2018年春を目途に仮想通貨取引所のライセンスを受け、開設することを目標としていました。

しかし、以前から仮想通貨取引所を運営している業者と比較すると参入が遅くなったため、新しく参入するにはリスクがありました。

2018年1月に起きたコインチェックの仮想通貨流出によりライセンスを受けるための審査が厳しくなったことで、このリスクはより大きなものとなりました。

そして、このリスクを減らそうとすると、参入がさらに遅くなってしまい、すでにある仮想通貨取引所に対抗することが難しくなるだけでなく、さらなる問題が発生してより新規参入が難しくなる可能性もありました。

サイバーエージェントは、すでに展開している事業と比較すると仮想通貨交換業への参入はリスクが高いと判断し、仮想通貨業界への参入を断念することに決めたのです。

 「そもそも参入が遅い上、金融庁の審査が厳しくなっている」(藤田社長)。仮想通貨取引所は、改正資金決済法に基づき、金融庁の登録を受ける必要があるが、コインチェックの流出トラブル以降、より審査が厳格化したとみられ、登録申請を取り下げる企業も相次いでいる。藤田社長は「リスクを減らそうと、自社開発の体制を整えようとするほど、さらに参入が遅くなる」と話す。

一方、独自の仮想通貨の発行を検討する。具体的な内容は決まっていないが、「今後の仮想通貨の動向を注視しながら、サイバーエージェントのゲーム事業、インターネットテレビ局『AbemaTV』などのマネタイズの1つになればと研究を進めている段階」(藤田社長)という。

引用:ITmedia NEWS

ミスターエクスチェンジが交換業から撤退

ミスターエクスチェンジはかつて、国内最大の分散型取引所として有名でした。

しかし2018年3月、仮想通貨交換業の申請を取り下げることを発表しました。

ミスターエクスチェンジは、福岡財務支局に交換業の申請を行っていましたが、ライセンスが付与されず、みなし業者となっていました。

2018年1月にコインチェックの仮想通貨流出が発生したことで、金融庁による業者への業務確認がより厳しく行われるようになりました。

みなし業者として運営を続けていたミスターエクスチェンジも、多くの仮想通貨を取り扱っていたことから、いくつかの業務改善命令を受けることになりました。

それを受けた結果、現状では仮想通貨界の情勢の変化に対応するための万全な状態を整えることが難しいとして、仮想通貨交換業の申請を取り下げることになったのです。

そして、ミスターエクスチェンジは仮想通貨交換業から撤退することになりました。

弊社は2018年3月8日に福岡財務支局より業務改善命令を受けた後、指摘を受けた項目について改善に努めてまいりました。

その結果誠に残念ながら、現状では昨今の仮想通貨に関する情勢の変化に対応できるための万全な態勢を整えることが難しいと判断し、仮想通貨交換業の申請を取り下げる方針を決定しましたので、ご報告させて頂きます。

引用:ミスターエクスチェンジ

ミスターエクスチェンジは国内でも有名な取引所でもあったため、突然の交換業からの撤退に、日本の仮想通貨界は驚かされました。

東京ゲートウェイが交換業から撤退

東京ゲートウェイは日本国内にある仮想通貨の取引所でした。

しかし、ミスターエクスチェンジと同様に、2018年1月に起きたコインチェックの仮想通貨流出による金融庁の業務改善命令を受けたことで、仮想通貨交換業の申請を取り下げて、仮想通貨交換業から撤退しました。

東京ゲートウェイは撤退の理由について、仮想通貨に関した情勢の変化に対応するための万全な体制を整えるのが難しいと説明しています。

業務廃止日決定のお知らせ

本日官報にて法令に従い以下の公告を行いました。

よって、2018年6月1日をもってウォレットアウト以外の業務を停止いたします。

長い間ありがとうございました。

引用:東京ゲートウェイ

中国政府がマイニング事業を撤退させた理由

中国政府は、2017年9月にICOを禁止して、仮想通貨取引所を実質的に閉鎖させました。

また、2018年にはビットコインのマイナーに対しての規制を導入しました。

中国の当局は昨年9月にICO(仮想通貨を集める形式の資金調達)を禁止し、ビットコイン(仮想通貨)取引所を実質的な閉鎖に追い込んだ。

今回、撤退の指示の他、税制上の優遇もやめ、電力消費量の制限も課せられた。実質的に事業の継続が出来なくなっている。

引用:現代ビジネス

これらの政策は、世界で行われている仮想通貨のマイニングの約8割が中国国内で行われていることが理由となっています。

マイニング事業は中国国内の四川省、雲南省、内モンゴル自治区などで行われていました。

その理由は、マイニングを行うためには大量に電力が必要となりますが、これらの地域は電気代や土地代が安く、税制面に関しても優遇されていたため、マイニング事業における諸経費を安く抑えることができたからです。

また政策を実施した別の理由には、資本規制の一環という理由もあります。

元々中国では、資本管理は国家外貨管理局の元、銀行を経由した外為両替や送金については厳しく規制されていました。

しかしビットコインを利用すると、通貨のように両替することができ、海外への送金も可能となりました。

これらは資本流出となってしまいますが、仮想通貨取引には海外の取引所を利用することもできるため、銀行を経由させて国が管理するということは非常に難しくなります。

そのため、仮想通貨取引所を廃止させるという規制が施行されたのです。

今後も撤退していく仮想通貨業者は多いのか

ここまでは、仮想通貨業界から撤退することになった業者とその理由を紹介してきました。

では今後、仮想通貨業界から撤退することを選ぶ業者は増えていくのでしょうか。

また、仮想通貨業界への新規参入を目指した場合には、以前よりも難しくなってしまうのでしょうか。

仮想通貨業界の今後について掘り下げていきます。

仮想通貨業界から撤退する業者は増える?

これから先、仮想通貨業界から撤退することを選ぶ業者は増えていくと考えられます。

仮想通貨交換業では、金融庁からライセンスを交付されている正式な業者と、金融庁へのライセンスの交付を申請している段階のみなし業者の2種類が存在しています。

2018年1月に起こったコインチェックの仮想通貨「NEM(ネム)」の不正流出問題により、ライセンス交付の為の審査はより厳しいものになりました。

また、みなし業者にはその審査基準を満たすために業務改善命令が出されることになりました。

そしてライセンス交付のための業務改善命令を受けた結果、求められたレベルの改善をするのが難しいという判断でミスターエクスチェンジや東京ゲートウェイは交換業から撤退を決めました。

そしてその後、2018年9月にZaifの仮想通貨の不正流出が起こったことで、その風潮はさらに強まることになりました。

今後の仮想通貨交換業において、この審査基準が緩くなることはないと考えられます。

その結果、これまでみなし業者としてライセンスの交付を待っていた業者は、ミスターエクスチェンジなどのように申請を取り下げて撤退を選ぶという可能性が十分にあるでしょう。

また、仮想通貨交換業に参入することへのリスクを踏まえて、撤退する業者も出てくる可能性があります。

仮想通貨業界への新規参入は難しい?

これから先、仮想通貨業界への新規参入をするのは、以前に比べてはるかに難しくなっていくでしょう。

現在でもコインチェックやZaifの事件を受けて、金融庁による審査では、利用者の保護や情報セキュリティーの対策を徹底するように求められています。

さらに、以前に比べて金融庁との協議の経験や資産力も求められるようになってきました。

そのため、新規参入は大手企業などではないと難しくなったとされています。

そして大手企業に関しては、仮想通貨交換業への登録が厳しくなったことから、既にライセンスが交付されている業者を通じて仮想通貨取引行に参入しようという動きがあります。

例えば、大手企業のヤフーの子会社であるZコーポレーションは、仮想通貨交換業のライセンスが交付されているビットアルゴ取引所東京の株式を取得しています。

そして新規の仮想通貨取引所として「TAOTAO」というサービスを開始するとの報道されています。

仮想通貨業者撤退のまとめ

仮想通貨業界では、不正流出などの事件を機に、より厳しいセキュリティを求められるようになりました。

これらにより、撤退しなければならない業者が出てくるのも事実です。

しかしこれらの規制は、仮想通貨を利用している人々を守るために必要なことでもあるのです。

仮想通貨市場とそれを取り巻く企業の今後の動向を見守っていきましょう。

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