仮想通貨のブロックチェーン技術は様々な分野で応用されており、流通や金融はもちろん製造業にも応用されています。
そんな仮想通貨のブロックチェーンですが、保険にも応用が期待されており、今回紹介する「Pal Network」もその保険とブロックチェーンを組み合わせたプロジェクトの一つです。
この記事では、そんなPal Networkについて、特徴や懸念点を解説しながら、評判や将来性についても触れていきます。
これを読めばきっとロックチェーンテクノロジーと保険商品を統合した仮想通貨であるPal Networkについて多くを知ることができるのではないでしょうか。
PalNetwork(PAL)のwiki的基本情報
仮想通貨名 | Pal Network |
トークン名 | PAL |
公開月 | 2018年5月 |
開発国 | シンガポール |
発行上限 | 1,000,000,000 PAL |
発行枚数 | 438,524,050 PAL |
公式HP | https://www.pal.network/ |
ホワイトペーパー | - |
@PALNetwork_ | |
pal.network.official | |
r/PolicyPalNet | |
TelegramID | PAL Network |
YouTube | - |
PalNetwork(PAL)とは
Pal Network(PAL)とは、シンガポールに拠点を置く仮想通貨プロジェクトとそのトークンです。
ブロックチェーン技術を応用し個人や企業が新しい金融商品や保険をカスタマイズすることができるシステムを作るという目的の元で立ち上げられました。
Pal Networkは、保険会社が商品を作るブロックチェーンテクノロジーの提供はもとより、個人に対応して保険内容をカスタマイズすることを目指しています。
ただ、Pal Network自身は保険業を行わず、あくまで保険関連の商品開発やカスタマイズを行うためのプラットフォーム(土台、Policy Pal Singaporeと呼ばれる)を提供するというスタンスでプロジェクトが進められている状況です。
こういったプロジェクトで利用される仮想通貨のPal Network(PALトークン)ですが、Pal Networkのプラットフォーム上で保険に加入する際に支払う保険料の決済として利用します。
PALトークンを利用することで法定通貨のアメリカドルに比べて半額の負担で保険を利用できると言うメリットがあります。
保管に関しては対応するデスクトップやモバイルアプリのPALウォレットで対応するという形式です。
すでに保険商品の提案は行われており、雨の際の保険、旅行保険(フライトの遅延やキャンセルにかかる費用の補償)、地震保険、SCREEEN PAL(スマートフォン画面の破損に関する補償)、がん保険などが紹介されています。
このように保険に革新を与えようとしている仮想通貨が今回紹介するPal Networkなのです。
PalNetwork(PAL)の特徴
Pal Networkの特徴は、保険の革新、トークンを所持することで得られるメリット、公式アプリ、ペイパルの出資、仮想通貨保険の設定が挙げられます。
保険の革新
保険の革新についてですが、P2P共済保険を通じて、新興市場の保険加入者を増やすことを中核としています。
新興国は経済発展しているものの、未だに自分の保険に加入できない経済的な問題を抱えた方が多くいるのが現実です。
しかし、このPal Networkを利用することでP2Pによる共済保険を作り出して低価格の保険商品に加入することができるとしています。
保険会社が商品開発や営業活動を行うコスト分をこのPal Networkの利用によってカットできるため、低価格で内容の厚い共済保険に加入できるとしています。
現在は簡易的な保険にとどまっていますが、将来的には農業保険・財産保険・個人事故保険・生命保険など通常の保険会社が取り扱う様々な保険を提供するプラットフォームにしていくという計画です。
これにより、全世界のより多くの人々が気軽に入れる保険を作り出すことで革新を試みているのです。
ちなみにP2P共済保険とは、保険を必要とする人たちで小さなグループを作り、そのグループに属する人たちでお金を出し合うことで基金を作ります。
そして、事故や病気などでお金が必要であれば出し合ったお金から費用を出し、使わなければ翌年の年会費の割引やキャッシュバックにあてられるというシステムのことで、従来からある共済保険の規模を小さくした仕組みとなっているのが特徴です。
トークンを所持することで得られるメリット
トークンを所持するメリットも特徴と言えます。
Pal Networkで発行している仮想通貨であるPALトークン(PAL)を持つことで、新機能の開発に関する調査に参加する権利を得るだけでなく、Policy Pal Singaporeのプラットフォーム上で保険証券を購入すると2%のボーナスとしてPALトークンを受け取ることもできます。
この他、紹介プログラムに参加することや新製品の調査フォームに参加する権利が得られて製品販売時にPal Networkのトークンがもらえるといったメリットもあるのです。
そして、PALトークンで支払いを行えば保険料が半額になるという特徴があり、保険と親和性が非常に高い仮想通貨となっています。
公式アプリ
公式アプリの存在もメリットです。
これはPal Networkの保険を購入するためのアプリで、2019年10月現在iOS・Androidの両方に対応しています。
このアプリを利用すれば、クレジットカード払いで保険に加入できる仕組みになっているという特徴もあります。
ペイパルの出資
Pal Networkは有望なプロジェクトと見なされており、アメリカの決済企業の大手であるPayPALが資本参加しているという点も注目です。
ほとんどの仮想通貨では大手企業の参加がない場合が多いのですが、このPal Networkのプロジェクトには大手企業が参加しているということで、より現実的なプロジェクトになる可能性を秘めているという点も特徴と言えます。
仮想通貨保険の設定
仮想通貨保険の設定ですが、これはまだ計画段階であるものの特徴的なポイントとして挙げることができます。
計画では、仮想通貨取引所向けの保険や個人向けの保険の用意を計画しており、もしこれが実現すれば大変便利な保険商品となることは間違いないでしょう。
PalNetwork(PAL)の懸念点
残念ながらPal Networkには懸念点もあります。
それは、十分な基金がつくれるのかということと、競合するプロジェクトが多いということ、保険契約者保護制度の対象外であることです。
十分な基金がつくれるのか
Pal Networkは確かに小規模の共済保険であるP2P共済保険を作り出すことができるという特徴を持っています。
しかし、保険金を支払う必要のある可能性の高い加入者(例えば病気がちの高齢者)ばかりが集まった場合、基金がつくれるのかという懸念点とそれを維持できるのかという懸念点があります。
競合するプロジェクトが多い
競合するプロジェクトが多いというのも懸念として挙げられます。
競合プロジェクトとして、ブロックチェーンによって仲介料なしの保険を提供するプロジェクトであるVERNAM(バーナム)やセキュリティプロトコルとスマートコントラクトを備えた拡張性の高いブロックチェーンを備えた保険を始めとした様々なサービスを展開するINS Blockchain Platform、Pal Network同様にP2P保険を提供しようとしているInsurePalと言ったライバルが存在しています。
これらのライバルとの競争に勝つ必要もあるため、独自性が求められ、時に競争によって退場させられるという懸念もあります。
保険契約者保護制度の対象外
保険の販売を行っているものの、あくまで仲介をするのであり、運営はブロックチェーンになります。
そのため、Pal Networkは現地シンガポールで金融協会(MAS)の保険会社として規制されていないため、加入者は保険契約者保護制度の対象外となっています。
これはトラブルがあった際の紛争解決制度を利用できないということを意味しているのです。
つまり、自己責任で保険に入り何かあっても関知しないというスタンスともとれ、それが大きな懸念となっています。
PalNetwork(PAL)の評判(口コミ)
ここからは、Pal Networkの評判についてTwitter上の話題となっているツイートを3つ紹介していきます。
On our Top 50 Bearish List today: $MRL $WWG $BTI $GEV $GLN $B2Y $CRS $PAL ... https://t.co/vCkJ5Xo3z7
— SwingTradeBot Aus (@SwingTradeAsx) 2019年10月21日
かなり価格が下がっています。
Now, this appears like hyperbole, how much can they move it in front of a drop? $pal, #palladium pic.twitter.com/A3ykBwjqbI
— Andy Tiosa (@turbodude100) 2019年10月10日
当初は期待も高かったです。
Great to see #PALNetwork $PAL still plugging away to bring insurance onto the blockchain.https://t.co/ETZlb9JOdM
— Mal (@mal_greig) 2019年10月6日
保険とかかわった仮想通貨と言うことで高い評価を行っています。
Pal Networkは保険とブロックチェーンを組み合わせたプロジェクトで、その点を評価している意見があり、そういった評価から当初は価格も高かったのですが、最近はやや期待が薄れて価格も下落しているというのが現状です。
PalNetwork(PAL)の将来性
Pal Networkの将来性は比較的明るいと言えます。
仮想通貨としては珍しく、スポンサーにアメリカの大手企業であるPayPALがついているという点や格安で保険に加入できると言うメリットがあるからです。
しかも現実不可能な技術を多用するプロジェクトではないため、実現可能という点も明るい材料と言えます。
ただ、加入者側にとっては格安で入れる分、トラブルに遭った場合の救済が期待できないため、加入するにもそれなりのリスクがあるという懸念やライバルのプロジェクトが多いという懸念も存在しているのが事実です。
この懸念点を払拭できれば、かなり有望なプロジェクトと言えるのではないでしょうか。
PalNetwork(PAL)のまとめ
Pal Networkは、保険と親和性の高いプロジェクトとその仮想通貨です。
低価格で保険に加入できると言う大きなメリットの他、仮想通貨のサイバー保険に対しても対応を行うというスタンスは将来性もあります。
ただ、ライバルが多いなど懸念点も存在する仮想通貨です。