ブロックチェーンにはマイニングがなぜ必要?必要なしに見えても実際は必要?

「ビットコインを採掘する」「ビットコインを拾ってくる」などと言う人がいます。

仮想通貨に詳しくないと、「なんで電子媒体のお金が現実世界のお金みたいに落ちているの?」となりますが、ビットコインを採掘(拾う)するというのは喩え話です。

これは“マイニング報酬”というものであり、マイニングをしたマイナーが貰える報酬を採掘や拾うなどと表現しているのです。

この記事では、マイニングについて解説します。

ブロックチェーンにはマイニングがなぜ必要?

ブロックチェーンにはマイニングがなぜ必要?

ブロックチェーンは、約10分間隔で取引情報を詰め込んだ新しいブロックを次々と形成していきます。

そして、ブロックとブロックがどんどんチェーンのように連結していくのですが、この新しいブロックを形成して繋いでいく作業が必要となります。

この作業こそがマイニングであり、マイニングがなければブロックチェーンが成り立たないので必要不可欠となっています。

そもそもマイニングとは

それでは、マイニングについてもう少し詳しく解説しましょう。

ブロックチェーンでは、ノードとよばれるブロックチェーンネットワークの参加者が沢山います。

新しいブロックを形成する際、ノードの中から選出された一人がマイナーとなって新しいブロックを形成して前のブロックと繋ぐマイニングを行い、マイニング報酬を得ます。

ブロックチェーンを利用する人はマイニングに対して取引手数料という形でマイニング報酬を払う必要があります。

そして、マイナーに対しては仮想通貨を新規発行することでマイニング報酬が支払われます。

プロック一つ一つは、ハッシュ関数によってハッシュ値という暗号状態になっています。

そして、一つのブロックは「一つ前の暗号化されているブロックのハッシュ値」と、「トランザクション」と呼ばれる約10分間分の取引履歴情報と、ハッシュ値をより複雑にする32ビットのランダムな使い捨ての数字「ナンス(number used once)」が組合わさってできでいます。

マイニングとは、このブロックの正しいハッシュ値を計算して正しいナンスを見つけてブロックを完全形成し、前のブロックと繋ぐ作業となります。

私たちも普段の生活で何らかのネットワークサービスを利用するためにログインする際、パスワードを入力たあとに、確認としてもう一度同じパスワードを入力します。

ブロック形成もこれと同じ間隔で、10分間経過すると取引記録が分割されて自動的に一つ前のハッシュ値やナンスが交ざって新しいブロック(新しいハッシュ値)が仮形成されます。

先程のパスワードでいったら、一回目のパスワードを入力した状態です。

そして、マイナーが新しいハッシュ値を形成する正しいナンスを見つけることによってブロックが完全形成されて前のブロックと繋がります。

先程のパスワードでいったら、二回目の確認パスワードを入力する作業です。

ハッシュ値はナンスが入ることによって非常に複雑化するので、ハッシュ値を見つけるには膨大な数の文字列を総当たりで代入してハッシュ計算をするしかないので、超ハイスペックなパソコンが必要となります。

一般的なパソコンでは1秒に15回程度しか計算できないのでスペックが足りません。

マイニングをするには、ASICという1秒間に14,000,000,000,000回のハッシュ計算ができるマイニング専用機レベルのスペックが必要です。

ちなみに、マイニングは不正防止にも寄与しています。

マイナーが正しいナンスを見つけると、その情報が全てのノードに送られて本当に正しいナンスなのか計算されます。

同時に、トランザクションに不正がないかのチェックも行われるからです。

そうして、ノードの過半数から承認を得てマイニングが完了することになります。

ブロックチェーンとは

ブロックチェーンとは、トランザクションを10分間隔で区切って一つのブロックとし、それを次々とチェーンのように繋いでいくネットワークです。

ブロックチェーンの情報はそのネットワークが誕生して以来記録され続けてきた全ての情報を、ネットワークに参加している全てのノードが共有保存することになるために、情報の保存性が抜群ですし、情報の改竄も非常に困難となっています。

情報の改竄をするには、ブロックチェーンを形成している全てのパソコンにハッキングして改竄しないといけないからです。

しかも、各ブロックが一つ前のハッシュ値を取り込んでいることも改竄防止に役立ちます。

ハッシュ値とは、情報が一つでも書き換えられたら全く別の値に換わってしまうので、どこかのブロックの情報が書き換えられたら以降のブロックと齟齬が生じるのですぐにそれが分かるのです。

ブロックチェーンには、管理者がおらずに自由意思で誰もがノードになれる「パブリック型ブロックチェーン」、管理者が複数人いてノードには選ばれた人しかなれない「コンソーシアム型ブロックチェーン」、管理者が単独でノードには選ばれた人しかなれないプライベート型ブロックチェーン」があります

一般人がマイニングをするには、パブリック型ブロックチェーンである必要があります。

ビットコインを例にした場合

ビットコインを例にすると?

ビットコインを例にして、マイニングを説明しましょう。

ビットコインのブロックチェーンは、「PoW(Proof of Work)」という形式でマイニングをすることになります。

ブロックチェーンはパブリック型ブロックチェーンなので、不特定多数の人がノードとなります。

PoWとは、簡単に言えば“早い者勝ち”のことです。

10分間のビットコイン送金に関するトランザクションが、一つ前のハッシュ値やナンスなどと組合わさってブロックを仮形成するとその情報(新しいハッシュ値)が全てのノードに公開されます。

すると、各ノードは一斉にハッシュ計算を始めるのですが、一番最初にハッシュ計算を終えて正しいと思われるナンスを見つけた人がマイナーになる権利を得られます。

その後、他のノードが正しいナンスであるかやトランザクションに不正がないかを検証して、過半数が承認をすればマイニングに成功してマイナーとなり、マイニング報酬を得られます

PoWによるマイニングには以下のような問題があります。

マイニング報酬減少~消滅

ビットコインで得られる報酬は21万ブロック形成される度に半減していきます。

当初はマイニングに成功すると50BTC貰えましたが、2019年8月現在は二回の半減をしてマイニング報酬は12BTCにまで下がっています。

以降も、21万ブロック形成される度に報酬が半減していきます。

そして、現在の私たちには関係ありませんが、将来ビットコインのマイニング報酬が消滅する問題もあります。

というのも、マイニング報酬は仮想通貨を新規発行して支払うものであり、ビットコインにも発行上限があるからです。

2140年にビットコインの発行量上限である2,100万BTCを迎えてマイニング報酬は消滅します。

コストが高い

ビットコインのマイニングには、競争に勝つためにより高性能なパソコンが必要となります。

このため、常に最新のハイスペックパソコンを用意したり、電気代が高くなったりと(パソコンが高性能なほど電気代が高くなります)、コストが高いという問題もあります。

ビットコインの送金に時間がかかる

マイニングを完了するには、全てのノードが検証して過半数から承認を得る必要があります。

つまり、ビットコインの送金が実行されるにはこれらのプロセスを経る必要があるのです。

このため、ビットコインの送金に10分程度の時間がかかる問題があります。

マイニングなしでブロックチェーン技術を活用することは可能?

マイニングなしでブロックチェーン技術を活用することは可能?

ブロックチェーン技術にはマイニングが必要不可欠です

しかしながら、マイニングの必要がないブロックチェーンの話をよく耳にします。

実は、マイニングが必要ないというのは厳密には正確ではありません。

“PoWによるマイニングをしない”というブロックチェーンシステムがマイニングのないブロックチェーンと言われており、実際にはマイニングは行われています。

ネムコイン(NEM/XEM)

NEM(ネム/XEM)

ネムという有名な仮想通貨のマイニングは「マイニングではないマイニング」として有名なブロックチェーンシステムです。

このため、ネムはマイニングではなく「ハーベスト」と言われます。

ネムは「PoI(Proof-of-Importance)」という仕組みでマイニングをしており、ネム保有量や保有年数、取引頻度など貢献度加味してランダムでマイナーが決まります。

貢献度が高いほどマイナーに選ばれやすいですが、貢献度が低くてもマイナーに選ばれるチャンスがあります。

このため競争する必要がなく、コストが安くなるのです。

PoIのネムはブロック生成速度が1分と早いために、送金速度がビットコインよりも遥かにスピーディーです。

リップル(XRP)

XRP(リップル/Ripple)

仮想通貨リップルは、マイニングなしのブロックチェーンと言われているプライベート型ブロックチェーンです。

このため、マイニングはリップルが選定したマイナーだけが行うのでマイニング報酬が必要なく、リップル送金者の手数料が格安となります。

また、マイナーに対する信頼があるのでPoWのような時間のかかる全ノードによる承認作業も必要がなく、約5秒で送金が完了します。

日本ジビエ振興協会によるジビエ食肉トレーサビリティシステム

プライベート型ブロックチェーンのmijinを使用して、一般社団法人日本ジビエ振興協会が食肉トレーサビリティシステムを構築しています。

日本ジビエ振興協会が選定したマイナーがマイニングを行うので、マイニング報酬がありません

このため、マイニングのないブロックチェーンと言われます。

まとめ

新しいブロックを形成して次々と繋いでいくマイニングはブロックチェーンには必要不可欠なものです。

しかし、一般的にマイニングとして定義されている「PoW」によるマイニングは全てのノードが検証して過半数から承認を得なければマイニングが成立しないので送金などに時間がかかる問題などがあります。

それに対し、ブロック生成速度が早いネムのPoIやプライベート型ブロックチェーンなど「マイニングのないブロックチェーン」と呼ばれるブロックチェーンはスピーディーに送金などが完了します。

このため、マイニングのないブロックチェーンと呼ばれるブロックチェーンのマイニング方法に注目が集まっているので要注目です。

仮想通貨などに関するお得な情報を発信中!

仮想通貨トリビアでは、まだ知られていない仮想通貨の情報を随時発信しています。

銘柄や取引所はもちろん、話題になりかけのゲームの情報などが満載!

上場のニュースも届きますから、ぜひ登録して下さいね。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

仮想通貨情報をお届けします

Twitterでフォローすると良い事あるかも!

関連情報