ブロックチェーン

トレーサビリティという言葉を聞いたことがある方は少なくありません。

かつて起きた様々な食品問題、例えば海外の食品を国産と偽ったり、名産地の食品とうたっておきながら国内のノーブランドの食品を使用すると言った産地偽装などで盛んに叫ばれた言葉です。

そんなトレーサビリティという言葉ですが、近年再び脚光を浴びています。

その理由としてここ数年急速に台頭しつつある新技術、ブロックチェーンとの相性が非常に良いことから、その技術を応用してより、充実したものへと変化しようとしているからです。

今回、このトレーサビリティという言葉にフォーカスし、この言葉の持つ意味とその種類、そして各業界での現状をお話しし、トレーサビリティがブロックチェーンによって変化する理由につても言及、具体的な事例も紹介していきます。

きっとこれを読めばトレーサビリティ、そしてその先のブロックチェーンによる新たなトレーサビリティの姿を知ることができるのではないでしょうか。

トレーサビリティとはそもそも何か

トレーサビリティ

トレーサビリティとはそもそもどういったものでしょうか。

端的に説明すると、様々なものの移動の経歴が分かること(またはその仕組み)です。

日本語で「追跡可能性」とも言われるこの言葉ですが、少し踏み込んでお話しすると製品やその部品、原材料の流通経路をたどることで生産段階まで追跡可能である状態のことを指します。

トレーサビリティ(Traceability)とは、トレース(Trace:追跡)とアビリティ(Ability:能力)を組み合わせた造語で、日本語では「追跡可能性」と訳されます。自動車や電子部品、食品、医薬品などの業界によって定義は多少異なりますが、製造業では以下のようになります。

  • 原材料・部品の調達から加工、組立、流通、販売の各工程で
  • 製造者・仕入先・販売元などを記録し、履歴を追跡可能な状態にしておくこと

引用:トレーサビリティ大学

冒頭でお話しした食品の原産地の不正表示問題などの影響により一躍その重要性が増した経緯のある言葉で、現在ではICチップを利用し、原産地や原材料、流通経路などの情報を製品に記録するという試みがなされています。

他にも測定結果の精度を満たすための国際標準や国家標準を満たしていることと言った意味もありますが、近年多く言われているトレーサビリティの意味としては冒頭の意味として用いられることが多いです。

trace(跡を辿る)+ability(可能である)という構成の英語から来ているこの言葉は食品に限らず近年はあらゆる分野に浸透しており、また応用されています。

今回はこのトレーサビリティに注目して、様々なものの移動の経歴をたどる仕組みの種類や現状、事例などをお話ししていくという流れと言えるです。

最後にこのトレーサビリティの定義(製造業)について紹介します。

それは「原材料・部品の調達から加工、組立、流通、販売の各工程で製造者・仕入先・販売元などを記録し、履歴を追跡可能な状態にしておくこと」です。

これを念頭に読み進めて頂くとより理解が深まるのではないでしょうか。

トレーサビリティの種類

トレーサビリティ

トレーサビリティーには種類があります。

ここではその種類のうち、チェーントレーサビリティと内部トレーサビリティに注目し、それぞれ見ていきましょう。

それぞれの特徴を知ることで今後どのような展開がなされていくのか理解が進むのではないでしょうか。

チェーントレーサビリティとは

チェーントレーサビリティとは原材料から生産、小売まで複数の段階で製品の移動が把握できる状態のことです。

一般的にトレーサビリティと言えばこのチェーントレーサビリティを指します。

チェーントレーサビリティは原材料から生産、小売まで複数の段階で製品の移動が把握できる状態を指します。

チェーントレーサビリティ

出典:トレーサビリティ大学

 

この仕組みを利用すれば製造者がこれはどこで生産されたものかを知ることができます。

最終的に購入した消費者はこの製品は、この小売店で売られる前に

  • どこの問屋を経由して
  • どこで製造され
  • 原料はどこで生産できたのか

を遡って知ることができるという特徴があります。

こういった特徴があるため、製造者が商品の不備があった場合に原因究明や回収作業が容易になったり、消費者の安心につながります。

例えば、お菓子に虫が混入していたのを製造者が発見した場合、どこから仕入れた原料に含まれていたのか、あるいは自工場で混入されたのか、更に小売店で故意に入れられたのかと言った原因究明ができます。

さらに、この生産地から仕入れたものだけに混入していたと分かれば、回収も限定して行うことが可能となります。

消費者から見てもここの生産地のものは避けたいとか、ここの生産地のものを買いたいと考えた場合信頼性の高い製品を選択する指標となり、表示偽装などの不安をなくすこともできます。

内部トレーサビリティ

内部トレーサビリティとは、限定的な範囲のトレーサビリティで製造者内で行われるトレーサビリティのことを指します。

内部トレーサビリティとは、サプライチェーン全体において一つの企業や工場など、特定の範囲に限定して部品・製品の移動を把握するトレーサビリティです。

トレーサビリティ

引用:トレーサビリティ大学

やや踏み込んでお話しすると、サプライチェーン全体において一つの企業や工場など、特定の範囲に限定して部品・製品の移動を把握するものです。

例えば、工業製品などに多く利用され、Aの製品を作る工場でB社から部品を調達して組み立て、その後の検査結果や最終的にC社に納品したと言った流れを知ることができます。

チェーントレーサビリティと異なり、この場合B社の部品の原料を調達した場所やC社に納品した後D代理店に販売したと言った経緯は記録されません。

トレーサビリティの現状

トレーサビリティ

トレーサビリティの現状についてもお話ししていきます。

品質管理や製品にトラブルがあった場合の対応のしやすさが格段に容易になることから非常に多くの分野でチェーントレーサビリティや内部トレーサビリティの種類にかかわらず利用されています。

ここではその代表例として製造業、食品、物流の現状をお話しします。

製造業

製造業におけるトレーサビリティは積極的な利用が見られます。

原材料の調達、部品の入荷から製品の出荷まで、製造工程における作業情報を収集・管理することを『製造工程トレーサビリティ』と呼んでいます。

このトレーサビリティでは識別記号を各製品やロット(同じ条件のもとに製造する製品で生産・出荷の最小単位)ごとにつけて、その識別記号に工程で作業内容や検査結果、寸法情報などを記録させて、下流の工程(出荷に近づけていく工程)の作業に活用しています。

通常のトレーサビリティのメリットに加えて、生産・作業の効率化、品質の向上にも役立てることができます。

食品

トレーサビリティの言葉を一躍有名にした分野がこの食品業界です。

特にBSE感染問題を度々経験した食肉業界で盛んに利用されており、耳標というタグを用いて牛を1頭毎に個体管理することが義務づけられています。

耳標

この個体識別番号によって再びBSEや食肉の安全を脅かす事態になった時、迅速な商品回収や原因究明が可能となっています。

もちろん食肉業界だけでなく、お米や野菜などの農産物にも普及しており、HACCP(ハサップ)と呼ばれる世界各国で推進されている食品の衛生管理方法として利用されています。

このハサップの内容は、原材料の受け入れから製造、加工、出荷までにすべての段階で、食中毒などの可能性がある危険因子を科学的に分析し、これらを低減・除去するために必要な重要管理点を行う安全管理の手法です。

食品トレーサビリティとは、「食品の移動を把握できること」

各事業者が食品を取扱った際の記録を作成し保存しておくことで、食中毒など健康に影響を与える事故等が発生した際に、問題のある食品がどこから来たのかを調べたり(遡及)、どこに行ったかを調べたり(追跡)することができます。

引用:農林水産省

つまり、食品にとってトレーサビリティを行うことが必須の管理方法です。

物流

トレーサビリティは元々物流にとも親和性の高いものと言えます。

そもそも様々なものの流れ(物流)を記録し追跡可能にすることがトレーサビリティなので、当然物流業界でも利用されているのです。

例えば宅配便でも最近はネットで自分の発送した商品や購入した商品の位置や経歴が分かるようになりましたが、これこそまさにトレーサビリティそのものです。

宅配便等のサービスでは、発送元から到着先までが一対一であるため、追跡性が極めて高い。

全ての貨物情報がオンライン処理されている現代にあっては、発送側や到着先が、荷物の受付伝票に記載された番号によって、今何処の集荷場を通過しているかを、インターネットの運送業者のウェブサイト上において、リアルタイムで確認する事が可能となっている。

特にこれらは通信販売業者等が、商品発送の際に、顧客に伝票番号を通知・顧客側で荷物の到着過程を確認できるといった利用法にも用いられ、宅配便を使った円滑な商取引に活用されている。

引用:Wikipedia

物流業界自体はそういった貨物追跡やロケーション移動などのトレーサビリティ以外に危険物や貴重品など輸送に注意が必要なものを番号管理し、異常が見つかった場合は追跡して回収できるようにすることも応用利用として試みようとしています。

このように流通効率を高める上で重要です。

ブロックチェーンの活用でトレーサビリティは変わる?

Traceability blockchain

ブロックチェーンと言う分散型の情報管理技術を活用することによってトレーサビリティは変化します。

その理由についてここではお話ししていきます。

トレーサビリティは現状のままではいくつかの課題があるといわれています。

それは一貫して管理することが困難であること、履歴の改ざんが容易と言うことと言った物です。

今のところ業者の良心によってトレーサビリティのシステムは維持されてますが、産地偽装も理論的には可能と言う側面があります。

それに様々な業者を介して原料は製品に、そして商品になっていくため、トレーサビリティを常に管理するのは不可能です。

この課題を解決してくれるのがブロックチェーン技術と言われています。

この技術は関わった業者全てで管理する仕組みなので改ざんはできませんし、全員で常に管理できると言う信用も保てます。

つまり、ブロックチェーンの持つ、情報は改ざんできないという特性が課題を克服するといわれています。

ブロックチェーン活用によるトレーサビリティの事例

天然ゴム

ブロックチェーンを活用したトレーサビリティは、海外では積極的に行われていますが、今回紹介する事例は日本の伊藤忠商事の天然ゴムの実証実験です。

伊藤忠商事は2月1日、事業投資先や取扱商品のサプライチェーン上の資源の安定的な調達・供給と、その流通の透明性確保のため、ブロックチェーン技術を用いたトレーサビリティ・システムの構築に向けた実証実験を開始すると発表した。

<天然ゴムのサプライチェーンと実証実験のイメージ>

トレーサビリティ

事業投資先や取扱商品のサプライチェーン上の資源の安定的な調達・供給と、その流通の透明性確保のため、ブロックチェーン技術を用いたトレーサビリティ・システムの構築に向けた実証実験を開始するもの。

引用:LNEWS

この実証実験は伊藤忠商事が100%の株式を持つ天然ゴム加工会社Bの天然ゴム原料調達サプライチェーンを利用した内部トレーサビリティをブロックチェーンの活用を行った物になります。

実験では天然ゴムの受渡者同士で取引内容の相互認証を行い、日時・位置情報と合わせてブロックチェーン上に記録していきました。

これにより天然ゴムが加工工場に到るまでの流通を透明化・効率化させることを行い、森林減少・地域住民の権利侵害などの課題を解決しようとしている事例です。

日本では内部トレーサビリティで実証段階ですが、海外では大手食品メーカーと巨大IT企業、そして大手スーパー数社がタッグを組み、食品のチェーントレーサビリティを行っています。

食品の生産場所・流通経路などの情報をブロックチェーンに書き込み、生産から販売までを管理するものです。

このように徐々に実現可能な技術として発展しています。

まとめ

トレーサビリティは様々な原料や商品の流通などに利用されてきました。

しかし、この情報はデータの改ざんや天災や紛争、様々な不測の事態によって消滅する危うさも秘めていたのが現実です。

そんな現状を打破する革新技術がブロックチェーンによる分散型の台帳管理です。

この技術によってトレーサビリティと言う複雑でしかも膨大、更に改変やデータの喪失が許されないトレーサビリティの世界に革新をもたらしつつあります。

ある業界団体の講演で、インターネットの発明以来の革新と言う表現がブロックチェーンになされました。

その言葉通りいけば、このトレーサビリティの世界にも大きな革新が起こるというのは想像に難くありません。

トレーサビリティの革新によって世界の仕組みが変わることも必然の流れと言い切れるのではないでしょうか。

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