
仮想通貨取引所の中には、仮想通貨の取引をする際にレバレッジをかけて取引をするレバレッジ取引のサービスを提供している仮想通貨取引所もあります。
仮想通貨のレバレッジ取引には、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
今回は、仮想通貨のレバレッジ取引について詳しく解説していきます。
仮想通貨のレバレッジ取引とは
仮想通貨のレバレッジ取引とは、仮想通貨の取引の中でもレバレッジ効果を利かせた取引の事を指します。
レバレッジとは小さな力で大きなものを動かす、てこの原理を意味しています。
レバレッジ効果を利かせることで、少ない資金でも大きな金額の取引する事が可能となります。
例えば、レバレッジ10倍の取引口座では、預け入れた証拠金に対して10倍までのポジションを構築する事ができるようになります。
レバレッジ取引をするメリット
大きなリターンを狙う事ができる
仮想通貨のレバレッジ取引をする事によって、大きなリターンを狙う事ができるようになります。
レバレッジをかける事によって、通常の取引と比較して大きな金額の取引を行う事が可能となりますので、得られる利益の額も大きくなります。
例えば、レバレッジ10倍の仮想通貨取引所では、通常の取引と比べて10倍の利益を狙う事も可能となります。
少ない資金から始める事ができる
仮想通貨のレバレッジ取引を活用する事で、少ない資金から本格的な仮想通貨のトレードを始める事ができます。
開始時点の資金が少なくても、レバレッジをかける事によって、より大きな金額で取引を行う事ができますので、しっかりとリターンを得る事が可能となります。
少額の資金しか用意できない場合や少ない資金からコツコツとトレードしたいという人におすすめです。
資金効率の良いトレードができる
仮想通貨のレバレッジ取引では、少ない資金をもとに大きな金額の取引を行う事が可能です。
そのため、資金効率の良いトレードができるようになります。
レバレッジ取引を活用する事で資金効率を上げて、ポートフォリオ全体の収益性を高めることが可能となります。
特に、他の投資商品と分散投資を考えているという人は、このメリットを有効に活用する事ができるようになるでしょう。
ショートポジションを構築する事ができる
仮想通貨のレバレッジ取引は、預託証拠金を利用したトレードとなります。
そのため、ショートポジションを構築する事ができるようになります。
ショートポジションとは、仮想通貨の売りポジションの事を指しています。
ショートポジションを構築した場合、ポジションを取った仮想通貨が下がると利益が出ます。
リスクヘッジの取引や短期売買としても利用する事ができます。
柔軟なトレードができる
仮想通貨のレバレッジ取引を利用する事で、より柔軟なトレードが可能となります。
レバレッジ取引ができる仮想通貨取引業者でも、常にレバレッジをかけた取引をする必要はありません。
状況や必要に応じて、柔軟にポジションサイズを決定する事ができます。
また、ショートポジションの構築や分散投資等、あらゆる投資戦略を柔軟に実行する事ができます。
最大レバレッジが高ければ高いほど、より柔軟性の高いトレード戦略を立案する事が可能となります。
レバレッジ取引をするデメリット
取引のリスクが高くなる
仮想通貨のレバレッジ取引を利用する事によって、取引のリスクが高くなるというデメリットがあります。
レバレッジ取引では、大きなリターンを狙う事ができますが、それに応じたリスクを取る事になります。
高いレバレッジをかけたトレードが上手くいかなかった場合、損失が想定以上に拡大する可能性が出てきてしまいます。
手数料が発生する
仮想通貨のレバレッジ取引では、預託証拠金をもとに仮想通貨を借りてトレードをする事になります。
そのため、レバレッジ取引で建玉を保有する場合、1日あたりの金利手数料が発生します。
レバレッジ取引では、仮想通貨を保有するだけでコストがかかる事になりますので、長期的に仮想通貨を保有したい場合は、手数料がかからない現物で保有する事をおすすめします。
資金を大きく減らしてしまう可能性がある
レバレッジをかけた取引を行う事で、資金を大きく減らしてしまう可能性があります。
仮想通貨のレバレッジ取引では、資金の数倍規模の金額で差金決済をする事になります。
そのため、損失が発生した場合は当初の資金を大きく減らしてしまう可能性が出てきてしまいます。
レバレッジ取引を行う際には、リスク許容度に応じた適切なレバレッジをかける事が重要となります。
適切な状況判断ができなくなるおそれもある
仮想通貨のレバレッジ取引では、預託証拠金の数倍規模のトレードをする事になります。
預託証拠金以上の金額のトレードを行う事で、投資家にかかる精神的な負担も大きくなります。
そのため、適切な状況判断ができなくなってしまうおそれも出てくるのです。
本格的な仮想通貨のレバレッジ取引を始める前に、ある程度デモトレードなどを活用して仮想通貨の取引自体に慣れておく事をおすすめします。
国内でレバレッジ取引に対応している取引所
国内の仮想通貨取引所の中で、レバレッジ取引に対応しているおすすめの仮想通貨取引所を紹介していきます。
DMM Bitcoin

出典:
DMM Bitcoinは、7種類の仮想通貨でレバレッジ取引を行う事ができる仮想通貨取引所です。
通貨ペアの種類は14種類で、多種多様な仮想通貨を利用したレバレッジ取引が可能です。
DMM Bitcoinでレバレッジ取引をする際の最大レバレッジは5倍となります。
また、顧客サポートにも力を入れており、365日対応しています。
DMM Bitcoinでは、多種多様な注文方法を出す事が可能となりますので、戦略的なトレードを行う事ができます。
GMOコイン

出典:
GMOコインは、東証一部上場企業であるGMOインターネットグループによって運営されています。
GMOコインの最大レバレッジは10倍で、5種類の仮想通貨の取引に対応しています。
GMOコインでは、仮想通貨のレバレッジ取引専用アプリであるビットレ君を利用する事ができます。
ビットレ君では、使用できるテクニカルツールが充実しており、手軽に本格的なトレードを行う事ができるようになります。
Liquid by Quoine

出典:Liquid by Quoine
Liquid by Quoineは、ワールドブックと呼ばれる流動性を高めるプラットフォームが導入されており、国内屈指の流動性を誇っている仮想通貨取引所です。
Liquidが提供している取引ツールは、仮想通貨投資家のニーズに即応したユーザビリティの高い機能が実装されています。
そのため、中上級者の人にも満足度の高い取引環境でトレードをする事ができます。
また、Liquidのレバレッジ取引では、自分で最大レバレッジを選択する事が可能です。
設定できる最大のレバレッジは25倍となっています。
Liquidでは、3種類の仮想通貨がレバレッジ取引に対応しています。
レバレッジ取引で儲ける為のポイント
仮想通貨のレバレッジ取引には、メリットもあればデメリットもあります。
このメリットやデメリットをしっかりと理解した上で、上手くトレードをしていく必要があります。
仮想通貨のレバレッジ取引で儲けるためのポイントを紹介していきます。
リスク管理を徹底する
仮想通貨のレバレッジ取引を行う際には、リスク管理を徹底的に行っていく必要があります。
レバレッジをかけた取引は、通常の取引と比較しても非常にリスクが高い状態という事になります。
必要以上のリスクテイクとならないように、適切なポジションサイジングやトレード戦略の立案を行う事が重要となります。
リスクをしっかりとコントロールしていきながら、収支の最適化を目指していく事がポイントです。
損切は必ず行う
レバレッジをかけたリスクの高い取引を行う際には、損切ラインは必ず定めておきましょう。
損切ルールを守れないと、最終的には大きな損失を被ってしまう可能性が高くなります。
損切をする事で間違ったトレードを一旦リセットし、次のトレードに集中していく事が重要です。
仮想通貨の取引を行う際には、損小利大のトレードを意識して行うようにしていきましょう。
相場の状況に臨機応変に対応する
仮想通貨の相場は、様々な状況によって変化していきます。
このような状況の変化に対応した取引をしていかないと、最終的には損をしてしまう可能性が高くなります。
仮想通貨に関するニュースや世界経済の動向等にも、しっかりとアンテナを張っておきましょう。
また、ファンダメンタルズの情報だけではなく、テクニカル指標やインジケーターから得られる情報も重要です。
様々な情報をしっかりと取っていきながら、相場の状況に臨機応変に対応していく事がポイントです。
仮想通貨のレバレッジ取引は今後規制されていく?
現在、国内の仮想通貨取引所では、仮想通貨のレバレッジ取引が規制されていくような動きがあります。
金融庁認定の仮想通貨自主規制団体である一般社団法人日本仮想通貨交換業協会では、会員である仮想通貨取引所に対してレバレッジ取引の自主規制を求めています。
第 4 条第 2 項関係
利用者が預託する証拠金の額を上回ることのない仕組みとは、例えば、利用者との取引契約によって、あらかじめ未収金が発生することのない価格をもってロスカット取引の成立を保証するなどの仕組みを指します。
なお、ロスカットの成立を保証する場合には、ロスカット取引の実行により会員が被る損失リスクが会員の財政に与える影響を十分に認識してリスク管理しなければならず、また、一部の利用者にのみ特別にサービスを提供することは、不適切な損失補てん・利益保証行為とみなされる恐れがあることに留意しなければなりません。
また、利用者が預託する証拠金の額を上回ることのない仕組みを用いる場合であっても、会員は、上記の賭博罪該当性に関する指摘や、本条各号の趣旨も踏まえて、適切な証拠金率を設定しなければなりません。
第 4 条第 2 項第 1 号関係
本号における協会が別に定める値については、当面の間、証拠金率を 25%以上(証拠金倍率 4 倍以下)とします。
仮想通貨はボラティリティが高く、不測の損失を被るリスクが高くなるため、そのようなリスクから投資家を保護するという名目で自主規制が進められています。
国内最大手の仮想通貨取引所であるbitFlyerでは、既に仮想通貨のレバレッジ取引の最大レバレッジは4倍までとしています。
仮想通貨取引における価格変動リスクならびに流動性リスク等を鑑み、お客様保護の観点から検討を重ねた結果、 2019 年 4 月 22 日から新規発注の最大レバレッジ倍率を 4 倍とし、同 6 月下旬には全建玉においても最大 4 倍とすることを決定いたしました。
※ 2019 年 5 月中旬以降に、新規発注時の最大レバレッジ倍率を 4 倍に変更します。
引用:bitFlyer
今後このような動きが波及し、国内の仮想通貨取引所で、レバレッジ取引が制限されていく可能性があります。
ただし、海外の仮想通貨取引所ではこのような自主規制団体の存在はありません。
中には最大レバレッジ200倍のクリプトGT仮想通貨取引所もあります。
レバレッジ取引を活用したアクティブな仮想通貨トレードを行いたいという人は、海外の仮想通貨取引所の利用を検討してみても良いでしょう。
仮想通貨のレバレッジのまとめ
レバレッジ取引を活用する事で、少ない資金で大きな金額のトレードを行う事ができるようになります。
高いリターンを狙ったトレードや資金効率の良いトレードを行う事ができますが、リスクも高くなります。
リスクをしっかりとコントロールしていきながら、トレードを行うことが重要なポイントとなります。
また、国内の仮想通貨取引所では、レバレッジ取引の自主規制の動きが強まってきています。
今後、仮想通貨のレバレッジ取引を活用していきたいという人は、海外の仮想通貨取引所の利用を検討してみましょう。