
ビットコイン の技術を応用した「ビットコイン2.0」になるべく初めて開発された仮想通貨ネクスト(NXT)。
ビジネス向けの仮想通貨として多種多様な機能をもつネクストとは、一体どのような仮想通貨なのでしょうか。
この記事では、仮想通貨ネクストの特徴や開発目的、将来性や購入できる取引所、さらにはネクストをベースに開発された新しい仮想通貨アーダー(Ardor)との違いについても詳しく解説していきます。
ネクスト(NXT)のwiki的基本情報
仮想通貨名 | ネクスト(NXT) |
トークン名 | NXT |
最小単位 | - |
公開月 | 2014年1月 |
開発国 | - |
発行上限 | 10億枚 |
発行枚数 | 10億枚 |
アルゴリズム | PoS |
公式HP | nxtplatform.org |
ホワイトペーパー | JeluridaWhitepaper.pdf |
@NxtCommunity | |
@NxtBlockchain | |
r/NXT | |
TelegramID | - |
YouTube | Nxt Foundation |
ネクスト(NXT)とは
ネクスト(NXT)は、すでに台頭しているビットコインの代わりとなる「ビットコイン2.0」となることを目指して作られた、初めての仮想通貨です。
つまり、ビットコインの後継を担う可能性がある、新しいプラットフォームとして登場したのです。
仮想通貨であるネクストは、いったいどのようなものなのでしょうか。
また、なぜ新しく開発されたのでしょうか。
ネクスト(NXT)とは
仮想通貨ネクストは、仮想通貨プラットフォームになります。
2014年1月3日から取引が開始されており、次世代のビットコインである「ビットコイン2.0」を目標としているさまざまな仮想通貨の中でも先駆け的存在として知られています。
ネクストはビットコインがもともと持っている通貨としての機能だけでなく、
- 投票機能
- メッセージ送信
- 独自通貨の発行
- 商品販売
などのビジネス向きの機能を兼ね備えているのが特徴です。
また、ネクストの取引承認システムにはビットコインとは違うPoS(Proof of Stake)が採用されています。
発行上限数が10億枚と設定されていて、現時点で全て発行済みとなっています。
ビットコインの発行上限数2,100万枚と比較すると大幅に上限が増えています。
現在は国内の仮想通貨取引所では取り扱いが無く、海外の取引所でのみ取り扱われています。
ネクストが開発された理由
ネクストは、ビットコインがもつシステム上の弱点を克服するために開発されました。
そのために、もともとのビットコインの承認アルゴリズムであるPoWからPoSに変更されました。
この変更により、PoWで起きていた計算の競争の激化に伴う電力消費量の増加や51%攻撃の問題が解消されました。
消費電力の増加に関しては、高スペックなコンピューターや周辺機器が必要なくなったことにより、承認作業に膨大な電力を消費することが無くなりました。
51%攻撃に関しては、大量の通貨の保有が必要になったことで、51%攻撃を行ってしまうとコインの価値が下がるようになり損をするようになったことで、問題が解消されました。
また、承認時に仕事を行うことが無いので、報酬の一極集中も防がれています。
発表時には、世界で初めてPoSを100%採用した暗号通貨として注目されました。
ネクスト(NXT)の特徴

出典:Nxt.
ネクストは前述した通り、ビットコインの後継を担うために「ビットコイン2.0」を目指して作られた仮想通貨です。
もちろん、ビットコインも洗練され完成された形の仮想通貨ではありますが、ネクストはビットコインよりもさらに改良が加えられ、一段進んだ仮想通貨となっています。
PoS(Proof Of Stake)の採用
仮想通貨のマイニングには必ず、”アルゴリズム”というものが採用されています。
たとえば、ビットコインで採用されているアルゴリズムはPoW(Proof of work)というものですこれは直訳すると、”仕事量による確証”です。
つまり、PoWは「仕事量の多いマイニングツールに多くのマイニング報酬を与える」というアルゴリズムなのです。
マイニングツールとはこの場合、コンピューターのことですので、高性能で計算能力が高いパソコンであるほど、マイニングをした時のマイニング報酬が高いと言えるのです。
しかし、このアルゴリズムには重大な問題があります。
PoWの問題点
1つ目は、コンピューターの性能の問題です。
マイニング報酬の計算などを行うためには、当然のことながらコンピューターが必要になってきます。
しかし、マイニング報酬を得るためには膨大な量の計算処理をこなさなければいけないため、高性能である必要があり、仮想通貨が流通するための大きな障壁になっていました。
2つ目は、電力消費量の問題です。
高性能なパソコンで、大量の計算をこなすと、当然のことながら多くの電気を消費します。
このことは仮想通貨の流通コストなどに大きな影響を与えていました。
PoSを採用することでPoWの問題を解消
そこでこのネクストが採用したのはPoS(Proof Of Stake)という方式です。
PoSは「仮想通貨の保有量に応じてマイニング報酬が支払われる」という仕組みになっています。
すなわち、コンピューターの性能や処理能力にかかわらず、仮想通貨を多く所有しているユーザーほどマイニング報酬が高く支払われるのです。
この方式は、マイニング報酬の計算を行うコンピューターのスペックがそこまで高くなくてもマイニングを行えるため、極めて効率的なシステムになっています。
プラットフォームを想定し多くの機能を備える
現在、ビットコインには送金・決済機能しかありません。
しかし、ネクストは、送金・決済機能以外にも多様な機能を併せ持っている、多機能型のプラットフォームになっています。
例えば、ネクストのプラットフォームでは次の機能が付いております。
- 商品の通信販売
- 独自の通貨の発行
- ユーザー同士でのメッセージの交換
- 投票
- データクラウド管理機能
など、ビットコインにはない多種多様な機能が付いているのです。
ネクストが持つこれらの機能が発表された際は、大きな衝撃となりました。
しかしながら、イーサリアムといった同等のアプリケーションプラットフォームを持つ仮想通貨の台頭や、ネクストをベースに開発された仮想通貨アーダー(Ardor)の登場により、ネクストの将来性については疑問の声も挙がっています。
ネクストのマイニング報酬の獲得方法
マイニング報酬の獲得方法が新しくなったという点も、ネクストの特徴です。
PoWとPoSの説明でも触れましたが、PoSになったことにより、マイニングでの報酬の獲得方法が大きく変わりました。
この方法はフォージングと呼ばれています。
PoWの問題点を解決するためにPoSに変更されており、ネクストをより多く保有しているほど報酬を得ることができるという仕組みになっています。
新しく搭載された機能
ネクストにはビットコインにもあった通貨としての機能に加えて、投票機能やメッセージ送信といった様々な機能が追加され、よりビジネス向けの仮想通貨となっています。
具体的には、
- メッセージ
- 投票
- 独自通貨発行
- 商品販売
- データクラウド管理
- 分散型取引所
- エイリアス
といった機能があります。
独自通貨の発行
独自通貨の発行機能により、誰でも独自通貨を発行できるようになっています。
マネタリーシステムによって、発行速度や分散型取引所での取引禁止といったような細かい設定も行えるようになっています。
投票機能
ネクストに搭載されているブロックチェーンにより、不正ができない投票ができるようになっています。
最低保有量などで投票者を制限することもできます。
商品販売機能
商品販売機能では、ネクストのユーザーが取引したい商品をブロックチェーン上で販売することができます。
他のサイトなどに頼る必要がなく、ネクストのプラットホーム上のみで取引することが可能となっています。
ネクスト(NXT)の欠点/問題点
ネクストは多種多様な機能を持つプラットフォームということで、ビットコインよりもさらに進化した仮想通貨ではありますが、一方で欠点や課題も存在します。
PoSの採用
前章では、ネクストの採用しているアルゴリズムであるPoS(Proof Of stake)について、効率的なシステムであると紹介しました。
しかしながら、そんなPoSにも欠点があります。
PoSの基本原理として「マイニングしている仮想通貨の保有量によってマイニングの報酬が決まる」と解説しました。
このため、マイニングを行う仮想通貨をより多く保有している者の方がマイニング報酬が多くなり、同じマイニングを行ったとしてもマイニング報酬の差ができてしまうのです。
その結果として、仮想通貨が独占的に保有される可能性が発生し、仮想通貨自体の流通に支障が出る恐れが指摘されています。
PoSを採用しているネクストに関してはこの問題が顕著とも言えます。
存在感が薄れてきつつある
先程も少し解説しましたが、ネクストは発表当初には画期的な仮想通貨だとして大きな注目を集めました。
しかしながら、今となっては同じように多機能なプラットフォームが台頭しており、その中には時価総額が現在2位である、イーサリアムも存在しています。
また、ネクスト自体もアーダー(Ardor)という別の仮想通貨のベースとして使われたことで、ますます存在感が薄れていってしまっています。(アーダーについては後ほど説明します。)
このような理由が欠点となり、ネクストは果たして将来性があるのかという疑問の声が出ているのです。
流通量が低下している
ネクストは、ビットコインが持つ弱点を克服したビットコインの後継として開発されました。
しかし、それでもまだ欠点はあります。
PoSでは保有量が重要なため、処理能力が重要であるPoWの時のように高い資金を使って高性能のコンピューターを手に入れる必要はありません。
しかし、仮想通貨をたくさん保有するためにも資金が必要になります。
そのため「報酬を得られるかどうかは資金力で決まる」という点は変わっていないのです。
その結果、ネクストを大量に保有している人は報酬を得られるため、なかなかネクストを手放さなくなり、仮想通貨事態の流動が低下してしまいます。
通貨は流動してこそ通貨として意味を成すため、流通量の低下はネクストの欠点とされています。
ネクスト(NXT)とアーダー(Ardor)の違い
ネクストをベースに開発された仮想通貨としてアーダー(ardor)という名前がたびたび出ていましたが、アーダーとは一体どんな仮想通貨なのでしょうか。
ここからは、アーダーの特徴とネクストとの違いについて、見ていきましょう。
アーダーについて
アーダー(Ardor)とはネクストの後継として開発された仮想通貨です。
もともとはネクストの後継との意味合いとして「NXT2.0」という名前のもとで開発が進められていました。
しかし、2016年からはアーダーという名前で開発が進められていくことになりました。
アーダーは、ネクストのブロックチェーンにさらにサイドチェーンを付け加えており、そのサイドチェーンは開発のしやすさを目的として開発が進められました。
アーダーについて詳しくは下記の記事をご覧ください。
[getPoSt id="11699"]アーダーとネクストの違いについて
アーダーには、ネクストの違う点が3つあります。
- ブロックチェーン上のサイドチェーンが新たに追加
- 独自通貨・トークンの発行ができなくなった
- メッセージの送信ができなくなった
特に大きな相違点は、
ブロックチェーンにサイドチェーンが追加されたことで、ネクストが抱えていた「ブロックチェーンのみの記録方式ではブロックチェーン上の取引記録が手に負えなくなるほど膨張する」という問題を解決することができました。
同時に、サイドチェーンを導入したことにより、
- トレード情報の機密化
- セキュリティー性の向上
- 記録時間の短縮
といった特徴も増え、大きなメリットとなっています。
ネクスト(NXT)の評判・口コミ
ここからは、ネクストを実際に利用した人の評判や口コミを紹介していきます。
最近では、後継とされているアーダーを筆頭にアルトコインの種類も増えてきているため、ネクストの存在感はますます薄くなってしまっていますね。
そのため、取引もなかなか行われず、変動もなってしまっていますね。
NXT全く上がらんかったなぁ
今大手取引所に入ってる通貨は触らず
マイナーな取引所にあるコインだけ少額で触るか
そっちのがファンダ効いてる気がする— ふくみみ (@nekonohukumimi) 2018年11月18日
2018年6月の評価です。
24時間での高騰率TOP5に入っているということは、まだ高騰の可能性が見られるということですね。
これが長期間続くようなら取引も活発になるかもしれません。
前日24時間の高騰率↗上位5通貨#EOS 1588.34 円(16.78%)☀#NXS 294.93 円(13.37%)☀#AE 386.97 円(11.29%)☀#NXT 16.01 円(10.69%)☀#ONT 846.4 円(9.82%)☀
2018-06-03 13:00:02
— ヒッキー (@hikky0_0hikky) 2018年6月3日
ネクスト(NXT)の購入方法
ネクストは先に書いたように日本円では取引できません。
そのため、国内取引所と海外取引所の両方を使って購入する必要があります。
1.取引所で口座を開設
まずは国内取引所と海外取引所でそれぞれ口座を開設します。
これによりそれぞれの取引所を利用できるようになります。
しかし、海外取引所では日本円での取引ができないため、日本円を海外取引所で使える形に変える必要があります。
2.国内取引所でビットコインを購入
日本円を他の取引所でも使えるビットコインに変えます。
これにより、海外の取引所でも利用できる状態になります。
ここではビットコインとしましたが、国内と海外の両方の取引所で対応している仮想通貨であれば、どれでも可能です。
3.海外取引所の口座にビットコインを送金
日本円で購入したビットコインを海外の口座に送ります。
これにより、海外の取引所で利用できる通貨が口座に入ります。
4.送金したビットコインでネクストを購入
最後に送金したビットコインを使って、海外の取引所で販売されているネクストを購入します。
ネクストの入手には多少時間がかかる
ネクストの購入には、これら一連の手順が必要となります。
送金手続きが反映されるまでに時間がかかってしまうこともあり、ネクストをすぐに手に入れるということはできません。
手数料もかかるため、払った日本円に対してネクストは少し少なくなるという点にも注意が必要です。
ネクスト(NXT)が購入できる取引所
2019年4月現在、ネクストは国内取引所での取り扱いがないため、購入には海外取引所を利用する必要があります。
海外の取引所で購入する一連の流れについては、前述していますので参考にしてみてください。
ここからは、ネクストを購入することができる海外取引所をご紹介します。
Poloniex(ポロニエックス)

出典:Poloniex
世界最大級の仮想通貨取引所であるPoloniexは、取り扱っている仮想通貨の種類においても流通量においても、業界トップクラスの水準を誇っています。
質の高い仮想通貨が上場しており、取り扱っている約100種類の銘柄の中には、他の取引所では購入することができない珍しいアルトコインも含まれています。
また、レーディングサービスやマージン取引など、独自のサービスを展開しているという特徴もあります。
日本語には対応していませんが、安定した取引ができる信頼できる取引所の一つです。
[getPoSt id="14939"]Bittrex(ビットトレックス)

出典:Bittrex
Bittrexは、2014年に開設されたアメリカの仮想通貨取引所です。
まだ歴史の浅い仮想通貨取引所ではありますが、取引額では世界でトップ10に入るほどの実績があります。
そして、Bittrexの最大の特徴は、なんと言っても取り扱い通貨の多さです。
約200種類の取扱通貨の中には、ICOで公開されたばかりの仮想通貨も多く含まれており、お宝通貨に出会える可能性も秘めている取引所と言えます。
[getPoSt id="6574"]HitBTC(ヒットビーティーシー)

出典:HitBTC
2013年9月に設立されたHitBTCは、世界の仮想通貨取引所ランキングでも上位20位以内をキープしている、イギリスの大手の仮想通貨取引所です。
運営会社の情報が不透明であるという点が懸念材料ではありますが、手数料が安いことから海外では多くのユーザーが利用しています。
日本語には対応していませんが、取り扱っている仮想通貨は500種類を超えており、ICOの上場先として選ばれることが多いのも特徴です。
また、セキュリティ面においては世界中の取引所を対象としたランキングで16位に入るほどの実績があります。
[getPoSt id="5468"]ネクスト(NXT)の将来性

出典:Nxt.
ネクストの将来性について語るには、プラスの面とマイナスの面の両方について考える必要があります。
それぞれ見ていきましょう。
ネクストのプラス面
ネクストはビットコインの弱点を克服するために開発が続けられています。
そのため、プラットフォームとして長い歴史を持っています。
仮想通貨の世界で重要なのは「登場してからも開発が続けられること」や「草コインと呼ばれるような価値から飛び抜けること」です。
ネクストは現在も開発が続けられていますし、2017年には仮想通貨バブルの影響も受けネクストの価格も一気に上昇しました。
突然開発がストップしてしまい、価値がなくなってしまうという事態はまず起きないでしょう。
そういった点では、リスクは非常に低い仮想通貨と言えます。
ネクストのマイナス面
ネクストには、後継ともいえる仮想通貨アーダーの存在があります。
このアーダーが台頭してきたことにより、それまで売りとしていたプラットフォームの多機能性などの特徴を売り出すことができなくなっています。
アーダー以外にも、PoSを採用した新しい仮想通貨も登場しています。
そのため、これまで大きな特徴であったネクスト特有の魅力といったものが弱くなっています。
このことから、ネクストは将来的に仮想通貨としての魅力がますます弱くなっていくことが考えられます。
2019年4月20日現在のネクストの価格は、
- 価格 3.74円
- 時価総額 約37億円
約1年前である2018年5月21日は、
- 価格 18.12円
- 時価総額 約180億円
となっており、
約1年間で大幅に下がってしまったことがわかります。
現時点では、ネクストの価格は約4か月ほどの間3円付近で推移しており比較的安定しています。