仮想通貨と言えば、ビットコイン、イーサリアムといったメジャーな仮想通貨を思い浮かべる方が多いかと思いますが、そのどれもが未だ実際の社会で通貨として機能するには至っていません。
なぜ、実用化が進んでいないのかという理由には、まず昨今起こっているハッキングによる仮想通貨流出などあまりイメージのよくないニュースが多いことが挙げられます。
ただ、これは仮想通貨自体に問題があるわけではなく、仮想通貨取引を行っている取引業者の管理体制に問題があるのです。
この問題に関しては分散型取引所の登場によって解決されることが期待されています。
また、仮想通貨が実用化されない原因として、処理速度の遅さも挙げられます。
送金にしても決済にしても、完了するまでにかなりの時間がかかってしまいます。
このような問題を解決すべく多くの仮想通貨が開発されていますが、この記事では「TomoChain」という仮想通貨の特徴、懸念材料、評判、将来性について紹介します。
TomoChain(トモチェーン)のwiki的基本情報
仮想通貨名 | TomoChain(トモチェーン) |
トークン名 | TOMO |
公開月 | 2018年3月 |
発行上限 | 100,000,000 TOMO |
発行枚数 | 64,662,900 TOMO |
公式HP | https://tomochain.com/ |
ホワイトペーパー | - |
@TomoChainANN | |
@tomochainofficial | |
r/Tomochain | |
TelegramID | TomoChain ($TOMO) Chat |
YouTube | TomoChain |
TomoChain(トモチェーン)とは
2018年3月にICOを実施、発行上限は1億枚
TomoChainは中国人グループによって作り上げられた仮想通貨で、2018年3月にICOが行われて、リリースされた比較的新しい仮想通貨です。
仮想通貨の中には発行枚数の上限が決められていたり、決められていなかったり様々ですが、TomoChainの場合は発行枚数の上限が1億枚と決められている仮想通貨です。
このため、通貨のインフレリスクはない仮想通貨と言えます。
イーサリアムの弱点を補うべく開発された
TomoChainはイーサリアムをベースに開発された仮想通貨です。
イーサリアムと同様にスマートコントラクトが実装されており、実社会での契約の自動化など応用が期待されています。
しかし、イーサリアムの場合今のところ実用化には至っていません。
その大きな理由として処理速度が遅いことが挙げられます。
このため、実用的ではないと判断されて足踏み状態になっているのが現状です。
そういったイーサリアムの弱点を補うために数多くの新たな仮想通貨が開発されていますが、TomoChainもその中の一つです。
イーサリアムよりも処理速度・手数料で実用化に近づいた
TomoChainとイーサリアムの一番の違いはコンセンサス方式です。
イーサリアムの場合、コンセンサス方式にPoWが採用されていますが、この場合は多数のマイナーによる認証が必要で、どうしても処理速度が落ちてしまいます。
一方で、TomoChainのコンセンサス方式にはPoSVが採用されています。
このコンセンサス方式では、一定数以上のTomoChainを持つユーザーの中から投票で無作為に少数のユーザーを選定して、その人のみが認証するような仕組みになっています。
このため、イーサリアムに比べてマイナーの数が少なくて済み、処理速度の向上が期待できます。
また、マイナーが少なくなるため手数料がイーサリアムに比べて圧倒的に少なくなることが期待できます。
このようにイーサリアムよりも処理速度、手数料の面でより実用化に近づいた形の仮想通貨となっているのがこのTomoChainなのです。
目標はお金のやり取りが簡単にできるSNSプラットフォーム
ちなみに、時価総額は約30億円となっていて、数ある仮想通貨の中で130位ぐらいとなっています。
このため、まだまだ時価総額が膨れ上がる余地が残っていると言えます。
TomoChainの目指すところはお金のやりとりが簡単にできるSNSプラットフォームの構築です。
実際にTomoChainのブロックチェーン上にSNSを実装しており、この中でお金のやり取りを盛んに行うことができるようにすることを目指しています。
TomoChain(トモチェーン)の特徴
取引手数料が安い
TomoChainの特徴の一つに取引手数料が安いことが挙げられます。
ここまででも紹介した通り、TomoChainではコンセンサス方式にPoSVを採用しています。
これによって、処理に必要なマイナーの数が少なくなり、コストを削減することができ、結果として、お金のやりとりに必要な手数料を抑えることができるのです
送金に関しては、実際のところイーサリアムの送金手数料と比較すると、100分の1程の低料金で実現することができます。
イーサリアムやビットコインはどうしても送金手数料が割高で、送金には利用しづらい面がありました。
正直銀行での送金の方が手数料は安く、これでは何のための新技術なのか疑問に思う仮想通貨ユーザーも多かったことと思います。
その点を大幅に改善しているTomoChainは非常に魅力的な仮想通貨と言えます。
トランザクション処理能力が高い
ここまででも紹介してきましたが、TomoChainはトランザクション処理能力にも優れています。
これにもコンセンサス方式にPoSVが採用されていることが関係しています。
PoSVを採用することによって、ビットコインやイーサリアムのように多数のマイナーの認証を必要にするということがなくなり、結果として処理速度が早くなるのです。
ビットコインやイーサリアムの場合は1秒あたり7~15程度のトランザクションしか処理することができませんでしたが、TomoChainは毎秒2,000〜5,000ものトランザクションを処理することができ、単純に100倍以上の処理速度が期待できます。
イーサリアムベースのブロックチェーン
TomoChainのブロックチェーンはイーサリアムベースのものとなっています。
ですから、イーサリアムの優れた点は受け継ぎつつ、処理速度や取引手数料などのイーサリアムの問題点を補っている形になっています。
スマートコントラクト機能を持つ
TomoChainには、イーサリアムと同様にスマートコントラクト機能が実装されています。
これによってブロックチェーン上で自動的に契約やお金のやりとりを行うことが可能となります。
イーサリアムは元々、保険やローンなどお金が関わる契約への応用が期待されていましたが、処理速度やコストの問題でまだ実用化にまでは至っていません。
TomoChainの場合はイーサリアムのそういった問題点を解決しているので、イーサリアムに代わって契約が関わってくる分野への応用も期待することができます。
発行枚数上限は1億枚
TomoChainは、発行枚数上限が1億枚に設定されています。
このため、通貨を多数発行することによるインフレリスクはありません。
TomoChainに投資するトレーダーにとっては安心感のある仮想通貨と考えられます。
TomoChain(トモチェーン)に対する懸念点
SNSを利用するユーザーが増えるのか
まず、TomoChainは最終的な目標として「SNS上でのお金のやり取りを簡単にすること」が掲げられていますが、実際にTomoChainのブロックチェーン上で運用されているSNSの登録者数が増えていくかどうかが今後の課題となります。
やはり、SNS上でのやり取りがメインとなってくる通貨なので、SNSの登録者数が増えていかなければ通貨の利用価値というものはなくなってしまいかねません。
今後どのようにSNS登録者数を増やしていくのかが注目されます。
ただ、TomoChainのプロジェクトは中国で行われているもので、中国国内でのSNS利用者の拡大は期待できますが、国外となると大きな障害があります。
特に、貿易戦争でアメリカとの関係が悪化しており、中国国外へこのSNSを浸透させていくのはなかなかの困難となっているのが現状です。
諸外国との良好な関係構築もこのTomoChainの未来を左右していくのかもしれません。
STEEM、Kin、ALISとの競合
TomoChainと同様にSNSと仮想通貨の融合を目指す競合銘柄には、STEEM、Kin、ALISが挙げられます。
このように類似するプロジェクトがあるため、どうしてもSNS利用の上で競合関係が生じる懸念があります。
TomoChainがこれらと比較して魅力的な特色を打ち出していけるのか、今後の差別化が一つTomoChainの将来の鍵となります。
ただ、過去を考えると中国発祥のSNSが日本やアメリカで普及する傾向は見られないので、そういった過去を打ち破れるかも注目すべきところです。
取り扱う仮想通貨取引所を増やしていけるのか
TomoChainを取り扱う仮想通貨取引所が増えてくるかどうかも、今後のTomoChainの仮想通貨としての価値に影響してくることが予想されます。
プロジェクトがいい方向に進展したとしても、そのトークンを取引できる取引所の数が少なければ、市場が広がっていきません。
特に中国という閉鎖的な国で生まれた通貨なので、仮想通貨取引所への新規上場には障害も大きいです。
TomoChainのプロジェクトの発展のためにはそういった営業力も求められます。
TomoChain(トモチェーン)に対する評判・口コミ
ここではTomoChainに関するツイッター上の評判・口コミを紹介します。
Tomochain っていうの日本人向けの奴か?海外の Ethereum 愛好者のツイートで一度も見たことないぞ。
— シラタキ🦄 (@seidoutakizawa3) 2019年9月9日
まず、TomoChainの普及に関して懐疑的なツイートがありました。
日本でもさほど普及しているとは見受けられませんが、海外でも普及は進んでいない様子です。
アメリカ、ヨーロッパ、日本といった地域でこの仮想通貨、およびSNSが普及していくかどうかが今後のTomoChainを左右するのではないでしょうか。
大好きな #Contentos と #TomoChain がイベントしてる
(((o(*゚▽゚*)o)))@Sciencemamy @hiyokoatvolcano https://t.co/ks8h3e7oRm— たまごむすめ (@TamagoMusume3) 2019年9月13日
しかし、日本人にもTomoChainの愛好家がいました。
日本では、仮想通貨のTomoChainへの投資が興味の実態となっている気がしますが、今後TomoChainのブロックチェーン、SNSへの興味が増してくるとTomoChainの将来は明るいように思います。
昨日はTomochainの取材へ
PoSV、2000tpsはこの世代の標準という印象だけど、
TomoZというニュープロダクトは面白いかな
TRC21規格のトークンを簡単に作成できる、かつ同じトークンでガス支払えるという点が面白い今月中に取材内容をZenismにまとめる pic.twitter.com/mo7gNmh1Kz
— zenimasao (@zenimasao) 2019年9月13日
また、TomoChainの性能に関するツイートも見られました。
トランザクション処理能力に関しては、今の時代では標準的とのことですが、新たな技術に魅力があるとのことでした。
やはり、ビットコインやイーサリアムの弱点を補うということは当たり前のことになっていて、それ以上に付加価値をつけていくことが今後の発展のためには必要です。
TomoChain(トモチェーン)の将来性
仮想通貨の性能としては、ビットコインやイーサリアムを凌駕していることが考えられますが、それをどのように広く多くの人に使ってもらえるかが将来の鍵となりそうです。
まずは、TomoChainのブロックチェーン上のSNSの普及が最も求められます。
中国国内に留まりがちですが、これを海外へとどのように普及させていくのかが、競合する仮想通貨に勝つポイントとなります。
中国国内での普及は比較的容易なのかもしれませんが、それ以上を目指すことで、TomoChainの通貨価値がさらに上の段階へと上り詰めることにつながりそうです。
TomoChain(トモチェーン)のまとめ
TomoChainは中国発祥の仮想通貨で、同じブロックチェーン上で運営されているSNS上でのお金のやりとりを目指しています。
イーサリアムをベースとして、イーサリアムの処理能力や取引コストの問題を解決することを目指して開発が進んでいます。
技術としては実用化できるレベルにあるかもしれませんが、これをいかに中国国外に広めていけるかでTomoChainの将来が決まってくるでしょう。