仮想通貨大国であるマルタ共和国の税金事情・タックスヘイブン・今後の将来性まとめ

世界大手取引所であるバイナンスやOKEX、今注目の取引所であるベルウッドが集まる仮想通貨先進国のマルタ。

結論から言えば、マルタが定めたタックスヘイブンという制度がある為、多くの仮想通貨取引所がマルタ島に移転していくとのですが。

では仮想通貨取引所にとって魅力的なタックスヘイブンとは一体どんな制度なのか、マルタ島の魅力も踏まえて紹介していきますね。

仮想通貨大国として注目されるマルタ共和国とは/特徴

仮想通貨マルタ

マルタ島は人口が43万人ほどの、日本でいう淡路島の半分くらいの小さな島です。

イギリスの支配下に置かれた歴史を持つマルタ島は、1964年に独立して、マルタ共和国となりました。

現在は、イギリス連邦加盟国で法定通貨としてユーロが利用されています。

公用語として英語が利用されているのは、こうした背景があるからでしょう。

そのマルタ共和国が先駆けてブロックチェーン関連に着手したのは、今後の市場の動向にも少なからず影響がありそうです。

マルタ政府は7月4日に、仮想通貨プロジェクトの誘致を加速させる次の3つの法律を議会で可決しました。

  • マルタ・デジタル・イノベーション庁法案
  • 仮想通貨金融資産法
  • 技術調整&サービス法案

法案がICOを行うスタートアップ企業に対して、マルタ島を拠点として活動することを後押しするのは確実です。

何故マルタ島が、他の国よりも群を抜いてブロックチェーン関連事業に積極的なのか?

根強いタックスヘイブンのイメージがあるマルタ島について、詳しく解説していきます。

マルタ島の税金事情:なぜマルタ島の税金はなぜ低い?

仮想通貨マルタ

マルタ島の税金は、EU圏では特に低いとされています。

そして、結論から言いますと、マルタ島の税金が低い理由は、海外の企業がマルタ島へ進出した時に、特殊な税金制度があるからです。

しかし、マルタ島の税金制度全ての、金が低い訳ではありません。

なぜなら、マルタ島の地元企業へは35%の税金が課せられているからです。

マルタ島の特殊な税金制度:タックスヘイブン

マルタ島には、タックスヘイブンと呼ばれる特殊な税金制度があります。

そして、納めた税金がマルタ島の企業に還付される仕組みがあるからこそ、マルタ島の税金は、5%ほどの税金で済むのです。

つまり、マルタ島の税金が低いと言われている由縁は、タックスヘイブンの税金制度がある為です。

[su_box title="タックスヘイブンとは簡単に?" box_color="#ff9911"]租税回避地ともよばれ、海外の企業や資産家から資金を流入させるための優遇税制があることが特徴[/su_box]

マルタ島の優遇された税金制度を他国が指摘

当然この優遇された税金制度について、過去に他国から指摘がありました。

特に、フランスのような高い税金を納めないといけない国では、タックスヘイブンについて厳しい意見を当初持っていました。

その為、EU園は脱税と租税回避に対抗する取り組みとして、ブラックリストを作成しています。

しかし、タックスヘイブンの話合いは幾度とありましたが、マルタ島を含めヨーロッパの国はブラックリストに登録されていませんでした。

また、国々の事情や都合がありますが、EU園では、マルタ島をまだタックスヘイブンとみなしていません。

その為、資源や土地の面積が少ないマルタ島が単独で生き残る為に、タックスヘイブンによる税金制度が今も設置されています。

マスカット首相のTwitterからも仮想通貨に対しての意気込みが伝わります。

何か新しいことが小さなこのマルタ島で起こる予感がしますね。

マルタ島が仮想通貨業界先進国として、なぜ話題になっている?

仮想通貨マルタ

マルタ島が仮想通貨業界で話題となっているのは、大手の仮想通貨取引所がマルタ島に移転しているだけではありません。

それは、マルタ島の都市開発が進み、スマートシティと呼ばれるテクノロジーパークの建設ラッシュが始まっているからです。

スマートシティの開発が進むことで、富裕層の海外からの移住だけでなく、海外の企業が進出しやすくなる点や人材確保がしやすい点が挙げられます。

なぜなら、マルタ島は、ブロックチェーン・アイランドを目指していると発表している為です。

マルタ島に大手仮想通貨取引所のBinanceに移転!

大手仮想通貨取引所であるBinanceは、いち早くマルタ島に移転しています。

そして2018年9月時点では、Binanceが約200人の人材確保を計画していたとのことです。

マルタ島では、ブロックチェーン関連の企業を、後押しする取り組みがされているのです。

マルタ島での人材確保の仕組み

マルタ島では、ブロックチェーン企業への人材確保をする為に、マルタ島にある大学から、採用させる取り組みをしています。

中でも、マルタ大学では新たな教育プログラムとして、ブロックチェーンを研究する学生に、奨学金の支給を行うことが発表しています。

つまり、マルタ島ではビジネスと学生、そして観光と、一体化して、ブロックチェーン・アイランドへの発展を遂げているということです。

マルタ島に仮想通貨取引所が集まる理由

仮想通貨マルタ

マルタ島はEU加盟国の中でも低い輸出率を示すことからも、資源と生産性が乏しいことが理解できます。

確かに地中海に浮かぶマルタ島は美しい景観をもち観光業を主としていますが、それだけでは世界に注目される材料が揃っているとはいえません。

外国の企業や投資家から資金を流入させるための施策が求められています。

では、小さな国がどうして大手仮想通貨取引所2社の誘致に成功したのか?

それは単に税制の面で優遇されている理由だけではないようです。

マルタ政府は規制や法律によって、運営が左右される仮想通貨関連事業のための法整備を、早急に整える姿勢をアピールしました。

どの企業でも海外を拠点に活動する場合には、法律がネックになります。

企業はゆるゆるの規制と形だけでも、法整備を整えてくれる夢のような国を求めるはずです。

マルタ政府が将来的に有望なブロックチェーン関連事業を多く誘致させるためにも、要となる仮想通貨取引所の受け入れを歓迎しないわけがありません。

マルタ政府が海外から企業を誘致したい理由は他にもあるようです。

タックスヘイブンと呼ばれるマルタ島に秘密がある

仮想通貨マルタ

タックスヘイブンと呼ばれるマルタ島について、詳しくみていきましょう。

一番の目的は海外の企業や投資家に向けて、少ない税率もしくは税金をかけないことです。

そして、発展途上国に誘致しやすい環境がその国々の経済発展につなげる事です。

その一方で、法人を設立しやすいために、マルタ島にはペーパーカンパニーも存在します。

ライセンス取得の基準のハードルが低いことが悪用され、マネーロンダリングや違法な業務の資金を増幅させている懸念も指摘されています。

また、資産家の資金の避難先や脱税のイメージが現在もなお続いています。

ペーパーカンパニーとは
設立はされているが、事業活動の実体がない会社のことです。

マルタ島は香港に劣らないタックスヘイブンと言われている?

仮想通貨マルタ

香港を拠点としていた仮想通貨取引所が、マルタ島を選んだのは前者に劣らないタックスヘイブンだからなのでしょうか?

もちろんその説も当てはまりますが、取引所とマルタ島の両者とも、タックスヘイブンのイメージを強めたいわけではありません。

タックスヘイブンが大きくメディアに報じられたのが、2016年のパナマ文書です。

パナマ文書の事件とは?

パナマの法律事務所から流失したオフショアバンキングの取引履歴を巡って、

世界中の著名人や資産家を震撼させた事件です。

そしてマルタ島にとってもこの事件は、大きな転機を迎えることになります。

パナマ文書を調べた女性記者が殺害された?

パナマ文書にマスカット首相のファミリーが関わっていたのではないかと、調べ上げた女性記者は、2017年10月16日に車を運転中に爆弾が爆発し、即死しました。

しかし、女性記者殺害事件は日本でも報道されましたが、真実は憶測でしか語られていません。

女性記者殺害事件がきっかけで、資金の流動性を約束されたタックスヘイブンに、非難の声が向けられるようになりました。

そして、今まで世界中から多額の資金を集めたオフショアバンキングは、閑古鳥状態になったのです。

結果的に、仮想通貨プロジェクトに買収されるようになるとは、誰しも想像してなかったでしょう。

オフショアバンキングとは?

オフショアバンキングとは、別名オフショア銀行と呼ばれています。

そして、居住国以外の国に資本を投資することです。

女性記者殺害事件がきっかけで、変わること

タックスヘイブンといわれる地域や国は、今までのように富裕層のオフショアバンキングにだけにすがることはできません。

理由は、闇に葬られた女性記者殺害事件があったことと、タックスヘイブンのような脱税のイメージが強い国であるからです。

同じくタックスヘイブンを支配するイギリスから独立した香港は、多岐にわたる新しい産業を開拓して経済発展に成功しました。

マルタ島も香港が大きな飛躍を遂げたように、次第に新規事業の開拓を求められるようになります。

EU加盟国がマルタ島を迎え入れる

マルタ島はEU加盟国として迎えられたのが、2004年です。

当然、EUが定めた法に完全に準拠しなくてはなりません。

欧州委員会に租税回避措置を求めたものの、今までのようにタックスヘイブン特有のクローズドな部分はあってはならないのです。

かつての秘密を守るオフショアのイメージから、オープンに「ブロックチェーン・アイランド」を目指す国としてマルタ島は、変貌を遂げたのです。

利益を確保するためにマルタ島に拠点を移すべきか?

仮想通貨マルタ

マルタ島が海外企業から好まれる理由は、法人税をみても一目瞭然です。

例えば法人収益に関する税率が、マルタでは5%もしくはそれ以下で済みます。

何故なら本来35%と定めた税制ですが、税金の還付制度がハンパないからです。(二重課税回避条約)

そして観光地であるマルタ島は、小さい島ながらもカジノがあります

カジノがある利点

マルタ島ではオンラインカジノを合法とし、ライセンスを発行しています。

カジノというと、日本人にとってあまり良い印象はありませんが、自国では叶わないライセンスが欲しい企業から需要があるようですね。

オンラインゲーム産業の発展の基盤が、すでに存在していると捉えると、ブロックチェーンとも相性が良いのがわかります。

税制とライセンス、そしてEUに加盟しているマルタ島の、法整備へのスピード感ある対応を見れば、日本とは比べものになりません。

グローバルに活動する法人であれば、利益を確保するためにもマルタ島に拠点を移すべきともいえるでしょう。

マルタ島の将来性について

マルタ島のブロックチェーン会社であるPalladiumに、アメリカのBittrexが投資していることが発表されています。

その為、小さな国マルタ島で始まる事業に、大きな後ろ盾がある事になります。

マルタ島の今後は、仮想通貨の発展により、経済成長国として変化していくでしょう。

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