
仮想通貨を保管する手段としてウォレットがあります。
このウォレットには、ネット上で保管するもの、スマートフォンやパソコンなどの端末に保管するもの、USBメモリのようなハードウェアに保管するもの、コールドウォレットと呼ばれる紙に印刷して保管するものというように様々な種類が存在します。
そして、ウォレット自体に様々な機能が追加されているのも特徴です。
今回紹介するのは、そんなウォレットの一つである「Monappy」です。
このMonappyは、つい最近サービスを再開したことで話題となりました。
この記事では、このMonappyについて概要や特徴、なぜサービスを停止し再開したかと言う経路、更に仮想通貨流出事件の概要や評判、将来性に関してもお話ししていきます。
これを読めばきっと国産の仮想通貨ウォレットであるMonappyについて知ることができるのではないでしょうか。
Monappy(モナッピー)のwiki的基本情報
サイト名 | Monappy(モナッピー) |
運営会社 | 株式会社IndieSquare |
公開月 | 2014年 |
開発国 | 日本 |
公式HP | https://monappy.jp/ |
@_monappy_ | |
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TelegramID | - |
YouTube | - |
Monappy(モナッピー)とは

出典:Monappy
Monappyとは、仮想通貨のウォレットのうちモナコインの保管を行うオンラインウォレットとして利用できるサービスです。
このオンラインウォレットとは、文字通りサーバーなどのオンライン上に仮想通貨を保管するウォレットのことです。
オンライン上に存在するため迅速で簡単な取引ができるというメリットがあり、小銭などをすぐに出すことができる財布のような気軽さがあるのが特徴と言えます。
ただし、オンライン上にあるため常にハッカーなどの攻撃を受けやすく、データの通貨である仮想通貨を奪われるリスクがあるというデメリットもあります。
このように、Monappyは簡単で利用しやすいウォレットでしたが、2018年9月に何者かによる不正アクセスにより、サービスで保管していた暗号資産の約4割(約1500万円相当)が外部へ送金されるという仮想通貨の流出事件が発生し、モナコインを大量に流出させてしまいました。
この流出事件によりサービスを停止しましたが、様々な対策や救済を経て2019年10月7日にようやくサービスが段階的に再開されるようになったオンラインウォレットがMonappyなのです。
Monappy(モナッピー)が再開に至った経路
Monappyを再開致しました!https://t.co/05SLUgluDR
段階的にサービスを再開しております為ログイン頂けるようになりましたご利用者様には順次@monappy.jpよりメールにてご連絡させて頂いております。誠に恐れ入りますが全ての方がご利用頂けるようになるまでもうしばらくお待ち頂けますと幸いです。— Monappy@monacoin (@_monappy_) 2019年10月7日
Monappyは「サービスを停止・仮想通貨の流出事故後の対策・補償・犯人逮捕」と言った一連の流れに見通しが立ったことから再開に至りました。
攻撃内容を分析し、サービスの脆弱性を発見
2018年27日~9月1日に不正アクセス行為が発生し、9月1日に流出が判明して利用者の資産保護や原因究明を目的としたサービスメンテナンスによるサービス停止をおこないました。
そして、攻撃内容の分析を行った結果、サービスの脆弱性を利用した犯行だということが判明しました。
その内容は、ログインせずにギフトコードを受け取れる外部受取機能を利用して、ギフトコードを受け取る際に高頻度で取引要求を行うことで、1つのギフトコードに対し複数回の送金が行われたということです。
例えば、1万円のギフトコードによる送金要求を何度も連打するように要求すると、処理が誤った方向で働いてしまい結果1万円のギフトコードを使って1,500万円相当の送金が送られてしまうエラーが起こったというものです。
つまり、ウォレットシステムの問題でモナコイン自体の問題ではないということが分かりました。
システムの刷新を行った
これに基づいて、Monappyはシステムの刷新を行ったのです。
外部から金融系システム及びサイバーセキュリティに実績のある人材を登用したり、システムやサーバーの再設計や開始体制の見直しを実施しました。
あわせてMonacoinの入出金時の安全性の見直し、監視体制強化と言ったセキュリティの再強化を図り、社内セキュリティや社員のセキュリティ教育の実施などハード面やソフト面の両面からアプローチしたのです。
これにより、Monappyは再開の目処が立ちました。
全額補償・現状回復の実施と犯人逮捕
もちろん、再開に当たって資産盗難の被害に遭った7,735名に全額補償を行い、現状回復も行われました。
また、直接の関係はありませんが、2019年3月14日に流出事件を起こした宇都宮市の18歳の男子学生を電子計算機使用詐欺などの疑い、Monappyからの資産を不正に入手した疑いで書類送検し事件も解決したという点も再開に至った経緯と言えます。
Monappy(モナッピー)の特徴

出典:Twitter
Monappyには、オンラインウォレットであること、投げ銭機能、オンラインマーケット、イラストや写真投稿などのSNS機能、モナコインに対応と言った5点の特徴があります。
オンラインウォレットである
オンラインウォレットは、サイトにアクセスを行ってモナコインの管理ができるという気軽で迅速な取引ができる機能です。
これはMonappyの特徴と言えますが、2019年10月現在順次アプリによる移行が進められており、将来的には運営側の仮想通貨の管理を100%コールドウォレットにすることを予定しています。
投げ銭機能
投げ銭機能は、ポータルサイト内の全てのサービスに対して投げ銭という形で自分のMonappyから仮想通貨を送金する機能です。
投げ銭機能により、コミュニティで作品を発表し投げ銭によって収入を得ることが可能となります。
また、気に入った作品を作るユーザーに対し資金援助という形で送金することができるのです。
オンラインマーケット
オンラインマーケットは、Monappyのサイト内で様々な商品をモナコインで決済し購入できる機能です。
オンラインマーケットでは、自分が出品者となってモナコインを受け取ることもできる機能もあります。
イラストや写真投稿などのSNS機能
SNS機能は、自分の書いたイラストや写真を投稿できる機能で、投げ銭を受けることもできます。
更に日記機能は自作短編小説の投稿も可能です。
ウォレットにこのような機能がついているのはユニークな特徴と言えます。
モナコインに対応
またモナコインに対応というのも特徴です。
ウォレットは数多く存在しますが、世界的に見てマイナーな仮想通貨であるモナコインに対応しているウォレットはそれほど多くはありません。
マイナー通貨であるモナコインとの親和性が高いという点もMonappyの特徴と言えます。
Monappy(モナッピー)のハッキング事件
Monappyは、過去に1,500万円相当の盗難に遭いました。
これは仮想通貨の流出事件の一つとして知られており、18歳の学生の逮捕によって解決に至った事件です。
この流出事件は、2018年8月27日~9月1日に同じギフトコードを高頻度で入力しシステム側の誤った送金を発生させることによって不正にモナコインを取得した行為に端を発します。
そして、8月31日に人気掲示板サイト5ちゃんねるにこの不正アクセスを思わせる投稿が行われました。
運営側は、9月1日にホットウォレットの残高不足によって仮想通貨の流出が起こっていたことを知り、急きょサービスメンテナンスに入り、以後2019年10月に再開されるまで本稼働を中止しました。
9月2日には原因が判明し、不正送金の経緯を発表しました。
その後、同年の11月に再開時期に関するアナウンスを行い、今後の見通しを伝えたのです。
犯人は、その間に海外の取引所で他の仮想通貨へ両替しマネーロンダリングを行っていました。
海外掲示板では、事件を匂わせるような投稿を行っていたという記録もあります。
この犯人の行動を追跡した結果、宇都宮市の18歳男子学生が摘発され、警視庁サイバー犯罪対策課が2019年3月14日に書類送検したことにより事件は解決に至りました。
Monappy(モナッピー)に対する評判・口コミ
Monappyに対する評判や口コミについて、Twitter上のものをまとめました。
ー今、真面目に話してるんだけど
ーえ?どうして?
ー突然 #モナッピー とか言いだすから・・それを聞いて香織は笑い出した
ーあはは #モナコイン って言うのは #仮想通貨 だよ
ー仮想通貨?
ーじゃあビットコイン知ってる?意味がわからなかった・・#LINEノベルhttps://t.co/rxuDEITKEe
— りとるけい (@Betle18) 2019年10月7日
Twitterのネタにされるほどコミュニティがあります。
なっぴー&もっぴーおかえりいぃぃ!!(*´Д`*)#モナッピー #MONA pic.twitter.com/qY1i6KlNgc
— 明智竜之介🐒ティア130 (@akeryuunew) 2019年9月30日
サービス再開を歓迎しています。
Monappyにログインできたのでなっぴーちゃんを投稿しました。初めて描いたけどなっぴーちゃん服装がかわいいなー😊 https://t.co/28GSA4VtQ6 #モナコイン #モナッピー
— けいと (@KATE_necology) 2019年10月9日
作品の題材にされています。
#暗号通貨「#モナコイン」を顧客から預かるサービス「Monappy/#モナッピー」に #サイバー攻撃 を仕掛け #MONA 約1,500万円相当を詐取した容疑/#電子計算機使用詐欺 で((((;゚Д゚)))))))18歳の少年が⁉️‼️⁉️#書類送検💦子供舐めたらアカん(^◇^;)https://t.co/5OUYlvEJu7
— #555 M1yab1 555# (@NoahCoinGoGo) 2019年3月14日
犯人の若さに驚いています。
Monappyの再開に関して好意的な意見が多いという傾向や、仮想通貨流出事件の犯人が日本人でしかも18歳という点に驚いたという意見がありました。
Monappy(モナッピー)の将来性
資金流出事件を起こしたMonappyですが、将来性は明るいと言えます。
その理由は、流出事件をきっかけにシステムのセキュリティが刷新され、2020年に施行される予定となっている新しい改正資金決済法に対応した体制を整えることができたからです。
ただし現状の課題として、Monappyの特徴である投げ銭機能がセキュリティを強化したコールドウォレットでは資金の送金スピードに難があるため対応できなくなるという課題もあります。
セキュリティを維持しつつユーザーフレンドリーなサービスをどのように提供していくかが、Monappyの将来をより明るいものとするきっかけになると言えるのではないでしょうか。
Monappyのまとめ
モナコインに特化したMonappyは、SNS機能や投げ銭機能などユニークな機能を備えた国産の仮想通貨ウォレットです。
しかし、流出事件などで運営が停止していたという経歴もあり、今後いかに挽回していくかに注目が集まるウォレットでもあります。