
仮想通貨にはブロックチェーン技術と、ブロックチェーン技術の亜種技術である“DAG技術”を使った仮想通貨があります。
そんなDAG技術を使った仮想通貨の先駆けとも言える存在が、仮想通貨の“xrb”。
仮想通貨xrbは、現在はリブランディングされて名称が変更されて「Nano」という名前の仮想通貨となっています(この記事では、以下xrbで統一)。
この記事では、仮想通貨xrbについて詳しく解説します。
NANO(ナノコイン/XRB)のwiki的基本情報
仮想通貨名 | NANO(ナノ) |
トークン名 | NANO(旧:XRB) |
公開月 | 2016年2月29日 |
発行上限 | 133,248,297 NANO |
発行枚数 | 133,248,297 NANO |
公式HP | https://nano.org/en |
ホワイトペーパー | nanoの公式ホワイトペーパー(日本語訳) |
@nano | |
@nanofoundation | |
r/nanocurrency | |
TelegramID | - |
YouTube | - |
NANO(ナノコイン/XRB)とは
冒頭でも説明したとおり、仮想通貨xrbは、現在はリブランディングされて名称が変更されて「Nano」という名前の仮想通貨となっています(この記事では、以下xrbで統一)。
太平洋のミクロネシア連邦に、ヤップ島という島があり、この島には、「Rai stones」と呼ばれる文化遺産があります。
このRai stonesとは、いわゆる石貨です。
アニメの原始人が持っているような丸くて大きな平べったい石の真ん中に穴を開けた石のお金そのままの見た目です。
2016年に誕生した仮想通貨xrbは、このRai stonesを由来として「RaiBlocks」と名付けられました。
xrbはその略称です。
ところが、そんなxrbに仮想通貨の正式名称の発音問題が浮上したのです。
正式名称の由来となったRai stonesの発音に合わせるならば、「ライブロックス」が正しい発音となります。
しかし、RaiBlocksを通常の英語の発音で言い表す場合は「レイブロックス」が正しい発音となります。
仮想通貨xrbの正式名称の発音について混乱が生じることになったのです。
これを受けて、2018年に仮想通貨xrbはリブランディングされて「Nano」と正式名称(略称表記も)を変更されることになりました。
この名称変更は好意的に受け止められ、一時的ですが、名称発表直後には価格が20%も上昇しました。
NANO(ナノコイン/XRB)の特徴
DAG技術を使った仮想通貨
仮想通貨xrbには、DAG技術を使った仮想通貨であるという特徴があります。
DAG技術とは、ブロックチェーン技術の亜種ともいうべき技術です。
DAG技術とブロックチェーン技術の大きな違いは、ブロックチェーンの形成の仕方にあります。
ブロックチェーン技術は、一つの大きなブロックチェーンネットワークを作りだし、そこに全ての情報をインプットしてネットワーク参加者皆で管理をするシステムでした。
しかし、DAG技術では個人のアカウントごとに個別のブロックチェーンを形成していき、送金などをした場合にその相手のブロックチェーンと結び付いて取引情報を相手のブロックチェーンに格納することになります。
DAG技術を使った仮想通貨としてIOTA、Byteball、Aidos Kuneenなどが他にもありますが、仮想通貨xrbはそれらよりも少しだけ早く誕生したDAG技術を使った仮想通貨の先駆けとも言える存在なのです。
手数料無料
仮想通貨の共通の特徴として、手数料の安さがあります。
しかし、DAG技術を使った仮想通貨xrbは、それを一歩進めて“手数料無料”という特徴をもっています。
仮想通貨xrbの手数料無料という特徴は、DAG技術だからなし得たことです。
ブロックチェーン技術では、皆で一つのブロックチェーンネットワークを管理するので、情報のインプットをするために不特定の誰かがマイニングという情報インプット作業をして他人の取引情報をブロックチェーンネットワークにインプットします。
他人の取引情報をわざわざインプットするのですから、その作業報酬としてマイニング報酬というものを受け取ることなります。
このため、その仮想通貨の取引には僅かながらの手数料が発生するのですが、DAG技術は違います。
個人ごとにブロックチェーンを形成するDAG技術では、個人ごとに自動的にブロックチェーンに取引情報のインプットが行われるので、マイニングがありません。
そのため、DAG技術を使っている仮想通貨xrbでは、手数料無料で取引が可能なのです。
送金スピードの早さ
DAG技術を使っている仮想通貨xrbには、送金スピードの早さという特徴もあります。
ブロックチェーン技術では、ネットワーク参加者全員で一つのブロックチェーンネットワークを管理するために、マイニングによってブロックチェーン上にマイニングによって情報をインプットする際には、ネットワーク参加者全員のうち半数以上の承認を取らなければなりません。
このため、送金に時間がかかります。
ところが、DAG技術を使っている仮想通貨xrbはマイニングがありません。
つまり、ブロックチェーン上に情報をインプットするのに他者の同意がいらないわけです。
このため、仮想通貨xrbの送金スピードは非常に早くなっているのです。
仮想通貨xrbの送金スピードは、送金が早いとして有名なイーサリアムを上回るスピードとなっています。
スケーラビリティ問題の解決
ブロックチェーンを使った仮想通貨は、マイニングに時間がかかることは説明しました。
このマイニングは、ネットワーク参加者が増えれば増えるほど時間がかかります。
つまり、その仮想通貨の利用者が増えれば増えるほどに送金スピードが落ちるわけです。
この問題を“スケーラビリティ問題”といい、超メジャーなブロックチェーン技術を使っている仮想通貨であるビットコインなどが将来的に抱えている問題です。
ところが、DAG技術を使っている仮想通貨xrbならば、どれだけ利用者が増えても送金スピードが遅くならないので、スケーラビリティ問題を解決している仮想通貨と言えます。
時価総額が比較的高くて取引可能な取引所が少なくない
仮想通貨xrbの特徴として、「時価総額の高さ」「取引可能な取引所の数が比較的多め」というメジャーではないアルトコインながらも大健闘しているという特徴があります。
まず時価総額ですが、2019年10月1日現在、時価総額10,642,380,048円で第47位という数ある仮想通貨のなかで比較的高い位置にランクインしている注目度が高めな仮想通貨となっています。
そして、取引可能な取引所の数です。
アルトコインのなかには取引所一ヶ所でしか取引できないアルトコインも珍しくありません。
しかし、仮想通貨xrbは、Binanceをはじめとした10ヶ所以上の取引所で取引可能な仮想通貨となっています。
NANO(ナノコイン/XRB)の懸念点
仮想通貨xrbの流出
2018年2月9日に、フィレンツェの仮想通貨取引所BitGrailがハッキングされて1700万xrb(当時のレートで約200億円)が不正流出したという大事件が起こりました。
xrbの約10%が一気に不正流出してしまったのです。
この事件は、BitGrailのソフトウェアのバグが原因と判明していますが、流出額が巨額すぎて被害者に100%の補填がされないままBitGrailが破綻してしまいました。
仮想通貨xrbに限った話ではありませんが、利用する取引所のセキュリティレベルによっては仮想通貨流出事件が発生し、その損害が補填されない懸念があるのです。
ただし、利用できる取引所が一ヶ所しかないマイナーなアルトコインと違い、仮想通貨xrbは複数の取引所から選べるので、納得できるセキュリティの取引所を探して取引できます。
払拭できないマイナスイメージ
仮想通貨xrbの巨額流出事件では、損害が補填されなかったことも影響して、以降、仮想通貨xrbにマイナスイメージがつきまとうことになりました。
流出事件が起こる直前には仮想通貨xrbは4,076円という高値をつけていました。
流出事件後は約0.7円まで価格が一時的に下落し、以降は2019年10月1日まで70円~80円のレートを維持し続けています。
仮想通貨xrbに責任が無いとはいえ、払拭できないマイナスイメージが影響して流出事件が起こる前とは比べ物にならない位低いレートまでしか回復できていないのです。
このため、もし何らかのトラブルが仮想通貨xrbに発生した場合、レートは1円を下回るほどに急落することが懸念されます。
DAG技術の研究不足
仮想通貨xrbが根幹にしているブロックチェーン技術の亜種であるDAG技術。
実は、DAG技術に関するデータはブロックチェーン技術ほどには充実しておらず、まだまだ研究途上の技術なんです。
このため、予期せぬ技術の抜け穴を犯罪者によってつかれて経済的に大きな損失を被る懸念があります。
NANO(ナノコイン/XRB)の評判
xrbの評判についてTwitterで調査しました。
- Nano(xrb)はとても良い仮想通貨。
nanoって良いよね!
みんなの仮想通貨
【ナノ/円リアルタイムレート・チャート 24時間変動】
234.43 (+ 20.74) 9.71%pic.twitter.com/jxKHaoQBKIhttps://t.co/HZRmhkohZk #みんなの仮想通貨 #ナノ
— 児山 将 (@goahead5055) 2018年10月17日
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— BITDAYS[デジタル時代のライフスタイルマガジン] (@bitdays_jp) 2018年8月22日
- 送金スピードの早さや手数料無料というシンプルで分かりやすい機能は次世代仮想通貨としてのポテンシャルを感じさせる。
NANO(ナノ)
DAGシステムを採用した通貨
上場してるDAG通貨の中で注目されている通貨
素早い送金スピードと手数料0のシンプルで分かりやすい機能が次世代コインのポテンシャルを秘めてる#nano #ナノ #バイナンス #binance #dag #仮想通貨 #icohttps://t.co/nTSiNL3NU9— つくったー@ICO毎日情報更新 (@harukakoin) 2018年7月4日
NANO(ナノコイン/XRB)の将来性
仮想通貨xrbの将来性は、xrbに関する良いニュースや悪いニュースがない限り、時価総額の高さを鑑みると現状維持が続いて70円~80円のレンジ相場を維持し続けると予想できます。
ギフトカードサービスの「Bitcoin Superstore」の決済にxrbがつかえるようになったように、様々なサービスで決済に使えるようになれば値上がりするでしょう。
そして、再びxrb流出事件などのスキャンダルが発生したら、マイナスイメージがあるxrbは過剰反応して暴落し、レートが回復しても現在の70円~80円のレートを下回る可能性があります。
NANO(ナノコイン/XRB)のまとめ
正式名称の発音問題から「NANO」に名称変更した仮想通貨xrbは、手数料無料・素早い送金スピードという特徴がある仮想通貨です。
ギフトカードサービスの「Bitcoin Superstore」の決済にも使えますし、70円~80円の安定したレンジ相場を維持し続けているので購入しやすい仮想通貨となっています。