
仮想通貨を代表するビットコインに関して、“ビットコインの半減期”という言葉が度々登場します。
ビットコインが半減するとは、穏やかな言葉ではありません。
ビットコイン保有者のなかには、「持っているビットコインが半分になってしまうの?」と大きな焦りを見せる人もいます。
この記事では、ビットコインの半減期について解説します。
そもそもビットコインの半減期とは
では早速、ビットコインの半減期について説明しましょう。
ビットコインの半減期とは、“マイニング報酬で貰えるビットコインが半分になる時期”という意味です。
決して、保有しているビットコインが半分になるわけではないので安心してください。
マイニング報酬が半減する
ビットコインとは、ブロックチェーンのブロック一つ一つに約10分ごとに取引が記録されています。
約10分経過するごとに、その間のビットコイン取引記録すべてを記録しているブロックを生成して、ブロックチェーンネットワークに繋げるのですが、このブロックチェーンを生成する作業をマイニングといいます。
マイニングはビットコインのブロックチェーンネットワークに参加している全てのユーザーのなかから、最も早くブロックを生成できた一人だけがマイニング報酬としてビットコインを貰えます。
このマイニング報酬が半減するのです。
機材の進化によるマイニング難易度の低下
マイニング報酬が半減する理由は二つあります。
一つは、マイニング機材の進化によるマイニング難易度の低下です。
マイニングをするためには、高性能なパソコンが必要ですが、マイニングに用いるパソコンは日進月歩で進化しています。
このため、ビットコイン発行初期に比べてマイニング難易度がだんだん下がってくるので、バランスをとるために半減期によってマイニング報酬を引き下げているのです。
ビットコインのインフレを防ぐため
もう一つは、ビットコインのインフレを防ぐためです。
マイニング報酬としてビットコインが支払われるということは、“ビットコインの新規発行”とも言えるわけです。
このため、約10分に1回ごとにビットコインを同じ量だけ新規発行し続けるとビットコインの流通量が多くなりすぎて激しいインフレが発生します。
円やドルといった通貨と違って、中央銀行のような通貨発行量を調整できる管理機関はビットコインにはありません。
このため、半減期を設けてビットコインの新規発行量をだんだん減らしていくことで緩やかなインフレになるように調整しようとしているのです。
2140年でマイニング報酬が無くなる
ちなみに、ビットコインの総発行量は2100万BTCと決められています。
このため、半減期などを加味して計算するとビットコインは約10分に1回マイニング報酬として新規発行されるので、2140年に全てのビットコインが市場に流通してマイニング報酬が無くなる計算となります。
ビットコインの半減期はいつ?
21万ブロック生成されると半減期が訪れる
ビットコインの半減期は4年ごとと言われています。
しかし、これは正確な表現ではありません。
正確には、“ビットコインの半減期はブロックが21万ブロック生成されると半減期が訪れる”という表現となります。
ブロック生成スピードから導きだされた計算
なぜ、4年と言われるのか。
それは、ビットコインのブロック生成スピードから導きだされた計算です。
ビットコインのブロック生成スピードは約10分に1回なので、“10分×21万ブロック=約4年”という計算になります。
3回目の半減期は2020年中に訪れる
実際、ビットコインの一番最初の半減期は2011年11月にあり、二回目の半減期は2016年7月にありました。
このため、第三回目のビットコインの半減期は2020年中に訪れることになります。
半減期を迎える正確な月はまだ不明ですが、2020年7月よりは早いと考えられます。
というのも、2011年11月の第一回半減期から2016年7月の第二回半減期まで四年経過していないように、マイニング機材の発達によってマイニングの時間が僅かずつ短くなっているからです。
2020年の半減期もマイニング時間の更なる短縮によって7月より早く半減期を迎えると予想できるのです。
次回の半減期でマイニング報酬は6.25BTCに半減
ちなみに、ビットコインのマイニング報酬は当初は50BTCありました。
2011年6月の半減期で25BTCに半減し、2016年7月には12.5BTCに半減しました。
次回の2020年中の半減期を迎えると、マイニング報酬として貰えるビットコインは6.25BTCに半減します。
過去のビットコインの半減期時の価格はどう変化した?
ビットコインが新規発行されればされるほど、ビットコインの流通量が増えて残りの未流通のビットコイン量(一般にビットコインの埋蔵量といいます)が減り、ビットコインがインフレしていきます。
さらに、半減期によってマイニング報酬として貰える(新規発行される)ビットコインが減るので、相対的にビットコインの価値は上がります。
10分ごとに新規発行されるビットコインが半分になるので1BTCの価値がその分高まるわけです。
このため、半減期を迎えるとビットコインは基本的に値上がりしますが、実際に過去二度の半減期にどのような値動きをしたのか解説します。
2012年
一番最初の半減期を迎えた2012年ですが、驚くことにこの時はほとんど半減期が値動きに影響を与えることはありませんでした。
というのも、2012年時点ではビットコインは然程注目されていなったので需要が低かったのが主な原因です。
2012年のビットコインの取り巻く環境は需要を筆頭に2019年現在と大きく違うのであまり参考になりません。
2016年
2016年は、2019年現在のようにビットコインに対する需要が非常に大きくなった時期なので参考になる値動きです。
2016年7月に半減期を迎えましたが、なんと半減期を迎える前の2016年5月頃からビットこのが急激な値上がりを始めました。
具体的には約400ドルから約800ドルにまで値上がりしました。
これは、半減期を迎えてビットコインが値上がりすることを予見した投機家がビットコインの購入を進めたからです。
半減期直前には値上がりしすぎたビットコインが利益確定のために売られたので600ドルまで値下がりしましたが、7月に半減期を迎えると700ドル程度まで値上がりしました。
8月になると再び600ドル程度まで値下がりしましたが、徐々に値上がりしていき、2016年11月頃には800ドルまで値上がりしました。
その後は順調に値上がりしていき、2017年1月には1,000ドルを越えるに至りました。
3回目に起きるビットコインの半減期に対する予想
ビットコインに対する世界的な需要があるため、2020年に迎える三回目のビットコインの半減期には、二回目の半減期と同じような値動きをすると予想できます。
半減期の数ヶ月前から投機家が動き出す
半減期を迎える正確な月が判明したらその二ヶ月ほど前からビットコインの半減期による値上がりを意識した投機家がビットコインの購入を増やすでしょう。
ビットコインの値段が2019年8月28日現在、約10,000ドルです。
2019年6月には一時的に14,000ドル程度まで値上がりしたこともあり、20,000ドルまで値上がりしもおかしくはありません。
そして、半減期を迎える前に値上がりしすぎることによる利益確定の売却が増えて一時的に値下がりするでしょう。
15,000ドル程度を保てる可能性が高い
しかし、10,000ドルを下回ることはないと予想できます。
二回目の半減期を参考にすれば、15,000ドル程度のレートは保てるでしょう。
そして、半減期を迎えて17,000ドル~18,000ドル程度まで値上がりしてから利益確定売りなどで再び15,000.00ドル程度を推移し、数ヵ月かけて20,000.00ドルを突破すると予測できます。
ビットコインの将来性
将来性は非常に高い
ビットコインは2140年まで半減期が続きます。
ビットコインが新規発行され続けるのでインフレが見込めますし、半減期によるビットコインの価値の上昇を見込めます。
このような大きな値上がり要因を背景に持っているビットコインは将来性が非常に高いといえます。
今後もさらなる需要が期待できる
また、この値上がり要因を支えるのが需要です。
需要がなければ2012年の背景にのように値段に影響を与えませんが、仮想通貨の代表的な存在であるビットコインは知名度が抜群なので需要はたくさんあります。
しかも、日本だけで見ても楽天・LINE・スターバックスなどの大企業がビットコインを活用したビジネス展開に踏み切っているので、更なる需要を期待できるでしょう。
需要の面から見ても、ビットコインは将来性が抜群です。
まとめ
仮想通貨の価値を高める半減期という値上がりイベントを2020年という目前に控えているビットコイン。
2020年の三回目の半減期も、二回目の半減期同様にビットコインに対する莫大な需要を背景として大きな値上がりを期待できるので要注目です。