
ビットコイン(BTC)と言えば仮想通貨界では基軸通貨とされ、日本を含めた世界中で多く取引されています。
価格の上下が注目されるビットコインですが、ビットコインが価格上昇するとアルトコインの価格が下がったり、反対にビットコインの価格が下がるとアルトコインの価格が上がるという現象が発生することもあります。
これは、ドミナンスというものが関与しているのですが、今回はビットコインのドミナンスについてご紹介。
ドミナンスは、仮想通貨全体やビットコインの価格にも影響を与えるものになります。
「言葉は聞いたことがあるけどよく分からない」という人向けに、ドミナンスの初歩的なところから解説。
今後の投資やトレードのレベルがアップのために参考にしていただけたら幸いです。
ビットコインのドミナンスとは
ビットコインの取引や投資に関わっていると「ドミナンス」という言葉を耳にすることがあります。
これは仮想通貨界の全体の様子を見る上で非常に重要なものです。
ドミナンスとは、通貨が市場内でどれくらいのシェアを取っているかを表す数値になります。
仮想通貨におけるドミナンスとは、その通貨が仮想通貨の市場全体でどれだけのシェアを有しているかを表す指標です。
ドミナンスは仮想通貨へ投資する際のひとつの判断基準として使用されます。
例えば、ビットコインのドミナンスが50%の場合は、仮想通貨市場全体でビットコインの占める割合が50%ということです。
仮想通貨市場でのシェアなので、ビットコインのドミナンスの数値が上がれば、その他アルトコインのドミナンス数値は下がります。
反対に、ビットコインのドミナンスの数値が下がれば、アルトコインのドミナンス数値は上がることになります。
この割合を見ることで、市場の資金がビットコインに流れているのか、アルトコインに流れているのかを確認することが可能です。
これを知っておくと、勢いのある方に資金を投じるのか、今度の盛り上がりに対して投資するのかなどの戦略を練ることができるようになるので、ビットコイン取引をする際にはドミナンスはぜひチェックしておきたい数値です。
ビットコインのドミナンスが確認できるチャートサイト
ビットコインやアルトコインにはドミナンスという数値があることはご紹介しましたが、これをどこで確認するかも知っておく必要があります。
ドミナンスという言葉だけを知っていても活用できませんし、
「ビットコインのドミナンスが〇〇%を超えた」
という情報を得たとしても、リアルタイムのドミナンスを知る術がないと意味がありません。
仮想通貨の市場は変化が激しいですからね。
では、このドミナンスはどこで確認するのかを知っておきましょう。
CoinMarketCap
CoinMarketCap(コインマーケットキャップ)は、仮想通貨の市場情報を確認することができる有名なウェブサイトです。
仮想通貨に触れている人であれば、一度は耳にしたことがあるでしょう。
このCoinMarketCapでは、ビットコインなどのドミナンスを確認することが可能です。
コインマーケットキャップではビットコインはもちろん、以下のアルトコインの各パーセンテージを見ることができます。
- イーサリアム(ETH)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- ライトコイン(LTC)
- リップル(XRP)
- ダッシュ(DASH)
- ネム(XEM)
- モネロ(XMR)
- アイオータ(MIOTA)
- ネオ(NEO)
- その他(Others)
仮想通貨別に色分けがされているためチャートも見やすく、ドミナンスを確認するには便利なサイトです。
Twitter(ツイッター)
仮想通貨に関する情報が入手しやすいTwitterでも、ドミナンスに関する情報を確認することができます。
⏰ 2019/06/05 11:00:05
💰 BTCドミナンス : 55.768%
🚧 未承認 : 8,705
💸 BitFlyer SPOT/FX/乖離
840,555 / 874,600 / 4.05%
💸 BitMex 調達率 ⌛ 13:00 / 21:00
BTC : -0.0028% / 0.0011%
ETH : 0.0874% / 0.0792%
💸 Finex FRR
BTC : 8.258%
USD : 28.708%— BTC_Stats (@BTC_Stats2) 2019年6月5日
@BTC_Statsというアカウントでは、ビットコインのドミナンスのパーセンテージや取引所でのビットコイン情報を発信しています。
2019年5月に作成されたアカウントなので、フォロワー数は少ないですが、ツイート頻度が多く、ドミナンス情報とともに取引所での情報を同時に確認できるためおすすめです。
他にも「ドミナンス」を元にして情報を発信しているトレーダーや投資家の人もいるため、Twitterを活用すると、様々な視点での情報が手に入ります。
ただし、様々な個人の見解が飛び交っているので、情報に流されないように注意が必要です。
ビットコインのドミナンスチャートの見方
この機会に、ドミナンスのチャートの見方も覚えておきましょう。
チャートの見方と言っても、FXや仮想通貨の移動平均線やローソク足などのチャートよりもはるかに見方は簡単です。
コインマーケットキャップの画面で、画面右上で表示させたい期間を設定します。
左上では、価格チャートで言うところの日足や週足などの期間を変えることができ、現在から過去何日間のドミナンス推移を見ることが可能です。
大きな価格変動があった時にはドミナンスを見ていると良いでしょう。
実際にチャートの上にカーソルを持っていくと、その時のパーセントが表示されます。
また、通貨ごとに色分けがされているので、数字だけでなく、どのように推移したのかが視覚的にわかるという点も大きな特徴です。
ビットコインのドミナンス推移の活用法
ここまでは、ドミナンスの意味やドミナンスの見方についてご紹介してきました。
しかし、このドミナンスをあなたの仮想通貨投資やビットコインの取引などに役に立てないと意味がありません。
ここからは、どのように役立てていくかを見ていきましょう。
ビットコインの勢いを確認する
前述しましたが、ドミナンスとは仮想通貨市場で占める割合の数値のことです。
つまり、割合が多ければ多いほど勢いや支持があるということです。
ビットコインは価格の上下が話題となりますが、価格が上昇したからと言って、ドミナンスが大きく上昇するとは限りません。
一時的には大きく上がるかもしれませんが、長期的な流れを見ると一時的なものかどうかの判断がつきやすくなります。
ドミナンスを活用することで、ビットコインとアルトコインの勢いを見ることができますので、どの通貨に投資すべきかの判断がしやすくなるのです。
アルトコインの勢いを確認する
ドミナンスは、ビットコインだけでなくアルトコインの占める割合も確認できます。
CoinMarketCapでは、確認できるアルトコインのドミナンスは限られていますが、イーサリアムやリップルなどの人気のある主要アルトコインのドミナンスは確認することが可能です。
イーサリアムのドミナンスが30%を超えてビットコインに迫る時期もありましたが、その時はビットコインの価格は下がり、イーサリアムの値段が高騰していました。
アルトコインそれぞれのドミナンスを見ても良いですが、複数のアルトコインを見比べてどの通貨に勢いがあるかを確認することも可能です。
ビットコインの対極にはアルトコインがありますので、アルトコインのドミナンスを確認することで、ビットコインへの出資判断にもなります。
ビットコイン、アルトコイン全体のドミナンスを見ることが重要です。
正確な情報で判断ができる
活用法でもあり、メリットもでもありますが、ドミナンスを確認することで、確かな事実の情報を手にすることが可能となります。
仮想通貨は発行枚数が決まっているという特性や、不正・改ざんができないという大きな特徴があります。
つまり、市場の動きが、ドミナンスを通して事実の情報でわかってくるということです。
著名人の発言やSNSなどで
「ビットコインが〇〇年〇〇月までに1000万円になる」
「リップルが〇〇に1000円になる」
というような発言が飛び交ったりもしますが、このような情報に踊らされてビットコインやその他の通貨を購入してしまう人もいます。
これらの情報も根拠があっての予測かもしれませんが、ドミナンスを見れば、その価格が本当なのか夢物語なのかの判断もしやすくなってきます。
ビットコインの価格が急騰すると予測している情報に出会ったときには、最新のドミナンスを確認してみると良いでしょう。
一時的な価格の急騰は誰にも予測できませんが、ある程度の長期的な価格上昇であればドミナンスの数値も上昇傾向にあるはずです。
特にビットコインはそれがわかりやすいですので、価格に関する情報が出てきたらドミナンスを確認する癖をつけておくと正しい判断をしやすくなるでしょう。
ビットコインのドミナンスから見る判断基準(ドミナンス理論)
ビットコインドミナンスの見方や活用方法についてもお伝えしてきましたが、実際にどのような状態になったら判断をすべきなのかという判断基準も必要です。
Twitterで有名だったドミさんという方が提唱した、ドミナンスを利用して儲ける「ドミナンス理論」というものも存在しています。
投資をするタイミング、あるいは資金を撤退させる判断をするためのドミナンス判断基準を知っておきましょう。
下落期間
ビットコインドミナンスが48%〜52%の場合は、全通貨が価格下落期間です。
下落の流れが生まれると、仮想通貨市場から資金が外部に流れるため、下落期間が継続する可能性も高くなります。
この領域に入ってきた場合は、ビットコインだけでなく仮想通貨全体の価格が下落傾向にありますので、早めに資金を引き上げるなどの対応が必要です。
撤退して他の資産に資金を移すか、要検討の期間とも言えるでしょう。
暴騰期間
暴騰期間とは、ビットコインの価格が暴騰しやすい期間のことです。
この時のドミナンスは下落期間である48%〜52%を超えてきた期間を指します。
下落期間から転換し、ビットコインに資金が流入しやすく価格が上昇しやすい展開を迎えます。
ビットコインを新規購入、あるいは追加購入を検討するタイミングと言えるでしょう。
価格が暴騰した後には暴落する可能性も高いので、利益確定も忘れずに。
暴落期間
暴騰のタイミングがあれば暴落のタイミングも存在します。
ビットコインのドミナンスが下がり、アルトコインのドミナンスが上昇してくると、ビットコインの価格は大きく下がる可能性が高まります。
この局面を迎えると、ビットコインからアルトコインへ資金を移す流れが加速しますので、ビットコイン以外の通貨に注目が集まります。
ビットコインを保有している場合は、他の通貨に資金を移すか、法定通貨に一度引き上げるかを検討する期間とも言えます。
まとめ
ビットコイン投資や取引を続けている人にとっては、ドミナンスは定番の指標かもしれませんが、初心者にとってはあまり馴染みのないものです。
しかし、ドミナンスを知らないと、仮想通貨市場がどのような流れになっているのかがわからないということになります。
取引におけるローソク足やボリンジャーバンドなどの様々な指標を勉強することも大切ですが、初心者のうちはドミナンスは必ず覚えて、チェックするようにしましょう。
ドミナンスに関しては、CoinMarketCapやTwitterですぐに情報が手に入ります。
価格の上下が注目されることの多いビットコインですが、その背景には市場で占める割合など、多くの要素が関与しています。
ビットコイン投資で利益を獲得していくためにも、市場の割合であるドミナンスには目を離さずにチェックし、利益に繋げていきましょう。
今後のビットコインの価格と、ドミナンスの推移に注目です。