
日本人である阿部 喨一氏が生み出したことで知られる仮想通貨のピースコイン。
「感謝で仮想通貨が増える」という新しいコンセプトのピースコインの実証試験が千葉市で行われたり、すでにピースコインが使えるお店が上場前から決まっているなど本格スタートに向けて足場を固めつつあります。
この記事では、ピースコインについて詳しく解説します。
PeaceCoin(ピースコイン)のwiki的基本情報
仮想通貨名 | PeaceCoin(ピースコイン) |
トークン名 | - |
公開月 | 2017年 |
開発国 | エストニア |
発行上限 | - |
発行枚数 | - |
公式HP | https://www.peace-coin.org/ |
ホワイトペーパー | |
@PEACE_COIN_org | |
@PEACECOIN.PCE | |
- | |
TelegramID | PEACE COIN |
YouTube | - |
PeaceCoin(ピースコイン)とは

出典:PeaceCoin
今までになかったコンセプトの仮想通貨
ピースコインは、2018年6月に阿部 喨一氏がエストニアに設立した会社「PEACE COIN OÜ」が開発した仮想通貨です。
ピースコインは、「ピースコインを増やそうと努力していたらいつのまにか良い人になっていて幸せになっていた」という状態になれるように開発された今までになかったコンセプトの仮想通貨です。
どういった仮想通貨なのかもう少し具体的に説明しましょう。
ARIGATO CREATION(感謝創造)
ピースコインによる経済圏ができた場合、日常生活にチップやポイントカードが取り入れられるようになります。
ピースコインは支払いをすると、その額に応じたピースコインが新たに生み出されて貰える仕組みがあります。
この仕組みを「ARIGATO CREATION(感謝創造)」といいます。
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出典:PeaceCoin
ARIGATO CREATIONがあることによって、買い物でピースコインの支払いをしてピースコインをポイントのように貰えるだけでなく、日常生活で誰かの手助けをしたときに「ありがとう」という感謝の気持ちを表現するチップとしてピースコインを貰えるようになるのです。
このとき、チップを渡した日とはその額に応じたピースコインが新たに生み出されて貰えます。
だから「ARIGATO CREATION」と名付けられています。
2019年中に上場を予定している
ピースコインのコンセプトである、“ピースコインを増やそうとしたらいつのまにか良い人”というのも、このピースコインをチップとした経済圏を前提とした考えとなっています。
ピースコインのロードマップによると、ピースコインは2019年中に上場を予定しています。
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出典:PEACE COIN
PeaceCoin(ピースコイン)の特徴

出典:PeaceCoin
ARIGATO CREATION
ピースコインの最大の特徴が、ARIGATO CREATIONというピースコインが新しく創造されるシステムです。
一般的な仮想通貨は、ブロックチェーンのブロックが新しく形成される際の作業であるマイニングによって、マイニング報酬として新しく創造されます。
このマイニング報酬は仮想通貨のブロックチェーンネットワーク参加者のなかで、ブロック形成作業一つにつき、一人しかもらえません。
しかし、ピースコインはピースコインで支払いをする度に、支払い報酬に応じたピースコインが創造されて誰でも貰うことができます。
Proof of Thanksでインフレ抑制
ピースコインには、ピースコインの量を制御する「Proof of Thanks」という独自アルゴリズムがあります。
通貨が増える一方では、インフレになってしまいますが、Proof of Thanksがピースコインの増減をコントロールして最終的には一定の総量になるようにコントロールするので、インフレ抑制ができます。
増加量はピースコイン保有量に対する支払い金額の割合
ピースコインの量を制御するProof of Thanksは、一度の支払いでどれだけピースコインを創造するかコントロールします。
このときの創造量には、通貨の保有量に対する支払い割合が大きく影響します。
たとえば、100万円もっている人が1,000円の支払いをする場合と、10,000万円もっている人が1,000円の支払いをする場合では同じ1,000円でも負担が大きく違います。
このため、Proof of Thanksは100万円の人にはピースコインを10円だけ創造し、負担が大きい10,000円の人には100円創造して“幸せを多く分け与える”といったコントロールをします。
ピースコイン阿部氏
ピースコインは送金のタイミングで増価するアルゴリズムのProof of Thanks(プルーフオブサンクス)です。
ピースコインを送金して、送金者がその時新たにピースコインを受け取れる仕組みは、ポイントカードの様なものです。
また増加量は自分の持っているピースコインの保有量に対して何割送金したかによって変化します。
仮想通貨サテライト
どういった事ですか?例えばテ○ーポイントカードなら200円で1Pとか決まっていると思いますが。
ピースコイン阿部氏
一緒に食事に行った時に、2人で1万円ずつ出したとして、Aさんは100万円持ってるうちの1万円、Bさんは10万円持ってるうちの1万円だとします。お互い同じ1万円でも価値が違ってきます。
Aさんはたくさん持っているから10円分、Bさんは少ない持ち分から出してくれたので100円分のポイントがもらえると言ったイメージの仕組みになります。
仮想通貨サテライト
そこまで計算されているのですね。確かに、少ないお金の中から払ってくれたとなると感謝の気持ちは大きくなりますね。
引用:仮想通貨サテライト『【独自インタビュー】PEACE COIN(ピースコイン)とは?GDPに代わる新たな指標の仮想通貨』
アンペイドワークやシャドーワークが正当に評価される
ボランティアや家事などのアンペイドワークやシャドーワークは正当な評価を受けにくいものでした。
しかし、ピースコイン経済圏が形成されるとピースコインによるチップが日常化します。
このため、アンペイドワークやシャドーワークが正当に評価されるようになります。
ピースコインで支払いができるサービスが上場前から決まっている
一般的な仮想通貨は上場してから初めて、支払いに使えるサービスが決定します。
しかし、ピースコインは複数の企業と提携しているので、上場前からいくつかピースコインによる支払いができるサービスが決まっています。
アウトランドイン北軽井沢
北軽井沢にある総合宿泊施設「アウトランドイン北軽井沢」では、ピースコインの支払いによってキャンピングカーを利用したキャンプができるようにしています。
TO/RE
東京都渋谷区にあるヘアサロン「TO/RE」では、ピースコインの支払いによってカットやシャンプーなどの施術を受けられます。
壁谷公認会計士事務所
東京都港区にある「壁谷公認会計士事務所」では、会計に関する初回相談・税務に関する初回相談・相談の延長料金(15分まで)の支払いにピースコインを利用可能です。
infini
広島県広島市にあるアクティブエイジングサロン「infini」では、エンビロン、パワープレート、インディバを使った施術をピースコインの支払いによって受けられます。
トラストバンク株式会社の開発したポチパス
障害福祉施設向け業務支援サービス開発会社であるトラストバンク株式会社が開発した「ポチパス」。
ポチパスは、障害福祉施設で働く施設職員の労働管理や施設で働く障害者の健康状態や活動を記録できるシステムです。
ポチパスを導入することによって、施設職員や施設で働く障害者の活動を正確に把握し、ピースコインを採用することで正当に活動を評価できるようになります。
たとえば、タイピングが早い人はデータ入力単価が高く設定されるので高額な報酬を得られます。
しかし、データの入力ミスが一番少ないものの入力が遅い人は正当な評価を得られにくく、少ない報酬になります。
そこで、ピースコインをチップのように付与することで正当な評価を与えることができるようになるのです。
地域に取り入れやすい仕組み
ピースコインは、ピースコインをベースとして各地域で独自の地域仮想通貨を作ることができます。
しかも、その地域仮想通貨とグローバルなピースコインは結びつけて交換することも可能です。
このため、各地域でピースコインを取り入れやすくなっているため、ピースコイン経済圏の形成に大きく役立ちます。
PeaceCoin(ピースコイン)の懸念点
Proof of Thanksによるピースコインの減少
ピースコインはProof of Thanksというアルゴリズムによって増減がコントロールされています。
保有しているピースコインが減少することがあるのです。
どういうことかというと、ピースコインで一定期間支払いをしないと保有するピースコインを減らされてしまうのです。
このため、ピースコイン経済圏が形成されると“資産の保護・貯蓄”という点で大きな懸念が発生します。
チップトラブル発生の懸念
ピースコイン経済圏が形成されると、欧米のようにピースコインによるチップ支払いが日常的になります。
しかし、日本人にはチップの習慣に馴染みがないので、チップの支払い拒否や支払い忘れによるトラブルが発生する懸念があります。
ARIGATO CREATIONの悪用の懸念
特定の人たちが集まって、お互いにピースコインの支払いを続ければピースコインを延々と増やしていけるというARIGATO CREATIONのシステムを悪用できる懸念があります。
また、ピースコインの保有量をわざと少なくして創造するピースコインを増やすという悪用方法もあります。
ピースコイン創設者阿部氏とはどんな人物?経歴は?

出典:PeaceCoin
ピースコインを生み出した阿部 喨一氏は1983年に埼玉県で生まれて、大学を卒業した後に2007年に独立系投資顧問会社に入社しました。
投資顧問やM&Aといった金融コンサルの仕事で実績を残しながらも、“お金持ちだけがどんどん儲かる”という世の中に疑問をもつようになった阿部氏は、最年少で昇進したものの会社を退社しました。
その後、様々な事業の立ち上げをしていましたが、仮想通貨のブロックチェーンシステムにであったことで“皆で幸せを分け与える”という仮想通貨のピースコインを2017年頃に思い付き、2018年6月にエストニアで「PEACE COIN OÜ」を設立し、ピースコインの開発をスタートしました。
PeaceCoin(ピースコイン)に対する評判・口コミ
ピースコインに対する様々な口コミがTwitter上にあります。
- 使わないと勝手に減るお金に驚いた。
使わないと勝手に減っちゃうお金⁈
私の需要(欠乏)は、
あなたの供給(益)。
両者を価値(お金)が結ぶ。#大西つねき #ピースコイン #白崎一裕2018.11.16 最先端の未来通貨会議 1/2 https://t.co/rAsaYf0aBJ via @YouTube
— mosa2q (@mosa2q) 2019年7月24日
- 使ったほうがお得なピースコイン。様々な可能性を秘めているように思う。
価値が劣化するお金『ピースコイン』
使った方がお得で、経済がより良く回る可能性を秘めている。
ピースコインをベースに何かできないか、考えてしまう!
数字を否定して、価値を作るコイン作りたいなぁ。#peacecoin #ピースコインhttps://t.co/Yin2FJnvHL
— ひでほま@ソーシャルコンパス (@hidehomare) 2019年2月3日
- ピースコインが普及してお互いに気持ちよくお礼を言い合える社会になったら嬉しい。
洗面所が水漏れしちゃって、今日工事にきてくれた方にお礼を言ったら「こちらこそありがとうございました」とお礼を言い返してもらった。こんなやりとりが日常に溢れるといいな〜#PEACECOIN #PCE#ピースコイン
— Ryoichi Abe (@PCE_ryo1) 2019年4月14日
PeaceCoin(ピースコイン)の将来性

出典:PeaceCoin
様々な可能性を秘めた仮想通貨
ピースコインは、支払いをすると支払い金額に応じてポイントのようにピースコインを貰える新しいコンセプトの仮想通貨なので、ポイントカードの代わりになるなど様々な可能性を秘めた仮想通貨です。
しかも、すでに上場前からピースコインを使えるサービスもいくつか決まっていて将来性が高い仮想通貨といえます。
ピースコイン経済圏を作るのは非常に難しい
しかし、複数人が協力してピースコイン支払いによって融通し合ってピースコインを増やすというProof of Thanksの悪用、ピースコインを使わないと資産が減る、日本人にはチップの馴染みがないというような様々な懸念点もあります。
そのため、現段階ではピースコイン経済圏を作るのは非常に難しいのが実情で、ピースコインが上場してもすぐに値下がりする可能性が高いと考えられます。
PeaceCoin(ピースコイン)のまとめ
日本人が開発したピースコインは、ピースコインで支払いをするとその金額に応じてピースコインが新しく創造されて支払い側も貰えるという様々な可能性を秘めた独創的な仮想通貨です。
しかし、ピースコインは使わないと資産が減るなど様々な懸念点もあるため、ピースコイン経済圏をつくる計画は頓挫する可能性が高いといえます。
そのため、ピースコインを購入する場合は大きく値下がりする可能性が高いことを考慮する必要があるでしょう。