
ウイルス対策ソフトウェアの先駆者にして、アメリカの大企業マカフィーの創設者であるのが、ジョン・マカフィー氏。
このジョン・マカフィー氏は、仮想通貨にも一家言あり、ビットコインの今後の予想についてもコメントを発表しています。
この記事では、波瀾万丈な人生を歩んできたジョン・マカフィー氏の経歴とともに、ビットコインの開発者であるサトシナカモトとジョン・マカフィー氏の関係、ジョン・マカフィー氏のビットコインの今後の予想にについて詳しく解説します。
ジョン・マカフィー氏とはどんな人物?経歴は?

出典:TIME
1945年イギリスで生まれ、アメリカで育った
ジョン・マカフィー氏は、1945年9月18日にイングランドにある米軍基地にてアメリカ人の兵士の父親とイギリス人の母親の間に生まれ、バージニア州セイラムで育ったアメリカ人です。
ロアノーク・カレッジで学んでいたジョン・マカフィー氏は、1967年には数学の学士号を取得しました。
2008年になると、同大学から名誉博士号を授与されています。
1968年NASAの研究所に就職し、様々な企業に転職
大学を卒業したジョン・マカフィー氏は、1968年からニューヨークNASAのゴダード宇宙科学研究所に就職してプログラマーとして働き始めました。
1970年まで同研究所で働いていたジョン・マカフィー氏は、UNIVAC、ゼロックス、コンピュータ・サイエンス・コーポレーション、ロッキードなど様々な企業を転々として情報通信関係の仕事を経験していきました。
ロッキードで働いていたとき、コンピューターウイルスに感染したことがジョン・マカフィー氏の人生に大きな影響を与えることになりました。
1987年 McAfee Associatesを創設
コンピューターウイルスに感染したことから、その分野に強い関心を抱くようになったジョン・マカフィー氏は、ウイルス対策ソフトウェアの開発を始め、1987年にアンチウイルス会社である「McAfee Associates(マカフィーアソシエイツ)」の創設者となりました。
ジョン・マカフィー氏は、シェアウェアビジネスモデルによるアンチウイルスソフトウェアを配布した、ウイルス対策ソフトウェアの第一人者となったのです。
マカフィーをアメリカが誇る大企業の一つにまで育て上げたジョン・マカフィー氏は、1994年にマカフィーの持株を売却し、経営から身をひきました。
1994年以降、個人資産を1億ドルまで増やした
その後は、PowWowというインスタントメッセージプログラムの先駆けとなるプログラムを開発したTribal Voiceの創業に関与したりしています。
ビジネスを次々と成功させたジョン・マカフィー氏は、ベリーズでバカンス生活を楽しめるほどとなり、個人資産を1億ドルにまで増やすことになりました。
ここまでのジョン・マカフィー氏の人生は、大成功者といえるものです。
2009年には多くの資産を失い、2011年には殺人容疑で指名手配
しかし、2009年以降は、ジョン・マカフィー氏の人生は転落を始めます。
2009年には、サププライムローン問題を発端とする世界金融危機によって資産を400万ドルにまで減らします。
2011年には、ベリーズ警察に殺人容疑で指名手配された後、2012年12月5日に逃亡先のグアテマラ市で不法入国の罪状で逮捕されてアメリカに送還されました。
この殺人は、当時、ベリーズに住んでいたジョン・マカフィー氏の飼い犬に関する隣人男性とのトラブルが事件の発端と黙されています。
ジョン・マカフィー氏が、ベリーズを早々に出国したことからベリーズ警察の捜査が行き詰まって殺人事件は未解決となりましたが、被害男性の相続人が起こした民事裁判によって、アメリカ裁判所から殺人事件にジョン・マカフィー氏が関与していることが認められました(殺人容疑については取り下げられています)。
2013年 再び企業しモバイルアプリを発表
転落人生を歩んでいたジョン・マカフィー氏ですが、アメリカへの強制送還以降、再びビジネスをスタートして復活を果たしました。
2013年に「Future Tense Central」というセキュリティ・プライバシー関連のソリューションを提供する会社をつくり、モバイルアプリ「D-Central 1」を発表しています。
さらに、世の中にだんだんと浸透してきた仮想通貨に興味を持ち始めていたジョン・マカフィー氏は、2016年5月にゲームデベロッパー企業の「MGT Capital Investments」のマカフィーを会長兼CEOとして就任し、ビットコインのマイニング、セキュリティ・プライバシー関連のソフトウェアやハードウェア開発を主要事業にしました。
この方針転換は大成功し、ビットコインマイニングビジネスに関して、後発企業ながら月10万ドル(約1,200万円)というアメリカのビットコインマイナーのなかでもトップクラスの業績を出すようになりました。
2016年 アメリカ大統領選に出馬
さらに、仮想通貨をより浸透させるために2016年のアメリカ大統領選に出馬しました。
この選挙は自由党候補を決める予備選の段階で、ゲーリー・ジョンソン氏(元ニューメキシコ州知事)に破れる結果となりました。
マカフィー氏はこの敗戦理由を、「仮想通貨コミュニティーとの繋りが足りなかったから」などと語っています。
ジョン・マカフィー氏は、仮想通貨と出会うことによって「仮想通貨の伝道師」と呼ばれるほどに仮想通貨に傾倒していくようになったのです。
これほど仮想通貨と深い関係をもつようになったジョン・マカフィー氏は、ビットコインを開発した謎の人物であるサトシナカモトとも親好があることを表明しています。
2020年のアメリカ大統領選にも出馬を表明
そんなジョン・マカフィー氏は、2020年のアメリカ大統領戦にも仮想通貨の更なる普及を目指して出馬することを表明しました。
ジョン・マカフィー氏は、メッセージムービーで「政府関係者は仮想通貨革命の発展を邪魔している、銀行やクレジットカード会社でも、仮想通貨による支払ができりようにすべき」などと語っています。
なお、ジョン・マカフィー氏は実際に大統領になるつもりはなく、「大統領選挙キャンペーンは暗号資産の擁護活動のプラットフォーム」であると語っています。
つまり、大統領線を仮想通貨のアピールに使うとしているわけです。
なお、ジョン・マカフィー氏は数年間にわたる脱税による告訴から逃れるために家族とともにアメリカから逃亡し、国際海域でボートの中から大統領選挙の活動をしています。
ジョン・マカフィー氏はサトシナカモト?そう言われている理由
サトシナカモトの正体は仮想通貨の伝道師であるジョン・マカフィー氏であるという噂がありました。
サトシナカモトとは、ビットコインの生みの親といわれている正体不明の謎の人物です。
同一視された理由
ジョン・マカフィー氏がサトシナカモトと同一視されたのにはいくつか理由があります。
- 仮想通貨の伝道師と言われるほどの仮想通貨の傾倒ぶり
- ビットコインの利用がスタートした2009年以前の動向が不透明
- 正体不明のサトシナカモトにジョンマカフィー氏だけが連絡をとれる
このような理由からジョン・マカフィー氏をサトシナカモトと同一視する噂がありました。
二人は別人との見解が世界共通意見
しかし、2019年現在はこの噂は払拭されており、ジョン・マカフィー氏とサトシナカモトは別人だとするのが世界共通意見となっています。
ジョン・マカフィー氏は、2019年になってサトシナカモトの正体を明かすと発表していましたが、その正体を明かすと脱税容疑のために国外逃亡しているジョン・マカフィー氏は強制送還になる可能性があるという、正体を明かすことを阻止する圧力がかかっているのがその一因です。
ちなみに、ジョン・マカフィー氏はサトシナカモトの招待を探る15の秘密についてTwitterで明らかにしているのでご紹介します。
- サトシナカモトは複数の人物
- ホワイトペーパー作成者はアメリカ在住の人
- ホワイトペーパー作成者は男性
- ジョンマカフィー氏はサトシナカモトではない
- ニックサボ氏はサトシナカモトではない
- クレイグライト氏はサトシナカモトではない
- イーロンマスク氏はサトシナカモトではない
- 中央情報局はサトシナカモトでではない
- 政府機関はサトシナカモトではない
- フランス人はサトシナカモトではない
- サトシナカモトはTwitterでジョンマカフィー氏をフォローしていない
- サトシナカモトはオリジナルBTCウォレットにアクセスできる
- サトシナカモトは注目を集めたくない
- サトシナカモトは存命中で、ビットコインに何の影響を与えていない
- サトシナカモトの髪の色は茶色ではない
引用:ビットタイムズ
ジョン・マカフィー氏のビットコインの予想
ジョン・マカフィー氏は、ビットコインの予想について下記のように語っています。
「ビットコインが1万ドル台で推移しており、人々は心配している。笑っちまうぜ!!なぜ週ベースの変動に注目するのか?頼むから過去2、3ヵ月を見てくれよ。劇的に急上昇している。私は、2020年の終わりまでにビットコインが100万ドルに到達するという予測に対して未だにポジティブだよ。アポロやMTCといったアルトコインは10倍上がる」
引用:コインテレグラフ
つまり、ジョン・マカフィー氏は、レートの乱高下が激しい週単位という短期のレートでビットコインのトレンドを判断せず、月単位の長期のレートでビットコインのトレンドを判断すれば上昇トレンドであることがわかると言っているのです。
まとめ
ジョン・マカフィー氏は、大企業マカフィーの創設者であり、ウイルス対策ソフトウェアのパイオニアという偉大なことを成し遂げました。
しかし、海外居住中に殺人容疑がかけられてその容疑は取り下げられたものの、アメリカの民事裁判で殺人に関与していると判断されるような善人とはとてもいえない存在です。
また、ビットコインの予想に関して語る際に、ビットコインのレートを週単位でみてレートの下落を心配する人をバカにするような発言もしています。
このため、ジョン・マカフィー氏に対して反発を覚えて、ジョン・マカフィー氏の予想を信じない人もいるでしょう。
しかし、ジョン・マカフィー氏は様々なビジネスで成功を収めている実力者なのは事実ですし、ビットコインは2020年には値上がりを期待できる半減期が控えています。
このため、ジョン・マカフィー氏の予想通りにビットコインは好調なレートを維持するでしょう。