
昨今、仮想通貨の人気は多くのマスコミでも取りざたされていますが、この仮想通貨を通じて何百、何千、おおければ何億の運用益を獲得している人もいるといわれています。
このような高利益を得ている人の一つの手法として「イナゴトレード」という手法があります。
この手法を好んで使っているトレーダーを「イナゴトレーダー」と呼びます。
今回は、このイナゴトレードについて説明していきます。
仮想通貨におけるイナゴトレーダーとは
イナゴトレードは、投資する先の時価の動きを推測して、短い間で取引を行い、即座に利益を確定させる短期決戦的な取引方法です。
このような手法を「イナゴトレード」と呼び、この手法をメインで使っている投資家を「イナゴトレーダー」と呼びます。
株式市場では実はよく使われている言葉で、実際的には投資家などでもこの手法を使っている人がたくさんいるので、仮想通貨のイナゴトレーダーと呼ばれるようになりました。
イナゴトレーダーの名前の由来
名前の由来は、昆虫のイナゴがからきていて、イナゴがちょうどよい食べごろまで育った稲穂に群がる様子に似ているところからきています。
株価が高くなり、それに群がる投資家というところです。
仮想通貨でもこのような大きな値上がりの状態は起きますが、そこが買い時です。
この買い時に目を付けた投資家が、どんどん暴騰していくところを上手く買ったり、暴落し始める時には売り抜けるか空売りをしたりして、上手くこの即座の値動きに乗って取引をしていくというわけです。
この値動きは「イナゴタワー」といいます。
実はこのイナゴタワーを先導しているのがイナゴトレーダーだともいわれています。
- イナゴタワーを攻略するのか
- どのようにこの短期の値動きについていくのか
- どれくらい利益を出せるか
このようなポイントが、イナゴトレーダーとしての明暗を分けるのです。
イナゴ投資家とは、短期で材料株の回転売買を繰り返す個人投資家等のことである。彼らは、2013年1月に始まった信用取引無限回転という信用取引の規制緩和の影響で、個人投資家等の中でも、とりわけデイトレーダーと呼ばれる日中に売買の決済を行うことで利益を得ようとする投資家の売買動向が大きく変わったことで登場した投資家の種類の一つでもある。
引用:Wikipedia
イナゴタワーとは
イナゴトレーダーは、一般的には一つの銘柄に大量に群がる投資家を、稲穂に群がるイナゴをイメージして作られた造語です。
そして、世界史でもしばしば語られる天災として、蝗害ということがあるのをご存知でしょうか?
イナゴが大群で押し寄せて、農作物を食い荒らすことで、作物がダメージを受けて収穫が減ったりする被害です。
これが投資の世界でもおきると、株や仮想通貨に投資家が群がる様と似ていることから「イナゴ」と名付けられたといわれています。
株の取引でも、短い期間で、何度も繰り返しの取引を行う個人投資家のこと指している言葉です。
イナゴトレーダーは一斉に同じ銘柄に向かって集中する
このイナゴ投資家達は、ちょっとした相場関連の情報で動く投資家なので、投資判断の材料となるような情報が出てくると一斉に同じ銘柄に向かって集中する様がまさに「イナゴ」の生態に似ています。
イナゴの大群の痕跡は価格チャートに現れ、短い期間で大きく値が動かされます。
短期間に大きく値上がりしすぐに値下がりする、これがイナゴタワーなのです。
イナゴタワーとは、イナゴ投資家(locust investor)と呼ばれる個人投資家等が行った株式等有価証券の回転売買が原因で生じるタワーのような形状の株価チャートのことをさす俗語である
引用:Wikipedia
イナゴトレードをするメリット
イナゴトレードには次のようなメリットがあります。
短い期間で利益が出やすい
一つ目は、短い期間で利益が出るということです。
イナゴトレードは、価格が急上昇中の仮想通貨を買って高値で売り抜けるという投資方法ですので、レバレッジをかければかなりの運用益が出せます。
FXやバイナリーオプションでも同じような手法を使うとかなりの利益がでる手法です。
運用益が高まる
二つ目は、仮想通貨でイナゴタワーが作られるのを利用すれば、さらに運用益が高まるということです。
イナゴタワーは、仮想通貨の先行きが明るい情報が出た時や、インフルエンサーの影響で起こりますが、これを見極めて利益が出せるのがイナゴトレードのよいところです。
最近は、ツイッターやSNSなどで影響力を持つ人が増えています。
仮想通貨市場に影響を与えることができる人を殿様イナゴなどといい、彼らを見つければ、これに反応して動くのがイナゴトレードの特徴でありメリットでもあります。
例えば、このような仮想通貨のインフルエンサーのつぶやきを常にモニターしていれば、この仮想通貨がおすすめとか、こういう仮想通貨を買いましたなどの発言につられてたくさんの人が購入するようになると、どんどん人気が出て値があがっていきます。
チャンスが多い
三つ目は、仮想通貨の人気がひと段落ついて、現在は少し下火になっていますが、このような時勢でもチャンスが多いのがイナゴトレードです。
仮想通貨を長期保有して利益を狙う場合もありますが、価格が暴落し大きな損失になる可能性もあります。
しかし、イナゴトレードは短期売買なので、長期保有して塩漬けになることもありません。
仮想通貨の現在価格がいくらであっても利益を出せるのです。
初心者でも大きな利益を出せる可能性がある
四つ目は、初心者でもインフルエンサーさえ見つけることができれば、経済や投資の知識がなくても大きな利益を出せる可能性があるということです。
一般的には、他の投資や金融市場では、経済や金融、投資の知識がないと大損をしてしまいますが、仮想通貨は比較的他の外部要因の影響を受けにくい閉じられた市場と言われています。
イナゴトレードをするデメリット
ここまではイナゴトレードのメリットをお伝えしてきましたが、イナゴトレードにはデメリットもあります。
短期決戦型である
一つ目は、イナゴトレードは短期決戦型なので、日中値動きが確認できない人には向いていない手法です。
大きな損失が出る可能性がある
二つ目は、先ほど短期で利益が出せると言いましたが、その裏返しで大きな損益を出してしまう可能性もあるのです。
インフルエンサーの発言を信用しすぎると痛い目に合う
三つ目は、必ずしもインフルエンサーの発言で値が動くとは限らないということです。
相場は生き物
四つ目は、いつも値が動くとも限らず、変動なしというときもあることです。
変動が少ない時期は、イナゴトレードはレバレッジをかけて少ない値幅で勝負するしか方法はありません。
イナゴトレードの種類
イナゴトレードには次のような種類があります。
高速イナゴ
最もすばやく瞬時に動くイナゴトレードです。
この手法は、先行者利益が高いです。
しかし、悪質な情報に投資をして損切りになる可能性も大きい方法です。
共食いイナゴ
高速イナゴの変形型です。
いち早く購入した銘柄を、遅れてきたイナゴに売りつけるものです。
別名「イナゴ殺しのイナゴ」とも言われており、他のトレーダーには疎ましがられることもあります。
反発イナゴ
共食いイナゴがさらに進化したものです。
イナゴタワーの最安値で反発を狙って購入するトレーダーです。
ですが、この読みはなかなか難しいので、どこまで下がり、どこまで上がるかという予測を間違えると、まだ下がるのに買ってしまったりすることもあるため、初心者にはなかなか難しいトレード手法でしょう。
下級イナゴ
多くの情報を整理して分析する能力があるトレーダーではなく、いつも人の言動に翻弄される初心者のトレーダーです。
自分の知識が少ないので、常に人の手法をまねたり、根拠ない情報に翻弄されがちです。
投資を決めるのは「なんとなく」「注目されている人が買ったから」などが主な理由となります。
曖昧な判断基準で決定して、しかも人の動きを見てから動くので後手後手となり、タイミングも悪いです。
上級イナゴ
下級イナゴとは反対に、知識や情報が豊富で、自分の判断でトレードが出来るトレーダーです。
情報を精査し、無駄なトレードが少ないので損失も少ないのが特徴です。
短期間で利益を出せるので、要領もよく、タイミングもよいです。
他のイナゴが食い散らかした後に参入するなど、自分の手法を確立しています。
養分イナゴ
他のイナゴの養分となるためだけに生まれたトレーダーです。
完全に売られ過ぎた銘柄を掴んでしまったり、お金をばら撒いて大損することもあります。
情報提供者への強い怨恨を持ち、煽りイナゴに進化することもあります。
神風イナゴ
養分イナゴが最終的に進化したトレーダーです。
イナゴタワーの最高値付近で大きな買いを入れるため、多くの場合イナゴタワーは崩壊します。
煽りイナゴ
養分イナゴが進化したトレーダーです。
自分だけでなく、他のトレーダーにも被害を及ぼすことからこの名前がつきました。
迷惑な存在です。
このトレーダーの買い煽りにつられて購入し、他のイナゴも同じような被害に遭ってしまいます。
殿様イナゴ
最もスキルの高いトレーダーです。
あらゆる上級のイナゴが最終的に進化したハイレベルなトレーダーです。
神のような存在として、多くのイナゴトレーダーから崇拝されている一目置かれた存在です。
自分で新たな銘柄を見つけて仕込み、SNS等で叫んでイナゴを集める投資方法を行っています。
影響力も絶大です。
選んだ銘柄は必ず儲かるとも言われ、他のトレーダーからも注目されています。
自分自身が養分イナゴにならない為の注意点
養分イナゴにならないために、次のようなことに気を付けましょう。
情報源が不確かな情報は信用しない
一つ目は、情報源が不確かな情報は信用しないということです。
自分が普段情報収集しているブロガーやTwitterアカウントと違ったコメントをする人や仮想通貨に冷静な判断をしている人のコメントなどをよく読むようにしましょう。
広く情報収集をする
二つ目は、広く情報収集をすることです。
きちんと自分で考えた結果として購入するようにしましょう。
人の言動にとらわれすぎない
三つ目は、あまり人の言動にとらわれすぎないのも一つです。
知識や影響力のあるインフルエンサーを探すのは大切なのですが、同時に自分自身で判断することも大切です。
まとめ
この記事では、イナゴトレードやイナゴトレーダーについて詳しくお伝えしてきました。
イナゴトレードにはいろいろなメリットもありますが、養分イナゴになってしまうと逆に大きな損失が発生してしまう可能性もあります。
大きな損失を避け、着実に利益を積み重ねていくためにも、様々な情報を取捨選択することが大切です。