
仮想通貨市場は活気が戻りつつあるようです。
今後の展開はまだ予断を許さない面もありますが、流通量がバブル期と大差ないところまで来ているというのは、大きなポイントです。
このタイミングで今回は、時価総額TOP3の
- Bitcoin(ビットコイン)
- Ethereum(イーサリアム )
- Ripple(リップル))
を徹底比較してみようと思います。
今後の展開を予想するためにも、TOP3を比較してみて、それぞれの特徴と将来性を考察していきます。
と同時に、仮想通貨の未来を占う上で、投資面も含めて考察していきますので、最後までお付き合いください。
仮想通貨時価総額TOP3スペック比較
まずはスペック比較です。
以下の項目で、各仮想通貨のスペックを比較します。
- 時価総額
- 単価
- 総発行枚数
- コンセンサスアルゴリズム
- ブロックタイム(ブロックサイズ)
- トランザクション(秒間件数)
- 取引量(流通量)
それぞれを表にして比較していきます。
時価総額
まずは時価総額です。
時価総額に関しては、そのままですね。
Bitcoinが圧倒的王者であることは、間違いありません。
Ethereumの約6倍、Rippleの約8倍の時価総額です。
この時価総額の違いは、Bitcoinが最初の仮想通貨であることが大きいでしょう。
また、仮想通貨取引を始めようと思った場合、最初に購入するのはBTCか、ETHでしょう。
そう考えると、BTCが仮想通貨と法定通貨をつなぐ役割をしていることが分かります。
この順位が変わるという意見もありますが、それは相当のことがない限り起こらないような気がします。
通貨の単価
次は、通貨の単価になります。
単価で見ると、BTCはETHの約35倍、XRPにいたっては約20,000倍となっています。
単価は発行枚数に比例しているのでしょうが、BTCの単価はこうしてみてみると、少々異常なのかも知れません。
これもBTCが始まりの仮想通貨だったからでしょう。
総発行枚数
次は、今も出てきた総発行枚数と現時点での発行枚数です。
BTCは総発行枚数が2,100万BTCと決まっており、そのうち1,700万BTCがマイニングで発行済みです。
ETHは発行枚数に上限はなく、無制限に発行するとされていましたが、次のハードフォーク(以下HFと略)のCasperで、発行枚数の制限があるかも知れないというウワサもあります。
そのCasperまでの間に、発行される数が1億1,500万枚前後になるだろうと、先日発表がありました。
そして特殊なのがXRPです。
XRPはすでにXRP全ての発行を終えています。
ただし、全発行枚数の65%をRipple社が所有していると言われています。
こうした動きをしているのは、Ripple社が中央集権となっているからでもあります。
そういう意味で、BTCとETHはトラストレスですが、XRPは異なると言えるでしょう。
コンセンサスアルゴリズム
次はコンセンサスアルゴリズムです。
コンセンサスアルゴリズムとは、日本語にすると承認演算と訳すことができます。
つまり承認するのにどのようなプロセスを踏んでいるか、ということになります。
またこのコンセンサスアルゴリズムは、マイニングのやり方を決めています。
コンセンサスアルゴリズムとマイニングに関しては下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
ここで特筆すべきはETHでしょう。
ETHは次のHF、CasperでPoWからPoSに移行することが決まっています。
コンセンサスアルゴリズム、およびマイニングの変更というのは、主要な仮想通貨ではなかった取り組みになります。
Ethereumとしても新たな試みですし、他にもアップデートされる項目が多々あります。
今年(2019年)中に行われるかは微妙なところですが、注目しておきたいポイントであることは間違いありません。
ブロックタイム(ブロックサイズ)
次は、ブロックタイムとブロックサイズです。
ブロックタイムとブロックサイズは、スケーラビリティのベースになる項目です。
このブロックとは、ブロックチェーンのブロックです。
ブロックタイムというのは、ブロックチェーンに追加される新たなブロックが生成される最短時間を指します。
そしてブロックサイズは、ブロックチェーンの1ブロックのサイズです。
このブロックタイムとブロックサイズが、次のスケーラビリティを決める要素になります。
スケーラビリティ
次は、そのスケーラビリティになります。
スケーラビリティとは、取引が集中した時に、対応できるキャパシティーがどれだけあるのかということです。
実際バブル期には、BTCとETHは送金詰まりを起こしています。
対して、XRPに関しては送金詰まりが起こったという話はありませんが、逆に送金に特化しているXRPが送金詰まりを起こしてしまったら・・・ということでもあります。
取引量(24H流通量)
そして最後は、取引量(24H流通量)になります。
取引量は普段、あまり注目されない項目ですが、筆者は以前よりこの取引量を注視しています。
というのも、 仮想通貨は使われてナンボだと考えているからです。
仮想通貨バブルがはじけたのは、本来の市場価値よりも上がりすぎていた仮想通貨が、コインチェック事件をきっかけに信用をなくし、使われなくなったからです。
サトシ・ナカモト氏のビットコインのホワイトペーパーにもあるように、仮想通貨は単なるデータであり、本来価値を持たないものです。
それを人々が使うことによって、価値を持つようになるのです。
だとしたら、すごく単純な考え方ですが、使われない仮想通貨は無価値になると考えるようになりました。
だから単純に、時価総額とか、単価とか、誰かが上がると言ったというウワサで判断するのではなく、市場がどれだけ使っているかで判断するようになりました。
そのように見た場合、時価総額でBitcoinは、Ethereumの約6倍、Rippleの約8倍の時価総額でした。
しかしこの取引量で見た場合、BitcoinはEthereumの2.5倍と差が縮まっています。
一方のRippleに対しては、18倍以上と差が開いています。
時価総額で見れば、非常に接近しているEthereumとRippleですが、流通量という視点で見てみると、EthereumとRippleの差はかなり大きいのではないかと思っています。
逆に、決して小さな数字ではありませんが、2.5倍という数値は、Ethereumには小さいながらもBitcoinの背中が見えているかもしれません。
BTC・ETH・XRPのコンセプト
ここまで、Bitcoin(BTC)、Ethereum(ETH)、Ripple(XRP)の現在の性能(スペック)を見てまいりましたが、ここからはそのコンセプトを考察して行きたいと思います。
コンセプトといっても過去にあった出来事を振り返るのではなく、それぞれのコインがどのような目的で作られたのかを再確認し、その将来性についての考察を進めて行きます。
まずはそれぞれのホワイトペーパーです。
Bitcoin(BTC) | Bitcoin ホワイトペーパー(日本語版) |
Ethereum(ETH) | Ethereum ホワイトペッパー(日本語版) |
Ripple(XRP) | Ripple ホワイトペーパー(英語版) |
※.Rippleのみ英語版になっています
ビットコインは新しいデジタル通貨の作成が目的
Bitcoinはそれまでになかった、インターネット上で使うデジタル通貨の作成が目的です。
ごく普通の商取引(店舗購入)の場合、商品と現金は直接的にやり取りがあり、上の図のように間に第三者が入って余計なコストがかかることはありません。
ネット取引は第三者にコストを支払う
ですが、インターネット上の取引は、第三者を介したもので、その第三者にコストを支払っています。
実感はないかもしれませんが、そういう流れになっています。
下の絵のように、お金を払う時は金融機関(銀行など)が、
商品の配送には配送業者が入ってきます。
商品を届けてもらうための配送業者は必要だとしても、代金支払いのための金融機関は、個人と個人を結べるインターネットで見ると、余分な業者に見えてしまいます。
取引の成立には信用ある第三者が必要
しかし、インターネットで直接の取引ができたとしても、取引を成立させるためには、信用の置ける第三者を入れる必要がありました。
その結果、個人間を結べるネットワークがあるのに、支払い方法に関してはいつまでも第三者機関に委ねた形になってしまっている。
それが今のインターネット上での取引です。
利用者間の直接取引を可能に
サトシ・ナカモト氏が提唱したのは、個人間を結べるインターネット上の取引で、第三者を介さず利用者間の直接取引を可能とすること。
そしてそのために、P2Pネットワークと暗号学的証明に基づいた、ネット上で誰もが使えるデジタル通貨として、Bitcoinを生み出したのです。
Ethereumは様々な契約を自動化
そのサトシ・ナカモト氏が作ったBitcoinに大きく影響を受けたのが、Ethereumの生みの親であるヴィタリック・ブリテン氏です。
彼はBitcoinを知り、その可能性に気づいた後、世界各地の仮想通貨関連のプロジェクトを見て回り、一つの結論に達しました。
ブロックチェーン上にアプリケーションをプログラミングできるプラットフォームを作ることで、様々な契約を自動化することができる。
それを可能にする、誰にでも『スマートコントラクト(自動契約)』がプログラミングできるブロックチェーンを作ろう。
そのコンセプトで生まれたのが、Ethereumでした。
そのコンセプトの通り、EthereumはBitcoinにはできないことを実現可能にしています。
プラットフォームにDAppsを記述できる
Bitcoinのブロックチェーンは、通貨の取引の記録しか残すことができない仕様になっています。
対してEthereumは、ブロックチェーン上に設けられたプラットフォームにDApps(分散型アプリケーション)を記述することができます。
スマートコントラクト機能
しかもそのプラットフォームには、『スマートコントラクト(自動契約)』の機能が設けられており、それを利用することで、特定の条件が満たされれば契約を自動実行することが可能になったのです。
「Bitcoinは電卓で、Etherumはスマートフォンである」とヴィタリック氏はインタビューで答えています。
Ethereumの強みは、ネットワーク上で多くの種類のアプリケーションを開発することができる点にあるとしています。
Rippleは送金に特化した通貨
一方で、先にあげたBitcoinやEthereumとは全く違う進化を遂げたのが、 Ripple(XRP)です。
Rippleは、RipplePayというコミュニティから始まっています。
Bitcoinよりも先に、分散型金融システムを目指していたと言われています。
Bitcoin Magazineにその記事があるのですが、その記事を執筆したのが、ヴィタリック・ブリテン氏というのは、因縁のようなものを感じますね。
RipplePayは成功はせず、その後Bitcoinのブロックチェーンテクノロジーを取り入れるなどして、独自の進化を遂げていきます。
中央集権的な仮想通貨
RippleがBitcoinやEthereumと大きく異なるのは、中央集権的な仮想通貨であるという点でしょう。
XRPのコンセンサスアルゴリズム(承認演算)を決定する権限を持っているのはRipple社ですし、発行枚数(1,000億枚)の60%を持っているのもRipple社です。
これらのことから、Ripple(XRP)は仮想通貨ではないという意見があるほどです。
海外への送金市場が狙い
さて、Rippleが狙っている市場は、海外への送金市場です。
海外送金というのは、海外の銀行口座にお金を振り込むことを言い、主に個人の送金のことを指し、企業の海外送金は含みません。
海外送金には以下の3つの手数料が必要となります。
- 送金手数料
- 受取手数料
- 為替レートの交換手数料
この3つの手数料をRipple(XRP)で低コスト化しようというわけです。
送金手数料の削減
Ripple(XRP)の狙いは、銀行間で行われる海外送金の手数料を、XRPを使うことで安く抑えられるようにしようというものです。
国際送金市場は、上のイラストにもあるように、年間で6,000億ドル(約66兆円)の市場規模があると言われています。
その市場を、仮想通貨(XRP)を使うことで、低コスト化するのがRipple(XRP)の狙いです。
送金時間の短縮
また、海外送金には、先ほどあげた手数料のほかに、時間の制約があります。
週末は為替市場が閉まるために、正確な為替レートでの交換ができなくなります。
それでなくても銀行の窓口は、空いている時間に制限があり、受付時間も限られています。
また送金にも時間がかかり、最短でも2〜3日はかかると言われています。
この時間短縮もRipple(XRP)の狙いの一つです。
BTC・ETH・XRPそれぞれの問題点と解決策
現在、Bitcoin(BTC)、Ethereum(ETH)、Ripple(XRP)が抱えている問題点はなんでしょうか。
ビットコインとイーサリアム
BitcoinとEthereumが抱える大きな問題の一つは、スケーラビリティ(システムの拡張性)と言えるでしょう。
2016年半ば頃から仮想通貨市場が大きく加熱しました。
Bitcoinが一般に知られるようになり、投機的な意味で多くの人が仮想通貨に集中した、いわゆる『仮想通貨バブル』です。
スケーラビリティ問題
その時に起こったBitcoinとEthereumの最大の問題点は、送金詰まり(スケーラビリティ)問題でした。
(Bitcoin Cashもこの頃、HFされ誕生しています)
その問題を解決するために、BitcoinもEthereumも様々な取組を行い、進化しています。
スケーラビリティ問題を解決するには、幾つか方法がありますが、単純な方法としては、
- ブロックサイズを大きくするか
- ブロックタイムを短くするか
のどちらかです。
ただ、この方法はどちらもブロックチェーンのHFを行うが必要にあります。
BitcoinはSegwitを導入
対してBitcoin開発陣が行ったスケーラビリティ問題を解決する対策は、Segwitと呼ばれる方法でした。
Segwitは、取引データの中に入っている、署名と取引のデータを沸けて、データのみをブロックに収め、署名をサイドチェーンと呼ばれる領域に保存する方法です。
この方法は、HF無しの仕様変更で対応できることから、紆余曲折はあったものの、最終的に承認されました。
Lightning Networkの誕生
Segwitの導入に伴い、新たに作られたのがLightning Networkです。
Lightning Networkは、Segwitのサイドチェーンを応用した技術で、ペイメントチャネルと呼ばれるプール領域にBTCをプールして、それを使って送金する技術です。
Lightning Networkの特徴は、決済と承認を分けて行うことができます。
サイドチェーン領域で先に決済を済ませ、溜まったデータは後でブロックチェーンに記述するという方法で、スケーラビリティ問題に対応しています。
Lightning NetworkとSegwit
Lightning Networkは、
- UI/UXが使いづらい
- 少額決済には対応できるものの多額の決済には向かない
などの問題点を抱えています。
しかし、最近の価格上昇に伴い、バブル期と同等の取引量になっている現在でも、承認の停滞や手数料の上昇が抑えられている点を見ると、SegwitやLightning Networkの実装は、概ね成功だと言えます。
EthereumはHF「Casper」で対策予定
一方Ethereumも、次のHFであるCasperで、様々な対策を打つ予定になっています。
スケーラビリティ問題の記事でもお伝えしましたが、EthereumはコンセンサスアルゴリズムをPoWからPoSに転換することが発表されています。
(スケーラビリティ問題に関する内容は、こちらの記事をお読みください)
Ethereumは開発者の多さが特徴
Ethereum最大の特徴は、投機的な側面からはあまり注目されていませんが、その開発者の多さにあります。
仮想通貨イーサリアム(ETH)が全ての仮想通貨の中で一番開発者が多いことが明らかになった。仮想通貨資産マネジメントのエレクトリック・キャピタルが7日、調査結果を発表した。
エレクトリックは、2万以上のコード・レポジトリーと1600万以上のコミットを取得。毎月平均216人の開発者がイーサリアムにコードを提供していることを発見した。Truffleなどコミュニティープロジェクトの開発者は統計に含まれていないという。
こちらのコインテレグラフの記事にもあるように、Ethereumの開発者は、Bitcoinの開発者数(約50人)の4倍以上であり、しかもEthereumの開発コミュニティプロジェクトのメンバーは含まれていないとのことです。
開発環境が整っている
事実、DEX(分散型取引所)や、DApps(分散型アプリケーション)の開発に関しては、Ethereumブロックチェーンのプラットフォームは、開発環境が整っています。
特に分散化技術に関して、新たな取り組みが多く、最近ではDeFi(分散型金融プラットフォーム)の取り組みが盛んになっています。
中には、BitcoinのSegwitと同じようにサイドチェーンを使って、ETH担保のステーブルコインを作成する取り組みが始まっています。
ETH担保型ステーブルコインが発行予定
先日、米国の大手銀行であるJPモルガン・チュースがJPMコインというステーブルコインを発行すると発表しましたが、こちらも今ご紹介したETH担保型のステーブルコインとなる予定です。
サードチェーン技術の影響力は絶大
またこのサイドチェーン技術は、DAppsやスマートコントラクト にも大きな影響を与えています。
ブロックチェーンの特徴(不可逆性)の関係で、DAppsやスマートコントラクトのプログラムの記述は、一度書いてしまうとエラーが見つかっても直せないし、修正できないという欠点がありました。
しかしこのサイドチェーンを使うことで、DAppsの修正やアップデートが可能になると言われています。
こうした取り組みは、Ethereumが最も進んでおり、Casperではもっと使い易いプログラム言語が使えるよう準備されているとも言われています。
このように、Ethereumは非常に開発環境が整っており、分散型のR&Dをするのに非常に適しています。
リップル
BitcoinやEthereumに比べると、Ripple(XRP)は技術的なニュースがあまり聞こえては来ません。
これは、スケーラビリティ問題に対するアドバンテージがあるからだと思われます。
Ripple(XRP)は、トランザクション件数が秒間1,500件と発表されており、実測のトランザクションスピードも3.3秒とRippleのサイトで発信されています。
このスケーラビリティ(拡張性)のアドバンテージは、BitcoinやEtehreumを大きく引き離しています。
各銀行との提携に主眼を置いている
それにXRPは本来、銀行間のブリッジ通貨としての役割を持っているので、リップル社としてはXRPを使ってもらえるよう、各銀行との提携に主眼を置いているようです。
事実、日本でもSBIホールディングスとの提携がニュースになっており、SBI Ripple Asiaの設立など、金融関係との話題は豊富です。
将来を見据えた取り組みがない
ただ、将来性に対する取り組みが聞こえてこないのも事実です。
先ほど、スケーラビリティのアドバンテージがあるとお伝えしましたが、コンセンサスアルゴリズムにDPoSを採用しているEOS(EOS)は、トランザクションスピードが0.5秒以下。
秒間のトランザクション件数に至っては、100万件を超えると言われています。
このように、後発の仮想通貨に対しては、そのアドバンテージを保てない状況になってきているのです。
今後の考察(投資対象として)
それではここからは、それぞれの今後について考えていきたいと思います。
先にお伝えしていますが、仮想通貨の価値はどれだけ使われるかによって決まるというのが前提です。
今後もどれだけの流通量を確保できるか。
それによって、市場価値が変化し、価格(時価総額)も連動するという前提で話を進めていきます。
ビットコイン
まずBitcoin(BTC)ですが、Bitcoinは現時点で既に、仮想通貨と法定通貨をつないでいます。
仮想通貨市場に参入するためには、まず法定通貨をBitcoinと交換することから始める必要があるからです。
確かに、Ethereum(ETH)やRipple(XRP)に交換して始めることも可能でしょうが、明らかに目的がある場合以外は、厳しいと思います。
当初の目的は達成している
Bitcoinの当初の目的である、インターネット上で誰もが使えるデジタル通貨として見れば、大成功していると言えるのではないでしょうか。
何より、1番最初の仮想通貨というステータスは、そう簡単にひっくり返すことはできないと言えます。
余程のことが起こらない限りTOPの座は変わらないと思いますし、一番最初というステータスが持つブランド力はかなり強いです。
それはどの世界や市場であっても、変わることがない事実です。
首位の座は今後も安泰
その意味では、今後もBitcoinの首位の座はそう簡単に変わりはしないでしょう。
仮想通貨が市場に受け入れられれば受け入れられるほど、使われるようになればなるほど、価格の上昇も見込めますし、ボラティリティ(価格の変動)もより安定してくるのは間違いありません。
イーサリアム
Ethereum(ETH)は、Bitcoinとは別の方向での期待があります。
ブロックチェーンとIoTやビッグデータ、AI(人工知能)などはその親和性を謳われることが多いですが、その方向性を開くのはBitcoinではなく、Ethereumであると言えるでしょう。
スマートコントラクトの実装
これは、Bitcoinが通貨の取引しか記録しかできないのに対して、Ethereumはブロックチェーン上にプラットフォームを持ち、スマートコントラクトを実装しているからです。
そして、あらゆる契約内容を記録することができるように作られています。
開発者の多さと開発環境
先にもお伝えしましたが、Ethereumの開発者の多さは、他の通貨を明らかに凌駕しています。
もともと開発力のあるプラットフォームに、これだけの開発者が集い、R&Dを繰り返しているのですから、その将来性を疑う余地は今の所ありません。
EthereumのDAppsの半分はDEX
実際、同じプラットフォームを持つEOSやTRONも開発は続けていますし、DAppsも盛況なようですが、DAppsの中身としてはゲームやギャンブルといったものが多いのが実情です。
本来後発のプロジェクトであるのなら、より開発者を集める必要があると思われるのですが、実情はEthereumに水をあけられていますし、内容も一部が特化しつつあります。
対してEthereumのDAppsは、その半分をDEX(分散型取引所)が占める状態となっていますので、金融関係のR&Dとして使われているのはやはりEthereumなのでしょう。
新しい技術を支えるバックボーンになる
今後も金融のDApps関連の市場が大きく動くのは間違いないですし、先にお伝えしたようにIoTやビッグデータとの親和性や、AIとの融合などを考えると、新しい技術を支えるバックボーンになる可能性が非常に高いと言えます。
本来は、ブロックチェーン上で稼働するDAppsやスマートコントラクトのgas(燃料)代が主な役目のETHですが、今後DEXやDeFiが活発になればなるほど、ETHが中心通貨となるコミュニティも広がってくるでしょう。
リップル
仮想通貨として様々な可能性を秘めているBitcoinやEthereumに対して、Ripple(XRP)に対しては、それが見えてこないというのは言い過ぎでしょうか。
特にXRPは、日本では人気が高く、将来的に値上がりすると言われ続けています。
でも実際は、値段が一時的に上がってもすぐ元に戻るを繰り返しています。
本来の使い方はブリッジ通貨
XRPは、銀行間での送金業務に使われる『ブリッジ通貨』が本来の使い方ですので、こちらでどれだけ使われるのかを考えてみたいと思います。
銀行間の送金業務に使われる『ブリッジ通貨』であるXRPに可能性を感じない最大の理由は、BitcoinやEthereumを使えば、銀行を使わず個人での海外送金が容易に行えるからです。
事実、発展途上国で通貨危機が起こった時には、多くの人が自身の資産をBitcoinに変えています。
銀行が使えなければ価値がない
そして海外に送金する際も、逆の時もBitcoinベースで考える人が増えてきています。
第一に銀行が使えない人(銀行口座を持てない人)にとって、XRPは何の価値もありません。
その通貨が使われるとは、どうしても考え難いのです。
現在価格は実際の価値とかけ離れている
それに66兆円の市場規模があると言われる海外送金市場ですが、仮にその全てをXRPで賄うと仮定した場合の計算をしてみます。
年間で66兆円の市場規模である、海外送金市場をXRPで賄うとして、一体どれだけのXRPが必要になるかを計算してみます。
XRPのトランザクションスピードは3.3秒ですので、計算しやすいように3秒として1年間で何回のトランザクションが可能かを計算します。
60(秒)÷ 4(秒)× 60(分)× 24(時間)× 365(日)=10,512,000回
となります。
この回数で、市場規模の66兆円を割ってみると・・・。
66,000,000,000,000➗10,512,000=6,278,539
という結果になります。
1XRP=1円とした場合でも、7,000,000枚のXRPがあれば、年間66兆円の海外送金には足ります。
しかし現在、発行されているXRPは1,000億枚。
その内の65%をリップル社がプールしており、市場に出ているのは約350億枚になります。
先に計算した、1回で送金する額をその350億枚で割ると、答えは0.0002円となります。
これに対し、現在のXRPの価格は35円ほどですので、送金市場で必要な額を本来の価値として考えると、今のXRPの価格は175,000倍になっていると言えます。
このように考えると、XRPの現在の価格は実際の価値とはかけ離れたものになっているという考え方もできます。
今後はハイパーインフレに陥る可能性も
またその価値から見ると、今後XRPはハイパーインフレに陥る可能性があると見ることもできるのです。
今回考察した結果は、あくまでも使われることが前提での値です。
資産として保持・保管するものは計算に入れていません。
市場価値や、今後の可能性等は一切考慮していないものになりますので、投機的な視点で見た場合、何の価値もないデータになるでしょう。
ですが、このようにデータ的に見た場合、XRPが今後上がる可能性は非常に小さいと言わざるを得ないのです。
全ては市場が決める
今回は、時価総額のトップ3。
- Bitcoin(BTC)
- Ethereum(ETH)
- Ripple(XRP)
を徹底比較して、現状とそして将来性を比較してみました。
最後の将来性の箇所で、XRPの可能性に対して疑問を提示させていただきましたが、これもあくまで予想にしか過ぎません。
予想(よそう)は、逆さまから読むと「ウソよ」になるので、常に市場予想はウソが多いというのが筆者の前提になっています。
何れにせよ、全ては市場原理で決まることは間違いありません。
そしてその一つの指標として、見るべきは流通量だと仮定した場合、今回のような予想になるということです。
とはいえ仮想通貨の価値は、市場がどれだけ使うかが鍵になるのは間違いないでしょう。
今は2,000種類以上もの仮想通貨がありますが、その中で最終的に残るのは、多くて20程度だと思っています。
それ以上は使う側が覚えられないからです。
各経済地域において、使われる通貨が5〜7程度で、それがいくつか合わさっても20が限界でしょう。
今後の仮想通貨は、ダーウィンの進化論のように、環境に対応できるかどうかで、生き残りが決まると思います。
そしてその中での優位性を決めるのは、ユーザーにとっての『使いやすさ』と『分かりやすさ』であると思います。
インターネットがスマホによって一般化したように、仮想通貨も一般化するためには『使いやすさ』と『分かりやすさ』が必要です。
しかもその『使いやすさ』と『分かりやすさ』は、何かに特化したものではなく、汎用性がないときびしいと思います。
逆に『使いやすさ』と『分かりやすさ』を実現できれば、Bitcoin(BTC)やEthereum(ETH)を逆転することも可能かもしれません。
その意味では、『仮想通貨や最新技術を使っていることを実感させない技術こそ最強』と言えるかも知れないですね。
それでは『仮想通貨時価総額TOP3ビットコイン リップル イーサリアム 徹底比較』を最後までお読みいただき、ありがとうございました。