
仮想通貨の世界で有名な人物は幾人かいますが、その中でも認知度と影響力が群を抜いているのがロジャー・バー氏です。
彼は目標である法定通貨を超える仮想通貨を生み出そうと現在も積極的に活動しています。
そんなバー氏の詳しい経歴や、絶大な影響力について解説したいと思います。
この記事を読めば、彼の発言のうちどういったものが仮想通貨の相場を動かすのかが分かるでしょう。
ロジャー・バー氏とは
仮想通貨界で強い影響力を持つ大物起業家
ロジャー・バー氏は、仮想通貨市場において強い影響力を持つ大物起業家の一人です。
アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼの出身で、誕生日は1979年1月27日。
政治的思想はリバタリアンで、無政府資本主義など個人主義に強く傾倒した考え方を持っています。
1999年 コンピューター部品事業で成功
ロジャー・バー氏をビットコインで財産を築いた億り人と思っている方もいますが、それは違います。
彼はビットコインが世で騒がれる前の1999年時点で、コンピューター部品事業を手掛け成功していました。
25歳の時にはすで億万長者だったと言われています。
行動がかなり奇抜
ロジャー・バー氏の行動にはだいぶ奇抜なところがあります。
2000年にはカリフォルニア州の下院選に出馬するなど政界に進出しようしたり、2002年には爆発物をライセンス無しで販売して10ヶ月刑務所に入っていました。
ちなみにロジャー・バー氏は刑務所にいる間に独学で日本語を学んだそうです。
さらに2014年にはなんとアメリカ合衆国の市民権を破棄して、海外に出ていってしまいます。
2011年頃 ビットコインと出会う
肝心のビットコインとの出会いは2011年頃。
ラジオでビットコインのことを耳にしたバー氏が、ビットコインに興味を持ち調査を進めると、仮想通貨がとんでもない可能性を秘めていることに気づき投資を決意します。
最初の投資はチャーリー・シュレムとガレス・ネルソンが創設した最初期の仮想通貨取引所でした。
さらにRippleなどのビットコイン絡みのベンチャーに次々と出資していきます。
投資だけでなく自らの事業もビットコインに関係の深いものになっていきました。
現在はBitcoin.comのCEOで日本在住
2012年に創設した「bitcoinstore.com」では、ビットコインで10万点以上を超える商品を購入できるようにしたのです。
その後もビットコインに対する取り組みは続き、2014年にはビットコインの総本山的なWebサイト「Bitcoin.com」のCEOに就き、名実ともにビットコイン界の頂点的な存在になりました。
現在は日本に住みながら、ビットコインから派生したビットコインキャッシュの普及に力をいれています。
ロジャー・バー氏の経歴
最終学歴は州立コミュニティ・カレッジ中退
最終学歴はカリフォルニア州クパティーノにある州立コミュニティ・カレッジであるデアンザカレッジ中退です。
デアンザカレッジには1年間在籍していました。
中退した時の年齢は20歳。
20代前半でMemoryDealers.comを設立
中退後はビジネスの道に邁進します。
そして20代前半にしてコンピューター部品事業「MemoryDealers.com」を設立し、25歳の時にはかなりの資産を保有するまでに成功しました。
このMemoryDealers.comは後に初めてビットコインでの支払いを受け付けた企業になります。
2004年 Agilestar.comのCEOに就任
その後も事業家として活動し、2004年には光ファイバートランスミッタを扱う「Agilestar.com」のCEOに就きます。
この事業は世界市場をターゲットにしたものでした。
2012年 BitcoinStore.comを創設
2012年になるとビットコインを全面にだしたサービスを提供します。
様々な電化製品をビットコインで購入できる「BitcoinStore.com」を立ち上げました。
しかし2014年にはこの企業のCEOから退いています。
2014年6月 Blockchain.comの共同出資者へ
同年6月にはビットコインのウォレット事業としてロンドンで立ち上げた「Blockchain.com」の共同出資者になります。
2014年にはセントクリストファーネイビスの市民権を取得し、海外に移住。
それから2019年に至るまでアメリカ合衆国に住居を戻していません。
2014年 Bitcoin.comのCEOへも就任
同年、ビットコインの公式総合情報サイトとも言うべき「Bitcoin.com」のCEOに就任します。
この際に同サイトのドメインも保有することに。
2016年 ビットコイン財団の創設者の1人に
2016年6月にはウイルス対策ソフトのマカフィーで有名なMGTキャピタルインベストメントの暗号通貨諮問委員会の会長に就任します。
さらに同年、ビットコイン財団の創設者の1人になりました。
ロジャー・バー氏はなぜ『ビットコインの神』と呼ばれている?
ビットコインが広まる前から出資していた
ロジャー・バー氏が「ビットコインの神」と呼ばれるのは、ビットコインの価値が世間で認められる前から積極的に取引所や関連プロジェクトに出資してきたの大きな理由です。
最初期に投資を受けたBitinstantは、この資金を受けてプログラマーやデザイナーを雇うことができたと言われています。
この他にもRipple、Blockchain.info、Bitpay、Krakenなど、今となっては有名なビットコイン絡みの事業にいくつも投資しました。
ベンチャープロジェクトの初期は資金と人材に困窮しますから、苦しい時期を資金援助してもらった当時の仮想通貨関連の事業者から神扱いされるのは当然でしょう。
自身の事業でビットコインを積極的に活用
ロジャー・バー氏が自身の事業で積極的にビットコインを活用したことも彼を信奉する者を増やしました。
ビットコインで支払いができる通販サイトを世界で初めて実現させたのはバー氏なんです。
このように実体経済とビットコインを結びつけるきっかけ作りをした功績は大きいでしょう。
しかもビットコインが通貨として一般的に価値が認められる前の2014年における話ですから、その決断は勇気が要るものだったに違いありません。
ビットコインの保有数が25万BTC
また、ビットコインの保有数が25万コインと飛び抜けて多いのも神格化を手助けしています。
彼が保有する莫大なビットコインをどう使うかでビットコインの価値は大きく上下する可能性があるため、ロジャー・バー氏の発言は大きな影響力を持つのです。
ロジャー・バー氏の『ロジャー砲』とは
仮想通貨相場においてロジャー・バー氏の発言は大きな影響力を持ちます。
これまでもロジャー・バー氏の発言が原因で相場が動いたことが何度かあり、その度にロジャー砲が打たれたとビットコイン界隈では騒がれました。
このように「ロジャー砲」とは仮想通貨相場を動かしたロジャー氏の発言のことを指します。
そんなロジャー砲のエピソードの中から印象深いものを2つほど紹介しましょう。
ビットコインキャッシュをメジャーにした
ビットコインキャッシュはビットコインが抱えていたスケーラビリティの問題を解決するためにビットコインからハードフォークして生まれた仮想通貨です。
ビットコインには数多くの派生通貨がありますが、その中でもビットコインキャッシュは時価総額ランキングで5位と比較的新顔にしては高く評価されています。
これはビットコインキャッシュ開設前からロジャー・バー氏が全面的に支持してきたからと言われています。
実際にロジャー・バー氏はツイッターや公の場で発言する機会があるとビットコインキャッシュを支持する主張を繰り返してきました。
ビットコインより優れていると言ってはばかりません。
大物ロジャー・バーが支持しているということでビットコインキャッシュは短期間で認知度を上げ、時価総額も上位になるまでに至ったのです。
イーサリアムを高騰させる
スケーラビリティやトークンの発行に強みのあるイーサリアムもロジャー・バー氏のお気に入りのひとつです。
一時期積極的に「イーサリアムはビットコインを抜く可能性が高い」という趣旨の発言をツイッターを中心に行なっていました。
当時もビットコインは時価総額を含め様々な指標で1位に輝いていましたが、それでもロジャー・バー氏は「もはやトップでは無い」とビットコインを否定しイーサリアムの取引速度を評価するなど、イーサリアムの優位性を説きました。
この発言の後、イーサリアムの価格は上昇を続け、1年後には6倍にも高騰します。
価格の上昇が全てロジャー・バー氏の発言のためとは言い切れませんが、ロジャー・バー氏が支持する通貨がどれも時価総額が高いのも、また事実です。
ロジャー・バー氏とホリエモン氏の関係性
日本の個人投資家や40代から30代に支持者が多い堀江貴文ことホリエモン氏。
このホリエモン氏とロジャー・バー氏の対談動画が2018年9月にYoutubeに公開されました。
注目の二人ということで、すでに動画をチェックした方も多いでしょう。
影響力のある二人が一体何を語ったのか、その内容をいくつか紹介したいと思います。
ビットコインキャッシュ推し
以前からビットコインキャッシュ(BCH)を推すことが多いロジャー・バー氏ですが、今回の対談でもホリエモン氏に熱くBCHの優位性について語っていました。
BCHの強みとして強調していたのは機能がビットコインに比べて大きく上回っていること。
特にトランザクションのスピードとブロックサイズの大きさについて丁寧に説明していました。
必ずやってくるビットコインのスケーラビリティ問題に関連して、BCHがビットコインを超える日が来ると熱弁していたのが印象的です。
将来利用される仮想通貨は数種類だけ
現在何十もの仮想通貨が発行されていますが、将来的には数種類だけに絞られるだろうとバー氏は話していました。
ホリエモン氏も同意見のようで、数ある仮想通貨のほとんどが市民権を得られず、存在感の無いものになるだろうと言っています。
投資をよく知る2人が同意見ですから、仮想通貨の統廃合はまず間違いなく起きると考えていいでしょう。
ハズレくじを引かないよう、上位の銘柄の動きを常にチェックしておく必要がありますね。
BCHが実体経済で一般的に使われるには?
店舗や通販の一部でしか支払いに利用できないなど生活に馴染んでいるとは言えないBCH。
そんなBCHが普段から利用されるようになるには何が必要か語られています。
ロジャー・バー氏は法定通貨を利用するよりお得に買物できれば普及が進むと考えているようでした。
一方、ホリエモン氏は時代を変えるほどの大きなイノベーションが必要だと主張。
いずれの方法も一筋縄ではいかない感じで、道のりの長さをうかがわせます。
ロジャー・バー氏が語るビットコインの未来とは
ロジャー・バー氏のこれまでの発言を読み解くと、彼が思い描く将来のビットコイン像が見えてきます。
それは「ビットコインが社会生活の中で広く利用され、法定通貨に取って代わる」未来です。
これを実現するためには、仮想通貨取引の処理速度が今以上に向上する必要があります。
ロジャー・バー氏が執拗にビットコインよりもトランザクション処理が早いビットコインキャッシュを推すのはこのためです。
取引を瞬時に処理できないと現在法定通貨がさばいている取引量を扱うことができません。
この問題をまず解決することが、仮想通貨がコンビニの支払いにも手軽に使えるようになる第一歩だとバー氏は考えているようです。
ただ、そうなるには仮想通貨で支払うと大きく割引かれるなど、仮想通貨を利用する動機付けが必要とバー氏は言っています。
ロジャー・バー氏のまとめ
ロジャー・バー氏は、仮想通貨が誕生した初期の頃からビットコイン事業と深い関係を持ち続けた、いわゆるエンジェル投資家でした。
各種ビットコイン関係の事業に加えて、25万ものビットコインを保有しているため、現在も仮想通貨市場に大きな影響力を持ちます。
そのため仮想通貨に投資する方なら誰しもバー氏の発言内容には注意をしています。
そんなロジャー・バー氏が目標とするのは、仮想通貨が法定通貨の代わりに利用される社会の実現です。
しかし、実現は難しいと考えられており、仮想通貨がもっと魅力的なものになる必要があるとしています。
ロジャー・バー氏が本当にそういった夢を実現するつもりなら、今後必ず彼が手掛ける仮想通貨で大きなパラダイムシフトが起きると考えられます。
その予兆を見逃さないように今後も彼の発言には注目する必要があるでしょう。