
リップルは取引速度の速さに大きな特徴があり、主に金融機関をターゲットのした送金ネットワークの構築を目指して開発された仮想通貨です。
実際にさまざまな金融機関が送金実験を行い数々の成功を収めたことから、2017年末から2018年始には1リップル300円を超える価格を記録しました。
しかし、その後リップルは低迷を続けており、いくら好材料がでても値上がりしないという状況が続いています。
「リップルはもう上がらない」と言われることもありますが、仮想通貨投資を行うのであればその理由を正しく知っておく必要があるのです。
リップルの価格が再び30円代に下がった理由
現在は30円台で停滞
リップルの価格はピーク時には300円を超える大相場を作りました。
しかし、2018年始の仮想通貨全体の暴落に合わせるように価格が低迷し、現在は一時上昇してもまた30円台まで下がるという動きを繰り返している状況です。

出典:ビットバンク
しかも、好材料がでても再び下がるということが珍しくない、あるいは価格上昇などに影響がないケースも多くなっているのです。
下落した原因は複数考えられている
価格が30円台に下がった理由は複数考えられていて、仮想通貨投資に関する価値観自体が大きく変化したことやライバル仮想通貨の誕生などが影響しています。
また、リップルを利用した送金ネットワークと仮想通貨として利用されるリップルは別に考える必要もあります。
仮想通貨バブルといわれた相場が崩壊したことにより市場はリスクに敏感な状態になっていて、さまざまな要因が絡み合って30円台に下がってしまっているのです。
リップルの価格はもう上がらない?
市場がリスクに敏感になっている
リップル価格の上昇を阻む主な原因の一つに、市場がリスクに敏感になっていることが挙げられます。
仮想通貨市場は2017年末から2018年初めにかけて大幅に価格が上昇し、その後に急落しました。
急落した理由もさまざまな理由が絡み合ったものですが、価格が大幅に下がる可能性があるというイメージは投資家の心理を冷え込ませ、同時に、リスクに敏感な状態を作り出したのです。
リップルは30円台に低下したままな訳ではなく、上昇しては下降するという動きを繰り返しています。
これは長期保有をしてリスクを負うよりも、収益がある程度上がったら手放して利益を確定するという流れが強まっているからでもあります。
過去の仮想通貨市場のように数十倍、数百倍を越える価格になるまで持ち続ける人が減っているため、大幅な価格上昇が見込みづらくなっているのです。
強力なライバルが誕生している影響している
リップルは金融機関の大規模な送金網を構築する野心的な仮想通貨でした。
しかし、似たような立ち位置の仮想通貨も次々と誕生しているため、ライバルも増えているのです。
特に注目されているのがIBMとJPモルガンです。
IBMは世界をリードするIT企業で、ブロックチェーンを用いたさまざまな技術開発も行っています。
JPモルガンは世界を代表する金融グループであり、独自の仮想通貨を開発して自社グループの送金網を強化する計画を立てています。
ライバルになる技術や仮想通貨が誕生すればリップル一強という状態が誕生しにくくなるだけでなく、主役の座を奪われる可能性もあるのです。
リップル自体が価格の安定を望んでいる
リップルは国際的な送金網を開発し、さまざまな通貨をつなぐブリッジ通貨としての役割を目指しています。
一方で、リップルの価格が高くなると手数料が高くなるなどのデメリットが生じる可能性があるため、開発時点で価格が高騰し過ぎないようにさまざまな仕組みが取り入れられています。
1点目がリップルの発行量自体が多いということと、2点目がリップル開発陣・経営陣の保有量が多く計画的な放出が可能ということです。
発行枚数が多ければプレミアムがつきにくくなり、経営側の意識的な価格調整が可能であれば投機的な意味合いでの購入も限定されます。
ただし、運営側も投資家審理に配慮し、ロックアップと言われるリップルを売れない期間があるなど配慮している面もあります。
それでも他の仮想通貨と比べてプレミアムがつきにくいのは事実で、価格上昇を阻む理由にもなっているのです。
実用化は進んでいるが実際にいつ利用できるかが不透明
リップルは実際に金融機関が送金実験を行うなど実用に向けた取り組みが進んでいる仮想通貨の一つです。
リップルの技術に注目して提携している企業も多く、実績の面では他の仮想通貨を大きくリードしています。
一方で、国際的な送金網を構築するためには安全性の確保や動作の確実性、法律上の整合性を取ることが必須になってきます。
莫大なお金が動くからこそ慎重に慎重を重ねる必要があり、実績ができたからすぐに採用されるとは限らないのです。
リップル自体に問題はなくても、仮想通貨取引所の脆弱性をついた流出事件などが起きることで仮想通貨事態にマイナスイメージがつきがちなのもポイントです。
金融機関で採用するためには、関係する政府機関などの承認などが必要になる可能性もあり、いつ送金網が完成するかは不透明な部分があるのです。
リップルの送金ネットワークと仮想通貨のXRPは別
リップルは国際的な送金ネットワークを作り、金融機関をメインターゲットにして開発されています。
注意したいのは、リップルのネットワーク構築が進むのと、仮想通貨としてのリップルが利用されるかは別ということです。
Ripple:最も効率的に国際送金ができるソリューションを提供するテクノロジー企業だ。
XRP:「XRP」は独立したデジタル資産(仮想通貨)。「XRP Ledger」(XRPの分散型台帳)は、ブロックチェーンを基盤としたオープンソーステクノロジーだ。
引用:仮想通貨watch
下記はRipple社が2019年7月に公開したRippleとXRPの違いについての公式発表文章です。

出典:Ripple
リップルネットワークはリップルをハブ通貨として金融機関同士の国際送金網を作ることだけでなく、銀行以外の金融機関や企業をターゲットにしたネットワーク構築も目指しています。
ところが、ネットワークができても、銀行などのもっともお金が動く金融機関が仮想通貨のXRPを採用しなければ価格上昇は見込めなくなります。
リップルネットワークができても、従来の送金ネットワークが優先される可能性もあります。
企業間取引などごく一部でしか使われない可能性があり、どこにどのように採用されるかで価格は変わってくるのです。
明確に採用に動くまでは控えた方が賢明と考える人もいます。
リップル社の活躍とXRPの価格は関係ない?
リップル社の活動とXRPの価格は必ずしも連動しない
リップル社はリップルの実用化に向けてさまざまな情報を発信しているだけでなく、実証実験などでその信頼性を詰み重ねています。
しかし、リップル社の活動と仮想通貨XRPの価格は必ずしも連動するとは限りません。
金融機関や関係する政府機関などがXRPを正式に採用するための準備を整えるまで、技術が発展しても採用されないという最悪のシナリオが残り続けるためです。
せっかく進んだ実用化の技術が他の何かに転用される恐れもあります。
確実に上がると言えない状況ができている
また、ロックアップが外れればリップル社が保有する莫大な量のリップルが市場に流れ込むようになります。
リップル社が活躍したとしても、まずは普及を優先するためにリップルの放出をすることが十分に考えられ、確実に上がると言えない状態ができているのです。
大量の放出をすれば投資家心理を冷え込ませることはリップル社も理解していますが、価格のつり上げよりも安定を意識していることには留意する必要があります。
あくまで実用されることが重要であり、全ての投資家と必ず利害が一致するとは限らないのです。
Twitter上のリップルに対しての評判(口コミ)
東京大学と京都大学が参加したことに着目
リップルがブロックチェーンの研究の支援をするプログラムに、東京大学と京都大学が参加したことに着目したツイートです。
教育の支援を行うことはリップルだけでなく仮想通貨全般の実用化を促す面で重要になってきます。
日本がより積極的にブロックチェーン技術開発に関わるだけでなく、長期支店でのリップルの姿勢を評価しているのもポイントです。
東大と京大がリップルから補助金をもらって、ブロックチェーンの研究をするらしい。ブロックチェーンは、大きな技術のうねりなのだから、もっと他の大学もこのプログラムに参加すればいいのに!#リップル
東京大学と京都大学、リップルのUBRIに加入 https://t.co/WjFRp5tAZL
— 中島真志 (@nakajipark) 2019年8月1日
国際送金の金額をチェックしながら分析
実際の国際送金の金額などをチェックしながら、その一部がリップルに入れ替わった場合はどの程度のボリュームになるか分析している人もいます。
金額が大きいだけに一部だけでもシェアを奪い、コスト削減に貢献できれば実用化が進むという見方になります。
ツイートのツリーにもさまざまな数字が並んでいるため、日々の値動き以外の面をみている人がいることがわかります。
僕並に美しい画像と調査をありがとう、えぐざりさん!
ナイジェリアもxRapidの期待が高いね!USA→ナイジェリアも61.91億$
と素敵な大型corridorさ!UK→ナイジェリアも41.19億$だから、BitStanp辺りにXRP/GBPペアを作ってほしいよ!
あぁ、xRapidの未来が眩しいね… pic.twitter.com/SQHHyaeTMM— カエサル・ナルシスト (@crypto_narcist) 2019年8月7日
流動性と指値注文数をチェック
リップルの流動性と、マーケットメーカーの指値注文数をチェックしている人もいます。
メキシコBitsoの情報を元に分析を行っていて、リップル保有量の多いマーケットメーカーがどれだけ放出するかで価格が大きく変わると結んでいます。
リップルの開発前進の材料とは別に、大量保有者の売買の影響を受けることがわかります。
The full history of Liqudity Index.
Find differences in orderbooks. pic.twitter.com/Ob5Vc3Skn9— てにったー (@tenitoshi) 2019年8月7日
投資は個人の判断であると警鐘
リップルが上がるというのは古くからリップルを購入している人の意見であり、何がきっかけで価格上昇がおこるかわからないということにふれています。
一方で、投資判断は個人個人が行うものであり、必ず上がる、下がるといった判断をしないように警鐘を鳴らす内容になっています。
リップラー古参の方の意見を参考にしている方も多いと思います(私も)。
ただし、XRPの不可逆的な価格上昇については、何がキッカケになるか意見が分かれています。
結局リップラー個人個人に投資の決断が委ねられていることを忘れてはならないと思います🎨
— アトレス🎨 (@atoless) 2019年8月7日
ファンダメンタルをきっかけにリップルを購入
取引指標の一つであるファンダメンタルがきっかけでリップルを購入しているため、より短期の指標に使われやすいテクニカルに左右されないと伸べる意見です。
長期であげるとは信じているものの、多少の価格の上下は容認するという長期ホルダーがいるのもリップルの特徴になります。
私がXRPに投資するきっかけになったのはやはりファンダだ。だがテクニカルだけを見たら、なんでこんな変態的な値動きの物に投資してるんだろうとも思う笑
だが、長期的に信じれる通貨はこれしかないんだよなぁ。。#仮想通貨 #暗号資産#リップル #XRP#BTC建て pic.twitter.com/Zl1DTqtTSD— スミノフXRP (@i_bvlgari) 2019年8月7日
リップルの将来性
リップルは将来性が高い仮想通貨であるものの、実用化にはまだまだ壁が存在します。
ライバル仮想通貨の誕生などで一強と呼べる状態ではなくなっているのもポイントで、過去に顕著な価格上昇を記録した時期からは見方を変える必要があります。
ただし、実用化に向けた取り組みではリードしていることは事実であり、後発の仮想通貨がリップルを追抜くのか、それよりも先に採用が決まるのかという開発競争の状態になっています。
長期ホルダーはリップルを信じている傾向があるものの、マーケットの様子を冷静に見ている人が増え、それがリップルが上がらないといわれる根拠にもなっています。
まとめ
リップルは実用性の期待が高い仮想通貨の一つでしたが、ライバル仮想通貨の誕生や実用化に時間がかかっていること理由に価格が上がらないと考える人も増えています。
少なくとも過去の相場のような大きな金額になると考えている人は減っており、より短期のトレードで手放す人も珍しくありません。
冷静にリスクを考える人やマーケットを見ながら数字上の分析をする人もいるため、評価が分かれる仮想通貨の一つになっているのです。
投資をするのであれば短期トレードか長期トレードかで見方が変わるため、値動きに振り回されないように注意しましょう。