
今後の発展が期待されている仮想通貨やブロックチェーン技術。
ビットコインをはじめとする仮想通貨が生活の中にどのように浸透してくるのかが注目されています。
2019年5月現在では、まだまだ仮想通貨が生活の中に浸透しているとは言い難い世の中ですが、様々な形で仮想通貨が生活の中に進出。
その一つとして、仮想通貨にまつわるドラマの制作や放送があります。
ドラマという娯楽のジャンルから仮想通貨が生活に馴染んでいくのか、仮想通貨を題材としたドラマはどんなものがあるのかご紹介していきます。
投資とはまた違った形で仮想通貨の世界を楽しむきっかけとなってもらえれば幸いです。
仮想通貨を題材としたドラマとは
仮想通貨が題材として使われているドラマと言ってもピンとこない人が多いと思います。
ドラマのジャンルも恋愛やサスペンス、ファンタジーなど様々ありますが、仮想通貨が題材として使われているドラマはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
2019年5月現在、仮想通貨を題材としたドラマはまだそれほど多くは制作されてはいません。
数少ないジャンルではありますが、DVDでリリースされているものもあるなど、少しずつドラマ制作が進んでいます。
仮想通貨が絡むとビジネスドラマという印象がありますが、必ずしもビジネスだけのドラマという訳ではありません。
後述しますがSTART UP(スタートアップ)というドラマはサスペンスものになっていますし、MR.ROBOT(ミスター・ロボット)というドラマはエンジニアが主人公となっている人間ドラマです。
仮想通貨やビジネス、投資という固めのイメージも映画を通してであれば、様々な角度で楽しむことができます。
この先は各作品について、深く掘り下げてみましょう。
仮想通貨サスペンスドラマSTART UP

出典:STARTUP
スーパー!ドラマTVというサービスで2019年5月に日本で初の放送を迎えるドラマSTART UP(スタートアップ)。
シーズン1のDVDは2017年4月26日にリリースされており、2019年5月現在はリリースから約2年が経っています。
2017年の4月にDVDリリースということは、撮影や編集などはもっと前に行われたということになります。
2017年の初め頃の仮想通貨界といえば、ビットコインの認知度もまだ低く、1BTCが数万円という時代。
その時にすでに仮想通貨を題材としたドラマを制作していたということが驚きです。
このドラマにはいくつかの特徴がありますので、一つずつ見ていきましょう。
多彩な登場人物
このドラマでは仮想通貨が題材となっていますが、ビジネスを起こしていくような起業家がメインで活躍するという訳ではなく、主に活躍する人物が、銀行員やキューバ移民のIT女子、そしてハイチ系ギャングという個性がばらばらの3人。
さらに、この3人が気になっているFBI捜査官が登場するなど、多彩な人間関係が魅力のドラマとなっています。
出身も肩書きも全然違う登場人物が、仮想通貨を取り巻いてどのような物語を展開していくのかが大きな注目ポイント。
さらに公式サイトに記載されている「仮想通貨がもたらすのはビジネスチャンスか新たな犯罪か」というキャッチコピーへの関与がどのようになるのかも注目ポイントの一つです。
ビジネスだけではなくサスペンス
START UPは仮想通貨がテーマのサスペンスドラマです。
仮想通貨といえば、投資やプロジェクトを起こすためのICOなどが話題に上がり、ビジネスのイメージが先行していました。
START UPでもビジネスの話は出てきますが、主な話はサスペンスです。
生まれも育ちも全く違う3人が手を組むことになり、思いも寄らないところからの不正な資金を使わざるを得なくなったことで、様々な人間ドラマが展開されていきます。
裏社会の様子や性的な描写など、刺激的なシーンも出てきますが、家族間で親世代と子世代の価値観の違いが、旧貨幣制度の世の中と、新時代の仮想通貨を受け入れるという価値観の変化がリンクしたサスペンスながらもホームドラマという特徴を持っています。
ただし、刺激的なシーンが多めとなっているため、家族で一緒に見るというよりは一人で楽しむことをおすすめします。
『START UP』はAmazonで購入することができます。
仮想通貨人間ドラマMR.ROBOT
MR.ROBOT(ミスター・ロボット)は、薬物中毒となってしまったエンジニアの主人公を中心に描かれた人間ドラマです。
このドラマはシーズン1とシーズン2があり、シーズン1は仮想通貨との関わりがほとんどありません。
仮想通貨がドラマに関与してくるのはシーズン2からになります。
MR.ROBOTはどんな特徴を持ったドラマなのか見ていきましょう。
IT関連の話題が豊富
このドラマのあらすじとしては、ドラマタイトルにもなっているMR.ROBOTと名乗る人物からエンジニアの主人公のもとに、大企業の金融データの破壊を持ちかけられるというストーリー。
金融データを破壊することで、借金で苦しむ人を救うことが目的とのことですが、主人公がどのような選択、決断をしていくのかを追っていくヒューマンドラマです。
シーズン1では仮想通貨はあまり出てこず、ドラマタイトルの「MR.ROBOTが誰なのか」が大きなカギを握っています。
シーズン2では仮想通貨に関することも登場してきますが、仮想通貨だけではなく、サイバーテロやインターネットに関する技術などが度々登場するので、ITやネットに興味がある方は特に楽しめる内容です。
それがなくても、主人公の葛藤やMR.ROBOTの真相などを楽しむことができるドラマでもあります。
ドラマの作り込みの深さが好評
エンジニアの主人公がMR.ROBOTから話を持ちかけられて物語が進んでいきますが、その主人公の葛藤シーンなどにあった音楽や映像、物語の構成がよく作り込まれていると評判のドラマでもあります。
葛藤も一つのテーマで、精神的な描写も多くある事から感情移入がしやすい作品です。
「自分だったらどう考えるか」という見方が一つの魅力となっていて一話終わるごとにクライマックスの前の様な感覚に追いこまれるという特徴もあります。
その中で、不可解だったことの謎が解けたときの爽快感が魅力です。
また、2016年開催のゴールデン・グローブ賞で最優秀作品賞を受賞。
さらにエミー賞では、作品賞や主演男優賞、脚本賞にキャスティング賞、楽曲賞、サウンド・ミキシング賞の6部門へノミネートし、ラミ・マレック氏の主演男優賞と楽曲賞の2部門受賞という快挙を果たした作品でもあります。
MR.ROBOTもAmazonで購入することができます。
仮想通貨をテーマとした新たなドラマが制作開始

出典:Cryptos
2019年に入ると、仮想通貨を題材とした新たなドラマの制作が開始されました。
そのドラマのタイトルはCryptos(クリプトス)。
ドラマの内容としては、映画の製作資金を調達できないハリウッドに住む5人の若者が、仮想通貨やブロックチェーンを使って、映画などの製作過程を描いたコメディー作品です。
出演者兼監督を務めるコナリー氏は、取材に対しこのドラマについて次のように語っています。
「仮想通貨に関して人々が不安になっているのは、理解が不足しているからだ。私も含めて多く人のは学習段階だが、そこには好奇心がある」
Cryptosが仮想通貨の学びにもつながるドラマであるとの予感をさせています。
仮想通貨の学びという部分が関与してくると、専門用語や専門的な技術が必要になってきますが、Cryptosのプロデューサーにはブロックチェーン関係者が名を連ねています。
プロデューサーとして参加をしているのは、ブロックチェーン教育ソリューションを提供しているAcademy School of Blockchain(アカデミー・スクール・オブ・ブロックチェーン)
の共同創業者であるJason King(ジェイソン・キング)氏。
さらに、分散型映画スタジオのDIONYSIA(ディオニシア)の創業者であるErik Sordsエリック・ソーズ氏も参加しており、強力なプロデューサー陣がCryptosの制作に関わっています。
ジェイソン・キング氏は、Cryptosのプロデューサーに参加を決めた経緯について「6カ月前に第1話の台本を読んで参加することを決め、ファーストシーズンのストーリーの構成を手伝っている。5月に撮影を開始できれば」と語っています。
現在が2019年5月のため、まさにこの瞬間にCryptosの撮影が行われているかもしれませんね。
将来的ににはNetflix(ネットフリックス)やAmazon Prime(アマゾンプライム)などでの配信も視野に入れているということなので、今後の動きや日本上陸のタイミングに注目です。
仮想通貨がテーマのドラマが増える可能性は
まだまだ数としては少ない仮想通貨をテーマとしたドラマですが、今後は増えていく可能性はあるのかについても見ていきます。
どのようなことが進んでいくと仮想通貨をテーマにしたドラマが増えるのか、仮想通貨の今後と合わせてチェックしていきましょう。
仮想通貨が世の中に普及する
まずはテーマとなる仮想通貨が、信頼できるものとして世の中に普及することが大切です。
まだまだ認知度は低いかもしれませんが、知っていたとしても「マウントゴックス事件」や「Coincheck不正送金事件」、「ビットコインの暴落」などがあったため、仮想通貨への視線は厳しいものがあります。
認知度だけが上がったとしても、信頼を取り戻さなければ世の中への浸透は難しいです。
しかし、人は良くも悪くも慣れていく生き物ですので、露出が増えて認知度が高まっていけば再び信用を取り戻す日も遠くはないでしょう。
世の中に広まったものは、ドラマの題材にされやすいので、そのような状態になってくると仮想通貨のドラマも制作されるはずです。
仮想通貨系の漫画のドラマ化
仮想通貨をテーマとした漫画が少しずつではありますが増えてきています。
仮想通貨について文章や図で説明するものは多いですが、専門用語も多く難しい印象があります。
しかし、漫画で解説しているものは、わかりやすくまとめられているため初心者でも入りやすいです。
かつて「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という本をテーマとした映画が放映されましたが、これに似た形で仮想通貨のドラマや映画の制作が行われても決して変ではありません。
ですが、ドラマも映画も見てもらわないことには成り立たないので、世間への仮想通貨の認知度のアップは欠かすことができません。
認知度のアップと漫画の普及が重なると、仮想通貨のドラマが出てくる可能性は十分にあるでしょう。
仮想通貨のドラマのまとめ
仮想通貨をテーマとしたドラマはまだまだ数が少なく、認知度の低いジャンルかもしれませんが、MR.ROBOTがゴールデン・グローブ賞で最優秀作品賞を受賞するなど話題になった実績があります。
また、新たなドラマCryptosの制作・撮影が始まっているなど、今後に期待できるものも動いています。
仮想通貨の技術や価格に注目が行きがちですが、こうした娯楽や映像作品の動きも投資を考える上では大切です。
世の中には映画投資という案件もあるくらいですからね。
仮想通貨を取り巻く様々な環境の動きをチェックしながら、今後の仮想通貨の普及を動きを追っていきましょう。