
インターネットの世界では、様々なツールやシステムが誕生しており、以前よりも快適にインターネットの利用やファイル転送などができるようになっています。
そんな状況の中、一時期高い注目を集めたファイル共有ソフト「winny」があります。
様々なメリットやリスクがあるwinnyですが、現在でも一部のユーザーの間で利用されている状況です。
このwinnyがどのようなソフトやツールになっているのかを解説しながら、過去に発生してしまったwinny事件についても紹介していきます。
winnyとは
winnyには様々な特徴がありますが、リスクも発生していることから以前と比べ利用する人がかなり減っています。
それでも、2019年11月時点でも利用している人が存在しており、魅力を実感している状況です。
中央サーバを必要としないP2P方式のファイル共有ソフト
winnyは中央サーバを必要としないP2P方式のファイル共有ソフトになります。
中央サーバが必要ないので、トラブルやアクシデントに強く、快適な通信を実現しやすいのが特徴です。
これによってwinnyを使用した人は、スムーズに特定のファイルを入手でき、様々な使い方を選択することができます。
どのようなファイルでも基本的にファイル共有できるので、目的のファイルを入手したいと考えている人が利用しています。
匿名性も強くなっているのが特徴
winnyはただファイル共有できるだけではなく、匿名性が強くなっているのも特徴になります。
通信を実施する際、厳重な暗号化がされているので他の人に解読される心配はほとんどありません。
安全にファイル共有を行えるだけではなく、通信も実施できるので今でも根強い人気を獲得しているファイル共有ソフトです。
導入がそこまで難しくないのもwinnyの魅力
同じようなファイル共有ソフトの場合、導入するのが難しくて初心者の人は特に挫折しやすいです。
しかしwinnyは導入がそこまで難しくなく、ポート開放などを上手く実施すれば、速やかに特定のファイルを入手できるようになっています。
上手くポート開放することができ、その他設定完了できれば、スピーディーなダウンロード速度を保ったまま、様々なファイルを入手できます。
人によっては、びっくりするほど多くのファイルを短時間で入手できるので、一時期大きな注目を集めました。
金子勇氏が作成したファイル共有ソフト
winnyは、茨城大学の大学院工学研究科情報工学専攻博士課程という学歴を持つ金子勇氏が作成したファイル共有ソフトです。
様々な職歴を持っており、様々な企業の技術責任者や大学の特別講師として働いた実績が残されています。
残念ながら2013年に心筋梗塞を発症してしまい、それが原因で42歳という若さで亡くなってしまいました。
ソフトやシステムなどの開発に優れており、優秀な人物として活躍していたのが金子勇氏です。
電子掲示板機能も搭載されているwinny
winnyはファイル共有及びダウンロードなどを簡単に実施できるだけではなく、電子掲示板機能も搭載されているファイル共有ソフトです。
わざわざ氏名を名乗る必要はなく、匿名で電子掲示板機能を使用できるので、他のユーザーと簡単にコミュニケーションを行えるのが特徴です。
これも一つの特徴になっており、winnyを支持する人がいる要因になります。
winny事件とは
winnyが発端で発生してしまったwinny事件は、多くの人が知っています。
そんなwinny事件は、利用者だけではなく、開発者の金子勇氏も逮捕された事件として有名です。
Winny事件(ウィニーじけん)とは、ファイル共有ソフト「Winny」に絡む著作権法違反(公衆送信権の侵害)を問われ無罪となった事件である。利用者だけではなく、アプリケーションソフトウェア開発者も、逮捕・起訴されたことで、情報産業従事者以外からも注目された裁判となった。
引用:Wikipedia
2003年に二人のユーザーがwinnyで逮捕
この時のwinnyは、多くの人が利用しており、これまで以上に活発的なファイル交換や共有が実施されていました。
そんな中、ある二人のユーザーが、たくさんの人にファイル交換やダウンロードできるように特定のゲームや映画の動画データをwinnyでアップしてしまいました。
これによって著作権法違反ということで、この二人のユーザーが逮捕されたのがきっかけになります。
以前はそこまで著作権が厳しくありませんでしたが、このwinny事件によって著作権法が厳しくなりました。
2004年5月に金子勇氏も逮捕
残念ながら二人のユーザーが逮捕される状況に発展したwinny事件は、これで終了するのではなく、開発した金子勇氏も逮捕されました。
逮捕理由としては、著作権侵害行為を幇助した共犯という理由になっており、様々な証拠品が警察に押収されています。
このように、ユーザーだけではなく開発者の逮捕されてしまった事件はかなり珍しく、当時注目されました。
2004年5月に逮捕されてから約7年ほど裁判が続き、最終的に金子勇氏は無罪を勝ち取っています。
winnyによる情報流出事件の多発
winnyを利用して入手したファイルからウイルスに感染し、大切なデータが漏えいしてしまう事件も2003年頃から多発しています。
感染したパソコンは、winny上で勝手に大切なデータが拡散されてしまい、大変な事件になりました。
悪質なウイルスの場合、デスクトップのスクリーンショットだけではなく、電子メールの保存データなども流出さるため、大変な状況を引き起こしました。
これもwinny情報流出事件の一つになっており、たくさんの人に注目されました。
winnyとブロックチェーンの関係性
人によっては、winnyと仮想通貨で使われているブロックチェーンが似ていると感じるかもしれません。
winnyは、ブロックチェーンの基盤技術になっているP2Pを使用しているので、似ているように感じやすいのです。
1台のサーヴァーが多数の端末に提供するサービスが主流だった2000年頃に、金子は「P2P(ピア・ツー・ピア:端末同士によるネットワーク)」を基礎におくWinnyを手がけた。
のちに仮想通貨の基となるブロックチェーン技術を生み出し、これからのIoT社会を支える基盤技術と目されているP2P──。金子には、まるで2020年頃までインターネットの未来が見通せたかのようだ。
ただし、winnyはファイル共有を目的にしているのに対し、仮想通貨などで使用されているブロックチェーンは購入や支払いなどが実施できるので、実際には用途が異なります。
winnyの現在
2000年代に高い注目度を獲得していたwinnyですが、2019年現在はそれほど注目されている存在ではありません。
その理由として様々な要因が発生しており、多くの人がwinnyを利用しなくなったことに関係しています。
ウイルス感染を恐れてwinnyを使わなくなった
winnyを使用することで、様々なファイルを速やかに入手することができます。
安全なファイルもたくさん共有されていますが、残念ながら危険性の高いファイルも共有されているのが実情です。
危険性の高いファイルをダウンロードして、解凍や閲覧をしてしまった場合、大切な情報が盗み取られる可能性が出てきます。
一度流出してしまった大切な情報は、二度と拡散を抑えることができません。
このように、ウイルス感染を恐れてwinnyを使わなくなった人が多く、全盛期と比べてユーザーがが減っているのです。
逮捕者が出ているので多くの人が敬遠
winnyを使用することで事件にまで発展してしまい、残念ながら逮捕されてしまった人もいます。
これまでwinnyを安全に使用していた人も、このような事件をきっかけに逮捕されるかもしれないと不安を感じることが増えました。
引き続きwinnyを使用することで逮捕される可能性もあると判断し、多くの人がwinnyを敬遠してしまったのです。
今も利用している人は少なからずいますが、いつ逮捕されるか分からない状況です。
著作権法が以前よりも厳しくなった
winnyが誕生した当初は、著作権法がそれほど厳しくありませんでした。
しかしwinny事件によって著作権法が以前よりも厳しくなり、ちょっとでも違反してしまうと逮捕される可能性が高くなったのです。
そのような状況の中でwinnyのようなファイル共有ソフトを使用するのは、あまりにもリスクがあります。
現在は、著作権違反にあたるデータやファイルをダウンロードした場合、それを知らなかったとしても罪を問われるように変わったのです。
このようなリスクがあることから、徐々にwinnyが敬遠され、使用する人が減少しました。
今もwinnyを使用している人が少なからず存在
ウイルス感染や著作権法違反などのリスクがあるにも関わらず、現在もwinnyを使用している人はたくさんいます。
現在もwinnyを使用している人は、ウイルス感染や著作権法違反などを承知の上で、実施している場合がほとんどです。
それでもwinnyを使用するのは、魅力的なファイルやデータを速やかに入手できることが関係しています。
それでもwinnyのユーザーは減っており共有されるファイルも激減しているので、winnyではなく別のファイル共有ソフトを選択している人もいます。
winnyのまとめ
ファイル共有ソフトであるwinnyは、様々なファイルやデータを速やかに入手することができます。
しかし、著作権のあるゲームや映画データなどをファイル共有したことが原因で「winny事件」と呼ばれる事件に発展しました。
winny事件によって、ユーザーだけではなく開発者の金子勇氏も逮捕されてしまい、一時期大きな問題になりました。
そんなwinnyとブロックチェーンは、P2Pの技術が使われているという共通点がありますが、それぞれ用途は異なります。
一時期は大きな注目を浴びたwinnyですが、現在は、ウイルス感染や著作権法違反などのリスクがあることから、多くのユーザーが敬遠し、使用する人が激減しています。
それでも、リスクを覚悟でwinnyを使用している人も少なからず存在しており、目的のファイルやデータを入手することに成功しています。