
仮想通貨にも利用されているブロックチェーンの技術は、新たなセキュリティーツールとしての活用や、送金スピードの向上などに大きく関係しています。
そのため、ブロックチェーンの技術を導入している企業は多く、世界的に各分野をリードしている大企業などが積極的にブロックチェーンの技術を導入しようとしています。
そこでこちらでは、ブロックチェーンの技術の導入企業について紹介していきます。
ブロックチェーンは情報の管理やより安全な取引をするこができるので、仮想通貨のプラットフォームだけではなく企業にとっての新たな事業のツールとしても注目を集めています。
ブロックチェーン技術を導入している企業10選
では早速、ブロックチェーン技術を導入している企業を見ていきましょう。
Amazon
「Amazon」は世界最大級の通販サイトで、インターネットでの買い物をした経験がある人ならば一度は利用したことがあるのでないでしょうか?
Amazonとブロックチェーンというとあまり関連性がないと思うかも知れませんが、実は「アマゾン・マネージド・ブロックチェーン(AMB)」というAmazon独自のブロックチェーンの技術を使ったサービスが存在しています。
このブロックチェーンの技術は「AWS」というAmazon内での様々な取引を分散型台帳に置き換えることで、より安全に取引できるようなシステムになっています。
Amazonは個人などでも商品を発送して売り上げを出すこともできるプラットフォームにもなっているため、管理するための人件費を掛けることなくAmazonのブロックチェーンの技術のみで安全に取引できるようになっています。
IBM
IBMは世界的にも有名なコンピューター関連製品メーカーの一つで、コンピューターにまつわる新たなサービスの構築なども得意としています。
IBMは2015年からすでにブロックチェーンの技術を導入して新たなサービスを展開していて、大きく分けると「国際貿易」「食の安全」「貿易金融」の3つの分野でブロックチェーンの技術を活かそうとしています。
「国際貿易」「食の安全」「貿易金融」がそれにあたり、ブロックチェーンを導入したことで関係者の情報共有や改ざんの難しさなどでより安全・安心に取引できるようにサービスを提供しています。
インターネット検索でお馴染みの「Google」でも「「Blockchain ETL(Extract、Transdorm、Load)」という、ブロックチェーンその物の情報を解析できるツールを開発したとリリースしています。
当初はビットコインとイーサリアムのブロックチェーンの情報のみでしたが、ダッシュコイン、ライトコイン、ジーキャッシュ、ビットコインキャッシュなどのブロックチェーンの情報も解析できるツールを開発したと発表しています。
また、先物取引などの分野で大きく期待されている「予想市場」というツールも、ブロックチェーンの技術を導入することによってより透明性のある取引ができると期待されています。
Intel
「Intel」は世界的な半導体メーカーとしても有名で、コンピューターのCPUやフラッシュメモリーなどを開発・製造しています。
ブロックチェーンはインターネット上での新しいネットワークでもあるため、コンピューターメーカーの「Intel」は主にブロックチェーンのインフラ整備のソフトウェアサービスに参入しようとしています。
また、オープンソースの「ハイパーレジャー・ファブリック」というIntel独自のブロックチェーンを開発していて、ブロックチェーン事業をより参入しやすいように各企業向けのプラットフォームを提供すると発表しています。
Microsoft
パソコン用OSのウィンドウズやマイクロソフト・オフィスを提供している「Microsoft」は、「Power Platform」というビジネス用のアプリケーションにブロックチェーンの技術を導入しています。
またAI(人工知能)も合わせて「Power Platform」に導入しようとしていて、ブロックチェーンとAIの両方の技術を組み合わせることによってより高度なブロックチェーンになることが大きく期待されています。
主にID管理での面でブロックチェーンの技術が活かせると考えることができ、それと合わせてAIによってよりフォーム作成やオブジェクト検出など企業にマッチしたアプリケーションに構築する事が出来ます。
JP Morgan
「JP Morgan」とは「JPMorgan Chase & Co (JPモーガン・チェース)」というアメリカにある銀行持株会社の子会社のことで投資銀行に位置付けられています。
その「JP Morgan」は独自のブロックチェーンを構築し、海外銀行への送金をより円滑にすることに成功しています。
そのブロックチェーンを「銀行間情報ネットワーク(IIN)」と呼び、そのネットワークに加盟する金融機関も順調に増えています。
その他にもスマートコントラクト・プラットフォームの「クオラム(Quorum)」の開発にも成功していて、仮想通貨を実践的に取り込んでいる金融機関として世界をリードしています。
Ripple
ここで言うRippleとは仮想通貨の“リップル”という意味ではなく、「リップル社」という意味のリップルで、主に金融機関の決済をより円滑にするためのソフトウェアを開発しています。
リップル社の独自のブロックチェーンは「XRP Ledger(XRPレジャー)」というものがあり、主に金融機関や法人向けのプラットフォームということになっています。
「XRP Ledger」の特徴は、リップル社が承認した少人数のValidator(バリデータ)と言われている人々によって新たな取引があるごとに台帳に記録されることです。
このシステムであれば本来のブロックチェーンの承認システムよりも、コストを掛けずに承認作業を行うことが可能となります。
Mastercard
「Mastercard」は世界的にも有名なクレジットカード会社で、24時間クレジット決済ができる国際ブランドの一つでもあります。
そのため、クレジットカードを複数枚保有している人であれば、「Mastercard」がクレジットカードの中に含まれていることも珍しくありません。
その国際ブランドの「Mastercard」もブロックチェーンの技術に積極的に参入していて、ブロックチェーン技術が導入されているアプリケーションを既に開発しています。
また、複数のブロックチェーンを一つのブロックチェーンに記録できる技術の特許も取得しています。
そのため、将来的に「Mastercard」はクレジットカードとブロックチェーンの技術を組み合わせた新たな決済手段を生み出す可能性が十分に考えられます。
Visa
Mastercardと同様に国際ブランドのクレジットカードの「Visa」も、ブロックチェーンの技術を導入しています。
主に「Visa B2B Connect」という企業間の取引においてのブロックチェーン・プラットフォームがあり、ダイレクトに企業間での取引を可能としていて海外取引の円滑化を図っています。
さらにスマホ決済アプリの「LINE Pay」を利用した「Visa」のクレジットカードの新規発行のファンティックサービスもブロックチェーンの技術が用いられています。
もともとのVisaカードの機能を「LINE Pay」に紐づけることで、ユーザーにとってはより決算しやすくなり、海外でも「LINE Pay」を使って買い物することが可能となります。
Walmart
「Walmart」とはアメリカにある世界最大級のスーパーマーケットチェーンで、売上金額では世界の数あるスーパーマーケットの中でもトップクラスの売り上げです。
その世界最大級のスーパーマーケットの「Walmart」もブロックチェーンの技術を導入していて、主にドローンを使った空輸便での情報管理システムに活用しようとしています。
ドローンを使えば各家庭に自動操作による空輸宅配を可能し、人件費や輸送費などを大幅にコストカットすることができます。
ブロックチェーンの情報にはドローンの識別番号・飛行ルート・高度・住所などを暗号化して保存し、複数のドローンがその情報を共有できるようなシステムになっています。
ブロックチェーン技術の将来性
ブロックチェーン技術は、今や仮想通貨だけのプラットフォームではなく、様々な分野において活用されています。
そのため、ブロックチェーン技術の将来性はかなり有効活用できるものと考えられます。
主に金融系のサービスや認証システムの管理などにも活用することができるとされていて、将来的にはより安全にお金やモノをやり取りできるとされています。
また、個人の情報や資産などもブロックチェーンを活用することでより安全に管理することができ、改ざんすることが出来ないよう高度な暗号化をすることができます。
まとめ
ブロックチェーン技術を導入している企業を紹介してきましたが、ブロックチェーンの技術を導入することによって企業にとっては様々なメリットがあります。
主に情報管理の安全性や相互性というもので、決算システムや様々なプラットフォームをブロックチェーンにすることで企業が持っている事業をさらに進化させることが出来ます。
また、各企業はブロックチェーンを活用した新たなシステムやプロトコルなどの特許出願を積極的に行っているという現状です。
そのため、ブロックチェーンは仮想通貨ばかりではなく、将来的にはさらに飛躍するものと考えていいでしょう。