仮想通貨におけるペイメントチャネルとは?知っておくメリット・仕組みまとめ

仮想通貨といえば、その中枢システムである「ブロックチェーン」の技術が広く知れ渡っています。

ブロックチェーンは決済に革新をもたらす技術であり、ビットコインなどの仮想通貨にこの技術が取り入れられています。

しかし、多くのメリットがあるブロックチェーンにも弱点があります。

それは「スケーラビリティ問題」と言われるものであり、取引量の増大によってブロックの容量が足りなくなり、結果的に送金スピードが遅くなるという問題です。

送金スピードが遅れることで、早く送金したい場合には取引手数料も高くなります。

これにより、仮想通貨のユーザーに大きな負担がかかる問題が発生します。

送金スピードの遅延や手数料の高騰により、仮想通貨に対する信頼性が損なわれる危険性もあります。

「ペイメントチャネル」は、このブロックチェーンの問題点を解決するための仕組みであり、有効な役割が期待されています。

ペイメントとはそもそも何?

ペイメントとはそもそも何?

ペイメントシステムは金融機関を通じて行われる

ペイメントとは「支払い」の意味です。

支払い決済制度のこと。現金による決済から手形,小切手,クレジット・カードなど支払い決済の手段にはさまざまなものがあり,さらに最近ではファーム・バンキングなど電子的手段を用いた決済手段も登場している。

引用:コトバンク

我々が生活を送るこの社会において、支払い決済には多くの種類があります。

現金のみならず、クレジットカードやデビットカードの決済、手形や小切手、電子決済など種類は多岐に渡っています。

このようなペイメントシステムは、金融機関を通じて行われます。

支払いの安全・効率的な実施にはシステムの信頼性が重要

既存の金融システムを利用し様々な決済を行うことで、日常生活の金銭のやり取りをスムーズにしています。

近年では電子決済が世界的な広がりを見せており、電子データをやり取りする仮想通貨が注目されている理由でもあります。

しかし言うまでもなく、支払いを安全かつ効率的に行うためには、システムの信頼性が非常に重要です。

管理者のいない仮想通貨は信頼性が確立されていない

銀行では第三者が管理を行うことで信頼性が担保されていますが、仮想通貨には管理者がいません

そのため手数料が安く効率的な送金も可能になりますが、一方で、特定の管理者がいないことに対する不安も存在します。

仮想通貨取引所がハッキング被害に遭うなどの状況も常に起こっており、信頼性においてまだ十分に確立されていない点が指摘されています。

ペイメントチャネルを知っておくメリット

ペイメントチャネルを知っておくメリット

ブロックチェーンの問題点を解決したペイメントチャネルは、仮想通貨の効率性を高める画期的な技術です。

ペイメントチャネルを知っておくメリットについて、ここでは3つのポイントを紹介します。

送金スピードが速くなる

ブロックチェーンでは、取引が発生すればそれを承認し、ブロックチェーンに書き込まれる作業が行われます。

これは一回ごとに行われるため、取引が複数回になればそれだけ時間もかかり、手数料も高くなります。

取引量が少ない状態であれば十分なブロックサイズを満たしており問題はありませんが、取引量が増大すればサイズが足りなくなることで障害が起こる可能性があります。

仮想通貨の取引量は、2017年の「仮想通貨バブル」と呼ばれる状況が象徴的に示している通り、過去に比べて飛躍的に増大しています。

取引量の増大は、取引決済の円滑化にブレーキをかける恐れがあります。

このようなリスクに対応できるのが、ペイメントチャネルの大きなメリットです。

ペイメントチャネルはブロックチェーンの外で行うオフチェーンの取引になります。

二者間の取引において、複数回の取引を行った場合は、最終段階でブロックチェーンに記録されます。

ブロックチェーンのように一回ごとに記録されるのではなく、その取引が終了した後にまとめた形でブロックチェーン上に記載される仕組みです。

承認と記録が一回ごとに行われるとそれだけ承認作業に手間を要しますが、ペイメントチャネルではこの手間が省けるため承認スピードが速くなるのです。

手数料の大幅削減が可能

一回ごとの承認が必要になれば、複数回の取引を行うことで、その都度手数料がかかることになります。

取引の量だけ手数料がかかれば、利用者にとって非効率であり、個人間で何度も取引を行う場合にコストが増大します。

しかし、ペイメントチャネルでは途中段階で取引は記録されず、最後にまとめて記録承認されます。

つまり、途中の取引においては手数料が不要になり、手数料が必要となるのは最後の一回だけです。

最終的にはブロックチェーンに記録されますが、その間の取引をブロックチェーンの外で行うことで時間と手数料の節約を可能にしています。

ペイメントチャネルは、何度も取引を行うことによる手数料の増大を防ぐことが可能になる仕組みなのです。

小口決済の活性化につながる

取引スピードの短縮や手数料の軽減は、小口決済を活発化するメリットもあります。

仮想通貨が一般的に利用されるためには、小口決済に対する利便性を向上させることは重要な意味を持ちます。

小口決済とは「マイクロペイメント」と呼ばれるもので、数円、数十円、数百円の少額での決済を可能にするシステムです。

ビットコインでも少額の支払いは可能ですが、手数料の高騰などで、必ずしも利用しやすいとは言えない現状です。

ビットコインの少額取引では手数料が高くなり、小口決済のユーザーには利用が向いていない面もあります。

しかし、ペイメントチャネルを利用すれば、オフチェーンでの取引になるため、度々決済を行ってもスピーディーで手数料もかさむことがありません。

それだけ取引がしやすくなるため、ユーザーは少額取引でも安心して利用することができます。

結果として、多くの人が少額取引を行うことでその促進にもつながっていきます。

個人間で活発に取引を行う上で、機能性を高めるペイメントチャネルには大きなメリットがあります。

ペイメントチャネルの仕組み

ペイメントチャネルの仕組み

ペイメントチャネルの基本的な仕組みは、個人間で複数回の仮想通貨送金を行った場合に、一度の取引としてまとめてブロックチェーンに記録することができる点です。

これを可能にしているのは「マルチシグ」と呼ばれる秘密鍵であり、マルチシグを用いることでオフチェーンでの取引実行が可能になります。

ブロックチェーンの仕組みは、取引が発生し、それを承認した後にブロックチェーンに記録が書き込まれます。

これで取引が成立という形になります。

一方、ペイメントチャネルは、複数回の取引後に最終的にブロックチェーンに記録されて取引が成立します。

途中での承認や記録の作業が省略される点がポイントです。

このためスムーズな取引を可能にする仕組みになっています。

ペイメントチャネルでできること

ペイメントチャネルでできること

ブロックチェーンの技術を採用した仮想通貨は、第三者としての国や企業の管理を受けることなく安全な取引が可能になる革新的な技術です。

これは元来、円滑な取引を可能にし、スピーディーで手数料を抑えた送金が可能になる点に大きなメリットがあります。

国際送金の分野においても、時間がかかる手間や、割高な手数料がユーザーの負担になっています。

このような問題を解決できるのが仮想通貨の持つ特徴です。

ペイメントチャネルは仮想通貨が持つ問題解決に有効

しかし、スケーラビリティ問題によって、送金スピードや手数料コストの増大などの大きな問題が発生しました。

この状態であれば、もちろん仮想通貨のメリット自体が失われることになり、仮想通貨の将来性に対して大きな危惧を持たれる要因になります。

ビットコインなどの仮想通貨が広がることによって、かえってスケーラビリティ問題がクローズアップされることになりました。

スケーラビリティ問題の解決方法として、ペイメントチャネルには大きな意義があるのです。

ペイメントチャネルは二者間取引で有効

ペイメントチャネルによって、送金スピードを早めることや手数料コストを削減することが可能になります。

ところが、ここで大きな問題が発生します。

ペイメントチャネルは二者間の取引において有効性を発揮しますが、複数の相手との取引になればさらにペイメントチャネルを増やす必要があり、手間がかかる点です。

ライトニングネットワークは多人数での取引が可能

その対策として「ライトニングネットワーク」という技術により、個人間だけではなく多人数が参加する取引にも対応可能になっています。

ペイメントチャネルが個人間取引であるのに対し、ライトニングネットワークは、ペイメントチャネルが張り巡らされた状態になっている点が特徴です。

つまり、ネットワーク化された状態になっているため、多人数同士での取引を可能にしています。

中継点を通じてペイメントチャネルにつながっていれば、どのような相手とでも取引が可能です。

ライトニングネットワークを利用することで、スケーラビリティ問題の解決や少額取引の促進に貢献する点がこの技術の特徴です。

ライトニングネットワークは中央集権化が起こる

但し、ライトニングネットワークにも懸念点があります。

ライトニングネットワークは中継ポイントを通じて行われるため、中央集権化が起こるという懸念です。

そもそも中央集権化は仮想通貨が本来持つ意義と逆行し、また中継点への資金集中が取引のスピードを妨げる懸念も指摘されています。

また、セキュリティ面でもハッキングが行われやすい環境であることも問題点として挙げられます。

ペイメントチャネルのまとめ

ペイメントチャネルは、ブロックチェーンの持つ問題点を補強する有効な仕組みです。

ブロックチェーンを経由することなく、オフチェーンで取引を行うことで、送金スピードや送金手数料を改善することに役立ちます。

個人間の取引はもちろんのこと、ライトニングネットワークによって複数間での取引も可能になり、様々な取引状況の効率化を図ることが可能です。

一方で、セキュリティ問題などの懸念点が指摘されることもありますが、懸念点を克服することでさらに改善がなされる期待ができます。

仮想通貨の効率的で安全な取引がいっそう確立されていけば、仮想通貨に対する一般的な信頼性も高まることが予想されます。

そのことは、仮想通貨市場の活性化と健全化に貢献し、今後の価格高騰や安定した市場の実現につながっていくものと考えられます。

参考: 金融・投資メディアHEDGE GUIDE.

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