
仮想通貨というと、ビットコインやイーサリアムなど主要な仮想通貨をイメージしがちですが、世界には数多くの種類が存在します。
そんな数多くの仮想通貨の中に、今回紹介するMINE(マイン)があります。
このMINE(マイン)は日本に深くかかわっている、極論を言うと日本発と言っても過言ではない仮想通貨です。
しかしこの仮想通貨は現在様々な情報が飛び交っている話題の多い仮想通貨でもあります。
この記事では、MINE(マイン)の特徴だけでなく、関わりのある吉田氏についての紹介や懸念点、そして評判や最新情報など詳しく紹介していきます。
仮想通貨MINE(マイン)のwiki的基本情報
仮想通貨名 | MINE(マイン) |
トークン名 | mine |
公開月 | 2018年 |
開発チーム | ETHPool Technology Labo Inc |
発行上限 | 2,500,000,000 |
発行枚数 | - |
トークン規格 | ERC-20 |
公式HP | https://mine-coin.net/jp.html |
ホワイトペーパー | MINEのホワイトペーパー(日本語) |
@MINE___2018 | |
@minetoken.official | |
- | |
TelegramID | MINE |
YouTube | mine official |
仮想通貨MINE(マイン)とは
仮想通貨MINE(マイン)は、世界に無数に存在する小規模な仮想通貨である草コインの一つです。
しかしその理念は非常に高く、数多くある仮想通貨が目的とする「簡単な決済の代替的な役割」よりもはるかに大きな目的を持ってます。
MINE(マイン)は、誰でも簡単に暗号資産支払い(暗号資産とは仮想通貨のこと)をできる仕組みとマイニングファームの展開で暗号資産がが広く利用される世界を構築する大きな経済圏を作ることを目指しています。
つまり、MINE(マイン)は世界経済の様々な通貨決済の代わりとなり、世界経済に新しい物の売買を行う分野を作ろうとしているのがMINEなのです。
しかし、MINE(マイン)は多くの人を巻き込む様々な懸念点を持つ仮想通貨でもあります。
懸念点については後述しますが、ただの小規模仮想通貨というくくりでは収まらない仮想通貨が、今回紹介するMINEなのです。
仮想通貨MINE(マイン)の特徴

出典:MINE
仮想通貨MINEの特徴は4つあります。
- マイニングファーム
- MINEウォレット
- MINEデビットカード
- MoT(マイニングオブシングス)
それぞれの特徴を見ていきましょう。
マイニングファーム
マイニングファームとは、MINEの運営する仮想通貨の巨大なマイニング施設です。
この施設は中国の新疆ウイグル自治区や内モンゴル自治区にあり、中国政府の許可の元非常に広大な敷地にマイニングマシン(マイニングを行うコンピューター)を多数設置してイーサリアムのマイニングを行い、その報酬によってMINE自体の運営費を稼ごうという目的を持っています。
しかし、日本企業の多くが「採算が合わない」という判断によりマイニング事業から撤退しているため、収益面にやや不安を残しています。
MINEウォレット
MINEウォレットは、マイニングファームで採掘されたイーサリアムの配当を投資した金額に比例して入金してもらえるウォレットです。
現実社会の様々な資産運用をはるかに超える24%の利回りを目論んでおり、その金額相当分のMINEがこのMINEウォレットに入金されていくという仕組みです。
ちなみにMINEウォレットは、ハードウォレット(様々な装置を使ったウォレット)の形態をとっています。
MINEデビットカード
MINEデビットカードは、MINEが発行するデビットカード(クレジットカードとは異なり、口座から即時に引き落とされるカード)です。
クレジットカードのVISAを利用する予定となっており、VISAの加盟店であればMINEを含むビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨の口座から代金が引き落とされるという仕組みになるというのが特徴です。
MINEだけでは仮想通貨決済としてはやや弱いところがありますが、ビットコインなどの流通量の多い仮想通貨の引き落としにも対応しているという点と、従来の現実の通貨しか使えない店舗であっても仮想通貨が使えるという点で、非常に魅力的なデビットカードになり得る可能性を秘めています。
ただし、決済のたびに手数料が5%かかります。
5%の手数料のうち、1.5%(3割)はトランザクションフィー(マイニングしている人への報酬)、残りの3.5%(7割)は後日MINE(マイン)の形で利用者に還元される仕組みとなる予定です。
MoT(マイニングオブシングス)
最後の特徴がMoT(マイニングオブシングス)です。
MoT(マイニングオブシングス)は、クレジットカードやQRコード決済のポイント還元のようなシステムです。
先ほどお話ししたMINEウォレットの一つ、MoTハードウェアウォレットで支払いを行うと、支払いのたびにMINEが加算され、更に持っているだけでもMINEが加算されていうという仕組みになっています。
また、ただで手に入れたMINEで決済を行ってもMINEが加算されるという魅力的なポイントもあります。
例えば、TポイントカードのTポイントを使って買い物をしても、その買い物でさらにTポイントがたまるという仕組みということです。
この4つの仕組みを達成するために仮想通貨のMINEに投資してほしいというのがMINEの主張でもあり、計画書とも言えるホワイトペーパーに記載されている計画です。
仮想通貨MINE(マイン)の吉田氏とは
MINEのプロジェクトには吉田氏が関わっています。
この吉田氏の本名は定かではありませんが、吉田慎也と名乗っています。
この吉田氏は、MINEの案件を日本に紹介した人物であると自称し活動していました。
また日本で初めてクラウドを利用したマイニングサービスを展開し、多くのクライアントに有望な仮想通貨のICO案件を紹介していた人物でもあります。
ここまでは仮想通貨の有力な人物と言えるのですが、実は「佐藤ひろひで」という元ネオヒルズ族の一人が経営している会社の社員であり、広告塔のような存在であるという可能性が高いとされています。
そのため、この吉田氏が様々な仮想通貨を紹介する役割を担っており、多くの人間に仮想通貨の立ち上げのための投資を募りお金を集めていた可能性があります。
このような役割であることから、一度でも立ち上げに失敗したりトラブルが起こった場合は、非常に危険な立場に立たされるため、仮名である可能性も否定できないのです。
仮想通貨MINE(マイン)に対する懸念点
MINEに対する懸念点は大きく3つあります。
- マイニングファームの収益
- MINEデビットカードの認可や運営
- そもそも仮想通貨として立ち上げられるのかという懸念
マイニングファームの収益
マイニングファームの収益は、すでに採算が取れていない状況です。
マイニングには、大量の電力と高額なマイニングマシンの購入やリースに膨大な費用がかかります。
そのため、マイニング(特にMINEが手掛けようとしているイーサリアムのマイニング)からは、多くの日本企業が撤退しており、残った海外の企業も収益を上げられずに苦しんでいるという状態なのです。
そういった分野でMINEの運営資金を入手し、配当まで行うのは困難ではないかという懸念があります。
MINEデビットカードの認可や運営
MINEデビットカードにも懸念があります。
法定通貨の場合は、銀行の口座から引き落としを行うというのがデビットカードの特徴であり一般的な仕組みとなっています。
法定通貨であれば通貨を選択する必要がないため迅速な決済が可能ですが、様々な仮想通貨から使用する通貨を選択しデビットカードで引き落とすというのは送金などのスピードで問題が発生する可能性があります。
それに加えて、こういったカードを運営するには銀行としての営業許可がないと作ることはできません。
MINEのアナウンスとしては「海外の銀行と提携して行う」ということですが、非常に小規模な銀行であること、しかも仮想通貨を引き落とすという初めての試みにVISAが動くかということ、この技術面、認可、そしてVISAがきちんと対応してくれるか、このこれらの懸念が合わさり二つ目の大きな懸念点として挙げられているのです。
仮想通貨として立ち上げられるのかという懸念
最後の懸念点は、MINEの特徴のうち2つがすでに現実的でないことから、そもそも仮想通貨として立ち上げがうまくいかないという懸念です。
収益の柱の一つであるマイニングもかなり採算が合わない可能性がありマイニングファーム自体をそもそも建設できないということ、さらに決済手段の決定打とも言うべきMINEデビットカードが実際に発行される可能性が低いという懸念があります。
これらの二つの特徴を除いたMINEに十分な配当ができるか不明であるだけでなく、残った特徴だけでは多くの企業が手掛けるポイントサービス(nanacoやWAON、ポンタなど)とあまり変わりがない上、使える場所が限られるという点で、立ち上げ自体懸念されているのです。
このように収益面や運用面で大きな懸念点を抱えているMINE(マイン)は、最大の懸念点である仮想通貨として立ち上げを行うことができるのかという点に帰結してしまいます。
仮想通貨MINE(マイン)の評判・口コミ
仮想通貨MINEの評判・口コミについても紹介していきます。
何とか形にしてMINE(マイン)の配布を開始したという評判で、本当に立ち上げられるのか不安をうかがわせるツイートです。
まずはトークンを購入者の方へ配布すること、アプリの審査を通過させることを優先してα版をリリースすることになりました。とかかれたならこれって完成したのですかね?#MINEコイン pic.twitter.com/4gi2KPdwqd
— JJJJ (@36089044HHH) 2018年9月29日
日本で大々的なプロモーションを行うかもしれないというツイートです。実際は行われず、立ち上げとなる仮想通貨取引所への上場もされませんでした。
完全縁故枠です!
もう購入できないコインです!
「Mineコイン」
僕と他の方からでしか買えません!11月上場が決まってます!
10月に渋谷の広告塔をジャックし大宣伝を行います(^-^)#mineコイン#完全縁故枠#購入不可#暗号通貨#仮想通貨#朝日新聞掲載済#渋谷#広告ジャック— ICO案件/資産構築@優良 (@ICO24035671) 2018年5月23日
トークンを購入しても購入額の1/3しか購入できなかった(代金は本来の分取られた)という詐欺に遭ったような評判です。
MINEトークン購入したんですが、0.33bit送ったのに0.11bitで確認メールが届きました(T-T)
問い合わせたのですが、返信がくるか心配です。
返金もしくはちゃんと付与されるのでしょうか。#MINE #MINEトークン #MINEコイン— エリック@NOAHCREW (@flat_currency) 2018年3月20日
全体的に芳しいものはなく、そもそも仮想通貨として機能していないような印象さえ受けます。
仮想通貨MINE(マイン)の最新情報
MINE(マイン)は、20018年9月付でトークンを購入者へ配布したようです。
ただ、2019年6月付けの有志のTwitterによると、仮想通貨MINEの公式テレグラム(LINEやFacebook、カカオトークのようなインスタントメッセージシステム)の活動が5ヶ月以上ないことから公式アナウンスは停止しており、このままいくと6月末に消滅する予定です。
つまり仮想通貨の立ち上げ自体がとん挫しかかっています。
公式ウォレットも2019年3月からメンテナンス(3月中に再開予定)が続いており、6月現在使用できません。
ユーザーから運営への問い合わせは3月は返答があったものの現在は返答がないようです。
このことから、仮想通貨としての立ち上げはおろか3月付で運営自体が停止している可能性が高く、計画自体無くなってしまうような印象です。
そしてこの仮想通貨MINEの吉田氏に対しては、出資者たちが集団訴訟を起こそうという動きがあり、最新情報としてはネガティブなものばかりが目立っています。
仮想通貨MINE(マイン)の将来性

出典:MINE
仮想通貨MINEの将来性は一言でいうと暗いと言えます。
マイニングファームもマイニングマシンの寿命が3年ということから、今年でそろそろ寿命を迎えるものの収益を上げていません。
運営自体も停止している状態です。
また、決済のためのデビットカードも発行予定から大幅に遅れており、それに関するアナウンスも一切ありません。
多くの仮想通貨は、何かしらの明るい話題があり、例えば仮想通貨の取引所に上場していれば周囲の相場に合わせて多少の値動きによる差益も期待できますが、そもそも公開すらされていない仮想通貨MINEはそれすらも期待できない状況です。
日本と大きなかかわりを持った仮想通貨ですが、将来性はほぼ絶望的と言わざるを得ません。
仮想通貨MINE(マイン)のまとめ
仮想通貨MINE(マイン)は、決済としての仮想通貨から新たな経済圏を作る目的で立ち上げられました。
四つの特徴は実現できれば素晴らしいものではありましたが、現実的に収益面などで大きな問題を抱え、現在は公式アナウンスも5ヶ月以上停止され、問い合わせに関しても2019年の3月をもって返答がありません。
このようにネガティブな話題の多い仮想通貨ですが、何とかカムバックし出資した方を救ってほしいと願うばかりです。