
R3コンソーシアムには、日本の大手金融機関であるSBIグループや、みずほ銀行が参加している事から度々話題として取り上げられています。
そして、R3コンソーシアムと同様に、リップル社との関係についても紹介致します。
R3コンソーシアムとは
R3コンソーシアムとは、アメリカにあるR3社が世界中の金融機関の為に、ブロックチェーン技術を活用して、コスト削減システムを作る団体の事です。
R3とコンソーシアムが混合していますので、もっと分かりやすく紹介します。
R3とは
R3とは、R3社のことです。
R3社は、アメリカにある企業(R3 HOLDCO LLC)で、2014年にDavid Rutterによって2014年に設立された会社です。
そして、CORDAブロックチェーン=分散台帳技術(DLT)を開発している企業です。
以下は、R3社の公式Twitterです。
Make sure to secure your spot for #CordaCon2018! We have a full 2 days starting with #DevDay on 12 September and #BizDay on 13 September. There are 30 external speakers and over 230 registered companies attending already- don't miss out https://t.co/nDgn7MiGQi #corda #blockchain pic.twitter.com/0lreXMsF3X
— R3 (@inside_r3) 2018年8月15日
そして、R3社の紹介動画がこちら⬇︎【日本語訳字幕あり】
コンソーシアムとは?
コンソーシアムとは、互いに力を合わせて目的に達しようとする組織や人の集団の事です。
要するに、R3コンソーシアムとは、R3社が開発する【Cordaブロックチェーン】に協力して、皆で達成しようとする事です。
R3コンソーシアムの目的
R3社コンソーシアムの目的は、世界中の銀行を巻き込み、銀行間送金やデータ管理のコスト削減や時間短縮を実現させる目的を持っています。
つまり、国際送金関係のコストを下げ、もっと活用しやすくしようということです。
R3コンソーシアムの参加金融機関
R3コンソーシアムの参加金融機関は、現在200以上の金融機関が参加しています。
日本からは、次の大手金融機関が参加しています。
- 三菱UFJファイナンシャル・グループ
- みずほ銀行
- 野村証券
- 三井住友銀行
- SBIホールディングス
- トヨタファイナンシャルグループ
以上が現在(2018年8月27日)に参加している日本の金融機関です。
そして、世界中の参加金融機関は以下の表の通りです。
※黄色は日本の金融機関・赤色は脱退した金融機関です。
2015年9月15日 | ||
バークレイズ | ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行 |
オーストラリア・コモンウェルス銀行 |
クレディ・スイス | ゴールドマン・サックス |
JPモルガン |
ロイヤルバンク・オブ・スコットランド |
ステート・ストリート | UBS |
2015年9月29日 | ||
バンカメ |
バンク・オブ・ニューヨーク・メロン |
シティグループ |
コメルツ銀行 | ドイツ銀行 | HSBC |
三菱UFJフィナンシャル・グループ | モルガン・スタンレー | ナショナルオーストラリア銀行 |
カナダロイヤル銀行 |
SKF | ソシエテ・ジェネラル |
トロント・ドミニオン銀行 | ||
2015年10月28日 | ||
みずほ銀行 | ノルデア銀行 | ウニクレディト |
2015年11月19日 | ||
パリバ | ウェルズ | ファーゴ |
INGグループ | マッコーリー銀行 | CIBC |
2015年12月17日 | ||
モントリオール銀行 | ダンスケ銀行 |
インテーザ・サンパオロ |
ナティクシス | 野村証券 | ノーザン・トラスト |
OP Financial Group |
サンタンデール銀行 | スコシアバンク |
三井住友銀行 | U.S. Bancorp | ウエストパック銀行 |
2016年3月14日 | ||
SBIホールディングス | ||
2016年4月25日 |
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Hana Financial Group |
Itaú Unibanco | |
2016年6月23日 |
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トヨタファイナンシャルサービス |
||
その他の企業は随時追加していきます。 |
表からもわかる通り、参加している金融機関は、大手金融機関ばかりです。
続いて、R3コンソーシアムの主な出来事について見ていきましょう。
R3コンソーシアムとR3社の主な出来事
R3コンソーシアムとR3社には、日本のSBIホールディングスと、リップル社が大きく関係しています。
まずは、これまでのR3コンソーシアムと、R3社の主な出来事について見ていきましょう。
年月日 | R3コンソーシアムとR3社の主な出来事 |
2016年8月 | R3コンソーシアムが「CODRA」の特許を申請 |
2016年11月 | ゴールドマンサックス・サンタンデール銀行・モーガンスタンリーの3社がR3コンソーシアムから脱退 |
2017年2月 | R3コンソーシアムが国際送金におけるブロックチェーン研究の失敗を発表 |
2017年5月 | SBIホールディングスが、R3社へ出資を行い、グループとしてR3社の外部筆頭株主となる ※この時、R3コンソーシアムは170億円の資金調達に成功 |
2017年6月 | R3コンソーシアムに参加する日本の金融機関が、【Corda】を使用して開発されたブロックチェーンプロトタイプのテストの成功を発表 |
2017年9月 | R3社がリップル社を提訴する |
2018年4月 | SBIホールディングスの完全子会社であるSBI Bank(ロシア)が参加。 ※SBI Bankは、Cordaを活用し、ロシアで新しい革新的な金融サービスを導入することを目的としています。 |
2018年4月 | リップル社がR3社に勝訴する |
2018年7月 | R3社が【CORDAブロックチェーン】の新バージョンを発表 |
表からも分かる通り、注目すべき点は以下の2つです。
- 2017年5月:SBIホールディングスがR3社の筆頭株主となる
- 2017年9月:R3社がリップル社を提訴
以上の出来事がきっかけで、SBIホールディングスの株価及び、リップルの価格が大きく値上がりしました。
では、1つ1つ具体的に紹介します。
SBIホールディングスがR3社の筆頭株主となる
R3コンソーシアムに参加していたSBIホールディングスは、R3社のCordaブロックチェーンの確率に向けた世界規模で広める為に、筆頭株主となっています。
以下は、SBIホールディングスが公式サイトにて発表している記事です。
このたびの出資によりSBIグループはR3社の外部筆頭株主となります。
R3社はブロックチェーン関連技術(分散台帳技術/DLT:Distributed Ledger Technology)に強みを持つ米国のスタートアップ企業で、金融業界におけるグローバルスタンダードの分散台帳技術プラットフォーム確立に向けたプロジェクトを世界規模で進めております。R3社が主導するコンソーシアムには現在世界各国の有力な金融機関等80社以上が参加しており(2017年5月23日現在)、コンソーシアムに参加する金融機関において、分散台帳技術の実証実験を進めるなど、同技術の金融サービスへの活用を推進しております。
SBIホールディングスは2016年3月に発表しているとおり、インターネットをメインチャネルとする金融グループとして、世界で初めてR3社が主導するコンソーシアムに参加し、分散台帳技術に関する情報収集および分散台帳技術プラットフォームの研究を進めてまいりました。このたびの出資を機に、分散台帳技術の活用に向けたR3社との連携を一層強化してまいります。
引用:SBIホールディングス公式サイト:米国のFinTech企業R3アールスリーHOLDCOホルコLLCへの出資に関するお知らせ
R3社がリップル社を提訴
R3社とリップル社は元々パートナーシップを結び、世界中の金融機関を繋げようと取り組んでいました。
- 銀行間の契約やメールのやり取りには、R3社のCORDAブロックチェーンを使用
- 国際送金には、リップル社のILPとXRPを使用
要するに、2社が協力する事で、銀行間送金やデータ管理のコスト削減、時間短縮を実現させる目的を達成しようとしていました。
しかし、パートナーシップが上手く行かずに、R3社がリップル社を提訴する事になります。
R3社がリップル社に対して出した提訴内容は?
提訴内容は、R3社が2019年末までに50億円のXPRを0.0085ドル(約0.5円)で購入するという契約に、リップルが違反したとして、提訴しています。
R3社が提訴した内容に対して、リップル社は、R3社が契約内容を最後まで履行しなかったとして、支払い義務を否定しました。
【両社が裁判所に出した告訴状】
両社の告訴状は英語表記ですので、まとめると次のことになります。
- 2016年9月26日に、R3社とリップル社は、50億XPRを0.0085(約0.5円)で売却するオプション契約を結ぶ
- R3へのXRP売却のオプション契約は、2016年9月26日〜2019年9月26日の間、いつでも権利行使が可能とする
要するに、リップル社がR3社と結んだオプション契約にリップル社が違反として、R3社が提訴することになりました。
リップル社がR3社は和解
下記は両社のTwitterからの告訴についてのツイートです。
リップル社側のツイート
Breaking news! https://t.co/tK0tHPjQ6Z
— Ripple (@Ripple) 2017年10月13日
以上のリップル社のツイートに対して、R3社は同日に次の事をツイートしています。⬇︎
(1/2) Re:@bgarlinghouse misleading tweet on R3 vs Ripple case. Delaware simply ruled it wasn’t within their jurisdiction. Nothing on merits.
— R3 (@inside_r3) 2017年10月13日
以上のツイートを発表しています。
その後2018年3月にニューヨークの裁判所で、訴訟合戦の最終決定が行われることになりました。
その後、両者は和解をしています。
両社のトップに問題解決を迫ったことが、効果的だったかはわからないが、両者が和解できたことはおおいに結構なことだ。
三井住友銀行が「マルコ・ポーロ」実証実験完了を報告
日本三大メガバンクの一角を占める三井住友銀行は2月18日、ブロックチェーン技術を利用した貿易金融プラットフォーム「Marco Polo(以後 マルコ・ポーロ)」の実証実験を完了したことを報告しました。

出典:SMBC
三井住友銀行は世界の主要銀行15行で構成されているコンソーシアムに、邦銀として唯一参加しており、今回行われた実証実験も同コンソーシアムにて実施されたものです。
マルコ・ポーロプロジェクトに参加している企業13社は以下の通りです。
- SMBC(三井住友銀行)
- ING
- Commerzbank
- BNP Paribas
- Anglo-Gulf Trade Bank
- NatWest
- Natixis
- Bangkok Bank
- Standard Chartered Bank
- OP Group
- DNB
- Danske Bank
- LBBW
マルコ・ポーロとは?
マルコ・ポーロは、アメリカのブロックチェーン企業であるR3社が開発した「Corda」というブロックチェーン技術を利用した貿易金融ネットワークです。
以下マルコ・ポーロの機能が分かりやすい動画ですのでご覧下さい。(時間:3分55秒)
2017年にリリースされたマルコ・ポーロは、世界の主要銀行などの「一流の金融機関」に分類される企業が協力し、
専門的知識を集合的に活用することで共同開発されたもので、「銀行とそのクライアント企業間の貿易金融ソリューション」として注目されていました。
マルコ・ポーロの利点としては以下4つがあげられます。
- スタンダードと相互運用性の排除により、干渉されない分離された取引システムを実現
- 外部から乖離され、サイロ化された取引システム
- 重要なデータに対する、トレードパーティからの可視性がほとんどない
- レガシーソリューションとの低速で柔軟性のない高価なクライアント統合
マルコ・ポーロネットワークには、上記のメリットに惹かれた世界中の一流企業が参加しており、会員数はすでに170社を超えています。(2019年2月時点)
R3社はアメリカのブロックチェーン企業で、Cordaブロックチェーンを開発している企業です。
Cordaとは第3のブロックチェーンといわれている技術で、「金融に特化している」点や「プライベート型でプライバシーを確保している」点などが特徴として挙げられます。
詳しくは以下の記事でわかりやすく解説しています。
R3コンソーシアムのまとめ
R3コンソーシアムは、R3社の事を知る必要があることをお伝えしました。
そして、R3コンソーシアムには、リップルが非常に関わっている事を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
現在、仮想通貨の主体となるであろうとされているリップルですが、R3コンソーシアムの動きもリップルの価格に影響が出てくることから、注目すべき事ですね。