
仮想通貨には様々な機能を持ったユーティリティトークンと呼ばれるものがあります。
ただ単に決済を行うというだけでなく、自身のブロックチェーンを使ってアプリを動かしたり、プラットフォームを作り出すことができるものなど、多彩な種類が存在しているのです。
今回紹介するQuarkChain(QKC / クオークチェーン)もそういったユーティリティトークンの一つで、上場直後に価格が10倍に高騰したことも話題となっている注目の仮想通貨になります。
このQuarkChainについて、その特徴や懸念点、評判などをまとめました。
この記事を読めばきっと、トランザクション問題に取り組む仮想通貨であるQuarkChainをより深く知る機会になるのではないでしょうか。
QuarkChain(クウォークチェーン)のwiki的基本情報
仮想通貨名 | QuarkChain(クウォークチェーン) |
トークン名 | QKC |
公開月 | 2018年 |
発行上限 | 10,000,000,000 QKC |
発行枚数 | 5,726,747,032 QKC |
公式HP | https://quarkchain.io/ |
ホワイトペーパー | - |
@Quark_Chain | |
quarkchainofficial | |
r/quarkchainio | |
TelegramID | QuarkChain Community |
YouTube | QuarkChain |
QuarkChain(クウォークチェーン)とは
QuarkChainとは実用性を追求した仮想通貨です。
世界的な商業標準を満たすことを目的とした革新的な非許可型ブロックチェーンと言えるもので、ビットコインやイーサリアムの処理能力の低さに注目し、これを解決することを目指しています。
その処理能力とは、クレジットカード大手のVISAが約4,000トランザクション/秒という速度で世界中の決済を処理しているのに対し、Bitcoinは約7トランザクション/秒、Ethereumは約15トランザクション/秒というかなり低速な処理能力です。
これは仮想通貨が普及するにつれて顕在化する問題であり、多くの仮想通貨がこの処理能力の問題、スケーラビリティ問題を抱えています。
QuarkChainはこの問題に真っ向から取り組み、計画では安全・分散型・スケーラブル・ブロックチェーンソリューションを提供することによって、実に数百万トランザクション/秒という非常に高速な処理能力を達成しようとしているプロジェクトとトークンなのです。
また、イーサリアムのスマートコントラクトを完全にサポートしているため、開発者目線で見ても参入しやすいというメリットも持っています。
このQuarkChainは、非常に高速な処理能力を持って仮想通貨の世界に挑戦しているのです。
開発の中心人物は元Facebook従業員およびGoogle社員で、高性能システムおよび大規模分散システムのエキスパートかつジョージア工科大学の博士号を持っているQi Zhou氏で、主にアジア系の人材によって構成されているチームによって開発が進められています。
QuarkChain(クウォークチェーン)の特徴

出典:QuarkChain
QuarkChainの特徴は5つあります。
- 高速の処理能力
- シャーディングによるブロックチェーンの分散
- 報酬
- DAppsプラットフォーム
- ライトニングネットワーク
高速の処理能力
QuarkChainは、冒頭でもお話しした通り、世界中でクレジットカードの決済処理を行っているVISAのシステムの実に数千倍もの高速な処理能力を目指してるという特徴があります。
QuarkChainの高速な処理能力が実現すれば、全世界の現在の法定通貨の決済を全て処理できると言っても過言ではないほど強力な決済システムが誕生すると言えます。
ただ、現状は開発段階のためそこまでのスピードは出せていませんが、すでに他のプロジェクトでは数万トランザクション/秒を記録する仮想通貨も出ているので、実現は夢ではありません。
シャーディングによるブロックチェーンの分散
シャーディングは、ネットワークに参加する人を分けて割り当てられたトランザクション(取引)だけを検証するという仕組みで、これにより仕事量が減少します。
この分けて割り当てるというのは、通常一つの仮想通貨に一つのブロックチェーンのところ、QuarkChainは複数のサイドチェーンを作り、それらをシャーディングによって分散したネットワークの参加者(ノード)ごとに振り分けてそれぞれで処理させることで処理の負担の軽減を狙うという特徴です。
これにより先ほどの数百万トランザクション/秒という高速な処理も可能とします。
報酬
報酬も特徴です。
ビットコインでは処理を行った場合にのみ、他のアルトコインでは取引や様々な場面で協力を行った場合のみ、報酬という形でその仮想通貨が与えられます。
しかし、QuarkChainは全てのシャードに報酬ができるように作られており、マイナーがブロックの買い手、ネットワークを利用する人を売り手と見立てて処理を行うため、利用さえすれば誰しもが報酬を得る権利を与えられるのです。
DAppsプラットフォーム
DAppsのプラットフォームであるというのも特徴です。
イーサリアム互換の環境で、QuarkChain上にブロックチェーンを利用した様々なアプリを作り出すことが可能です。
これにより、QuarkChainのブロックチェーンで様々なアプリを動かすことができ、高速な処理を可能とするQuarkChainの能力を生かして、決済以外にも様々なアプリでの利用を実現しようとしているのも特徴となっています。
ライトニングネットワーク
ライトニングネットワークは、直接つながっていないユーザーとも取引ができる仕組みのことで、QuarkChainの特徴です。
これは第3者を介してペイメントチャネルさえつながっていれば、直接つながっていなくとも直接つながっているのと同様の処理を行うことができる仕組みです。
これらの特徴を持って仮想通貨の世界で独自色を出そうとしているのがQuarkChainと言えます。
QuarkChain(クウォークチェーン)の懸念点
QuarkChainの懸念点は3つあります。
- 価格の下落
- 類似のプロジェクト
- 知名度の低さ
価格の下落
QuarkChainは、上場直後に元の値段の10倍という急騰を記録したことで当初大きな期待を寄せられました。
しかし、2019年11月現在その価値は非常に低迷しており、紙屑のような状態です。
端的に言うとICO割れを起こしたままプロジェクトが進行しており、見方によってはお買い得な銘柄と言えるかもしれませんが、信用が得られていない状況で開発を行うのはかなりの障壁と言えます。
そのためこういった理由で実現できない可能性があるというのが懸念されます。
類似のプロジェクト
類似のプロジェクトが多いというのも事実です。
スケーラビリティ問題の解決、高速なトランザクション処理、分散されたブロックチェーンこれらのキーワードで開発が進められている仮想通貨は非常に多く、それらの中から差別化を図るのは大変なことと言えます。
幸い数百万トランザクション/秒という速度は未だにどこのプロジェクトも実現していませんが、QuarkChain自身もまだ実現していないというのが現実的な所なのです。
しかも類似のプロジェクトは政府や自治体と提携し始めたところもあり、QuarkChainは後れを取っているのも懸念すべき点と言えます。
知名度の低さ
知名度の低さもQuarkChainの弱点です。
多くの都市でCEOがPRを行っていますが、いまだに知名度は低く、他のプロジェクトが先ほどのように政府や自治体と提携しているニュースを鑑みると、かなりの問題点として挙げられます。
QuarkChain(クウォークチェーン)の評判(口コミ)
QuarkChainの評判について、Twitter上の気になるツイートを3つまとめました。
気持ちいい~#QKC #QuarkChain pic.twitter.com/autF0rWV0M
— サンジ (@xohsxijxorx) 2019年7月1日
価格が急騰していることを喜んでいます。
$QKC #QuarkChain ICO割って入ったのですが、安定のいつものパターン
ある意味抜け易くて安全なんだけど、心底つまらない銘柄かな。応援してる方には申し訳ないけど、ホントのサヨウナラ😢
戻れるくらい良い動きがあれば良いんだけど。
— Kuma (@2020Coin) 2019年8月7日
価格が下落しているので失望している発言も見られます。
#QuarkChain #QKC #SFBW #Blockchain
how will you manage deflation in the market when every month there will be more and more tokens? https://t.co/Og4P1Xzr22— Louvy Bomb (@BombLouvy) 2019年11月3日
デフレ状態になった時の管理を懸念しています。
全体的に期待の大きい意見と失望したという意見が分かれています。
更に問題もいくつか抱えているQuarkChainはどのように解決するのかと言った懸念を表明する意見もありました。
このようにポジティブな意見を発信しているとは言えないというのが、QuarkChainの評判と言えます。
QuarkChain(クウォークチェーン)の将来性

出典:QuarkChain
QuarkChainの将来性は、人類にとって未知数のトランザクション処理能力がいつ実現するかにかかっています。
2020年内であれば、世界最速の仮想通貨としてその存在価値をいかんなく発揮できますが、資金不足の中プロジェクトを進めているため、もし遅れた場合は多くの仮想通貨のように価値を失い、完全に投機の対象になるだけで終わってしまいます。
そうならないために一日も早くプロジェクトを実現させるというのがQuarkChainに課せられた課題です。
QuarkChain(クウォークチェーン)のまとめ
QuarkChainは、分散したブロックチェーンやそれらの相互接続による連携で、従来の仮想通貨には見られない高速処理の通貨を目指しています。
しかし、QuarkChain自体の価値が下がっている点や類似のプロジェクトが多いという点から課題も多く、後れを取っている面もあるのが現状です。
この状態を打破することによって活路が見いだせる仮想通貨と言えるのではないでしょうか。