仮想通貨IEOとは?ICOやSTOとの違い・参加方法・メリット・成功事例まとめ

2018年から急激にICOに代わって仮想通貨を使った資金調達方法として脚光を浴びているIEOをご存知でしょうか?

たった10秒で700万ドルもの大金を調達した例もあり、これはただ事じゃありません。

そこで気になるIEOについて既存の資金調達と何が違うのか調べてみました。

IEOが個人投資家にとってどんなメリットがあるのか、どうすれば収益を上げるのに役立てるのかなど気になるポイントを解説していますので、ぜひ一読ください。

IEOとは

IEO

IEOとは、企業やその他団体が企画したブロックチェーンプロジェクトにおいて、自らでなく仮想通貨取引所に依頼して仮想通貨を使った資金調達をしてもらうのがIEO(Initial Exchange Offering)です。

IEOはInitial Exchange Offering の略称で、ブロックチェーンプロジェクトの発行するトークンを、仮想通貨取引所が先行販売するサービスを指します。IEOに参加すると、投資家は市場で一般に取引が開始される前の価格でトークンを購入することができます。IEOの参加者は公開価格より低い値段でトークンを購入できます。

引用:ビットバンク

簡単にIEOの仕組みを説明すると、ブロックチェーンプロジェクトの発案者は仮想通貨を発行し、それを仮想通貨取引所に渡します。

そして、取引所は通貨の発行者に代わってそのトークンを告知、販売します。

この手法の利点は、新規通貨の発行において問題になる知名度の低さや、信頼性の不足を取引所がスムーズに解決してくれるので、プロジェクトの立ち上げを失敗するリスクを減らすことができるところです。

取引所もトークンの先行販売権を得ることで様々なメリットを受けられます。

投資家は出自のハッキリした新規トークンを安心して購入できるので投資リスクを減らせるのが大きなメリット。

また問題があった場合の問い合わせ先がハッキリしているので購入しやすい。

これまでは独自トークンの発行となると公開方法が文字通りパブリックで何の裏付けもないものでしたから詐欺か否か判断するのは簡単ではありませんでした。

しかし、IEOがその点をクリアにできたことはトークン発行者と投資家の両方にとって好ましく、これからの市場拡大にプラスの効果が期待できる資金調達方法と言えるでしょう。

IEOとICOの違い

ICO

仮想通貨の発行者が分かる

ICOで通貨発行者がやっていた顧客確認・マーケティング・トークンの販売を手数料を払って取引所にやらせたのがIEOです。

そのためICOに比べて通貨発行者の負担が軽くなっています。

IEOの場合、既存のフレームワークを使って自社でブロックチェーンシステムを構築する手間とはもう無縁です。

IEOでは仮想通貨の発行者が誰か分かるのもICOと大きく違うポイントです。

取引所が新規発行される仮想通貨の信頼をある程度保証してくれるような印象があるため、ICOより投資家は安心して新規通貨を購入できます。

取引所に必ず上場する

IEOされた通貨が自動的に取引所で上場されるのもICOには無い特徴のひとつです。

上場されると分かっているので投資家がこぞって購入するので、上場後に値が上がる傾向があります。

仮想通貨の運営における透明性でもIEOはより優れています。

一部の投資家が独占できないようになっている

ICOでは投資家が好きだけ通貨を購入できましたが、IEOでは2万ドルまでと制限があるので資金力のある投資家による独占ができないようになっています。(全てではありません)

IEOでは通常2万ドルの購入額上限が設けられているため、個人投資家向け販売の魅力が増し、大手投資家による独占が避けられる。

引用:ロイター通信

この為、新規仮想通貨にありがちな少数の投資家による価格操作ができなくなっているのでフェア感があり、個人投資家に特に評価されています。

公平さという観点からは、IEOに参加するには通貨が販売される取引所に登録するだけで済むのもICOよりフェアと言えます。

情報力の差が出にくいです。

現在は中国や韓国も参加できる

IEOはICOが禁止になっている中国や韓国といった国で仮想通貨を使った資金調達ができる点も見逃せない違いです。

しかし、今後もIEOが盛んになると国の規制が入る可能性が非常に高いと言われています。

IEOとSTOの違い

STO

STOは株に焦点を当てている

STOはセキュリティー・トークン・オファリングの略で、IEO同様に企業の資金調達に利用されます。

株や債権などの有価証券と結びついているので価値の裏付けがあるのがICOとは大きく違う点です。

扱うのが株ですから、配当金の支払いをブロックチェーンを活用して行えるなどの利点もあります。

ただし有価証券と同じ性質を有しているので、SEC(米国証券取引委員会)の厳格なルールに従う必要があり、そのため新規発行までいけるケースが少ないのがデメリット。

2018年に新規発行されたSTOはたった30件ほどと、STOの壁の厚さを思い知らされる結果となりました。

STOは誰もが購入できる訳ではない

また、誰もが気軽に買えるわけじゃないのも気になるところです。

国によっては年収や保有資産が定められた水準以上ないとSTOで販売された仮想通貨は購入できないことになっています。

利用するまでのハードルが高いSTOですが、一度発行が認められれば各国の証券法に準拠しているので突然政府機関からサービスの停止を勧告される心配はありません。

ICOによって販売された仮想通貨は証券取引委員会から有価証券とされるとサービスを存続できなくなり、通貨価値が暴落するリスクがありました。

それが無いSTOは投資家にとっては安心して扱える仮想通貨と言えるでしょう。

IEOを行う取引所のメリット

IEO

多くのユーザーを確保できる

IEOで取引所が受ける最大のメリットはユーザーの囲い込みができることです。

これまでのIEOのほとんどが1つの取引所でのみ独占的に行われてきました。

IEOに参加するにはIEOが開催される取引所に口座を開く必要があるので、興味のある投資家は必然的に取引所の会員になります。

さらに新規発行される仮想通貨を購入するためにお金も送金されてきます。

以上のことだけでも経営的に大きなメリットがありますが、さらに取引所を富ませるシステムがあります。

取引所側で保有するトークン量を決めることができる

IEOで販売される仮想通貨の購入権利を取引所独自のトークンの保有量で決めるのです。

トークンを多く持つ投資家がより多くの購入権利を得られるチャンスを得られる仕組みになっており、IEOの度に独自トークンの価格が高騰します。

また、IEOで中心的な取引所になれれば、IEO関連の手数料収入も期待できます。

IEOの成功事例

IEO

IEOは2018年の末ごろから積極的に利用されはじめましたが、2019年は更に規模の大きいIEOが続いているようです。

いくつか成功例を見ていきましょう。

BitTorrent(BTT)

BitTorrentは、2019年1月29日には海外のファイル転送システムで有名なビットトレントが行ったIEOで、開始たった15分で完売するほどの盛況ぶりを見せました。

このときIEOで販売された価格は0.00012USDでしたが、上場後には0.0013USDと10倍もの値上がりとなり関係者を驚かせました。

BinanceのIEO第一号でもあり、BinanceにおけるIEOの信頼を揺るぎないものにした出来事でもあります。

TopNetwork(TOP)



TopNetworkは、ブロックチェーンを用いたデータシェアや通信サービスを目指して行われたブロックチェーンプロジェクトです。

IEOは全部で3回行われましたが、いずれも7秒以内で完売します。

チケットを手にした人はおよそ130,000人で、そのうち新規通貨を購入できたのは3,764人あまりでした。

Ocean Protocol(OCEAN)

Ocean Protocolは、人工知能で利用するデータをやり取りするために設立されたプロジェクトです。

海外取引所のBittrexで初めて行われたIEOで販売総量は56,400,000Oceanという膨大な数でした。

IEOの参加方法

IEO

IEOへの参加は、海外の取引所で販売されている一般の仮想通貨を購入するのと同じような感覚で行うことができます。

ここでは例としてBinanceでIEOに参加するまでの手順を紹介します。

取引所によってIEOの参加方法は違いますが、流れは類似点も多いので参考にしてください。

IEOが開催される取引所のアカウントを取る

まずは取引所の公式サイトを開いてアカウントを作成します。

その後「Submit Verification Documents」をクリックし本人確認関連の手続きを始めます。

「Select Identity Verification Type」では個人か法人かを選択するのでPersonalを選びましょう。

次のページでは名前や住所などの個人情報の記入です。

それから本人確認手続きが始まります。

本人確認に利用する書類を選ぶ画面が表示されますので、パスポートか免許証を選んで先に進めます。

次のページでは本人確認書類と自撮り写真のアップロードを求められます。

さらにアプリを使った顔認証が求めらますからBinanceのアプリをアプストア等で取得し、アプリ内で表示されるQRコードを読み込み認証作業を済ませます。

国内と取引所から購入資金を送金する

最近のIEOでは取引所の独自トークンを購入することを求めらます。

トークンの代金はビットコインやイーサリアムで支払うことになるので、日本の取引所でそれら仮想通貨を購入してIEOが行われる取引所に送信しましょう。

BNBを購入する

Binanceの場合、IEOが開催される9日前になったらBinanceの独自通貨BNB(バイナンスコイン)を購入しましょう。

多く購入するほど貰える抽選券の数が増えます。

IEOの抽選に参加するチケットを貰う

チケットが貰える日になったらIEOのプロジェクトページを開き、「Claim Tickets」ボタンをおしてチケットを取得しましょう。

チケットが当選していれば仮想通貨(トークン)と交換できる

抽選日になると当選番号が発表されるので、その中に自分のチケットに書かれた番号がないか確認しましょう。

もしあればIEOで販売される仮想通貨の購入権を取得できます。

IEOに参加する際の注意点

IEO

取引所に登録しても購入できない可能性がある

まず注意すべきことは、IEO間近になって取引所に登録しても購入できない可能性があることです。

以前のIEOは新規通貨の販売が通知されてから先に注文した者が入手できる早いもの勝ちの制度でしたが、2019年では取引所が発行している独自通貨の運用歴がIEOへの参加を大きく左右するようになりました。

例えばBinanceではIEO開催日までの9日間で保有している独自通貨BNBの量によって抽選券が配布されるように変更されたんです。

9日間のうち少しでも多くのBNBを長く保有したものがチケットを多く配られるシステムなので、同じ額のBNBを保有するなら早くから購入した者が有利になります。

ライバルに勝つには大量のBNBを早期から保有しておくことがポイントです。

購入したら短期で売り抜ける

次に重要なのは短期で売り抜けること。

IEOされた仮想通貨の多くが上場後に販売価格より値を上げていますが、その後に落ちることも多いです。

あまり高値を狙いすぎると売り時を失う可能性があるので、上場を確認したら早めに利確してしまうのが少しでも高いリターンを受け取るコツです。

独自通貨の後始末にも気を付ける

最後は忘れがちな独自通貨の後始末についてです。

IEO権利獲得後になると独自通貨は必要なくなります。

IEO取得のために大量購入された使いみちのない独自通貨の最後は悲惨で、大量に投棄売りされることが一般的です。

下落リスクに備えるにはショートや両建てなどが利用できます。

IEOのまとめ

IEOは新規に仮想通貨を発行する企業と取引所、そして投資家すべてにメリットがあり、そのため積極的に利用され始めた資金調達方法でした。

ICOより信頼感があり、STOをより手軽なのでこれからさらに盛んに利用されることが予想されます。

ただ取引所の立場が強くなる仕組みになっているので、IEOが原因で取引所の統合が進んだり、IEOの仕組みが投資家に不利なものに改悪されていくおそれもあります。

IEOを利用するなら仕様変更がないか常に取引所のルールをチェックするのを忘れないでください。

また、現在マルタ島にあるBellwood取引所もIEOを行っています。

現在プレセール中ですので、興味があればチェックしてみてくださいね。

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