
仮想通貨取引の一つとしてOTC取引という取引方法があり、近年この方法で取引する人の割合が増え始めています。
しかし、このOTC取引がどのような取引方法なのかわからないという人も多いのが実情です。
そこでこの記事では、OTC取引についての説明だけでなく、メリットやデメリット、注意点などについて詳しくまとめていきます。
OTC取引とは
OTC取引は、目的の仮想通貨取引を実施する時、求めている人と仮想通貨事業者が直接取引を行う方法です。
本来、仮想通貨取引をする際は、仮想通貨取引所を経由して仮想通貨の売買を実施していきます。
しかしOTC取引は仮想通貨取引所を経由するのではなく、仮想通貨を求めている人と店頭取引を実施する方法で、すでにたくさんの人がこの取引を行っています。
OTC取引をするメリット
OTC取引には4つのメリットがあります。
OCT取引によって多くの人がこのメリットを実感しており、少しでも多くの利益を出せるように仮想通貨取引を行っています。
大口取引も問題なく実施可能
仮想通貨取引所を通じて取引を行う時、取引所から仮想通貨取引の制限をかけられる場合があります。
特に大口取引の場合、一人の人物に対してたくさんの仮想通貨取引を認めてしまうと状況によってはトラブルに繋がる恐れが出てきます。
しかしOTC取引は、直接売り手と買い手が仮想通貨の取引を行うので、制限をかけられる心配はありません。
仮想通貨の大口取引を行っている人にとって、納得できるまで仮想通貨取引を行えるのでメリットになります。
市場に影響を与えないので安心して取引
大量の仮想通貨売買を行ってしまうと仮想通貨の価値に対し、大きな変動が発生してしまう場合があります。
それによって大きな損失が発生してしまう恐れがあるので、慎重に取引を行わなくてはいけません。
しかしOTC取引ならば、仮想通貨取引所を利用して仮想通貨取引を行う訳ではないので、市場に影響を与えないで済みます。
これによって大量に売買を行った仮想通貨に対する価値変動が起こらないので、安心して取引を実施できます。
シンプルに仮想通貨取引を行える
直接仮想通貨の売買を行うOTC取引は、シンプルに仮想通貨取引を行うことができます。
仮想通貨取引所を利用して仮想通貨取引を行う時、取引の手順が複雑化していて、困惑してしまう人もいます。
特に仮想通貨取引の経験が少ないもしくは未経験の人にとって、目的の仮想通貨取引を実施できない可能性も出てきます。
OTC取引はとてもシンプルで、直接取引を行いたい仮想通貨に対して買い手と売り手で取引するだけなので迷うことはほとんどありません。
OTC取引は海外でも積極的に実施されており、シンプルな取引方法が高い人気を獲得している理由の一つでもあります。
取引時間の短縮を目指せるのが強み
仮想通貨で満足できる取引を行うには、スピードがとても大切です。
ちょっとした取引の遅延によって利益を確保できなかったり、大きな損失を発生させてしまうリスクがあります。
しかしOTC取引はシンプルな取引が大きな特徴になっているので、取引時間の短縮を目指すことが可能です。
大口取引でもスピーディーな取引を実施できるので満足できる取引を行いやすいです。
これによって大きな利益を発生させやすくなったり、損失を少しでも減らせるのでメリットになります。
OTC取引をする際の注意点
様々なメリットがあるOTC取引ですが、当然のことながら注意点もあります。
実際に、この注意点を知らずにOTC取引をすることでトラブルに巻き込まれている人もいます。
これからOTC取引を行う人は、注意点に気をつけながら慎重にOTC取引を実施していきましょう。
信頼できる人とOTC取引を行わないとトラブルに巻き込まれやすい
絶対に注意しなければいけないのは、OTC取引は信頼できる人と行うという点です。
信頼性が高く安全に取引を行える人もたくさんいますが、中には悪質な考えの人も存在します。
悪質な人物とOTC取引を行ってしまうと、トラブルが発生しやすくなります。
場合によっては、大切な仮想通貨を一気に失ってしまうことになるので、何としてもこのような状況は回避しなければなりません。
OTC取引を行う際は、いきなり取引を実施するのではなく、まずは積極的にコミュニケーションを取り、信頼できる人物なのか判断するようにしましょう。
信頼できると判断できた人物とのみOTC取引を行うことで、納得のいく仮想通貨取引が行えるはずです。
自ら交渉する面倒さ
OTC取引を実施するには、自ら交渉する必要があります。
買い手と売り手が直接取引を行うため、状況によっては粘り強い交渉が求められます。
人によってはこの交渉が面倒に感じる場合があり、デメリットに感じるかもしれません。
また、交渉を上手く行わないとOTC取引を実施できないという注意点もあります。
仮想通貨の取引の経験がある場合はスムーズに取引を実施することができますが、初めてOTC取引を行う場合には、効率よく取引を行えない恐れもあります。
取引が多少なりとも不利になる可能性
OTC取引は、仮想通貨取引所で売買をするよりも不利になりやすいという点も注意が必要です。
その理由は、仮想通貨取引所で設定されている仮想通貨価格よりも安く設定しなければ、購入してもらえないケースがあるからです。
また売却も同様に不利な条件になりやすいので、OTC取引を行う場合はよく考えて実施しなくてはなりません。
相手と交渉することで、取引を多少有利にすることも可能です。
ただし必ずしも良い条件で取引を実施できるとは限らないため、この点はOTC取引のマイナス部分となるでしょう。
コインチェックのOTC取引の特徴

出典:Coincheck
コインチェックでは、特定の仮想通貨限定になっていますが、OTC取引が可能となっています。
OTC仲介サービスを提供することによって、OTC取引を望んでいる人が詐欺やその他トラブルに巻き込まれないように配慮しています。
このサービスは開始されて間もなく、まだまだ実績が少ないため、今後どのように展開されていくのか注目が集まっています。
バイナンスのOTC取引の特徴

出典:Binance
バイナンスでは「バイナンスOTC」というツールを提供することで、大口取引が円滑に行えるような環境を整えています。
豊富なトークンに対応しており、スムーズな取引を実現しているのが大きな特徴です。
また強固なセキュリティ対策が実施されているので、バイナンスOTCも安心して実施できるでしょう。
OTC取引を利用する人の割合
OTC取引は、これまで利用する人の少ない取引方法でしたが、現在は少しずつOTC取引の割合が増加しているようです。
OTCの取引ボリュームは、そのOTC取引所が公表しない限りは明らかになりません。そのため、あくまで参考程度であることが前提にはなりますが、筆者が複数の関係者にヒアリングしたところによると、すでに暗号通貨の全取引量の50%以上であることはほぼ確実である見方が強く、すでに70%くらいになっていてもおかしくないとも言われます。
そして、2019年にこの割合はさらに増えることが予想されます。
引用:コインチョイス
中国ではこれまで数%だった割合が、現在では約20%ほどとなっており、かなり増えているのがわかります。
特に近年は急激に増えているため、今後はこれまで以上にOTC取引が行われる可能性が高いといえます。
OTC取引は、魅力的な仮想通貨取引の一つとして注目されており、多くの人が挑戦し始めているのです。
OTC取引は今後も増えていく可能性がある?
現在、徐々に注目度が高まっているOTC取引ですが、今後はもっと増えていく可能性が極めて高いといえます。
その理由となる3つのポイントを見ていきましょう。
取引所がOTCサービスを前向きに検討
全ての取引所に当てはまる訳ではありませんが、多くの取引所がOTC取引を前向きに考えています。
これまでOTCサービスがなかった仮想通貨取引所も、今後は何かしらのOTCサービスを実施する可能性があります。
これまで以上に仮想通貨取引所のOTCサービスが充実すれば、多くの人が気軽にOTC取引を行えるようになるでしょう。
このような理由から、OTC取引は今後さらに活発化すると予測されています。
大口取引を希望する人の増加
年々注目度が高くなっている仮想通貨は、これまで仮想通貨に興味がなかった人にも影響を及ぼしています。
大口取引を希望している人がこれまで以上に増える確率が高いので、OTC取引が盛んになる可能性も高いです。
世界では急激にOTC取引が増えており、国内の仮想通貨取引でもその影響を受けているのが実態です。
OTC取引に対する安全性を追求
OTC取引が始まった直後は悪質な人物が多く、実際に詐欺などのトラブルが起きていました。
そこでOTC取引の規則やルールが少しずつ定められており、以前よりも安心してOTC取引を行えるような環境が整えられています。
今後、さらにOTC取引に対する様々な規則やルールが設定されれば、安心して取引を行える確率もさらに高まるでしょう。
仮想通貨のOTC取引のまとめ
仮想通貨のOTC取引は買い手と売り手が直接仮想通貨取引を行う方法で、大口取引を気軽に行える点や市場に影響を与えない点が大きなメリットです。
ただし、信頼できる人物とOTC取引を行わないと詐欺などのトラブルに巻き込まれる恐れがあるので、気を付けないといけません。
これまでOTC取引を利用する人はそれほど多くありませんでしたが、近年急激に増加しており、OTC取引を望む人が増えています。
仮想通貨取引所でも、OTC取引に関するサービスの提供が広まり始めており、より気軽にOTC取引が行える環境が整い始めています。
今後はこれまで以上にOTC取引が盛んになる可能性が高いため、まだOTC取引を行ったことがないという人でも気軽に挑戦できるチャンスが増えていくでしょう。