
2019年6月は仮想通貨界にとって、特に価格面で大きな変化のあった月でした。
ビットコインが1BTC100万円を超え、150万円を超えるかと思いきや、その後100万円を切るかの大きな下落を見せたことも。
ビットコインだけではなく、その他のアルトコインも,
話題にはなっていませんが価格の変化がありました。
価格面だけでなく今後の展開に注目が集まる仮想通貨界ですが、注目を集める通貨のひとつに時価総額ランキングで10位前後をキープしているカルダノ(Cardano/ADA)があります。
ADA(エイダ)コインとしても有名ですが、カルダノを支えているもののひとつがダイダロス。
今回はダイダロスがどんなものか、その役割と今後についてお届けします。
すでにカルダノを保有している人も、これから購入を検討している人も、今後の投資判断材料として参考にしていただけたら幸いです。
カルダノのダイダロスとは
カルダノ(Cardano/ADA)は、2015年に開発がスタートしたプロジェクトです。
立ち上げ当初は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)の問題解決をテーマとして、オンラインカジノやゲームでの活用を考えていました。
カルダノの通貨であるADAは、日本でプレセールがスタートし、様々な憶測を呼びましたが2017年10月に仮想通貨取引所Bittrexに上場。
プレセールからBittrex上場の間にダイダロスの案内もありました。
ダイダロスはADA専用ウォレット
このダイダロスとは一体どんなものなのでしょうか?
ダイダロスとは、カルダノが公式に配布しているADA専用のウォレットのことです。

出典:カルダノ公式サイト
カルダノの公式サイトからダウンロードすることが可能で、ダイダロスをインストールすることで、ADAを保管しておくことができます。
保有しているADAを仮想通貨取引所に置きっぱなしのままにするにはリスクが高くなりますが、ADAを保管できるウォレットの数は少ないため、こうした公式のウォレットを使用することが望ましいです。
ダイダロスの公式サイトがある
また、カルダノの公式サイトだけでなくダイダロスの公式サイトも存在します。

出典:ダイダロス公式サイト
2019年7月現在では、ダイダロスはADAのみに対応していますが、公式サイトではビットコインやイーサリアムクラシック(ETC)にも対応していくという記載があります。
近日公開予定となっていますので、そう遠くない時期にビットコインとイーサリアムクラシックに対応するものと思われます。
まだ開発の初期段階なので、今後の開発にも注目が集まるダイダロス。
今現在ではADAの保管がメインとなっているウォレットですが、対応通貨の拡大や、その他機能の追加など、今後の開発に期待をしましょう。
カルダノのダイダロスを使用するメリット
カルダノがリリースしているダイダロスですが、使用することにどんなメリットがあるかを見ていきましょう。
カルダノ(ADA)の購入を検討する際の参考材料のひとつとしてもらえればと思います。
安心感・信頼がある
仮想通貨界で度々話題に上がるのがハッキング。
大きな取引所でのニュースになるような大規模なハッキング被害もあれば、個人をターゲットにした小規模なハッキング被害も多く発生しています。
ハッキング回避には保管方法が重要
ハッキングを回避するには、保有した通貨をどこに置いておくか、どのように管理をするかということがとても重要になってきます。
世の中には、様々な通貨が保管できるウォレットアプリなどもリリースされていますが、発行元が信頼できないウォレットも存在します。
その点ダイダロスは、カルダノが公式にリリースしているウォレットなので信頼が高いです。
カルダノ自体が時価総額ランキングで10位前後という高順位をキープできていることも信頼の証と言えるでしょう。
仮想通貨の格付けでは「BBB」を獲得
また仮想通貨専門格付け組織である「DPRATING」の格付けでは「A」に継ぐ「BBB」を獲得しています。

出典:DPRATING
運営元の公式ウォレットとしての信頼度もあれば、格付け組織という第三者目線でも信頼に値する評価を獲得しています。
これらを考えるとカルダノ自体もそうですが、ダイダロスにも信頼を寄せても良いと判断できます。
ダイダロス専用チームがある
さらに、ダイダロスには専門チームも組まれています。

出典:ダイダロス公式サイト
カルダノの開発の一部としてダイダロスが存在していることにはなりますが、ウォレットの専門チームが存在することが心強いです。
このように、公式からのウォレットということや、第三者からの評価、専門チームの存在がある子から信頼のできるウォレットと言えます。
世界最高峰のセキュリティ
ダイダロスはそのセキュリティの高さも特徴です。
日々進化を続けており、脅威に対抗できる
定期的なアップデートが行われており、より高度なウォレットへの開発が進んでいます。
ダイダロスの特徴としては、プライベートキーやパスワードを暗号化し、マルウェアなどの脅威に対抗することができるという点が挙げられます。
ウォレットをペーパーベースで保管可能
また、ウォレット自体をペーパーベースでの保管も可能です。
オンラインに繋げなくても管理ができるため、よりハッキングに強い設計となっています。
暗号化・復号化された証明書を使用する
さらに、ADAの還元は、ダイダロス内で直接行われ、暗号化や複合化された証明書を使用します。
証明書がないと、ADAを復元することができないため、IDとパスワードだけの管理よりもセキュリティは高くなります。
ブロック同期を行う必要がある
また、ブロックの同期が取れないとダイダロスが使用できませんので、ブロック同期を行う必要があります。
他のウェブウォレットのように、IDとパスワードで管理するだけでなく、証明書が必要になるなどの多段階での管理を行うセキュリティの高いウォレットです。
これだけのセキュリティ対策が施されているウォレットは他にはほとんどなく、世界最高峰のセキュリティウォレットと言えます。
カルダノのダイダロスを使用するデメリット
ダイダロスは高いセキュリティを発揮するウォレットですが、使用する際のデメリットもあります。
どんなことにもメリットがあればデメリットもありますが、ダイダロスを使用するデメリットについても知っておきましょう。
ウォレットを開くのに時間がかかる
ダイダロスを立ち上げるとブロック同期という動作が自動で開始されます。
これは現在の状態と過去のデータとの同期を取っている状態ですが、この時間が異常に長いです。

出典:ダイダロス
この同期の作業は自動で行われるとはいえ、毎日ウォレットを開く人はそうそういないでしょう。
そのため、数日や数週間、数ヶ月開かずにいると、次にダイダロスを立ち上げた際のブロック同期に何時間もかかってしまいます。
実際、数ヶ月ダイダロスを開かずに久しぶりに立ち上げたところ、一日パソコンを付けっ放しでブロック同期をしても、画面に出ているパーセントの値が10%増えれば良いという時もありました。
すでにダイダロスを保有していて、すぐに送金や取引をしたいと思ってもブロック同期の影響でダイダロスを立ち上げることができません。
下手すると数日から一週間ほどブロック同期をしている可能性もあります。
そのため、すぐに取引を行いたい場合は毎日、毎週のようにダイダロスを立ち上げて置く必要があるのです。
送金や取引を行いたい場合にすぐに立ち上げることができないという点が大きなデメリットです。
管理する情報が他のウォレットより多い
ダイダロスは、ADAのデータを復元してウォレットで管理しています。
他のウォレットアプリのように、送金されたデータを保管しているだけではありません。
ダイダロスを使用するにはIDとパスワードと証明書が必要になるため、管理保存しておく情報が他のウォレットよりも若干多くなることもデメリットと言えるでしょう。
しかし、初回立ち上げ後は基本的に証明書などは使用しません。
ですが、だからこそ忘れやすくなりますので、万が一のときのためにしっかり保管しておきましょう。
アプリ版が存在していない
仮想通貨の大きな特徴でもあるのは、スマホやタブレットなどのアプリでも送金や取引を行えるという点です。
しかしダイダロスは、2019年7月現在パソコン用のウォレットしかリリースしていない状況です。
アプリ版のダイダロスをリリースしていないため、パソコンを持っていない人は使用できないという点がデメリットです。
スマホやタブレットのみを使用している人は、別のアプリを使用するか、ダイダロスのアプリ版のリリースを待ちましょう。
カルダノ・ダイダロスの今後のアップデート予定
セキュリティが高く安心して使用できるダイダロスですが、開発段階としてはまだまだ初期の段階です。
今後はどのような機能を搭載してのか、ダイダロスの開発計画についても見ていきましょう。
ダイダロスには4つの開発予定がある
今後のダイダロスの開発予定は次の4つとなっています。
1.Ethereum Classic & Bitcoin の取り扱い
2.Android & iOS 向けモバイルウォレット
3.ADA 所有者によるブロック生成や更なる通貨の獲得を可能にするステーキングの実施
4.コミュニティにより構築されたアプリケーションや暗号通貨の使用が可能なアプリストア引用:ダイダロス公式サイト
ADAホルダーはモバイル対応やステーキングの実施を待ちわびている
まず公式サイトで近日公開予定となっていた「ビットコインとイーサリアムクラシックへの対応」が開発予定に入っています。
しかし、モバイルウォレットのリリースやステーキングの実施は、ADAホルダーが完成を待ちわびている機能ですので、それらを前にビットコインやイーサリアムクラシックの対応をすることは難しいのではと考えます。
2015年9月にスタートしたプレセール時からADAを保有している人は、2019年で4年目に達しています。
それだけの長い年月を待っているにも関わらず、カルダノやADAに関する機能ではなく、イーサリアムクラシック対応を先に公開してしまうと、ADAホルダーが怒ってしまう可能性があります。
4つの中では2番目に記載されているモバイルウォレットの開発が進んで欲しいところですし、通貨の保有に応じて報酬が獲得できるステーキング機能を待ち望んでいる声も多くあります。
アプリストアはモバイル対応やステーキングの後になる
4つ目のアプリストアに関しては、モバイルウォレットやステーキングを実装した後にリリースされる可能性が高いでしょう。
コミュニティ自体がまだ完成していないため、まずはウォレットとしての機能やステーキングに力を入れていくはずです。
ADAホルダーとしても、モバイル対応やステーキングのリリースを今か今かと待ち望んでいる状態です。
ADAホルダーにとっても、ADA購入を検討している人にとっても、早い段階で良い材料が出てくることを期待したいですね。
まとめ
ダイダロスは、セキュリティ面での信頼性が高く、カルダノ公式のウォレットという安心感もあります。
他のウォレットアプリよりも安全に活用できる点が大きなメリットです。
しかし、気になるのはダイダロスの開発の遅さ。
カルダノ全体に言われていることですが、カルダノの開発の遅さは話題になることがあります。
ダイダロスの公式サイトには今後の開発予定が記載されていますが、いつ頃リリースされるのかは不明です。
プレセール後のADA還元時(ダイダロスリリース)から2年ほど経過していますが、大きな進展が見られていないのが現状で、モバイル版のリリースやステーキングの実装をADAホルダーはずっと待ち続けている状態なのです。
しかし、バージョンアップは定期的に行われているため、開発が進んでいることは確か。
2019年は2018年と比べると、仮想通貨市場にとって変化の年なので、カルダノやADAが今後躍進を見せるためにも、ダイダロスの開発・新機能リリースが期待されます。
ダイダロスも含めて今後のカルダノの開発に期待しましょう。