
仮想通貨というとビットコインが有名ですが、それに続く存在として今回紹介するイーサリアムがあります。
このイーサリアムは一部から伸びしろがあるという意見が出て、ネット上では仮想通貨の話題の一つの潮流になりつつあります。
これがもし単なる噂だとすればこういった動きは起きず、掲示板などごく限られた範囲で完結しているはずです。
しかし、こういった話があり、それが広がっているということはその根拠となる情報が存在するということになります。
では、その伸びしろがあるという根拠とは何でしょうか。
この記事では、イーサリアムの伸びしろについて、期待できる点やビットコインとの違い、将来性や今後の展望について詳しく説明していきます。
イーサリアムにはなぜ伸びしろがあると言われているのか、じっくり掘り下げていきましょう。
イーサリアムには伸びしろあり?
「イーサリアムには伸びしろがある」そんな話題が出ていますが、その根拠となる5つの理由についてお話しします。
その5つの理由とは以下の通りです。
- EEAに大企業が参加している
- スマートコントラクトを搭載している
- DAppsのプラットフォームとなっている
- ECR20がICOで利用されている
- アップデートによって機能が改善されていく
さらに補足として、
- 格付け上位の仮想通貨である
という点も挙げられます。
これらについて一つずつお話ししていきます。
EEAに大企業が参加している
まずEEAに大企業が参加しているという点で伸びしろが期待できるということです。
このEEAとはイーサリアム企業連合と呼ばれるものです。
イーサリアムを企業向けに活用することを目的として設立された非営利の組織のことで、企業がイーサリアムを利用する際にEEAがその支援を行って開発を促してくと言う業務を行います。
具体的には、イーサリアムで用いているブロックチェーン技術(企業やグループ内で利用できる共通の台帳の利用技術)を各企業向けに提供していくことです。
このEEAに参加している企業は中小の企業や個人事業主だけではなく、巨大な多国籍企業が多数参加しているという点が伸びしろを語る上で非常に重要な根拠です。
その代表的な参加企業は以下の通りです。
- Windowsやofficeで有名なマイクロソフト
- パソコン用のCPUの世界最大手のIntel
- 巨大金融グループのJPMorganやING
- 世界有数のコンサルタント会社でありIT企業でもあるアクセンチュア
- 先物取引所の全米大手企業であるCME group
これらの参加だけでも大きいのですが、日系企業も多く参加しています。
- 三菱UFJ銀行などで有名なMUFGグループ
- トヨタ自動車のリサーチ部門
- 通信会社のKDDI
- NTT Data
と言ったそうそうたる企業が参加しているのです。
これだけの企業が参加しているだけでも、イーサリアムとそれらの企業との相乗効果でまだまだ伸びしろがあると言えるのです。
スマートコントラクトを搭載している
EEAの大企業参加だけでも伸びしろは語れますが、それ以外の要素についてもお話ししていきます。
それはイーサリアムがスマートコントラクトを搭載しているという点です。
このスマートコントラクトとは、文字通りスマート(かしこく)にコントラクト(契約)を行うプロトコル(コンピューター同士の言葉)のことで、一言で言うと自動契約の機能です。
これは仮想通貨の最大手であるビットコインには搭載されていない機能です。
これを利用することで自動販売機のような取引を行わせることが可能となります。
またメリットとして、それまでのやり取りを全て記録してくれるためその記録を認証されたものとしても利用できるため、いちいち契約取引を第三者に認証してもらうという必要がありません。
また、自動的に契約を行ってくれるため人間を配置する必要もなくなります。
結果として、人件費や時間のコストを大幅に削減することが可能となるのです。
また、契約によるトラブルも大幅に自動化によって削減されるため、リスク低下にも寄与するという点が挙げられます。
こういった点から、契約や取引にイーサリアムのスマートコントラクト機能を利用するということは、将来的に大きなトレンドとなってく可能性があるのです。
そういった意味で、まだまだ普及していない現状を考えるとこれからの大きな伸びしろの根拠となります。
DAppsのプラットフォームとなっている
DAppsのプラットフォームとなっている点も伸びしろの根拠と言えます。
このDApps(Decentralized Applications)とは、
中央管理者なしで運営・管理できるものを言い、イーサリアムはこのDAppsのプラットフォーム(仕組みや基盤という意味)を採用しているということです。
中央集権ではないため、中央銀行のような組織の意向で利用者が振り回されるということがないという特徴があり、取引に透明性があることで商取引も安心して行えるという仕組みになっています。
また、ハッキングのリスクも低くなることから安全性も高いと言えます。
さらに欠陥が見つかった場合もアップデートしやすいという特徴もあります。
こういった点から普及が期待されており、まだ十分普及する余地を残していることからも伸びしろの根拠と言えます。
ERC20がICOで利用されている
4つめの伸びしろの根拠として、イーサリアムはERC20がICOで利用されている点が挙げられます。
このERC20は、イーサリアム上でトークンを発行する規格のことです。
トークンとは、既存のブロックチェーン技術を利用して発行された仮想通貨のことです。
つまり、イーサリアムの技術を使った新しい仮想通貨のことです。
この発行の規格がしっかりしているため、仮想通貨を使った資金調達(ICO)を行う環境が整えられており、イーサリアムの技術を利用して企業や団体が資金調達しやすいという機能があります。
そのため、資金調達の技術としてのイーサリアムの伸びしろはまだまだあるということです。
アップデートによって機能が改善されていく
5つ目の根拠は大規模なアップデートを控えているということです。
ビットコインは初期の仮想通貨として確固たる地位を築きましたが、システム面では様々な問題を抱えています。
しかも大きなアップデートは難しい(不可能ではない)という側面もあります。
しかし、イーサリアムは予定されている4段階のアップデートのうち、まだ3つ目のアップデートの途中(2019年6月現在)であり、文字通り伸びしろがあると言えるのです。
現在進行中のアップデートは一般利用がしやすいことを目的としたアップデートとなっており、このアップデートが完了する2020年頃にはイーサリアムもより一般的な存在になっている可能性が高いです。
そういった意味でまだまだイーサリアムは伸びしろがあります。
もちろん、イーサリアムも万全ではなく、
- 取引に時間がかかってしまう可能性があること
- 取引の手数料が高くつく可能性があること
- トークンの価値が不安定
と言ったことが問題化するというリスクをかかえていますから、これらの問題も今後解消されるという意味で伸びしろがあると言えるのです。
米WeissRatingsもイーサリアムを高評価
最後に海外の仮想通貨の格付けを行う機関(米WeissRatings)もこのイーサリアムに対して最も高い格付けを行っています。
このような現状にも関わらず「Weiss Ratings」は、リップルとイーサリアムの両方を高く評価した上で、ETHはこれから大きな成長を遂げ、5年後にはビットコインを超え「仮想通貨の王」となる可能性があると予測しています。
引用:BITTIMES
今回挙げた要因以外でも専門家が評価しての格付けですから、プロのおすみつきのある伸びしろを持っているという見方もできるのです。
さらに将来的にはETF(上場投資信託)への上場も予定しており、成功すればリアルマネーの流入によって伸びしろは確実な成長へと変化を遂げていくはずです。
そもそもイーサリアムとビットコインは何が違う?
イーサリアムと仮想通貨の元祖であるビットコインは何が違うのでしょうか?その話題についても触れていきます。
大きく違うのは3つです。
- 用途
- スマートコントラクトの有無
- ブロック生成時間の違
用途の違い
イーサリアムは様々なサービスを開発する目的で作られたプラットフォーム(仕組み)です。
これに対しビットコインは、従来の通貨にとって代わるものとして決済を行うという目的で開発されました。
この開発目的の違いが、ビットコインは決済の手段として見かけるのに対し、イーサリアムの仮想通貨(イーサと呼ばれる)は見かけることが少ないという用途の違いに繋がっています。
スマートコントラクトの有無
スマートコントラクトの有無も、イーサリアムとビットコインの大きな違いとなっています。
イーサリアムに搭載されているスマートコントラクトは、第三者による認証の手間を省き、取引トラブルを減らしてくれる機能となっています。
この点が、スマートコントラクト非搭載のビットコインとの大きな違いとなっています。
ブロック生成時間
イーサリアムとビットコインでは、ブロック生成時間も大きく異なります。
ブロックとは「トランザクション」(Transaction)と呼ばれる取引履歴のデータを一定量格納したものです。
このブロックを作り出す速度に大きな違いがあります。
- イーサリアム:約15秒程度
- ビットコイン:10分程度
この差が送金時間の速さの違いとなっており、イーサリアムの方が圧倒的な速さを確立しているのです。
このような3つの違いがビットコインとイーサリアムの違いです。
開発された年を見ても、
- ビットコイン:2009年
- イーサリアム:2014年
この5年の差が技術や目的の違いになっているという見方もできるでしょう。
イーサリアムの将来性
イーサリアムの将来性は高いと言えます。
イーサリアムは、将来主流になる技術であるスマートコントラクト機能を、この技術を実装している他の仮想通貨に比べて、最も古くから利用しているという実績があります。
利用している量が圧倒的であるという点や有名企業が参加しているという点だけでなく、技術的な伸びしろをまだまだ持っているという点で、主要の仮想通貨の中でも将来性が高いと言えるのです。
イーサリアムの伸びしろのまとめ
イーサリアムは主要な仮想通貨の一つとなっています。
時価総額こそ3位に後退しましたが、ビットコインにはない技術的な機能や拡張性の高さ、多くの有名企業が関わっているというバックグラウンドなど高い将来性を持っています。
このイーサリアムを利用したブロックチェーンの仕組みが今後増えてくることが予想されており、将来的により身近な場所でイーサリアムに触れることができるようになるかもしれません。