ETHのアップデート『セレニティ(Serenity)』とは?キャパシティが1000倍になり今後の価格も急騰?

チェコ共和国のプラハで行われたカンファレンスDevcno4にて、仮想通貨イーサリアム(ETH)の開発者として知られるヴィタリック・ブテリン氏は時期アップデート「セレニティ(Serenity)」に関して強気な姿勢を見せました。

下記は、10月31日に行われたカンファレンスDevcno4であり、ヴィタリック・ブテリン氏がリツイートした投稿です。

イーサリアムのアップデート内容

イーサリアムが公表しているアップデートは以下の4つです。

  1. フロンティア(Frontier)
  2. ホームステッド(Homestead)
  3. メトロポリス(Metropolis)
  4. セレニティ(Serenity)

以上のアップデートの内は、すでに

  • フロンティア
  • ホームステッド
  • メトロポリタス

の3つは実行済みです。

セレニティ(Serenity)とは?

セレニティ(Serenity)とは、イーサリアムが今後予定している大型アップデートの1つです。

セレニティにおいて最も重要なのは「PoWからPoSへの移行」です。

もう少し詳細に表現すると「Casper(以後キャスパーと表記)」とよばれる独自のPoSシステムに移行するアップデートのことです。

そして、キャスパーはPoWとPoSを組み合わせたコンセンサスアルゴリズムとなっていて、完全なPoWではありません。

PoWとPoSとは?

PoWとは、Proof of Workの略称で「仕事の証明」と略されたりします。

PoWは合意形成(コンセンサスアルゴリズム)の一種で、ブロックチェーン上のハッシュ値を一番早く計算し次のブロックを生成したマイナーに報酬が支払われるアルゴリズムです。

PoWの問題点は、大量の電気代がかかることや、マイナーの51%が手を組めば情報を改ざんできる(51%問題)ことなどがあります。

逆に、PoSとは、Proof of Stakeの略称で、こちらも合意形成(コンセンサスアルゴリズム)の一種です。

PoSはPoWとは違い、大量のコインを保有しているユーザーが報酬を得やすいという仕組みになっています。

PoSはPoWの問題点を解決するために生まれたアルゴリズムであり、現在はXP(エックスピー)やPIVX(ピヴクス)などのアルトコインに採用されています。

コンセンサスアルゴリズムについて詳しい内容は下記をご覧下さい。

>>>コンセンサスアルゴリズムとは?【PoW・PoS・PoL】3種類の特徴・メリット・デメリット

キャスパーの4段階構成とは

vitalik03

出典:coinpost

イーサリアム開発者のヴィタリック・ブテリン氏によると、大型アップデート「キャスパー/Casper」は以下の4段階に分かれているといいます。

  • Proof of Stakeの初期バージョン「beacon chain」の導入
  • 簡素化されたセレニティ導入。(スマートコントラクト無し、シャード間の送金機能も無し)
  • セレニティの拡張バージョン導入。(シャード間のやり取りを解禁)
  • 完全版のセレニティ導入

イーサリアム2.0の進歩状況を毎週公開|1週目:開発は順調

1月31日、GitHub上にて、イーサリアム2.0/セレニティの開発進歩状況が公開されました。

The marks the first release in a series of weekly releases through February 2019. Phase 0 in v0.1 is relatively feature complete and approaching stable. Subsequent changes will occur on dev branch and only merged into master during a release accompanied by a changelog.

日本語訳

これは、2019年2月までの(イーサリアム開発の進歩状況を隔週報告する)シリーズの第一弾です。

フェーズ0のバージョン0.1に関しては、比較的機能が充実しており、安定的にアプローチ出来ている。開発は順調であるといえる。

イーサリアム2.0へ移行するためには、下記7つの開発フェーズをクリアする必要があり、今回は1つめの「フェーズ0」に関する進歩状況が報告されました。

  • フェーズ0:シャード未実装のビーコン・チェーン
  • フェーズ1:EVM未実装の基本的なシャーディング
  • フェーズ2:EVMのステート以降機能
  • フェーズ3:軽量クライエントステートのプロトコル
  • フェーズ4:クロスシャードのトランザクション
  • フェーズ5:チェーンのセキュリティ強化
  • フェーズ6:指数関数的シャーディング

これに対し、イーサリアム開発者のVitalik Buterin/ヴィタリック・ブテリン氏はツイッター上で次のようにコメントし、

イーサリム2.0の主役である「Casper/キャスパー」が完成していることを明らかにしました。

日本語訳
基本的にCasper/キャスパーは完成している。

イーサリアム開発者「イーサリアムのキャパシティは1000倍になり、価格も急騰する」

イーサリアム開発者のヴィタリック・ブテリン氏は今回のカンファレンスDevcno4で以下のように発言しました。

次期アップデートである「セレニティ/Serenity」でPoWからPoS型に移行しスケーラビリティ向上、省エネルギー化が期待できる。

イーサリアムのスケーラビリティキャパシティは1000倍にまで到達するだろう。

引用:coinpost「ヴィタリック氏:次期大型アップデートでネットワークキャパシティは1000倍に、イーサリアム価格上昇も示唆

しかし、セレニティのアップデート内容である「PoWからPoSへの移行」には重大な問題点が存在します。

重大な問題点とは、PoWで使用していたマイニング機器はPoSでは利用できないという点です。

イーサリアムはこれまでPoWというアルゴリズムで動いていたため、イーサリアムを利用するユーザーもPoWの機器を使用しマイニングを行ってきました。

ですが、マイニング機器には高額な資金が導入されていることが多く、PoS用の機器を新調することは容易ではありません。

このような問題点からセレニティにはコミュニティ内での反発の声が多く、実現できるかどうかは慎重に見極める必要があります。

【追記】12月14日

時価総額3位のETH(イーサリアム)開発者であるヴィタリック・ブテリン氏は自身のツイッターにて、PoSを基にしたシャーディングを活用し、今後ブロックチェーンを「何千倍も効率化させる」と宣言しました。

ブテリン氏がETHブロックチェーンの効率化を宣言

ETH開発者のヴィタリック・ブテリン氏は12月10日、自身のツイッターで、ブロックチェーンの金融分野への活用は初期的なもので、いずれ金融分野以外にも活用すると語りました。

一連のツイートの中で、ブロックチェーンに関連して重要だと思われる発言は以下の3つです。

  • PoSとシャーディングによって何千倍も効率的になる
  • 金融分野以外での活用が増加する
  • 社会コストの削減のために高額な技術費をつぎ込むことは、時に安上がりである

PoSとシャーディングによって何千倍も効率的になる

ブテリン氏はPoS(※1)とシャーディングについて、以下のように語りました。

「PoS(Proof of Stake)とシャーディング技術を備えた未来のブロックチェーンは、何千倍も効率が良くなり、その結果、チェーン上にモノを置くという行為がますます受け入れられるようになるだろう。」

※1.

PoSとはProof of Stakeの略称です。

仮想通貨を管理するシステムの一種で、コンセンサスアルゴリズムとも呼ばれており、コンセンサスアルゴリズムにはPoSの他にもPoWやPolなどがあります。

PoSは仮想通貨の保有量(Stake)の大小によりマイニング作業に対する報酬が得やすくなるという特徴があり、大量の電力消費などのPoWが抱える欠点を補うアルゴリズムとして知られています。

詳しくはこちら

同氏は、11月行われた「カンファレンスDevcno4」にて次のように発言していることから、ETH(イーサリアム)を含めた「ブロックチェーン」への期待が一貫していることが分かります。

「ETH(イーサリアム)の次期アップデートである「セレニティ/Serenity」でPoWからPoSに移行し、スケーラビリティ向上、省エネルギー化が期待できる。

イーサリアムのスケーラビリティキャパシティは1000倍にまで到達するだろう」

セレニティアップデートについては詳しくは下記をご覧下さい。

>>>セレニティ(Serenity)とは?イーサリアムのキャパシティが1000倍になり今後の価格も急騰か!?

金融分野以外での活用が増加する

ブテリン氏は、スケーラビリティが改善され、ユーザーエクスペリエンス(UX)が向上するにつれて、

ブロックチェーンの金融分野以外での活用が増加し

「金融分野以外での活用がブロックチェーン技術史の一層大きな部分を占めるようになる」

と予想しました。

社会コストの削減のために高額な技術費をつぎ込むことは、時に安上がりである

最後にブテリン氏は、ブロックチェーンは「社会的コスト」を減少させながら計算コストを増加させると指摘しました。

同氏は人類が過去70年の間に、コンピュータの発展に高額な技術コストを負担した結果、世界の人件費が2~10倍上昇していることを例にして次のように語りました。

「高額の技術コストを負担して社会的コストの削減を達成することが、時には非常に安上がりな結果になることがある」

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