
2017年後半から2018年1月にかけて、ビットコインをはじめとした仮想通貨の価格が高騰しました。
それまでは仮想通貨の中では基軸通貨となっていたビットコインが頭一つ抜けた主役でしたが、2017年後半からの仮想通貨高騰時から、日の目を見ることのなかったマイナーなアルトコイン、いわゆる草コインも投資対象として強く関心が向けられるようになっていきました。
この記事では、そんなアルトコインの中でも比較的注目を浴びていた「コムサコイン」について紹介していきます。
COMSA(コムサコイン)のwiki的基本情報
仮想通貨名 | COMSA(コムサ) |
トークン名 | COMSA |
公開月 | 2017年 |
開発国 | 日本 |
開発チーム | Zaif(現在フィスコ株式会社) |
発行上限 | 219,042,298 CMS |
発行枚数 | - |
公式HP | https://comsa.io/en/ |
ホワイトペーパー | COMSAのホワイトペーパー(PDF) |
@comsaio | |
- | |
TelegramID | COMSA Japan |
YouTube | COMSA |
COMSA(コムサコイン)とは
コムサコインは2017年10月2日より、当時国内の大手取引所だったZaifを運営していたテックビューロが売り出したコムサプラットフォーム上で使われるトークンのことを指します。
ICOで約109億円の資金調達に成功
コムサコインは、コムサプロジェクトに必要な費用を捻出するために計画されたICOで発行されたトークンで、そのICOでは約109億円の資金を調達することに成功しました。
これはICOで調達した資金では世界トップクラスの水準です。
コムサプラットフォームに参加するためにはコムサコインを持つ必要があります。
コムサプラットフォームはICOのためのものなので、コムサコインを入手して、コムサプラットフォームに参加することで、ICOに参加できたり、コムサプラットフォームで行われるICOでの優遇が受けられたりします。
過去と現在の日本でのコムサの役割
2017年中頃から末にかけてコムサプラットフォームでのICOがいくつか計画されていました。
例えば、株式会社メタップスやクラウドファンディング事業を行うキャンプファイヤーがコムサプラットフォームでのICOを予定していました。
しかしながら、ICOによる詐欺が多発した影響もあって、次々とキャンセルになりました。
その後、2018年1月に起こったコインチェックの仮想通貨流出事件を契機にICOに対する規制が一気に強化され、ついにはICOが違法行為になってしまいました。
現在も日本ではICOは法律で認められておらず、結果としてコムサコインが活躍する場は皆無の状況となっています。
COMSA(コムサコイン)の特徴
コムサコインには2種類存在する
コムサコインには全く性質の異なる2種類が存在します。
片方はイーサリアムをベースにしたトークンで、もう片方はネムをベースにしたトークンです。
それぞれ、CMS:ETH、CMS:XEMという風に表記されます。
CMS:ETHをイムサ、CMS:XEMをネムサという風に呼ばれることもありました。
どちらもコムサプラットフォーム上でICO関連に使用されるトークンということに変わりはありません。
中央集権で発行上限がない
一般的に仮想通貨は非中央集権的と言って、管理者がおらず、価格操作されないということが一つ特徴として挙げられるのですが、コムサコインは例外になります。
コムサコインはテックビューロ社が管理している中央集権的な仮想通貨です。
また、コムサコインには発行枚数に制限がありません。
今後のICOで5%のボーナスが受けられる
コムサコインを保有しているとコムサプラットフォームで行われるICOに関していくつか優遇を受けることができます。
その中の一つにICOのトークン購入時のボーナス付与が挙げられます。
コムサプラットフォームで行われるICOで、そのトークンをコムサコインを用いて購入すると、購入額の5%のボーナスを受け取ることができます。
しかし、日本では現在ICOが違法になっているため、このボーナスを受け取ることができるチャンスはありません。
今後コムサプラットフォームでICOが行われることがあった場合に、このようなボーナスが受け取ることができるかも不透明な状況です。
クローズドのプレセールに招待
コムサコインを保有していると受けられる特典としてコムサプラットフォームで行われるICO案件のクローズドのプレセールに招待されます。
つまり、一般的にICOとして大々的にトークンが売り出される前に、そのトークンをこっそりと買うことができるということです。
ICO直後には価格が高騰することが多いため、その時点で売るだけでも利益を得ることができるということです。
ただ、この特典に関しても、現在コムサプラットフォームでのICOが行われていない状況なので、特典として受け取ることができません。
ICO案件のコミュニティ投票
コムサプラットフォームで行われるICOは、ICO協議会で審査された上でそれを通過したものに関してだけICOが行われるようになっています。
しかし、場合によってはコミュニティ投票でICOの是非が問われることがあります。
コムサコインを保有していれば、この投票にも参加することができます。
ICOで資金調達する企業にもメリットがある
コムサコインを保有しているとICOで資金調達をする企業側にもメリットがあります。
そもそも、コムサコインを保有していなければコムサプラットフォームを使用してのICOを行うことができません。
また、コムサコインを保有しているとICOの際にホワイトペーパーやブロックチェーンを導入するために必要な様々な手続きを手助けしてくれます。
企業側にとっては、ICOのハードルが低くなるというメリットがあるのです。
COMSAの時計とは

出典:COMSA
コムサコインが100億円集めていくつか実現できたことに、スイスの時計会社クロノスイスとコラボをして仮想通貨をモチーフにした腕時計を制作があります。
テックビューロ・ヨーロッパ 株式会社
2018年3月27日
報道関係者各位
テックビューロ・ヨーロッパ 株式会社(英語名:Tech Bureau Europe S.A.、本社:スイス連邦ツーク州、以下「テックビューロ・ヨーロッパ」)は、世界的な機械式腕時計ブランドであるChronoswiss社と、仮想通貨をモチーフにした 「クリプトデザイン」高級腕時計コレクション(全5種)を製作いたしました。
テックビューロ株式会社(本社:大阪府大阪市、以下「テックビューロ」)が運営するZaif 仮想通貨取引所にて入札による限定販売を実施いたします。
また、スイスを拠点とするテックビューロ・ヨーロッパとChronoswiss社は、スイスをその開催地としてCOMSAプラットフォームにおけるICOの実施について検討を始めました。
コムサ腕時計の販売形式はオークション形式でしたが、仮想通貨取引所らしく、仮想通貨取引所のオークションの板での競売方法でした。
このコムサ腕時計を購入できたのはZaifユーザー限定のオークションです。
結果は推定になってしまいますが、コムサネムの時計は0本、コムサイーサは7本、Zaif7本、ネム7本となりました。
ネムの腕時計に至っては280万円で売れたとは。
結果としては、コムサの腕時計販売は盛り上がらなかったようです。
COMSA(コムサコイン)とザイフトークンの違い
コムサコインとザイフトークンのいずれもテックビューロから生まれたトークンですが、両者の間にはベースとなる仮想通貨及び当面の使用用途において違いがあります。
コムサコインは、企業が資金調達を行う際の手続きを簡略化させるためにコムサプラットフォーム上で使われるトークンであり、イーサリアムベース及びネムベースの2種類のトークンとなっています。
一方、ザイフトークンはテックビューロから発行されたものとはいえ、何かの支払いに当てられることはなく、特に使い道はありません。
ベースとなるのは、ビットコインのブロックチェーン上にある新規トークン発行用プラットフォームで、CounterParty(カウンターパーティー)と呼ばれるものです。
ザイフトークンはテックビューロが発行したトークンであるゆえ、市場での価値の変動はテックビューロに依存するもので、購入先もザイフに限られます。
コムサコインに対する懸念点
コムサコインは中央集権的なコイン
コムサコインは中央集権的なコインで、テックビューロが管理しています。
このため、テックビューロが破綻してしまうとコムサコインの価値も無くなってしまう恐れがあります。
特にテックビューロの場合は、破綻が現実に起こってしまうかもしれないので注意しなければなりません。
テックビューロは、以前は国内最王手の仮想通貨取引所のZaifを運営していましたが、Zaifからの仮想通貨流出事件が起こり、フィスコにZaifの運営を託しました。
また、最近になって仮想通貨取引業を廃業することを発表しており、今後の見通しが不透明な状況となっています。
発行上限がない
コムサコインには発行上限がありません。
このため、管理しているテックビューロが新たにコムサコインを発行し、市場に出せばコムサコインの価値は下落してしまいます。
つまり、テックビューロはコムサコインの価格操作を行うことができるということです。
テックビューロの将来の見通しが不透明であるため、突然何をするか分からないので注意が必要です。
ICOが日本の法律で禁止されている
ICOが日本の法律で禁止されていることが、コムサコインにとって何よりの問題となっています。
そもそもコムサプラットフォームはICOのためのプラットフォームなので、ICOができない日本にとってコムサコインは価値がないも同然のものなのです。
今後、日本でICOがどのように扱われるようになるのかは分かりませんが、それ次第でコムサコインの価値も大きく変動するでしょう。
ただ、すぐにコムサコインが高騰するという状況は現状では考えづらいでしょう。
ただ、コムサが海外に進出してICOを実施していく可能性もあるので、コムサの海外での動向について注意深く見守る必要がありそうです。
コムサコインに対する評判・口コミ
ここではコムサコインに対する評判・口コミを紹介します。
日本で過去に注目されたCOMSAの現状https://t.co/LEjkQDf3uF
COMSAは、
100億円集めて6名CARDANOは、
67億円を調達して3団体で合計240名
財団 30名
IOHK 150名
EMURGO 60名この真剣さの違いを理解してほしい。
— Ken Kodama (@Emurgo_Ken) 2019年9月4日
XRPは少し抑えてもいいかなぁって思うけどね大金行くと火傷しそうだけど。xemやCOMSA今から行くやつは流石にいないでしょ・・・
— スキンヘッドマン@泥酔部 (@skinheadman_316) 2019年9月3日
COMSAに関して言えば、ICOが法的に「証券」としてクリアされて、将来、今までのように、調達した資金がどこかにドロンするような詐欺事件、犯罪事件がなくなって、資金調達の場として活用されれば、価値が出てくると思うけど、今の所ゴミみたいな価値だろうな
— 不労所得者 (@syo_sindou) 2019年8月31日
やはりICOが違法とされている現状では、コムサコインへの風当たりは厳しいです。
約109億円の資金調達をしておきながら、社員6名で何をしているんだという意見がありました。
また、この状況でコムサコインは買わないと宣言するツイートも見られました。
コムサコインの将来性

出典:COMSA
国内のICO規制が大きく影響する
コムサコインの将来性については、今後のICOの規制が密接にリンクしているでしょう。
現状日本ではICOは認められていませんが、海外からの働きかけ次第でICOを再び合法にする可能性もあります。
また、海外にコムサを持ち込んで、海外でコムサプラットフォームを利用したICOを展開していくという戦略もあり得るのではないでしょうか。
海外進出の可能性もある
海外ではICOを実施することは可能です。
実際、アメリカにはテックビューロアメリカ、欧州にはテックビューロヨーロッパと子会社を設置しています。
これを聞くと、海外に進出して海外のICO市場に参入していこうという戦略が垣間見えます。
もし海外で具体的なコムサプラットフォームを利用したICO事例が発表されたとすれば、それは大きな材料として評価され、それがコムサコインの価格にも大きく影響してくることが考えられます。
保有する場合は長期戦を覚悟の上で
現状、コムサコインの時価総額はピーク時よりもだいぶ下がってしまっているので、上がり始めたらあっという間かもしれません。
捨ててもいいと考えることができるお金を少しだけコムサコインに変えてみて、後に起こるかもしれない高騰を待つというのもいいかもしれません。
ただしこの場合も、高騰までに長い年月がかかるかもしれないので、本当に捨ててもいいという感覚でトレードすることをおすすめします。
コムサコインのまとめ
コムサコインは、2017年の発行当初は、日本のICOの中心的役割を担う仮想通貨となることが期待されていました。
しかし、日本でICOが法律的に禁止された現状では、コムサコインは全く実用性がないコインになってしまっています。
今後、日本でICOの規制が見直されるかどうかが、コムサコインの未来に大きく影響してくるでしょう。
また、海外でのICOの実施は可能なので、海外でコムサプロジェクトがどの程度浸透していくのか注目していく必要があります。