
デビットカードは口座にあるお金から瞬時に決済される仕組みになっているため、クレジットカードのように使いすぎて翌月の支払いに困るということが起こりません。
クレジットカードのように厳しい審査基準もないため、カードが作りやすいのも特徴です。
そんな便利なデビットカードですが、近年、仮想通貨でも利用できる動きが広まっています。
これから仮想通貨の普及が拡大し、仮想通貨を使用する機会が増え始めると、仮想通貨が使えるデビットカードはとても重宝するアイテムになることでしょう。
そこでこの記事では、仮想通貨対応のデビットカードをまとめて比較検証してみました!
仮想通貨デビットカードの使用を検討している方の参考になれば幸いです。
ビットコインのデビットカードとは
ビットコインで爆益を上げても、ビットコインの本来の目的である「何かを購入し決済をする」という使い方は満足にできていないのが現状です。
理由は簡単で、ビットコインを利用して購入できる店舗や施設がまだ少なく、手軽に買い物をするというレベルではないからです。
そこで出番となるのが、ビットコインのデビットカードです。
ビットコインのデビットカードを持っていれば、口座にあるビットコインを利用して、手元に現金がなくてもクレジットカードのように決済することができます。
今回はビットコインデビットカードの中から「マネパカード」「TenXカー」「バンドルカード」の3種類の特徴をまとめてみました。
日本国内で使えるビットコインのデビットカードまとめ
マネパカードとは

出典:マネパカード
マネパカードは、FXや証券取引を行っているマネーパートナーズが発行しているデビットカードです。
マネパカードは日本でも海外でも使える利便性の高いカードで、下記の6通貨に対応しています。
- 日本円
- 米ドル
- 豪ドル
- 香港ドル
- ユーロ
- 英ポンド
さらに、仮想通貨フィスコに事業譲渡をしたZaifとも提携しており仮想通貨での入金が可能です。
※現在Zaifからの出金とチャージは一時停止しています。
メリット
■与信審査がなく簡単に作成できる
マネパカードのメリットは、クレジットカードのような与信審査がなく簡単に作ることができるという点です。
15歳以上から75歳未満のどなたでも申し込むことができるため、学生でも持つことが出来るお手軽なカードです。
クレジットカードを申し込む場合には、個人情報を事細かに記入しなければなりませんが、マネパカードは個人情報を登録する必要はないため安心して申し込めるという利点もありますよ。
■入会金・年会費・チャージ手数料・決済手数料が無料
さらに、入会金・年会費が無料で申し込めるというメリットもあります。
最近は、入会金・年会費無料のカード会社も増えてきていますが、「最低1回は使用する」といった条件がつく場合もあるため、無条件で入会金・年会費が無料というのは嬉しいポイントですね。
チャージ手数料やショッピングでの決済手数料も無料です。
つまり、カードを維持するための費用は一切かからないため、仮想通貨が高騰した時に現金に換金すれば、価格が上昇する前よりも多くのお金が使えたりもするということです。
これらの無料を一括りにまとめると、マネパカードの手数料は日本で最も安いということになります。
これはありがたいですよね!
クレジットカードの利用であれば手数料がかかってしまう場面でも、マネパカードを利用することでクレジットカードの半分程の手数料で済ませることができます。
■日本円を入金し国内で利用すれば0.5%キャッシュバック
さらに嬉しいことに、マネパカードに日本円を入金し国内で買い物をすれば、ご利用金額の0.5%がキャッシュバックされるという特典もあります。
しかも、翌月に自動的に0.5%分の金額が振り込まれているため、簡単で分かりやすいという点も魅力ですね。
デメリット
■国内ATMでは現金を引き出すことができない
マネパカードのデメリットは、国内のATMでは現金が引き出せないと言う点です。
手元にマネパカードしかない場合、金券に相当するものをマネパカードで買うことはできません。
マネパカードを現金として引き出そうとしても、国内のATMを利用することはできません。
マネパカードに入金した日本円を引き出すには、まずはマネパカードの会員専用サイトから出金手続きを行い、指定口座に振り込まれるのを待つ必要があります。
2営業日程で指定した銀行口座に入金されるので、そこから引き出すという流れになります。
この流れは、とても不便ですよね。
しかも手数料が540円取られてしまう上に、外貨の両替が土日に出来ないという点もデメリットです。
お金を引き出すためには、時間と手間がかかってしまうため、必要な場合は、平日に前もって両替をすませておきましょう。
■不正利用された場合の補償がない
マネパカードには、不正利用をされた時の補償がありません。
クレジットカードは不正利用された場合、保険がかけられているため全額戻って来ますが、マネパカードは不正利用で使われてしまっても補償はされません。
盗難や無くしてしまった場合は、早急に利用停止の措置をとりましょう。
TenXカードとは

出典:TenX
TenXカードはウォレットとカードが一体となった仮想通貨デビットカードです。
ウォレットアプリで決済を行うことができ、VISAとの提携もしています。
TenXは、ICOによって僅か7分で90億円の資金調達に成功し、大きな話題を呼びました。
話題を呼んだTenXの最大の特徴は、決済直前で仮想通貨から法定通貨に自動で両替されて引き落とされるシステムです。
取り扱っている仮想通貨もビットコインだけでなく、イーサリムやERCトークンなど盛りだくさんです。
メリット
■クロスチェーン決済ネットワーク Comit が使われている
TenXの最大の特徴でもある、TenXに入金していた仮想通貨が決済の直前に自動的に法定通貨に切り替わるシステムは、メリットでもあります。
この自動的に切り替わる仕組みは、クロスチェーン決済ネットワークのComitと呼ばれるプラットフォームなのです。
仮想通貨は相場の変動で価値が変わるため、高騰した時に決済をすれば、通貨を購入した金額以上の買い物もできるということになります。
■利用額に対して0.1%がPayトークンとして還元される
さらに、TenXカードを利用して決済すると利用価格の0.1%がPayトークンとして還元されるという、お得な特典もあります。
Payトークン自体にも価値があるため、相場の価格変動によっては価格が上昇する可能性も秘めているのです。
■Payトークンを持っていることでイーサリアムももらえる
そして、Payトークンは持っているだけで、仮想通貨イーサリアムももらうことができます。
イーサリアムと言えば時価総額2位の主要仮想通貨の1つであり、ブロックチェーンゲームでの主要通貨としても使用されるなど更なる利益をもたらしてくれる可能性があります。
デビットカードを利用することで得られる特典も用意されているので、得した気分になりますよね。
■手数料がほとんどかからない
手数料がほとんどかからないという点もメリットといえます。
- カード発行手数料:15ドル(約1680円)
- 出金:3ドル(約336円)
- 年会費:年に100ドル(約11200円)利用で無料に
このように一部手数料が必要な場合も有りますが、その他の手数料は全て無料となっています。
デメリット
メリットが目立つTenXカードですが、もちろんデメリットもあります。
■Comitシステムのエラー
TenXカードの需要が高まり使用頻度が増えた時、
Comitシステムが「異なるブロックチェーン同士を繋いでいくという複雑な動作」をエラーを出さずに行えるのかという点は不安視されています。
■TenXの将来性に対する不安
また「仮想通貨を利用したデビットカード」という商品を狙っている大手企業も多いことから、TenXがそうした大手との競合に渡り合って行けるのかという心配もあります。
日本の仮想通貨取引所も現在は大手ばかりが生き残っていることから見ても、TenXの将来性に不安の声が集まるのは当然のことでしょう。
■TenXカードの発行停止
そして、TenXの現在の最大のデメリットとして、TenXカードの発行が停止したことがあげられます。
これは、仮想通貨のカード業界の大手WaveCrestがVISAのライセンスを失ったことが原因となっており、
仮想通貨カードの信用が失われたことで多くの仮想通貨カードが発行停止という状況に陥ったのです。
TenXは使用停止となった原因に直接関与はしていないものの、影響を受け発行停止となっています。
バンドルカードとは
バンドルカードはスマホ決済アプリで、VISAカードの一種です。
手元にお金がなくてもすぐにチャージすることができます。
また、ビットフライヤーやコインチェックを経由してビットコインをチャージすることも可能です。
支払いが翌月の後払い方式という点でデビットカードとは異なる特徴があります。
手軽にカードを作成し利用できることから、若者の間で支持を集めてます。
メリット
■スマホで決済できる
バンドルカードのメリットは、常に持ち歩いてるスマホで決済できるという点です。
このお手軽さはとても使い勝手がよく魅力的ですよね。
■プリペイド式でチャージ方法も豊富
プリペイド式なので使いすぎの心配もなく安心して利用できます。
チャージ方法は、
- ビットコインのチャージ
- コンビニ
- ネット銀行 など
たくさん用意されているため便利です。
■与信審査は不要
バンドルカードは利用者の収入を調べる与信審査のようなことはありません。
そのため、カードをもつことができない学生に人気が高いカードです。
■登録手続きが簡単
バンドルカードを作るための手続きはとても簡単です。
- パスワード
- 生年月日
- ユーザーID
- 電話番号
上記4つの情報だけで、手続きを行うことができます。
■VISA加盟店ならどこでも利用可能
バンドルカードはインターネットでの買い物以外にも、実際の店舗でもVISA加盟店であればどこでも利用できます。
カードには3種類あります。
- インターネット専用のヴァーチャルカード
- 実際の店舗で利用できるリアルカード
- リアルカードよりも利用できる店舗が多いリアルプラス
対応している店舗が多く使い勝手がいいというのは、大きなメリットですね。
デメリット
バンドルカードのデメリットとしては、手数料の高さがあげられます。
手数料は入金金額によって変動し、
- 3000から10000円までが500円
- 11000から20000までが800円
上記のように設定されています。
金額に比べると手数料が割高に感じてしまいますよね。
手数料が高いという点は、デメリットと言えます。
デビットカードを比較
「マネパカード」「TenXカード」「バンドルカード」には、それぞれ良さがあるため、本来であれば甲乙つけ難いというのが正直なところです。
しかし、「マネパカード」と「TenXカード」は、現時点では仮想通貨の決済が利用できない状況となっているため、必然的に「バンドルカード」の一人勝ちという結果になるでしょう。
TenXカードには「決済直前で自動的に切り替わるComit」という特徴があるため、もしTenXカードが利用できていれば、TenXカードもおすすめしたいところですが残念です。
ビットコインのデビットカードを使う時の注意点は?
ビットコインのデビットカードを使う際の注意点は、税金です。
課税対象に切り替わるタイミングは、
- ウォレット型のカード:決済をすると課税対象
- プリペイド型のカード:チャージした瞬間から課税対象
となります。
つまり、ビットコインから法定通貨に変わった瞬間から、利確したと見なされ課税対象となってしまうのです。
現在、仮想通貨の税金は雑所得の扱いとなります。
この雑所得扱いになると言う点は、日本で仮想通貨が普及するための弊害となっており、雑所得を株と同じ一律の税金にしようという動きもありますが、具体的には何も進んでいません。
一刻も早く適切な課税方法に切り替えてほしいものです。
ビットコインのデビットカードに関するまとめ
仮想通貨デビットカードは使い勝手がよく、クレジットカードよりも手軽に利用できるため、爆発的に広がっても良い商品といえます。
しかし、今回紹介した代表的なビットコインのデビットカード3つのうち2つが、現時点で使用停止となっており利用できません。
仮想通貨関連のサービスはまだまだ未完成・未発達な部分も多く、使用停止や見送りが多いのが現状なのです。
仮想通貨の幅広い普及を目指すためには、こういった問題や不具合をできるだけ早く改善しなくてはなりません。
それと同時に、ある程度の規制や法整備によって利用者の不安を解消し安全性を高める必要もあるでしょう。
仮想通貨のブロックチェーンの技術が日常生活に浸透し、もっと便利な暮らしができる未来が楽しみですね!