0529中国のビットコイン事情 (1)

2019年4月9日、中国政府が国内でのマイニングを禁止するとのニュースが流れました。

記事によると、中国の国家発展改革委員会(NDRC)が公表した450を超える「有害産業」の一覧の中に、BTCのマイニング事業が含まれていたとのことです。

ビットコイン(BTC)のマイニングは7割が中国で行われています。

もしこの発表通りに、中国国内でのマイニングが禁止になれば、取引のトランザクション(承認)が滞るのは必至です。

そうなれば、せっかく価格が戻ってきた市場に悪影響を及ぼすのは間違いありません。

そこで今回は、ニュースで取り上げられたマイニング事情を含め、中国の仮想通貨事情をリサーチしてみました。

中国のビットコインの取引事情

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中国国内でのビットコインの取引は、様々な規制にしばられています。

そしてそれは、他の仮想通貨も同じです。

中国が実施する仮想通貨関連の規制とは

人民元とビットコインの直接取引の禁止

まず第一に、中国では人民元とビットコイン(仮想通貨)の直接の取引が禁止されています。

その最たる理由は、中国政府が人民元の海外流出を恐れているからです。

ただ、この人民元での取引禁止が、さらなる問題を生んでいます。

中国国民はTether(USDT)で仮想通貨取引を実施

人民元での直接取引が禁止されているため、多くの中国国民は、Tether(USDT)に交換してから仮想通貨の取引を行っているのです。

ステーブルコインであるTether(USDT)は、ドルと同等の価値が保証されたステーブルコインです。

この一連の流れが、マネーロンダリング(資金洗浄)の手口と似ていることから、非常に問題視されているのです。

投資家としては、国が直接取引を規制しているので、このような形で取引をしているわけです。

それをマネーロンダリングだと言われて、中国国内での取引そのものを見直す動きも出ているほどです。

2017年9月ICOの全面禁止を発表

それに中国では、ICOも禁止になっています。

中国は2017年9月に、ICO(Initial Coin Offering)の全面禁止措置を行いました。

中国人民銀行を筆頭とする省庁を横断する委員会は次のように公告した[中国語原文]。これによればICOによる資金調達は「経済および金融の秩序を著しく乱す活動」として直ちに禁止された。

中国における金融ニュースメディア、Caixin〔財新〕 [中国語版]の記事によれば、同委員会は60箇所の暗号通貨取引所のリストを作っており、これらの証券取引所に対して監督当局は調査を行うと同時にその報告の提出が求められているという。これと同時に中国では新規のICOは凍結された。

引用:中国、ICOを全面禁止――「金融詐欺、ネズミ講」と強く非難

「無秩序な市場が詐欺行為の温床となる」との理由で禁止されたのですが、その影響を受けて、中国国内の取引所が閉鎖に追い込まれたり、中止を余儀なくされたプロジェクトも数多くありました。

いわゆる2017年に起こった、チャイナショックです。

このように中国国内の仮想通貨市場は、様々な規制にしばられており、日本やアメリカのように自由な取引ができない状態にあるのです。

そこにマイニング事業まで禁止となれば、市場に与える影響は計り知れないほど大きなものになるでしょう。

本当にマイニングが禁止になるのか?

最初に中国政府が発表の内容をおしらせしましたが、ここでもう一度その内容を振り返ってみましょう。

中国の国家発展改革委員会(NDRC)は今月8日、中国が推進、制限、あるいは淘汰する予定の産業のリストを公開。その中で仮想通貨マイニングは、安全な生産条件が欠け、リソースを無駄遣いし、環境に著しく有害であるとされた。

引用:海外ニュースサイト

今回問題となっているのは、マイニングによる消費電力だけでなく、廃棄ASICの環境破壊も含まれているようです。

マイニングによる消費電力を問題視

国家発展改革委員会(NDRC)は、正式名称を『中華人民共和国国家発展改革委員会』(英語表記:National Development and Reform Commission)といい、経済と社会の政策の研究、経済のマクロ調整などを行う行政部門になります。

中でも、中国のグローバルエネルギー戦略研究の要として位置づけられています。

なので今回、ビットコイン(BTC)のマイニングによる消費電力を特に問題視しているものと思われます。

電気代の安さから、全世界の約70%のマイニング業者が中国に集中していると言われいるため、もし中国国内でのマイニングが禁止されれば、市場に大きな影響を及ぼすのは必至です。

このマイニング禁止令が実行されれば、マイニング企業だけでなく、マイニングマシンの製造メーカーや、GPUメーカーにも大きな打撃を与えることになるでしょう。

マイニング企業最大手のBitmainには大打撃

特に、マイニング企業最大手のBitmainは、マイニングだけでなく、マイニングマシンであるASICの製造・販売を行い大きな収益を上げています。

2018年にBitcoin(BTC)の価格が低迷した際には、マイニングマシンであるASICの販売が低迷し、社員の約半数をリストラしています。

万が一、マイニングが禁止になった場合の影響は、経営そのものを揺るがしかねないと言えるでしょう。

取引の承認が滞ることとなり相場にも悪影響

それに、マイニングが滞ることになれば、取引の承認がされないことになってしまいます。

そうなった場合、市場への影響は必至です。

4月から上昇し始めている相場に悪影響を及ぼすのは間違いないでしょう。

今すぐマイニングが禁止されることはない

ただ今回の発表に関しては、あくまでも将来禁止したい事業にリストアップされただけのようです。

いつからマイニングを禁止するといった発表はされておらず、具体的な時期には全く触れていません。

ですので、今すぐマイニングが禁止になるということではないようです。

とりあえずは、一安心といったところでしょう。

中国政府は人民元の海外流出を懸念

ここで簡単に、中国の市場の動向を振り返ってみてみましょう。

人民元での仮想通貨取引が禁じられているように、中国政府が恐れているのは、人民元の海外流出です。

人民元の流出は、中国の富裕層の海外への脱出によって起こっています。

対米輸出の格差により、人民元は値上がりを続けています。

今の所は、1US$=7人民元の攻防になっているようですが、この辺りが中国政府の考えているボーダーラインになっているようです。

万が一、これ以上人民元が値上がりすれば、中国の国内市場に与える影響は大きいと言われています。

また、米国との関税合戦も起こっているので、今後世界経済がどのように動くのかは、予断を許さない状況になっています。

中国政府は富裕層の海外流出対策を模索

また、多くの人が忘れているようですが、中国は共産党一党支配の共産主義国家です。

自由経済を取り入れてはいますが、国からの規制は厳しく、事実、仮想通貨は様々な規制に縛られています

市場の開放も、経済特区と呼ばれる地域に限られており、その多くは中国共産党が支配権を握っています。

市場の大きさ、経済の成長速度の速さなどから注目される中国市場ですが、一党支配の独裁政権国家であることを視野に入れておく必要があるのではないでしょうか。

中国を脱出しようとしている富裕層は、国の規制を嫌って、さらには自由な市場を求めて、中国国外に目を向けているのでしょう。

中国政府は、この現状を何とかしたいとは考えているものの、具体的な対策はまだ取れていないようです。

中国の仮想通貨取引所事情

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中国の仮想通貨取引所というと、一時期は色々な取引所がありました。

またそのどれもが独創的で、色々な特徴を持っていました。

多くの取引所がチャイナ・ショックの影響を受けた

今は本社をマルタに移転しましたが、Binanceも元々は中国・香港に拠点を置いていました。

BITCC(Bitcoin China)も一時期、取引量で世界ランキング1位でしたが、2017年のチャイナショックで、拠点をイギリスに移しています。

OKexも今は、アメリカに拠点を移していますが、元は中国で取引所を開設しました。

中国に拠点をおく主な仮想通貨取引所はHuobiとBiboxのみ

今も中国(香港)に残っているのは、Huobi(フォビ)とBiboxくらいになっています。

これには色々な条件があると思いますが、やはり中国当局からの規制が一番大きな原因であると思われます。

事実、中国に残っているHuobiは、会社役員に中国共産党党員を迎え入れていますが、それは何らかの便宜をはかってもらうためというウワサがあるほどです。

上の図は、中国に拠点を置く取引所を抽出したものです。

そして下の写真は、Huobiの取引内容をキャプチャーしたものになります。

先にお伝えしたように、取引はTether(USDT)がメインになっています。

それ以外では特に変わった点は見受けられないようです。

中国のブロックチェーン開発や新規仮想通貨

Ethereum Killer

これまでお伝えしてきたように、中国では、ビットコインをはじめとする仮想通貨の取引は規制で縛られていますが、仮想通貨の根幹技術であるブロックチェーンに関しては、大きく事情が異なるようです。

ブロックチェーン技術に関する特許出願率は中国が最多

Thomson Reutersのレポートによると、2017年にブロックチェーン技術に関して出願された特許数は406件でした。

そのうち、半数以上を占める225件 (55.4%) は中国から出願されており、アメリカは91件 (22.4%)の出願にとどまりました。

そして2018年の特許出願数は以下のようになっています。

TOP10のうち中国企業が半数を占めており、1位のAlibaba(関連会社のAnt Financial含む)は90件の公開特許出願でした。

2位はIBM、3位はMasterCard、4位はBank of Americaとアメリカ勢が並びますが、5位には中国の中央銀行である中国人民銀行(People’s Bank of China)の44件でランクインしています。

以下、40件で8位、39件で9位、38件で10位と続く企業も全て、中国企業となっています。

中国企業のブロックチェーンの特許申請は非常に活発

中国企業のブロックチェーンの特許申請は、非常に活発です。

アメリカとの特許競争も年々加熱しています。

これらの動きは、中国の国家戦略であると見る向きもありますし、事実2016年に中国政府が作成した「第13次 5カ年計画 」にも記載されているとのことです。

このように中国が特許申請に力を注いでいるのは、特許を通して、ブロックチェーンにおいても世界的に先導的なポジションを得ることが目的だと思われます。

中国で開発された仮想通貨EOSは人気が高い

また、仮想通貨の取引は規制が厳しいものの、中国の行政機関、北京情報センター(CCID)は、毎月「国際パブリックチェーン技術評価指標」を公開しています。

国内仮想通貨ニュースサイトであるCoinPostの記事によると、

中国の行政機関、北京情報センター(CCID)のブロックチェーン研究所は27日、第12回「国際パブリックチェーン技術評価指標」を公開した。前月の公開がなかったため、1月ぶりの最新ランキングの公開となる。

仮想通貨で使用されるブロックチェーンを“技術ベースで評価した指標”であり、中国政府、民間、教育機関に在籍する専門家によって評価が行われている。(矢印の左側は、前回評価値)。

今回のTOP3は、前回と変わらずEOS、トロン、そしてイーサリアムとなっているが、ビットコインやビットコインキャッシュなどの通貨基準が大きく見直されているほか、XRP(リップル)も2月連続で順位を更新。これまで中国系のプロジェクトまたは中国で人気があるプロジェクトが上位にあったランキングにも変化が見られ始めている。

中国の行政機関に所属する北京情報センター(CCID)のブロックチェーン研究所は、「中国政府の一流科学研究機関」と格付けしている。複数のCCID支部の協力で最初のランキングは昨年5月に発表。CCIDが公開するランキングの結果は、政府機関や企業、研究機関やデベロッパーに向けて参考性の高い技術的アドバイスを提供するためのものだという。なお、ブロックチェーンプロジェクトの格付けとして発表しているが、中国では仮想通貨が原則禁止されているため、同格付けが間接的な仮想通貨プロジェクトの評価であるとの見方もある。

引用:中国仮想通貨格付け最新版(第12回)を公開 ビットコインやLiskなどがランクアップ

CCID Ranking IMG

出典:CoinPost NEWS

という記事が掲載されています。

このCCIDのランキングでは、EOSが常に1位となっています。

EOSは中国で開発された仮想通貨であり、ブロックチェーン上にスマートコントラクトのプラットフォームを持ち、DAppsを実装できる、Ethereumに非常によく似た仮想通貨です。

EOSは中国ではEthereum killer(イーサリアム キラー)と呼ばれており、人気が高い仮想通貨でもあります。

中国政府系の機関であるCCIDの信憑性については賛否

CoinPostの記事にもあるように、CCIDは中国政府系の機関です。

中国で生まれたEOSやTRONを高評価しているとも言われており、その評価は公平性を欠くという意見もあります。

ただ、記事にも記されているように、あくまでも中国国内での評価だと捉える内容だと思われますし、市場もそのように見ているようです。

中国のビットコイン(仮想通貨)事情まとめ

BTC china Blake

中国では、ビットコインをはじめとする仮想通貨の取引市場に非常に厳しい規制がしかれています。

しかしその一方で、ブロックチェーン関連技術の特許申請には、非常に積極的であり、国家戦略的に進めていることが見て取れます。

2017年には1万人もの富裕層が海外に流出

何度もお伝えしていますが、中国政府は人民元の海外流出に対して神経をとがらせています。

中国国内から海外への資金流出は、資産家の海外流出が主な原因とされており、事実2017年には、100万ドル以上の純資産を所有する富裕層が1万人も海外に流出しています。

特に個人資産の確保に役立つビットコインは、中国政府にとっては厄介な代物なのかもしれません。

その意味では、今回の発表のように、いきなりマイニング禁止を言い出す可能性がないとは言えない状況です。

ブロックチェーンの技術開発や特許申請は国家的戦略で進行

一方で、ブロックチェーンの技術開発や特許申請においては、国家的戦略を取っており、将来を見据えて、世界をリードできるよう活発な動きを見せています。

このように一方では規制をかけ、一方では開発を進める。

このような矛盾を抱えているのが中国のビットコイン事情ですが、経済市場の大きさや成長率の高さから、今後も注目されるのは間違いありません。

中国での動きに変化がありましたら、またお知らせしたいと思います。

以上今回は、『中国のビットコイン事情 マイニングが禁止されるって本当なの!?』と題してお届けしました。

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