モナコのモンテカルロのカジノを破綻させた手法として有名なモンテカルロ法。
モンテカルロ法は数列を使ったり常にメモ帳を使いながら計算し続ける必要があるので「有効な手法だと分かってはいるけどとっつきにくい、手を出しにくい手法」としてもまた有名です。
モンテカルロ法とは,乱数を使って数理モデルの確率的現象を解析する方法である。
1940年代に J. von Neumann と S. M. Ulam が核分裂における中性子の拡散現象に関する研究6)の中で,コンピュータを利用したモンテカルロ法によるシミュレーションを初めて実行したとされている。
モンテカルロ(MonteCarlo)は,カジノで有名なモナコ公国における地名に由来する。
また、モンテカルロ法はマーチンゲール法などと違い「成功のうちに終了しても必ずしも収益プラスで終わるわけではない」という大問題も抱えています。
この記事では扱いにくい、理解しにくいと言われるモンテカルロ法をできるだけ噛み砕いて説明し「バカラへモンテカルロ法を使うにはどうすればいいのか?」の解説、及び、モンテカルロ法は最終的に必ずしも収益プラスで終わるわけではないという問題点を改善した「改良型モンテカルロ法」について解説していきます。
モンテカルロ法の基本戦略とは
モンテカルロ法を使用できるゲームには条件があります。
まずはオッズです。
条件は
「オッズがほぼ2倍」
もしくは
「オッズがほぼ3倍」
で、このどちらかのオッズ条件を満たすゲームに使うことができます。
また、勝率の面でも条件があり、
- オッズがほぼ2倍のゲームの場合「勝率が1/3を超えること」
- またオッズが3倍のゲームの場合は「勝率が1/4」を超えること
が条件となります。
しかし、オンラインカジノのゲームではオッズがほぼ2倍のゲームならば勝率は1/2程度になっているのが普通ですし、ほぼ3倍のゲームでも勝率は1/3程度が当たり前でしょうから、勝率のことは考えずに、ただ単に「オッズがほぼ2倍もしくは3倍のゲームに使えるんだ」ということだけを覚えておけば十分でしょう。
モンテカルロ法の特徴
モンテカルロ法のやり方はマーチンゲール法やココモ法などの他の手法と似ていて「負けるたびにベット額を増やしていく」というものですが、マーチンゲール法やココモ法などとの大きな違いは「2回の負けによる損失分を1~2回の勝ちで相殺するようになっている」という点です。
マーチンゲール法にしろココモ法にしろ、いくら連敗しようとも一度の勝ちで一気にそれまでの連敗の損失分を取り戻すことができますが、モンテカルロ法の場合は一度の勝ちで1敗分の損失しか回収できないことが多いのです。
例えば、3連敗の損失分を回収しようとする場合、マーチンゲール法はたった1回勝つだけで損失分を回収できるだけではなく利益まで上げることができますが、モンテカルロ法の場合は「2~3回分の勝ち越し」でようやく収支をプラスにすることができるのです。
もしかするとこのような「一度の勝ちだけではそれまでの損失分を取り戻せられない」という話を聞くと「モンテカルロ法はあまり魅力を感じない賭け方」のように聞こえるかもしれません。
しかし、それと引き換えに「ベット額の増え方がかなり緩やかである」というメリットがあるのです。
例えばマーチンゲール法では10連敗でベット額が1000倍以上に激増してしまいます。
ところがモンテカルロ法の場合それよりもはるかに低い「14倍(考え方によっては3倍強)」に留まっています。
そして必要資金という点で比較してみても、マーチンゲール法は10連敗で初期ベット額の2000倍必要になりますがモンテカルロ法の場合は初期ベット額の99倍に収まります。
このようにモンテカルロ法は
- 損失分の回復ペースは緩やか
- ベット額の増え方も緩やか
- 必要な資金は少なくて済む
という特徴があります。
モンテカルロ法の賭けの流れ(オッズが2倍の場合)
1.数列「1+2+3」を紙に書く
まずは紙とペンを用意、もしくはメモ帳機能などを用意し、そこに数列「1+2+3」と書きます。
いきなり「数列」という単語が出てきたので数学アレルギーがある人はここで立ち止まってしまうかもしれませんが、数列とはただの「数字の並び」のことを意味するだけであり、それ以上深い意味はありません。
高校数学でやるような等差数列は等比数列、シグマなどは一切使わないので安心してください。
2.数列の左端の数字と右端の数字を足した数をベット
まずは数列の左端と右端の数字を足します。
計算の結果出たその数字が次のゲームのベット額となります。
例えば1ゲーム目で使う数列は「1+2+3」の数列ですので左端と右端の数字を足すと「1+3=4」です。
ゆえに1ゲーム目で賭けるベット額は4ということになります。
もしベット額の基本単位を1ドルに設定しているならば実際に賭ける金額は4ドルになりますし、100円に設定しているのならば400円となります。
3.負けた場合は数列の右端にベット額の数字を追加し2と同じ操作をする
もし賭けに負けた場合は「そのゲームで賭けたベット額の数字をそのゲームで使った数列の右端に追加」します。
1ゲーム目で使った数列は「1+2+3」の数列ですので、その右端にベット額の4を足します。
そうすると数列は「1+2+3+4」になります。
そしてこの「1+2+3+4」の数列が2ゲーム目に使う数列となります。
2ゲーム目で使う数列が完成したら2の「数列の左端の数字と右端の数字を足した数だけベットする」という操作をまた行います。
2ゲーム目の数列は「1+2+3+4」なので左端の数字1と右端の数字4を足すと5となります。
この数字の5が2ゲーム目のベット額となります。
4.勝った場合は数列の左端の数字と右端の数字を消し2と同じ操作をする
もし賭けに勝った場合は「そのゲームで使った数列の左端と右端の数字を消し」ます。
ここでは1ゲーム目から3連敗してしまった場合のケースを例にして考えてみることにします。
1ゲーム目から3連敗した場合、数列とベット額は以下のように推移します。
- 1ゲーム目負け・・・数列「1+2+3」ベット額は4
- 2ゲーム目負け・・・数列「1+2+3+4」ベット額は5
- 3ゲーム目負け・・・数列「1+2+3+4+5」ベット額は6
- 4ゲーム目勝ち・・・数列「1+2+3+4+5+6」ベット額は7
4ゲーム目で勝ちましたので、4ゲーム目で使った数列「1+2+3+4+5+6」の左端の1と右端の6を消して「2+3+4+5」になります。
この「2+3+4+5」の数列が5ゲーム目で使われる数列となります。
あとは2の「数列の左端の数字と右端の数値を足した数だけベットする」という操作をまた行うだけです。
5.3と4を繰り返し残った数字が1個もしくは0個になった場合は終了なので1に戻る
この後は最終的に数列に残っている数字が1個もしくは0個になるまで3と4の操作を繰り返します。
そして残ってる数字が1個もしくは0個になったらそこでモンテカルロ法は一旦終了になるので、また1の「数列『1+2+3』を紙に書く」に戻って最初からやり直しとなります。
例えば1ゲーム目でいきなり勝利を収めた場合、数列1+2+3から左端の1と3が消えますので残りは2となります。
数列に残った数は「2」の1個だけなのでここでモンテカルロ法は一旦終了となり、また1の数列1+2+3を紙に書く作業に戻ることになるのです。
モンテカルロ法の賭けの流れ(オッズ3倍の場合)
モンテカルロ法はオッズが2倍のゲームだけではなくオッズが3倍のゲームにも賭けることができます。
むしろ一般にはモンテカルロ法はこのオッズ3倍のゲームの方で使われることが多いようです。
というのも「オッズ3倍のゲームでモンテカルロ法を使うと確実に収益がプラスになる」という話が信じられているからです。
(ただし、検証が重ねられた現在ではモンテカルロ法におけるオッズ3倍ゲームでの優位性は完全に否定されています)
ただ、オッズが3倍になってもオッズが2倍の時と基本的な賭けの流れに差はありません。
違いがあるのは、勝った時に消す数字は『左端の二つの数字と右端の二つの数字の合計四つの数字』という1点だけです。
例えば現在の数列が「1+2+3+4+5」の場合、オッズが2倍のゲームの場合は左端の1と右端の5を消して「2+3+4」という数列になりますが、オッズ3倍のゲームを行っている場合は左端の「1+2」右端の「4+5」、この四つの数字を消して「3」だけが残ります。
残った数字が「3」の一つだけなのでこの時点でモンテカルロ法は終了となり、また「1+2+3」の初期状態から始めることになります。
モンテカルロ法の実践例で解説
モンテカルロ法の賭けの流れを文字で説明すると上のようになるのですが、文字ばかりではいまいち感覚的にピンとこないかもしれません。
そこでここからは実例を表にして解説します。
※下の表はオッズ2倍でモンテカルロ法を行った場合の例
数列 | ベット額 | 勝敗 | トータル収支 | 解説 |
123 | 4 | × | -4 | 最初の数列は「1+2+3」、ベット額は「1+3=4」 |
1234 | 5 | × | -9 | 直前で負けたので数列の右端に「4」追加 |
12345 | 6 | 〇 | -3 | 直前で負けたので数列の右端に「5」追加 |
234 | 6 | × | -9 | 直前で勝ったので数列から1と5が消されている |
2346 | 8 | × | -17 | 数列に追加されたのは「6」(5と間違いやすい) |
23468 | 10 | × | -27 | 数列に追加されたのは「8」 |
2346810 | 12 | 〇 | -15 | この回の賭けを行うには資金が「39」必要な事に注意 |
3468 | 11 | 〇 | -4 | |
46 | 10 | 〇 | +6 | この勝利で「4」と「6」の数字が消えたので終了 |
※下の表はオッズ3倍でモンテカルロ法を行った時の例
数列 | ベット額 | 勝敗 | トータル収支 | 解説 |
123 | 4 | × | -4 | 最初の数列は「1+2+3」、ベット額は「1+3=4」 |
1234 | 5 | × | -9 | 直前で負けたので数列の右端に「4」追加 |
12345 | 6 | × | -15 | 直前で負けたので数列の右端に「5」追加 |
123456 | 7 | × | -22 | 直前で負けたので数列の右端に「6」追加 |
1234567 | 8 | 〇 | -6 | 直前で負けたので数列の右端に「7」追加 |
345 | 8 | × | -14 | 直前で勝ったので「1」「2」「6」「7」の4つ削除 |
3458 | 11 | × | -25 | 数列に追加されたのは「8」(6と間違いやすい) |
345811 | 14 | 〇 | +3 | 「5」だけが残り終了 |
モンテカルロ法のメリット
連敗した時のベット額の増加がかなり緩やか
下の表は10連敗した時のベット額の変化についてマーチンゲール法とココモ法、モンテカルロ法の三つで比較したものです。
連敗数 | マーチンゲール法 | ココモ法 | モンテカルロ法 |
0連敗 | 1 | 1 | 4 |
1連敗 | 2 | 1 | 5 |
2連敗 | 4 | 2 | 6 |
3連敗 | 8 | 3 | 7 |
4連敗 | 16 | 5 | 8 |
5連敗 | 32 | 8 | 9 |
6連敗 | 64 | 13 | 10 |
7連敗 | 128 | 21 | 11 |
8連敗 | 256 | 34 | 12 |
9連敗 | 512 | 55 | 13 |
10連敗 | 1024 | 89 | 14 |
この表が示す通り、マーチンゲール法やココモ法と違って、モンテカルロ法はベット額の増え方がかなり緩やかであるということが分かります。
特にマーチンゲール法とは雲泥の差で、100倍以上もベット額に差がついています。
マーチンゲール法は負けが一つ増えるたびに倍々ゲームでベット額が増えていくので連敗が重なるとだんだんとメンタル的にきつくなってきますが、モンテカルロ法はわずかずつしかベット額が増加しませんので精神的にかなり気楽に続けられる手法というのがお分かりいただけるでしょう。
このようにモンテカルロ法はベット額の増加が緩やかな反面、マーチンゲール法のように一発で全ての負けを取り戻すなどという爆発力はありません。
負けの取り戻し方もベット額の増え方同様、緩やかに回復していくという形になっています。
一気に資金が目減りするリスクはあるけど一気に負けを取り戻す可能性があるハイリスク・ハイリターンなマーチンゲール法、一気に資金が目減りするリスクはないけれど資金の増え方もゆっくりなローリスク・ローリターンなモンテカルロ法といえるでしょう。
小口の資金でもやりやすい
下の表は10連覇した時の必要資金の変化についてマーチンゲール法とココモ法、モンテカルロ法の三つで比較したものです。
連敗数 | マーチンゲール法 | ココモ法 | モンテカルロ法 |
0 | 1 | 1 | 4 |
1 | 3 | 2 | 9 |
2 | 7 | 4 | 15 |
3 | 15 | 7 | 22 |
4 | 31 | 12 | 30 |
5 | 63 | 20 | 39 |
6 | 127 | 33 | 49 |
7 | 255 | 54 | 60 |
8 | 511 | 88 | 72 |
9 | 1023 | 143 | 85 |
10 | 2047 | 198 | 99 |
先ほどのベット額の変化の仕方同様、モンテカルロ法は必要資金もかなり低く抑えられるのがわかります。
10連敗した際の必要資金はマーチンゲール法とモンテカルロ法とでは20倍以上の差がついています。
マーチンゲール法がなんだかんだで大口の資金を必要とするのに対し、モンテカルロ法は小口の資金でも始められるお手軽な手法ということが分かるかと思います。
耐えられる連敗の上限数が多い
1で書いた通りモンテカルロ法は連敗した時のベット額の増加ペースがかなり緩やかです。
そのため、連敗をかなり重ねてもなかなか資金の上限に達しない、つまり耐えられる連敗の上限数がマーチンゲール法などに比べてかなり多いのです。
例えば手持ち資金1000ドルで1回あたりの基本のベット額を1ドルで比較した場合、マーチンゲール法の場合は9連敗で資金が枯渇しますが、モンテカルロ法の場合は40連敗にならないと資金が枯渇することはありません。
このように耐えられる連敗数がかなり多い、上限数が多いのがモンテカルロ法なのだというのがわかります。
もちろんモンテカルロ法は損失分の回復ペースも緩やかなので、「連敗をする→1回勝つ→また連敗する」というパターンを繰り返すと、連敗数は40連敗と程遠いのに資金が尽きてしまった、というケースが発生することも十分あり得ます。
現実にはこのケースでは20連敗あたりを連敗の上限数と考えるのが無難でしょうが、それでもマーチンゲール法よりははるかに高い連敗耐性があるということができるでしょう。
モンテカルロ法のデメリット
やり方が複雑なので事前にしっかりと練習しなければならない
マーチンゲール法は非常に簡単な手法です。
「負けたらベット額を倍にする、勝ったらベット額を初期値に戻す」、それを延々繰り返すだけです。
何も難しいこともありませんのでマーチンゲール法の存在を知ったその瞬間からすぐに使うことができます。
一方モンテカルロ法はかなり複雑な手法です。
常に「今どの数列を使っているのか」を把握し続ければならないですし、またその数列の数字の増え方も単純ではなく「4+10+16」という飛び飛びの数字の組み合わせになったりするのです。
このため、計算間違いや記述ミスが生じやすいのです。
このようなことからわかるように、モンテカルロ法はただ単にやり方を理解すればすぐに使うことができませんので事前にしっかりと練習を重ねて「体で覚えた」というレベルにまで持っていく必要があるのです。
モンテカルロ法は「たかだかカジノやギャンブルごときで練習なんかしたくない!」という人には全く不向きな手法なのです。
ゲーム時間が長時間になりやすい
モンテカルロ法は損失の増え方も利益の増え方もかなりゆっくりとしたものになっています。
しかしそれは「ゲームのプレイ時間が長くなりがち」ということも意味しています。
長い時間楽しめればそれでいいんだ、というスタイルの人にはデメリットどころかむしろメリットなのでしょうが、「2時間ほどプレイしたのに結局数ドル程度しか利益が上がらなかった・・・」などという、時間的に割に合わない現象が発生しやすいのがこのモンテカルロ法なのです。
このデメリットを避ける方法としては「基本賭け金の単位を上げる」というものです。
例えば今まで最初のベットで1+3=4ドルから始めていたのを8ドルや12ドル、つまり2倍や3倍に増やしていくのです。
モンテカルロ法は連敗した時のベット額の増加ペースがかなり緩やかで、連敗の上限数が高いので数倍ベット額を増やしても破綻リスクはそれほど上がらずに済むのでこういうことも可能なのです。
最後に残った数字が6よりも大きい場合は損失を出して終了となってしまう(オッズ2倍の場合)
モンテカルロ法は「手法そのものは成功で終わったにも関わらずマイナス収支で終了してしまうことがある」という大きなデメリットがあります。
モンテカルロ法は数字をどんどん消していき、最後に数字が一つもしくは全くなくなってしまった時点で終了となります。
ところが「最後に一つだけ数字が残り、なおかつそれが7以上の数字だと損失分を回復していない状態で終了しなければなければならない」という問題が発生してしまうのです。
というのもモンテカルロ法でオッズ2倍のゲームに賭けた場合「6-残った数字=最終的な利益」という法則があるからです。
最後の段階で数字が全くなくなってしまった場合は「6-0=+6」なので、基本ベット額が1ドルの場合は最終的に6ドルの儲けで終了ということになります。
ところが最後の数字が7以上、例えば20などという大きな数字の場合は「6-20=-14」つまり「14ドルの損失で終了」ということになってしまうのです。
このように順調にモンテカルロ法を進めて無事終了させたにもかかわらず結局は損失が出てしまうことがある、というのがモンテカルロ法最大のデメリットなのです。
しかしながら、この損失が出た状態で強制終了せざるを得ないという問題はちょっとした改良を加えることで避けることができます。
それがこの後紹介する「改良型モンテカルロ法」です。
モンテカルロ法のデメリットを克服した「改良型モンテカルロ法」
上で説明した通りモンテカルロ法には最大の欠陥があります。
それは「最後に残った数字が7以上の場合は損失が出た状態で強制終了となってしまう」ことです。
モンテカルロ法で得られる最終的な利益というのは「6-最後に残った数字」という法則があるためです。
最後に数字が残っていない状態、つまり数字が0の状態ならば100%利益となりますが、最後に残った数字が8や10といった7以上の数字の場合は損失が出ている状態でそれ以上ゲームを進めることができず損失を確定せざるを得なくなってしまうのです。
このような問題を解決するために考え出されたのが「改良型モンテカルロ法」というものです。
この改良型モンテカルロ法は2種類あります。
改良型モンテカルロ法その1:左側に数字の「1」をくっつける
最後に数字が一つだけ残ってしまった場合、それがどのような数字であろうと「左側に数字の『1』を加えてゲームを継続する」というものです。
例えば最後に10が残ってしまった場合、左端に数字の1を足して「1+10」の状態、つまり次のゲームでのベット額を11にしてゲームを進めます。
もしこのベット額11の状態で勝利すると数字は1も10も両方消えてしまうので「6-0=+6」となり、利益が出た状態でゲームを終わらせることができるのです。
改良型モンテカルロ法その2:数字を2分割する
もう一つの方法が「最後に残った数字を2分割してゲームを継続する」というものです。
例えば数字の7が残ってしまった場合、分割して「3+4」にしてゲームを継続していきます。
偶数の8だった場合は「4+4」という変則的な数列になりますが、その状態でゲームを継続していきます。
そしてこの場合もその1同様、勝利するとプラス収支でゲームを終了することができるのです。
ではこの改良型その1とその2どちらがいいのか?と言うと、個人的には「その2の方がお勧め」です。
というのもその2の方が最終的な収益が大きくなるケースが多いからです。
モンテカルロ法をバカラで使うには
バカラでのモンテカルロ法の実践の前に確認すべき3つのこと
1.モンテカルロ法が使えるのは「バンカー勝ち」か「プレイヤー勝ち」の二つのみ
バカラには様々な賭けの種類があります。
基本である「バンカー勝ち」や「プレイヤー勝ち」のみならず、「タイ(引き分け)」やサイドベットと呼ばれる「ペア」や「ビッグ・スモール」、はたまた「スーパー6」など多種多様です。
しかしモンテカルロ法が使えるのははこの中で「バンカー勝ち」が「プレイヤー勝ち」の二つのみです。
これはすでに説明したように、モンテカルロ法はオッズが2倍かオッズが3倍のゲームにしか使うことができないという決まりがあるためです。
そしてバカラではオッズが2倍のゲームはバンカー勝ちかプレイヤー勝ちの二つしかなく、しかもオッズが3倍のゲームにいたっては一つもありません。
消去法でこのバンカー勝ちかプレイヤー勝ちに賭けざるを得ないのです。
2.タイ(引き分け)はノーゲーム扱い
モンテカルロ法はバンカー勝ちかプレイヤー勝ちのどちらかに使うわけですが、バンカー勝ちやプレーヤー勝ちのどちらでもない「タイ(引き分け)」という結果になることがあります。
この場合はベットしたお金が全額戻って来るのでノーゲームとして考え、また同じ金額をベットし直すことになります。
3.バンカー勝ちはゲーム数があまりにも多くなるとマイナス収支で終わる可能性がある
バンカー勝ちはオッズが1.95倍と、オッズが2倍を割ってしまっています。
つまり勝利した時に「0.05ずつ利益が削られている」状態なのです。
モンテカルロ法での最終的な収益は「6-残った数字」ですから、残った数字がない状態、つまり本来であればトータル収支が+6になる状態でもそれまでのゲーム数が数百回とかなりの長期戦に渡ってしまった場合はトータル収支がマイナスで終わってしまう可能性もあるのです。
もちろんゲーム数が数百回となるケースというのはレアケースなのでそこまで気にする必要はないと言えばその通りなのですが、最低限「勝利数が一つ増えるたびに0.05ずつ利益が減っているんだ」ということは覚えておいてください。
このバンカー勝利のオッズが1.95倍であるという話をするとこのように考える人がいるかもしれません。
バンカー勝ちのオッズが2倍を割っているのならバンカー勝ちではなく、プレイヤー勝ちだけに賭け続ければいいではないかと思われるかもしれません。
しかしバンカー勝ちは事実上勝率が5割を超えているので話はそう単純ではないのです。
勝率が少しでも高い方が連敗する可能性は低くなり、当然ゲームあたりの期待値も上がるからなのです。
実際バンカー勝ちの1ゲーム当たりの期待値はオッズが1.95倍であるにもかかわらずプレイヤー勝ちよりも若干高いのです。
バカラでモンテカルロ法を行う際のチャート
事前確認の次は実際にバカラでモンテカルロ法を行う際の賭けの流れを確認してみることにしましょう。
- まずは数字をメモ書きできるものを用意する
- バンカー勝ちプレイヤー勝ちのどちらに賭けるかを決める(もちろん毎回賭ける対象を変えてもいい)
- 最初の数列「1+2+3」を書く
- 左端の数値と右端の数値を足した額をベットする
- 勝ったら左端の数字と右端の数字を消して4に戻る
- 負けたらベットした額の数字を右端に書いて4に戻る
- 4から6を数列の数字が一つ、もしくは全くなくなるまで繰り返す
最後に数字が一個だけ残った場合
- 「改良型モンテカルロ法 その1」を使う場合は左端に1を加えて4から6を数字が全くなくなるまで繰り返す
- 「改良型モンテカルロ法 その2」を使う場合は数字を2分割して4から6を数字が全くなくなるまで繰り返す
モンテカルロ法をバカラで使用する場合はこのチャート通りに行うだけですが、実際に使いこなすようになるにはこのチャートを見て理解するだけではいけません。
このチャートを見つつ事前に何度も練習、シミュレーションをすることが大事です。
毎回毎回賭けをするたびに「あれ?次は何をするんだっけ?」などと考えてるようではまだ実戦で使うには早いと言えます。
モンテカルロ法を使用してバカラで勝つには
必ず改良型モンテカルロ法を使うようにする
既に何度も述べていますが、モンテカルロ法は最後に一つだけ数字が残り、なおかつその数字が7以上だと損失が出た状態でゲームを終わらせざるを得ません。
ただでさえモンテカルロ法は長時間にわたりゲームを行うことになりがちなのに、その結果がマイナス収支での終了では何のために時間をかけて我慢し続けたのかわからなくなってしまいます。
このような悔しい事態になるのを避けるためにも、モンテカルロ法は一般的に使われているノーマル版の方ではなく、この記事紹介した「改良型モンテカルロ法」を使うようにしてください。
改良型モンテカルロ法はその1とその2の二つがありますが、「その2の方が収益が大きくなりやすい」のでこちらがおすすめです。
ゲームにかけられる時間を長めに取れるタイミングでプレイする
モンテカルロ法は損失の増え方も利益の増え方もかなりゆっくりとしたものです。
それゆえにリスクを低く抑えられるのですが、同時にプレイ時間がどうしても長くなってしまいがちです。
あまり時間に余裕がない時にモンテカルロ法を行うとどうしても焦りやイライラしてしまって集中力を欠いてしまい、計算が複雑であることも相まってミスをしてしまいがちです。
時間に余裕がない時はモンテカルロ法そのものを行わないようにするか、もしくは後述するように一単位当たりのベット額を増やすなどの対策をする必要があります。
バカラでモンテカルロ法を使用する際の注意点
プレイ時間を短くしたい場合はベット額を増やすことも考える
マーチンゲール法などとは違い、モンテカルロ法は連敗しても必要とする資金の量はそれほど増えません。
このことを利用して「一単位あたりのベット額を増やして手持ち資金の増減ペースを大きくしてしまう(ボラティリティを大きくする)」のも一つの手です。
モンテカルロ法はどうしてもその資金増減の緩やかさからゲーム時間が長くなりがちです。
時間がたっぷりあり長く楽しみたい人には問題ないでしょうが、「できるだけ早く勝負を決めてしまいたい」という時には「一単位あたりのベット額を増やす」、つまり1ゲーム目の数列が1+3=4ならば4ドル、もしくは400円でスタートするのが一般的ですが、これを2倍の8ドルや3倍の12ドルではじめてみるのです。
もちろん一単位あたりのベット額を増やすと破産する確率も上がるわけですが、それと引き換えに目標とする利益を得るための必要時間も短くなります。
オンラインカジノは儲けるだけではなく楽しむことを目的の一つですから、いくら破綻リスクを抑えるためとはいえゲームに時間がかかってイライラするくらいならば、このように多少リスクが増えてでもベット額を増やすというのも選択肢のひとつとして考えることができるのです。
モンテカルロ法の流れが完全に頭に入るまでは絶対に実践に使ってはいけない
何度も述べていますがモンテカルロ法はそれなりに複雑な計算や操作を要求してきます。
他の手法、例えばマーチンゲール法やココモ法などのように理解さえすればすぐに使えるというものではありません。
モンテカルロ法はやり方を理解し、なおかつやり方を完全に身につけた状態でなければミスが発生しやすいのです。
そのためにも実践の前に何度も何度もシミュレーションを行って体に覚えさせることは非常に重要です。
バカラのモンテカルロ法のまとめ
モンテカルロ法は昔から「有名ではあるけれど実際に使っている人は少ない」という手法でした。
それはやはりモンテカルロ法の複雑さ、煩雑さが原因ということができます。
しかしモンテカルロ法はそのような複雑さ、煩雑さと引き換えに「破綻リスクを低く抑えつつ収益を右肩上がりで増やし続けることができる」可能性を持った手法なのです。
マーチンゲール法やココモ法のような派手な値動きはありませんが、長い時間をかけて楽しみつつコツコツと利益を上げたいという人にはうってつけの手法といえるでしょう。