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南アフリカ中央銀行が分散型台帳システム【KhoKha】の実証実験に成功!!!
2018年9月3日~2018年9月9日にかけて、シンガポールで【Fintech&Regatech Gobal Summit】が開催されました。
その中で、南アフリカの中央銀行である南アフリカ準備銀行(SARB)が脚光を浴びました。
南アフリカ準備銀行(以下:SARBと表記)が注目されたのは、SARBが2018年初頭から行っていたプロジェクトである【KhoKha(コッカ)】が、先進的な分散型台帳を利用した取り組みだとして、最優秀分散型台帳イニシアチブ賞:【FinTech&RegTech Best Distributed】を受賞したからです。
南アフリカ準備銀行(SARB)が取り組むKhoKha(コッカ)とは?
SARBが行ったプロジェクト「KhoKha」は、大規模な分散型台帳の実証実験です。
今回の実証実験では、銀行が抱えているスケーラビリティ問題や、プライバシー問題など様々な問題点のソリューションとして分散型台帳に応用しようとしたもので、イーサリアムをベースとしたネットワーク技術のクォーラム(Qurum)を利用しています。
そして、プロジェクトに参加した各銀行間で分散型台帳を作成し、クォーラム(Qurum)のシステム上でトークン化された仮想通貨の担保・償還・追随することに成功しました。
このトークンは、SARBの預金と結びつき信頼を証明する役割があります。
各銀行はノードのセットアップのみを担当することで、負担を軽減しつつノードの分散が可能となりました。
SARBも、わずか3か月間の間に、この分散型台帳システムの設計・構築を完了させ、2018年2月から4か月弱でテストを行い、無事成功させています。
つまり、95%の取引が1秒未満で、99%の取引が2秒以内に終了するという期待通りの処理速度で、全く問題がないことからSARBは、
テストの成功は、今後のグローバルな取引処理の改善に向けて、規制当局にとって銀行のセキュリティとプライバシーの問題に対処する必要性を示しています。
と、公式サイトで述べ、実用化に向け現実的な動きを見せる方針です。
※今現在の段階では、利用されている従来の決済システムであるRTGSに代替することは無いと南アフリカ政府が発表しています。
南アフリカ中央銀行(SARB)の目指す今後の将来
今回のKhoKhaプロジェクトの目標は、金融インフラの原則を維持しつつ、取引を正確かつ迅速に行うことでした。
今回のKhoKhaプロジェクトはその目標を達成したことで、現段階の技術レベルの最低保証を行いました。
KhoKhaプロジェクトによって、トランザクション処理時間、セキュリティ、プライバシー、パフォーマンスなどの具体的な課題点をSARBは、把握しています。
ですので、次回以降、SARBはKhoKhaプロジェクトより高い目標を掲げ、実証実験を積み重ねる見通しです。
今回の成果をうけてSARBは、
規制当局はこの技術革新に歯止めをかけるような規制をするべきではない。
世界各国の政府は発展途上の技術に対する規制の在り方を考え直すべきだ
と発言しています。
南アフリカの仮想通貨市場が世界に与える影響
仮想通貨を扱えるATMを設置するなど、すでにジンバブエや南アフリカでは仮想通貨が生活基盤として動き始めています。
ブロックチェーンの開発や、規制が少ないことによる技術革新のスピ―ドは日本の比ではありません。
南アフリカなどのデベロッピングカントリーが、ヨーロッパ諸国を抜きアメリカに次いで仮想通貨市場を、けん引する存在となる日はそう遠くないのかもしれません。
【参考文献】